○ 今後の流域委員会の流れとしては、 @淀川水系に関する治水、利水、環境について現状認識の共有化 A淀川水系に関する課題を分析し、整備計画の元となる考え方を出す B河川管理者から出された整備計画の原案を審議する の3つの段階があると思う。
○ 川那部琵琶湖部会長、寺田淀川部会長、池淵猪名川部会長代理より、第1回部会及び第2回部会(現地視察)の概要について説明があった。
○ 河川管理者より、前回委員会における説明の補足として、資料2について以下の説明があった。 ・治水について - 破堤の事例 - 越水破堤 - 浸透破堤 - 洗掘破堤 - 破堤危険箇所の総括 - 破堤による被害の状況 ・利水について - 水利用の状況
- 破堤の事例 - 越水破堤 - 浸透破堤 - 洗掘破堤 - 破堤危険箇所の総括 - 破堤による被害の状況
- 水利用の状況
○ 琵琶湖部会に関しては、湖東だけでなく湖西も視察する必要がある。また、琵琶湖にとって重要な河川についてもチェックしなければならない。 ○ 色々な所を視察するのは重要だが、時間的なことが問題である。他の委員がどう考えるかにもよるので、視察が可能かどうかの議論が必要である。(琵琶湖部会長) ○ 淀川において、この1、2年の間、鮎が上ってきている。専門家の話等をまとめると河口から上って来ているようで、漁業環境が良くなっている。逆に、琵琶湖に関しては、良い漁場だった所が、状況が悪くなっていると、現地視察に参加して感じた。 ○ 鮎は、昭和30年代に殆ど見なくなり、昭和50年代から見られるようになってきた。淀川大堰に魚道があり、昨年改修した。調査によると、淀川大堰から上ってきているのは事実のようだ。(河川管理者) ○ 将来、高時川や姉川の水量を丹生ダムと姉川ダムでどう連携して調整していくのか。下流の漁業を営む人々に影響がでないようにできるか。 ○ 利水について、水の使い方については説明してもらったが、川としての使い方についての説明を受けていない。川を利用した産業に従事し、生活を営んでいる人も多い。そういう人達にとっては、治水と同様、重要な問題だと思う。 ○ 利水に関する根本的な考え方として、環境を考慮していないように思われる。予想される需要を絶対条件として計画を立てているのではないか。環境に負荷をかけないために可能な供給量を考え、社会の節水の目標値として提案していく必要がある。そういったことを議論するために必要な情報として、水を節約するためにどのような方法が提案されているのか、どのような技術があるのか、等の情報についても説明して欲しい。需要をどれだけ減らすかという考えも必要である。 ○ できるだけ流域やまち、川をつなぎ、行政と学者や専門家が一緒になって考えていかなければならない。例えば、スーパー堤防について、堤内、堤外の連続性を考えるため、協議会を持って欲しい。 ○ 短期的には、治水について先ずどこから対策を行うのか、生態系についてはどこがポイントなのかを考えていく必要がある。 ○ 長期的な視点で考える際は、道路や住宅などの総合土木や、農林水産省が管理する水等、全てを考えなければならない。 ○ 環境面での説明が欠けている。これまでの説明のような、治水に関する技術的な問題はもう解決しているのではないか。これまでのやり方をどう変えるのかを考えていくべきではないか。 ○ 現地視察の際に、丹生ダムでクマタカが営巣に失敗したという説明があったが、以前、NGOで現地調査した時には、河川管理者よりクマタカが営巣しているという説明はなかった。将来、河川整備計画を立てていくにあたって、環境等重要なことが出てこなければ議論できない。 ○ 治水の安全度について認識することも重要だが、環境面での問題点の認識も重要である。委員からも情報を提供してもらったほうがよいかもしれない。(委員長) ○ 現在は現状について客観的なデータを提出している段階で、課題については一切説明していない。また、現状については治水から説明を始めており、環境についてはまだ説明していない。これから順を追って説明していくつもりである。治水についてクリアしていると言われるが、今回のような破堤のデータを公の場で示すのは、国土交通省として初めてである。(河川管理者) ○ いつ、どのような説明があり、何を議論するのか、ある程度の見通しを示したものを提示する必要がある。 ○ 河川は変動するということを考慮した通水能力の計算をしてほしい。洪水時には、川幅が広がっているところに土砂が溜まり、その部分の水位が上がることが容易に起こる。 ○ 河川環境への思いというのは人それぞれ違うので、社会的な側面と自然的な側面も併せ、検討して欲しい。どういう生態系がシステムとして成立すれば良いのか議論したい。 ○ 現地視察のコースは、河川管理者が設定していたが、今後の現地視察のコースを設定する際には、地域の特性に詳しい委員等の意見も聞いてほしい。 ○ これからどういう議論をするかを考える際にポイントとなるのは、 @ どこまで治水の安全度を許容するのか A その許容範囲を超えた場合のソフト面での対策についても、整備計画のメニューに入れるのか ということがある。また、そのようなことを河川管理者から原案が出されてから考えるのか、もしくは我々がその原案を作るのかといった議論があると思う。 ○ そのような議論は現状を把握してからの話になる。今後の進め方については、運営会議で議論して決めたい。(委員長) ○ この流域委員会は、従来と違ったものを目指そうとしている。今までの審議会では、既に案が出来ており、それについて議論していた。色々な専門家が集まっているが、他の分野に関しては素人なので、実質的な議論を高めるためには、共通の基盤が必要である。共通の基盤づくりに十分時間をかけたほうがよい。スケジュールや行程は、委員が主体的に作っていくものであり、行政に頼るという意識を乗り越えなければならない。委員会の実質的な検討能力を高めることが必要である。(委員長代理) ○ 直轄河川だけで議論すべきではない。直轄以外の河川の議論をする場合には、「淡海の川づくりを考える懇談会」のような他の委員会等との情報交換も行っていく必要がある。 ○ 氾濫原の管理は重要であるので、説明してほしい。 ○ 氾濫原の管理としては、浸水予想区域を示し、各市町村がハザードマップを作成している。(河川管理者) ○ 氾濫原の管理については重要な問題なので、一度、そのための時間をとりたい。(委員長) ○ 治水について、工学的な情報に偏っていて、水防組織等、ソフトな部分の情報が不足している。社会システムの現状や、人の行動についての情報も、将来を考える上で重要である。 ○ 氾濫原の管理については、浸水予想区域の図だけでは不十分で、住宅や森林の情報が必要である。将来、森林や住宅がどう変化するのか、予測的なことも議論する必要がある。 ○ 河川整備計画に盛り込む、最終的な川づくりの絵を想定して議論する必要がある。 ○ 河川管理者の説明に加え、文化や歴史的な問題をどこまで結び付けていくのかという議論が必要である。こういったことまで考えるとなると、時間がかかるので、勉強する回数を増やすか、重点的に問題を絞って議論するといった工夫が必要ではないか。 ○ 各自治体が100年先を見据えた都市計画プランを立てていたが、実現していないように感じる。その原因としては、住民側のモチベーション、動機づけが欠けていたからである。そこで暮らしている住民から意見をくみ上げ、ダイナミックに計画に組み入れることが重要である。 ○ 1年半をかけて、それ以降のプロセスを作り上げるのがこの委員会の役割である。この委員会は、新海浜等の短期的な問題について議論する場ではなく、切り分けが必要である。また、計画に盛り込むべきことをこの場で議論するのであれば、委員会の総意というものが何を示すのか考える必要がある。 ○ 治水については、今回の説明のように計算通りになるかどうか、実際に雨が降ってみないと分からない。実際、洪水の際は、波を打つように流れるので、計算より水位が上がる場所があり、そこが越水する可能性もある。実際、起きてみないと分からないという認識も必要である。ただし、そこまで想定しても計算できないことも事実である。 ○ 単に自然環境だけを考えるのではなく、都市や人口等、他のことも考える必要がある。環境に関しては自然環境、社会環境、文化環境の3つについて考える必要がある。人は、文化のフィルタを通して自然環境を見ているが、フィルタ自体が変わることも考慮に入れる必要がある。 ○ 現状認識の段階で、河川管理者だけに説明してもらうのではなく、委員や場合によっては一般の方からも知っている情報を出してもらうべきである。
○ 一般からの意見について、言いっ放し、聞きっ放しになっているのではないか。 ○ 国土交通省からの説明だけでなく、経済産業省や農林水産省など他の省庁からの説明も必要なのではないか。 ○ 一般からの資料提供について、今の方法を再考する必要があるのではないか。もう少し意見交換の時間をとって欲しい。
○ 資料3について庶務より説明があった。
○ 次回委員会では、今後の検討の流れについて議論する。 ○ 淀川水系の環境についての現状説明を、河川管理者と委員からして頂く。
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