淀川水系流域委員会 第6回委員会 議事録



日時 平成13年11月29日(木)13:00〜16:30

場所 新都ホテル 地階「陽明殿」




○庶務(三菱総合研究所 新田)
大変長らくお待たせいたしました。これより、淀川水系流域委員会第6回委員会を開催させて頂きたいと思います。

司会進行は、私、庶務を担当しております三菱総合研究所の新田がさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

では、審議に入る前に、幾つかのご報告と確認をさせて頂きたいと思います。まず、配付資料ですが、事前に委員の方々に送付している資料も、全て皆さまのお手元にご用意しております。

最初に「議事次第」、それから「発言にあたってのお願い」、これは黄色い紙です。資料1「各部会の開催状況について」は、ちょっと分厚い資料ですが、各部会の状況についてご説明しております。それから、資料2は「現状・課題・方向性検討についての説明資料」ということで、資料2−1が水山委員からの提供資料です。水山委員からは補足資料といたしまして、「瀬田川の砂防」、「木津川の砂防」のパンフレットを2種類ご用意頂いております。このパンフレットについては部数の関係上、委員の方のみの配付とさせて頂いておりますので、一般の方々には、受付の方に閲覧用の資料を置いております。そちらの方をご覧頂ければと思っております。それから、資料2−2、同じく宗宮委員からの提供資料、資料2−3、江頭委員からの提供資料、この3種類となっております。

それから、資料3−1は「委員および河川管理者から提出された検討項目、ご意見とりまとめ表」ということで、これについては、委員会の委員の皆さまにご紹介をさせて頂きました今後の検討課題についての意見を取りまとめたもの、さらに部会委員の方々の意見も、全て盛り込んでいます。それから、資料3−2は、「各委員・河川管理者の提案内容」ということで、資料3−1の原文を掲載させて頂きました。資料4につきましては「検討スケジュール(案)」ということでお出ししております。それから、資料5は「会議運営に関するお知らせ」です。

最後に、参考資料1は前回の委員会の速報です。それから、参考資料2「委員および一般からの意見」ということで、これら全ての資料をお手元にそろえております。足りない資料がありましたら、庶務の方までお申しつけ下さい。

それから、本日、参考のために各テーブルに1個ずつ、第2回委員会で用いました淀川水系の現状説明に関する資料の分厚いファイルを置かせて頂いております。適宜、ご参考として、ご覧頂ければと思います。

それから、本日、マイクはワイヤレスのマイクを用意しておりますので、発言の際には、お手を挙げて発言して頂くように、よろしくお願いいたしたいと思います。係の者がマイクをお渡しいたします。

それから、後ほど、一般傍聴の方々にご発言を頂く時間を設けております。発言にあたりましては、黄色い「発言にあたってのお願い」をよくご覧頂いて、お願いいたします。なお、委員の審議中には、一般の方々の発言はご遠慮頂いておりますので、ご協力をお願いいたします。

では、審議に移りたいと思いますが、本日は16時までの予定で会を終えたいと思います。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、芦田委員長お願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

皆さま、委員会にご出席頂きまして、ありがとうございます。当委員会も回を重ねてまいりまして、本日は第6回ということです。今までは現状把握ということを中心に勉強してまいりましたが、いよいよ今日から、現状の問題点の抽出、それをどのような方向で改善していくか、検討の方向性、そういう議論に入りたいと思っているわけです。

それでは、議事次第にありますように、最初は各部会から開催状況についてご報告頂きまして、その後、4人の委員から、それぞれの分野についての現状、問題点、それをどのような方向で改善していくかについてご提案して頂きます。時間が短いので、あまり細かいところまではいかないでしょうが、どのような方向で整備していくべきかというご提案を頂いた後に、その課題・方向性の検討について20分くらい討議の時間をとっております。

それぞれの委員の方には発表を15分くらいお願いしまして、あと5分は質疑ということでお願いしたいと思っております。非常に楽しみにしておりますので、ひとつよろしくお願いします。

委員からの説明の後、10分ほど休憩しまして、「今後の検討課題等について」という議論をする予定です。大体来年の4月頃に原案作成のための提言案を取りまとめようということでございますので、それを今後、どのようなスケジュールで進めるか、課題をどのように検討していくかということを、今日この場で議論したいと思いますし、それを受けて、できれば残りの時間を使って、河川整備の理念的な問題や総合的な問題、基本的な問題について、ご討議頂ければありがたいと思っております。よろしくお願いします。

それでは、各部会からのご報告ですが、資料1にありますように、各部会長から、ポイントをご説明頂きたいと思います。琵琶湖部会長の川那部委員からお願いします。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

前回委員会の後、資料1にありますように5回、6回、7回と部会を開催いたしました。
5回目の部会では「河川管理者」の説明の後、村上委員、寺川委員からお話を頂きまして、6回目の部会では井上委員、松岡委員、小林委員、「河川管理者」その他からご説明を頂きました。7回目は、安曇川の上流の方まで現地視察を行いました。資料に、かなりきっちりと書いてあるように思いますので、ご覧になって頂いて、もしまたご質問等がございましたら、後でお願いいたしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

部会でも、課題について検討を始めて頂いているようでして、委員会でも今日は基本的な課題、理念的な問題についても、ちょっと討議する時間がありますので、その時にでも部会の方からご報告頂ければ、ありがたいと思っております。

それでは、淀川部会長の寺田委員、お願いいたします。

○寺田委員長代理(委員会・淀川部会)

淀川部会の方ですけども、細かい内容は資料1の22ページから出ておりまして、一番最近は、3日前に第9回の部会を開催しました。

第8回、第9回の部会では、検討課題と考えられるものを委員の皆さまから出して頂いて、それを元にして基本的な部分、理念、基本的な施策についての考え方等の討議から始めました。まだ議論の最初といいますか、まだまだ、噛み合った、そう深い議論ができているわけではありません。

ただ、これから後、先ほど委員長も言われましたように、4月の原案作成のための意見の取りまとめまでの間に4回の部会を予定しておりまして、その間には、少なくとも十分な議論を行いたいと考えております。

結局、理念の転換についていろいろと委員の方に意見を出して頂きましたが、理念の転換というものが一体、基本的な施策の中でどう変わるのか、どう変えなければいけないのかという議論を、是非部会でやっていって、そして、この委員会に反映できるようにしたいということを目標に考えております。

○芦田委員長(委員会)

ありがとうございました。

猪名川部会長の米山委員お願いいたします。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

他の部会が非常に回を重ねておられますのに、猪名川部会はこれまで5回の開催だけで、この次は12月18日に第6回目を開催する予定でおります。少し遅れているという感じもしますけれども、流域面積からいいますと、このくらいのバランスかなという感じも、しないではないのです。そのようなことで、できるだけ、他の部会と同じように、追いつき追い越せという形でやろうと思っております。

資料1の32ページ以降に、内容についてまとめていますので、それをご参照下さい。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

また討議のときに、いろいろなお話を頂くということですので、早速、委員からの説明に入りたいと思います。

最初に、江頭委員から「河相(川の姿)について」という内容で、15分ほど、お話し頂きたいと思います。

○江頭委員(委員会・琵琶湖部会)

「河相について」ということで、まず、河相の形成の話と河相の事例、これは木津川の例ですが、その話題を提供させて頂きまして、最後に、好ましい河相とはどのようなものかという話をさせて頂きたいと思います。
OHP、資料3−2を用いて、河相(川の姿)についての説明が行われた。
  • 河相とは川の顔、姿、形状のことであり、これはは対象となる区間の川幅、勾配、河床材料、植生、上流側・下流側側の流量・流砂条件等に依存してされて形成される。

  • 木津川下流域の例をみるで言うと。、社会基盤の整備が急務であった昭和30年代後半から昭和40年代における大量の砂利採取、および上流域にダム貯水池が作られたことによって、著しく河床はわずかに低下した。その後、昭和46年に砂利採取が禁止されたことによって河床低下は緩和され、この30年間の平均河床低下量は、年間約0.64cm程度になっている。河床材料は粗粒化する傾向にあり、流砂の主要な部分は上流から輸送されたものがそのまま下流に流されている。

  • このような河床変動の過程において、砂州への細粒砂の堆積が進むとともに、河床材料の粗粒化・移動性の低下等により、砂州の固定化、陸地化および植生化が進みつつある。

  • 洪水疎通能力については、河床低下によるり疎通容量の増大がみられる一方、植生による洪水疎通能力の減少がみられる。、実際の疎通能力を評価しておくことが必要である。

  • 総体として変化は少ない。ダム・砂防施設が存在しないものとしてない場合、河床変動を予測すれば、河床は年間約22cmずつ上昇することになる。し、これは木津川が天井川になることを意味しており、洪水氾濫が頻発した昭和中期までの状態に符合する。。河床材料は粗粒化する傾向にあり、上流からの流砂がそのまま下流に流されている。

  • 流路、河床高、河床材料、水位、植生、水質などの現象が一方向に進む、たと えば河床が低下する一方であったり、河床材料が粗粒化し続けるような河川は良い河相とは云えない。一方、それらが許容範囲で適度に変動するのが、良い河相と考えられる。悪い河相とは、流路、河床高、河床材料、水位、植生、水質、などの変化の現象が一方向に進むことをいう。一方、それらが許容範囲内で適度に変動するのが、良い河相といえる。

  • 良い河相を維持するためには、砂をコントロールしながら流す必要があり、る。そのためには水も必要であって、たとえば、中小洪水を有効に利用することなどが流すことが求められる。しかし、そのための事業費の確保や水資源開発等の課題を検討するが必要がある残されている。

    (質疑応答)
    Q:流砂のバイパスが必要とのことだが、琵琶湖の場合、湖岸の侵食との因果関係はあるのか。
    A:多分あると思う。(江頭委員)
    ・流砂のバイパスを実際に施工してうまく行っているところもある。(委員長)
    A:熊野川上流の旭ダムや、黒部川などで行われている。(江頭委員)
    A:ダムを作った場合は特に、このようなバイパスが必要だと思う。(委員長)

○芦田委員長(委員会)

どうも、ありがとうございました。

只今のお話につきまして、簡単なご質問がございましたら、どうぞお願いします。

今のお話は、砂があまり流れてこなくなって川が固定化した、即ち川の生命力が失われたということでした。流路がどんどん変動する、生きた川が、生命力を失ったようだというようなお話で、それを改善しなければいけないということでした。

もう1つは、お話にはなかったのですけれども、平時の流量が非常に少なくなって、水が流れていないところがありますね。それも、川の姿としては非常にまずい姿であると思います。時間の関係で省略されたと思うのですが、そのようなお話でした。

何かございませんでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

流砂のバイパスが必要ということだったのですが、それは、これまであまり取り上げてないように思います。琵琶湖の場合ですと、湖岸の浸食というのが各地で進んでいますが、やはり、その辺は因果関係があるのでしょうか。

○江頭委員(委員会・琵琶湖部会)

多分あると思います。上流から流れてくる砂が少なくなっていますから、それはないとは言えないです。もちろんいろいろな要因がありますから、はっきり言えない面もありますが、多分関係があるということでよろしいですか。


○芦田委員長(委員会)

流砂のバイパスを実際に施工して、うまくいっているところがあります。

○江頭委員(委員会・琵琶湖部会)

この流砂バイパスにつきましては、具体的には熊野川上流の関西電力の旭ダムでもやられていますし、或いは、黒部ダムの排砂も一種のバイパスと言ってもよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

ためていた土砂を一遍に流すと非常にまずいことが起こりますが、ふだんからずっと流していれば非常によいと思うのですね。今おっしゃった流砂のバイパスは、是非やらなければいけない問題だと思いますね。ダムをつくった場合においては、特にそうです。
どうも、ありがとうございました。

それでは、生態系のお話だと思うのですが、川那部委員からお願いします。

○川那部委員(委員会・琵琵琶湖部会)

題は「琵琶湖・淀川水系の自然・文化環境の捉えかた」です。
OHPを用いて、琵琶湖・淀川水系の自然・文化環境の捉えかたについて説明が行われた。
  • 知恵を出すのは、政府ではなく住民である。政府はそれを支えるためにある。

  • 生態系や自然、特に生物について考える場合、短い時間と長い時間の双方を意識して考えることが大切である。生物は、ほんの短い時間であっても生きるための環境を失うことは許されない。一方、種の進化には少なくとも数千年を要するが、何十万年、何百万年たっても性質を変えない生物は多くいる。生態系全体の流れからみれば種の変化に要する時間もほんの一瞬で10万年、100万年という長い時間感覚を頭に入れておくことが大切である。

  • 自然を作れるのは自然だけであり、人の手で自然を作ることはできない。「多自然型川づくり」などといった言葉は、人が自然を作れるような錯覚を招く。

  • 琵琶湖・淀川水系は世界的にも珍しく長い歴史持っている。ゆえに文化的な意味も含めて議論する必要がある。また、あらゆることは、自然の予定表に組み込まれている。琵琶湖をダムのように使い、水が多い時に水位を減らし、水が少ない時にためておくことは、ある意味素直な考え方であるが、自然の予定に逆らう行為であり、その問題を議論する必要がある。

  • 現状に改良を重ねて自然を回復するのではなく、環境を破壊してきた開発自体の仕組みを根本から改変していくことが重要である。権益を尊重したうえで「環境にやさしい」と言うのは無意味である。

  • 「生態系的管理」「生態系的アプローチ」といったように、人間主体の言葉の使い方をするのではなく、これからは「生態系を中心においた河川管理」こそ大切である、とはっきり断言したほうが面白い。また、そのためには、その地域にどのくらいの人が住むのが適当なのか、という環境収容能力も考慮するべきである。

  • 琵琶湖・淀川水系を考えた場合に、現実から出発して具体的に考えることも重要であるが、10万年、100万年先まで人間が生きる場合に何が必要かを考えることも重要であり、それが自然文化環境の捉え方の一般的なことだと考えている。

    (質疑応答)
    ・環境や生物の問題は、科学的な平均値で測るものではない。ある一瞬、ある場所という固有の視点が重要である。また、人間がいなくなったらどうなるのか、貴方一人、私一人だったらどうするか、といった仮説的な内容も報告書に盛り込んでいけるような手法を考えたい。

    琵琶湖部会では部会長をしていますので、そこでは先に言うべきではないと思い、1人の委員としてまずここで、思っていることをそのまま言わせて頂きました。いろいろな意味で、物議を醸す可能性が十分にあると思いますので、いろいろとご議論頂けると大変ありがたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

どうも、ありがとうございました。

川についての大変重要な視点をお話し頂きました。川那部委員のお考えを河川整備計画にどのように生かしていくかというのが難しいところでありますけれども、おっしゃっている点は、まさにその通りだという感じもいたします。

何か、ご質問はありますでしょうか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

私自身も殆ど今のお話全体に賛同いたしますが、そのことをもとにして、これからどうするかという提案を、2点ほどしたいのです。

1つは今、検討項目ということで個別に出ていますけれど、環境なり生き物の問題というのは、平均値ではないということです。今まで平均値というものを尊重して、近代科学なり近代技術というものが発展してきました。しかし、平均値ではなくて、ある一瞬という時間、或いは、ある一場所というものが大変重要だというメッセージだと思うのです。そのことを、意見をとりまとめる際、最終報告書のようなところにどう取り込んでいくのかということを、手法としても考えなければいけないと思います。

私自身は、具体的な提案としては、資料3−1にずっと項目で上がっているものを、例えば大阪市の桜宮や、京都市の下鴨のような個別の典型的な場所が、過去100年とか200年、どう変化したのかということを提案したい思います。それに対して、これから、その地元の人たちはどう考えていくのだろうというような、いわば固有性として表現できるもので、今の川那部委員の提案を見ていくと、そこには1匹の蛍も、或いは1匹の魚も関わってくるかもしれません。そういう表現というのが、1つ必要なのではないかと思いました。

それから、もう1つは、人間が全くいなくなったらどうなるのかということです。確かに今の人間活動は、環境容量を超えています。そういう一種の思考実験のようなものも最終報告書の中に入れることが、結局、自分たち1人1人の問題意識につないでいけるのではないかと思います。これはいわばサブシディアリティーの原則(補完性原則)というのですけれど、どうしてもマスで議論をしていると、全て遠い世界になってしまうのですが、それを1つの地域、1つの家族、1人1人というところにつないでいくための方法としての架空の実験、つまり、あなた1人、私1人だったらどうするかというようなところの、層別につないでいけるような部分も、ここで最終報告書として入れられないでしょうかという提案です。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

その他に何かありますでしょうか。

いずれにしましても、河川整備計画をつくる人たちが、我々の意見を活かせるような形にしておかないと、なかなか生きてこないということがありますので、その辺りをもう少し進めた議論をしたいと思います。基本的には、おっしゃったことに間違いはないというか、おもしろい考えだと思うのですけれども、それをどうつなぐかというのが、私自身として全然見えていませんので、またいろいろ、ご指導頂きたいと思います。

それでは、水環境、水質の問題について宗宮委員からお願いします。

○宗宮委員(委員会・琵琶湖部会)

ご紹介にあずかりました京都大学の宗宮です。
私は水質工学の専門ということで、「水質の話をして欲しい」とお伺いしておりました。水質問題については既に皆さまもよくご存じかと思いますが、現況で、やはり次の25年後に向けてどうするのかという話が、多分、河川整備計画の中では重要になるだろうというところで、その辺に向けて、何か問題点はあろうかというようなところを幾つか拾ってみました。
ただ、ポイントは、先ほど川那部委員からもお話がございましたが、公害の時代から環境の時代へ、河川はどう動くのか、どこに評価価値を置くのかということが、ポイントになってくるだろうと思います。
パワーポイントを用いて、「琵琶湖・淀川の水質の現状と課題」について説明が行われた。


(主な説明内容)

水質管理について

  • これまでの公害の時代から環境の時代へと移行する中、河川整備もどこに評価価値を置くかが、ポイントになってくるだろう。ントとなってくると思う。

  • 生活者は河川を利用するという立場で、行政は為政者として河川を守るという立場でこれまで河川管理を行ってきた。が環境の時代を考えた場合、我々は生態系を預かっているといった今までと違った立場を考えることによって、河川管理のあり方も見えてくる。また、意識の変化により、生活者の水の使い方等の変化も念頭に入れ河川整備計画を見直してもよいのではないか。

  • 河川整備が進み、洪水対応は技術的にできあがったといえ、今後、氾濫域の管理をどうするかが抜け落ちている。一方で、スプロール化が進む中で、都市の自然が消滅したことに対して河川サイドから見直して欲しい。

  • 水質の管理・監視については30年前の公害、有機性汚濁の防止を目的としてつくられたままである。利水者は個別に水質管理を行っているが、その結果を統合してひとつのまとまった結果を出すには至っていない。また、河川管理者による毎日の水質管理と住民への情報提供も実質的には行われていない。行政と利用者間で水質に対する感覚のずれがあり、利用者の価値評価を反映するようなシステムが必要ではないか。

琵琶湖の水質調査について

  • 琵琶湖では湖水の水位測定を1974年から毎日行い、他の水質調査も様々な機関が様々な分析を行っているが、データがどこにも集積されていないというのが現状である。

  • 1966年から年1回行われている48地点の定点調査はよく使われるが、全地点で計測すると平均値は変更するだろうし、75%値以外の数値は考慮されないという問題がある。

  • 北湖の縦断面的水質分布の経年変化をみると水質が悪化しているが、このようなデータは解析・公表されておらず、公表されている表層水の水質データだけでは汚れがわからない。

  • 調査の地点によって、また、水深によって水質が異なる。琵琶湖の水質は一体どの指標を用いるのか、何を管理するかということが問題になってくる。

  • 窒素やリンの琵琶湖への流入出量の大部分が湖底に堆積し、琵琶湖の水質は綺麗になっても湖底は汚染されている。また、琵琶湖における3ヶ月間の窒素、リンの存在量は様々な要因によってその変動幅がかなり大きく琵琶湖の水がきれいなのか、汚いのかを判断できない。

今後の河川流域環境の課題

  • 現在行われている水質調査には問題があることを念頭におき、調査した結果をもっと早く住民に知らせ、住民が水を利用する際に、その水質状況がわかるようにするべきである。川そのものは広範な生態系、水と密接に繋がっているため、人間が住む場や河川流量、地下水等も含めた水賦存量を考えた上で、川はどうあるべきかを考える必要がある。流域中の水辺率や緑率、水量率等、違った次元の評価尺度を導入し、様々な場所でリアルタイムに計測した水質の状況を住民に見てもらいたい。河川側からみた水質環境基準値、排出基準値の見直しを行えば、河川側からみた水質のあり方はどうあるべきか、浮かび上がってくるのではないかと思う。
(質疑応答)
Q:水質測定の結果をこれまで公表できなかったのは何故なのか。
A:水質測定にはある目的のために調査を行うので、その目的のためだけに利用されていた。環境管理を目的とした水質調査がどのような状態にあるかはまだわからない。人が住む水辺としての水質測定という話になれば、測定地点が問題になるので、誰も測定していないことになる。また、水質に対しては、月に1度測定した数値で十分だという世論の評価があった。

○芦田委員長(委員会)

どうも、貴重なお話をありがとうございました。

ライフスタイルを変えないといけない、水管理をどのような目標でやるのか、そのためには現状では不十分だということで、いろいろな具体的な提案をどうもありがとうございました。
ご質問があろうかと思いますが、何かありますでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

今のお話は非常によくわかったのですが、このような水質の状態については、もっと早くからわかっていたのではないかと思います。いわゆる水質測定の仕方とか琵琶湖の現状把握、或いは、それを情報公開していくというようなことが、これまでできなかったというのは、どのようなことが原因なのでしょうか。

○宗宮委員(委員会・琵琶湖部会)

ある目的があって、お金をかけて水質調査を行うということですから、まず、その調査目的に結果をお使いになっていまして、環境管理用の水質というのが、どこで、どうとられているかというのは、まだ疑問があります。水道は、水道用として原水が適合するかどうかということを目的として水質を測る、漁業サイドは漁業サイドで、それに合うかどうかを目的としてお測りになるということなのです。

ですから、それらもあわせて、人が住む水辺としての水質という話になったら、どこで測っていますかということになるわけです。

そういう意味では、甚だ失礼ですけれど、基本的には誰も調査していないのです。ですから、月一遍測った数値で十分だという世論の水質に対する価値評価があったわけです。公害基本法なりで決められた環境基準点で、水質の環境基準を評価するというスタイルが、30年間つながってきているということです。

○芦田委員長(委員会)

宗宮委員のお話は、たくさんの内容を提出して頂いたと思うのですが、これから、後のディスカッションで深耕し、固めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

もちろんその通りだと思うのですが、今おっしゃったようなお話は良く理解できたといいますか、必要なことだと思いますし、これからどうしても情報を開示していかなければいけないという感じはしています。

しかし、もっと早い時点で、ある意味では指摘して、変えていく必要があったのではないかという感じがちょっとしました。

○芦田委員長(委員会)

それでは、水山委員、最後になりましたが、お願いいたします。

○水山委員(委員会・琵琶湖部会)

森林の話をさせて頂きます。

(主な説明内容)

森林に関して言われてきたこと

  • 都市周辺は別として、近年の山の状態は随分よい状態になっている。過去20年間で森林の状態は大きく変わったので、今後の20年間でも大きく変わると思っている。

  • 森林の機能として、洪水を防ぐ、水資源涵養、崩壊・落石・雪崩防止、土砂の生産抑制等があるが、これは禿山の状態と比較しての話であり、その効果には限界がある。人口がある程度以上集中すれば、森林だけで対応できなくなるので、人口集中が問題だと思う。

  • 「荒廃した森林」という言葉を最近よく聞くが、林業が荒廃しているのであって、森林が荒廃しているかどうかわからない。これは森林を環境財としてわきることができず林業の維持を引きずっているためである。本年6月の森林・林業基本法にもそれが表れている。環境の立場からどう森林を管理していけばよいのかということは、まだよくわかっていないのが実態だと思う。

  • 森林に対しては景観や「大きい木は切りたくない」等の、科学的な根拠から外れた、感情的なものや、木に対する信仰のようなものもある。

森林と水の関係について

  • 琵琶湖の南にある田上山において、禿山の斜面を維持した場所と段をつくり植栽した場所の水の流出量を計測したら、前者は後者に比べ流出量が10倍も大きいという結果が出た。

  • 最近、森林が増えてきているが、森林が水を消費するので利用できる水量は減少するという資料もある。

  • 土砂流出に関しては、植生が表面侵食を防ぐという効果がある。

  • 崩壊について、木の根の深さは樹種に関係なく1m程度なので、極く浅い崩壊は木によって防げるが限界がある。一般の崩壊の深さは根の深さ以上であり、木で崩壊を防ぐことはできない。

  • 日本では放っておくと木が生えるのが普通であるが、風化花崗岩の場合は表面の土壌が流されてしまうので山腹工事を行って緑化する必要がある。

  • 研究室では流出土砂量の計測をしているが、山腹工事によって山を階段状にすることにより土砂の動きを止め、工事を行った部分で植物が成長することがわかってきた。


森林の整備方針について

  • 「豊かな森林とは何か」とは何か再考する必要があるのではないか。従来森林は経済的目標が管理されていたが、これからはどうするかが分からない。環境財としての管理も必要ではないか。望ましい目標を決めたとしても森林はもともと自然物であるため、かなりの許容範囲をもったものでもいいと思う。

  • 森林を含めた流域全体の水、土砂に関する大規模シミュレーションを行い、その結果を評価するという努力が必要だと思う。洪水の発生や費用面等、優先順位をきめて総合判定できるようなシステムができればよいと思う。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

森林管理という非常に難しい面があるということで、いろいろお話し下さいました。森林のない状態とある状態を比べると、森林があるとはるかに洪水調節能力、土壌侵食防止能力が大きいわけですが、現在、歴史上かつて見たことがないほど森林が繁茂している状況であるということです。質はどうかわかりません。その辺りについてどう管理していくか、どのように今後の現象としてあらわれていくのかということが、いまひとつ難しいという話でございました。何かご質問ありますか。

それでは、一応発表をここで終わりまして、次に意見交換に入りたいと思います。

今日は4人の委員から非常に貴重な根本的な提案といいますか、問いかけがございまして、どのように受け止めたらよいか、ちょっと戸惑っているところですが、取り敢えずこれから20分くらい、委員の皆さまの自由なご討議をお願いしたいと思います。

お話をお聞きしまして、委員の皆さまがどのようにお感じになったか辺りをまずお話し頂きたいと思います。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

先ほどの宗宮委員と寺川委員のお話の続きになるのですけれども、水質指標なりをどうとらえるかということです。

実は環境政策の中では、特に公害対策基本法、或いは水質汚濁防止法というところで、いわば物質としての水質だけを議論してきて、それがずっと環境政策の目標になり、或いは行政が発表するとき、受けるマスコミの方も、琵琶湖がきれい、汚いというのは、「環境基準に照らして」という言い方をしてきているわけですね。逆に、その「環境基準に照らして」という視点に重きがおかれすぎていたということが問題だろうと思うのです。

寺川委員がおっしゃったように、或いは宗宮委員が、現場で感じる感覚の重要性を指摘しておられました。その通りだと思います。過去20年ほどいろいろ調べておりますと、地域の人が水、或いは水辺を、きれい、汚いと感じる一番の要素は、まず、ごみがあるかないかです。つまり、散乱ごみがたくさんあるところは、たとえ水質そのものが透明であっても、或いはそれが環境基準に合っていても、圧倒的多数の人が汚いと思います。数字が必要でしたらまた後で出します。

それから次が匂いです。それから触ったときの感触があります。つまり、五感なのですね。それともう1つの要素は、生き物がいるか、いないかです。生き物がいたらきれいだと思います。

そういうことを考えて、実は私たちの経験をちょっとお話しさせて頂きます。過去20年ほど、地域の人に水質関係に関わる情報を公開したら、地域の人はその情報に基づいて水質汚濁に取り組むのだろうと甘い期待がありました。つまり、「情報公開」ということをかなり前向きに考えてきました。しかし、多くの場合、情報が素通りしてしまう。環境基準のCODがどう、BODがどうと出しても、殆ど素通りです。つまり、生活実感の中に位置づけられない。生活の中で生きてこない情報は取りつくシマがありません。

逆に、ごみ、或いは生き物というところからいくと、地域の人は関心をもってくれます。結論的に言うと、先ほど宗宮委員がおっしゃった、生活者の側から見た新たな水質評価の基準というものを出していくことが必要ではないかと思います。具体的提案です。

ここで、実は寺川委員がおっしゃっていたような、今まで何でこのようにいろいろ問題があるのに、行政が取り組めなかったのかという疑問が出てきます。1つは、法律基準がなくて社会的合意がなかったから取り組めなかったということです。

もう1つは、実は情報というのは、それぞれ求める人の心に響かないと、或いは求める人が、心に響かせないと意味がないのです。そういう意味では、一方的に情報公開ではなくて、どれだけ地域の人たちが自分たちでその情報をつくり出せるか、或いは隠れている情報を導き出せるか、そういう意味での、いわば本来の意味での住民主体というようなことが、情報のレベルでも必要ではないかと思っています。それには、調査研究そのものの企画や調査研究のプロセスに地域の人が根本的にかかわることができるような条件づくりが必要だと思います。ちょっと長くなりました。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

今までの内容で、例えば議論を進めるときには段階を追って、或いは分けてという方法があるのですけれども、テーマ、実態に対して近づこうと思う場合は、ある意味ではカオティックというか、いろいろな意見の出し合いでよいという方法もあると思うのですよ。それによって現状の実態、不合理さを知るということもあります。私はもともとまとめて話をするのが下手なので、飛び飛びの話になるかもしれません。

淀川部会でもお話しさせてもらったのですが、いろいろなことを見てきますと、不合理さとは一体何だろうかと考えます。不合理なものは必ずダメージを受けるわけです。

2点がありまして、突き詰めれば、1点目は、西洋自然科学の不自由さというのがあります。ある学者は、今のサイエンスの進み方が、大海とまではいかないけれども湖の数十歩くらいだろうと言っています。そのステップそのものが非常に価値をもってきたように思います。

もう1点は、経済のことです。皆さま、市場自由経済システムというものが一番と思っておられるかも知れませんが、嘉田委員も言われたように、暮らしから考えたら不合理になります。そこをもう1回見直さないと、不合理さはダメージに移っていくと思います。

ですから、不合理さが生まれる2つの大きな要因というのは、いつ、どのような具体的な事柄を考えるにしても大事だろうと思います。

それから、もう一方の考え方で言えば場合によっては、システムは全くこのままでよいのではないかと思います。では、何が必要かといえば、結局、人間の知恵、生命体がもっている知恵をいかに働き出させるかということがとても大事です。その中には時間や空間、或いは多様なものに対してのイメージのもち方や処理の仕方というのは、もともともっていたわけです。先ほど申したように、湖というのがどのようなものであるかというのは知っているわけです。そこを掘り起こしていくことがとても大事です。

ということは、今までのこの不合理さというのは、行政も含めて皆それぞれ細分化して勝手にやってよいと思ってやってしまった。それぞれの各担当部署、分野が政策ということで、それぞれが独自にやってしまった。しかし、暮らすという中には、水と同じで、実にそれが1つのものとして、実態として詰まっているわけです。そこをいかに解いていくかというのが大事だと思います。従って今後は総合、複合的な見方、考え方で作用が起こることが最も重要なわけです。

話を戻しますけれど、自然科学でものごとを考えた場合、時間も、場の線、面、空間も不連続性が出てくるわけです。この不連続性を自然のようにしろと言うのでしたら、連続性をどのように新たに回復させるかということが大事だと思います。

それからもう1つ、知恵に話しを戻しますと、「なさけ」ですね。自身イコール他者ですが、深い情が必要です。例えば子供たちがどうしたら街に住めるようになるのかということで考えれば、あらゆることを考えなければならない「情」というのが要ります。ですから、生命そのものが、長く暮らすためにどのようなダメージを軽減しながら生きていくかという知恵を、もう一度働かすことがこれからとても大事です。

言葉としては「なじむ」、生きていくことに「なじむ」ものは何だということであります。その時は、数量だけではなくて質というものをもちろん考えなければならないし、物の認識ということをもう1回考え直して頂きたいと思います。例えば色は、数量には絶対置き換えられない別の世界ですね。嘉田委員が言われたように、五感で、或いは人間の生命全体の知恵36億年でここまで生き伸びてきたのですから、そこをもう一度働かさないと、なじんだ生活はできないと感じます。

ですから、ここで議論されるときに、川だけではできない、ということ自身がわかってきたときに初めて川のことが、よりなじんでいく、少しでも生活の場に近づくのではないかと思います。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

○尾藤委員(委員会)

ちょっと感想にとどまるかと思いますけれども、初期の公害問題、まだ環境という言葉より公害という問題が出ていたときに、現地で公害源と言われている企業と役所の公害問題対策の方、地元住民の方との間で話し合いをしました。その際、ppmというようなことを言われても「わしらにはわからん。しかし、このわしの体はよう知っている」という発言が地元の住民の方からよくありました。それでは非常に議論がしにくいので、一応基準値というものを提示して、それに基づいて汚染が進んでいるとか、粉塵がどうだとかいうようなことが進むわけです。

そういうときに一番感じたことは、例えば大気汚染を体に感じるということは、単に数値を上回っているとか、下回っているとかということではなくて、その現地に住んでいる人たちにとっては、大気汚染がその人にとっての全部を覆い尽くしているということです。例えば、毎日の暮らしの中で、生活が非常に不愉快であるということです。何か釈然としないわけです。どうも最近の空気は昔と比べると汚れてきたのではないか、子供たちにどう影響するのだろうかというような、全体を覆い尽くす問題であるというようなことなのです。

そういうことを今思い出しながら聞いていたのですけれども、その環境基準値の公開で先ほど嘉田委員から、情報公開が直ちに住民の運動側にリアクションを起こさないという話がありました。例えば、目に見えるもの、風速何m、或いは震度何というような、直ちに結果が出てくるものがあります。震度何というのは、例えば歩きにくくなるとか、瓦が飛んでくるとか、そういうものが必ずついているのをよく見ました。ですから風速でも、歩けなくなる、何々が飛びはじめる、震度でも、それぞれの数値に合わせて、暮らしの中で受け止められるものがついていたように思うのです。

しかしその一方、水質については、そういうわかりやすいものの説明が、多少目に見えるものから比べると、抜けていたというか、そういう努力をしてこなかったというきらいがあるのではないかと思います。

ですから将来は、例えばCODがどうだというようなときに、もう少しわかりやすくするということがやはり必要で、暮らしと結びつけるところから取り敢えずは始め、水が汚れている、これは大変だ、という感覚が暮らしの中にも芽生えてくるのかなということを思いました。

○芦田委員長(委員会)

ありがとうございました。

○川上委員(委員会・淀川部会)

これまで何回も委員会を重ねてきたわけですが、今日初めて、学識経験者の方たちの良心と警告を聞いたような気がします。国や自治体が何かの事業をやろうというときには、委員会や審議会を設けて学識経験者の方々を招いて、その方向性を決めていく、というスタイルが一般化しておりますが、今までこれだけ本音の反省と事実、提案が出てきたことというのは、あまりなかったと思います。

従来の委員会には、我々、寺川委員や私のような一般住民の立場で参加できるという機会も、今まではありませんでした。従って、今日初めてそういう話を聞いて、例えば水質調査の問題についてお話をしますと、やはりその流域に張りついて暮らしている住民や市民団体の者が、水質も河相も含めて、一番その川の状態をよく知っているのではないかと思いました。

そこで、水質調査の頻度について、先ほど宗宮委員からもお話がございましたが、月に1回で、そして平均でということを今までやってきたわけです。深度についても表流水の流心で測ってきたわけです。私たちは、行政がやってきた水質調査の過ちといいますか、欠陥に早くから気づいておりました。そのきっかけというのは、10年か15年くらい前にゴルフ場亡国論が出た頃、ゴルフ場の水質調査のときに実感をしたわけです。ゴルフ場から農薬がどっと出てくるときというのは、雨が降ったときなのです。行政が水質調査するときに雨が降るわけではありませんから、そのことからおかしいなと思って、木津川、淀川の流域の水質調査に関わることになったわけなのです。私たちの調査では、淀川部会でも発表させて頂きましたけれども、24時間調査というのをやっています。そうしてみると、やはり生活排水について言えば、人々の生活の時間帯に汚れが出てくるということが明らかにわかるわけです。平均値ではわかりません。

今後の水質調査というのは、行政も今までどおりにおやりになって、研究者と我々市民が共同で、よりきめ細かい調査をパートナーシップで進めていく、そういうことが必要なのではないかと思います。それとともに、科学的な、何r/lというような数値で表す必要はあるかとは思いますが、やはり、嘉田委員がおっしゃったように、手が洗えるか、顔が洗えるか、或いは飲めるかというような五感で感じる表現というのは必要だと思います。

最近、小・中学校の総合学習が始まりまして、よく小学校へ川の話をしに行きますけれども、子供たちにその数値がきれいなのか汚いのか、或いはBODやCODをどう子供たちに納得させるかということは、非常に難しいのです。案外そういうことを書いた手引書というのはありません。一番わかりやすいのは、やはり飲めるか、顔が洗えるか、手が洗えるか、そういう話です。それから魚に置き換えて、アユが棲めるか、ハヤが棲めるか、コイしか棲めないか、何も棲めないか、そういう話が一番わかりやすいわけです。

今後は、これからの社会を担っていってくれる子供たちにもわかりやすい表現で、行政の水質データも発表するという形にしてはいかがかと思います。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

○中村委員(委員会・琵琶湖部会)

今お話にあった市民と研究者のパートナーシップという点で、幾つか我々も試みてきています。例えば、赤野井湾流域協議会というところで、住民の方々がいろいろデータをとられたものを研究者と一緒に情報を共有化する、或いはなかなか行政がとれないようなデータをとっていくということを行っています。7、8年やってきているのですけれども、最近はかなり住民の方が率先していろいろなアイデアを出して、それをベースに、研究者の方が住民のアイデアを実現するように支援するということをやっています。

ただ、問題はそういうケースは非常に特殊なケースなのです。それは何故かというと、住民のアイデアを実現する、支援するような社会的な基盤です。例えば財政的な問題とか、或いは仕組みですね。

例えば研究者が入っていって、その地域だけでなく、一般的な形でやっていくような場合どうするのかという問題があります。赤野井湾のケースだけではなくて、かなり具体的にいろいろな、嘉田委員が前にやっておられたホタルの調査というようなケースもあります。或いは滋賀大学の川嶋先生が環境教育の一環で、ちょっと違った取り組みをやっています。いずれにしても、そういうことをシステムとして持続的に続けていくような仕組み、財政的な、或いは法的な、制度的な仕組みが、新しい河川整備計画の中でどう担保していけるかという、具体的な課題を議論していかないといけないだろうという気がします。

アメリカやヨーロッパで、似たようなことをやっているときには、例えば法的に官民のパートナーシップで調査を行うことは非常にやりやすいとか、或いはお金がいろいろな形でそこに流れる仕組みがつくられています。ですから地域の人がそれに専念して、かなりいろいろな取り組みができるようなことをやっておられるケースがあります。それは具体的にこれからの議論の中で、そういうことを実現していく仕組みの議論が必要だろうと思います。

それからもう1つ、全然関係ないのですけれども、私はずっとこの委員会が始まってから、これは、国土交通省直轄の河川整備計画に関わる部分の、整備事業に関わる部分が非常に重要になると考えていました。

何度か話題が出たのですが、丹生ダムの付帯事業のように既に進行している事業については見直しの対象にしないという話もありましたが、全く別なところから、我々がこの5年くらいに行われた北湖の湖底環境のデータなり知見を整備していくと、明らかに湖底環境が悪い方向に行っています。

その原因の1つは、先ほど宗宮委員のおっしゃった有機物の増大、それからチッソの増大という問題もあるのですが、やはり積雪、融雪水の問題、溶存酸素の問題、それから湖底の生物相の変化も問題です。今日の話でいきますと、森林、気象、河床の話、ダムの話、それから湖底環境の水質の話ですね。それが一連の話として、脈絡を追ってプレゼンテーションされないと、なかなか全貌はわからないということです。

私は、できれば河川管理者も含めて関係する団体等が集まって、そういうセッションを1時間半くらい開いて頂きたいと思います。これまで幾つか議論がありましたから、環境サイドからのいろいろなご指摘もありましたので、それを含めて一連の丹生ダムをめぐる現状と、それが琵琶湖全体にどのような影響を与える可能性があるのかということを議論して頂きたいと思います。

全く影響がないか、物すごく影響があるか、その幅は物すごくあるだろうと思います。ただ、その気になって調査していないので、もしこの委員会が、そういう趣旨で議論をすることが必要だということであれば、本気でプレゼンテーションの仕方、議論の仕方を決めて、効率的に材料を出し、整備の方向性について話を詰めていくということを一度やったらどうかなと思います。

今日の話を聞いて、いろいろばらばらにご意見があったのですけれども、頭を集中して、あるところに議論を合わせていくというのがなかなか難しいなという気がしていたものですから、そう思ったのです。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

今の問題につきましては、特に丹生ダムを総合的に議論することは考えていなかったのですが、まずその前に、水需要がどれくらい必要なのか、節水でどれくらい対応できるのか、現在、供給できる能力はどうかということをこの委員会で議論しまして、それによって、その後でまた場合によっては考えるということにしたいと思っております。

○池淵委員(委員会・猪名川部会)

中村委員、水山委員、それから宗宮委員がおっしゃった中に、一連の現状だけではなしに、いろいろな要素を入れて考えるというときに、水山委員はいみじくもシミュレーターという言葉を言われました。水量の方は、容易でない部分ももちろんありますが結構連続して測ることも容易です。水質、それからまた生態系、いずれも時間・空間変動があるわけですけれども、その代表性みたいなものがまだわからないところがあったりして、そこら辺がなかなかつながらない部分があります。

しかし、特殊なエリア、流域といったところでは、既に代表性の抽出のようなものが始まっています。そういう中で、空間の局所的なものから、広域に広げるスタンバイがどこまでできるかということが、物すごいテーマになると思うのです。ですから赤野井湾にしても、我々の流域委員会でも野洲川等では、いろいろな要素が融合して、空間時間の変動性の代表性を踏まえて、キャッチアップしようという形のものが既に始まっていますし、そういう形のものがあった方が議論ができるだろうと思っています。ただ、その局所的な部分から広げるときの、もっと違う意味合いの代表性がなかなかわからないわけです。

その辺りはこの辺りというように見極めて攻めていったらよいのかと思いますので、その融合なりシミュレーターに、そういう時間・空間変動の代表性を踏まえていけばよいと思います。

それからもう1つ、嘉田委員がおっしゃるように、生活感としてわかりやすいということを、どう指標に変換するのかということだろうと思っています。それなりに意味するところは十分わかるのですが、課題の提出だけでとどまらずに、どのように踏み込むかということだろうと思います。
幾つかの提案がございましたので、そういう議論だろうと思っています。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

もう時間が参りましたので、まとめというか、私の方から発言させて頂きたいと思います。

今日は、水質、川の状態が非常に悪化しているというお話がありました。特に水質は、表面はよいけれども、逆に言えば、湖底をみると非常に悪くなっている。それから、瞬間的な値がどうなっているかよくわからないとか、いろいろありまして、その悪化の原因は人間の活動ですが、それを改善するためには、人間の住み方というかライフスタイル、或いは意識の問題とか、いろいろ変えていかなければいけない問題がたくさんあります。

それから、環境についての考え方そのものについても、根本的に変える必要があるのではないかというお話を伺いまして、川だけでは対応できない問題が非常に多くあり、流域全体として見る必要があるということです。これを河川整備計画の中ではどう取り扱うのかですけれども、河川整備計画では川の整備ということですが、今の流域全体としての、例えば専門家と地域住民のパートナーシップということが非常に大事だとか、そういう問題もあります。
そういう問題は、何か流域全体としての取り組み、協議会のようなものを考えるとか、システムを考えていく必要があると思います。そういうシステムをこの河川整備計画の中で提案していくことが必要ではないかと痛感しているわけです。

それから、川那部委員が非常に重要なことをおっしゃったわけですが、それを河川整備計画の中にどのように書いていくかということが非常に大事ですけれど、もう少しわかりやすく書けるような格好に議論を進めるということにしたいと思います。次回、次々回にわたってそういう議論を進めていけばよいと思うのですが、川那部委員、どうでしょうか。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

それで大変結構だと思います。私の話のところだけではないですが、一般的にそういうことをかなり議論しないといけないと思います。

○芦田委員長(委員会)

そういうことで、取り敢えず今日お話し頂いたことについての議論は終わることにしまして、ここで10分間くらい休憩して、3時10分から再開したいと思います。


〔休憩 15:00〜15:10〕

○庶務(三菱総合研究所 新田)

それでは、審議を再開いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○芦田委員長(委員会)

それでは、時間になりましたので、再開したいと思います。

これから、今後の検討課題とそれをどう進めていくかについて議論したいと思います。検討課題については部会の方でも既に始めておられまして、淀川部会に出席させて頂きましたが、非常に活発にやっておられます。その他、琵琶湖部会でも猪名川部会でもやっておられると思いますが、部会での議論をベースにしまして、この委員会でも、検討課題としては既に皆さまにアンケートというか、意見を出して下さいということでお渡ししていると思うのですが、資料3−1、3-2にあるように、こういう課題で一応検討を進めていきたいと思っております。資料3−1、3-2載っていないもっと全体的な問題もありますでしょうが、それについては別個提案して頂いたら結構だと思います。

次に、資料4を見て頂きたいと思います。

資料4は、今後どのようなスケジュールで流域委員会を進めていくかということです。何回も言っておりますが、来年の4月中旬頃に河川管理者がつくられる河川整備計画の原案をつくるための提案を、流域委員会で中間的に取りまとめたいと思います。資料4のスケジュール通りに進めるためにも、今日を含めてあまり時間がございませんので、当初2月21日に委員会が開催される予定でしたが、1月31日と3月30日に追加させて頂き、4月中旬の取りまとめまでに、さらに3回、委員会を開きたいと思います。

本日の委員会で、日程がこれでよいかどうかご検討頂いて、もしよければ資料4の通り進めたいと思いますし、特に都合の悪い方が多ければ日を変える必要があると思います。

資料3−1に示されている検討課題には、まず全体的な項目を挙げております。

まず、治水、利水、河川整備の基本理念、管理の基本的な考え方を総合的な問題としてあげました。2番目が治水と防災の問題です。3番目が利用の問題です。4番目が環境の問題と一応分けております。それぞれ別々に議論することは難しいのですけれども、取り敢えずそういう分け方で議論して、後で総合的に議論しようと思っているわけです。部会も並行して開かれますので、部会の結果も委員会に立案して頂いて、それを取り入れていくということです。

結局、河川整備に関する考え方というのが、今までと比べて180度というか、大きく転換しました。それを受けて、治水・防災をどうすべきかとか、基本的な考え方をどのように変換するのかとか、或いは今日も伺いましたが、環境の問題をどうするかとか、利用問題をどのように考えていくかという根本的な事柄についてまず議論し、個別的な問題は、全部網羅するわけにはいきませんが、できるだけ出して頂くということにしてはどうかと思っているわけです。
こういうことで、大変ご苦労をかけますけれども、お願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。まず、日程についてはいかがですか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

1月31日と3月30日は月末になりますので、できたら月末は外して頂きたいです。

○芦田委員長(委員会)

それでは、日程については、また後ほど皆さまのご都合をお聞きして決めましょう。ここでちょっと決めにくいですね。庶務、よろしいですか。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

後ほど我々の方から日程のお伺いをしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

皆さまのご都合をお伺いして、できるだけたくさんの方に出席頂けるような日を選ぶということにしたいと思います。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

はい、わかりました。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

次回委員会については、1月31日では具合が悪ければ、それぞれのご都合があるでしょうから、場合によっては今決めておいて頂いた方がよいのではないでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

そうですね。これは難しいですね。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

皆さまのご都合を伺いたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

1月28日が月曜日ですが、28日はいかがでしょうか。ご都合の悪い方は手を挙げて下さい。29日、30日はどうでしょうか。ご都合が悪い方が多いようなので、これはちょっと難しいですね。2月1日はいかがでしょう、水曜日です。

○宗宮委員(委員会・琵琶湖部会)

2月1日は駄目です。

○芦田委員長(委員会)

寺川委員はよろしいですか。ご都合が悪いのは1月31日だけですか。
宗宮委員には申し訳ないですけれども、2月1日にしましょう。時間帯はどうしましょう。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

当初予定しておりましたのは、1月31日の13時から17時でした。

○芦田委員長(委員会)

それなら、2月1日、13時から17時まででよろしいですか。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

2月1日の13時から17時でよろしいでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

河川管理者の方、よろしいですか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

結構です。

○芦田委員長(委員会)

それでは、2月1日の13時から17時までということでお願いしたいと思います。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

直前に運営会議も連動して開催する形になっていますけれども、それも同じ日でよいでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

運営会議の方も同じ日でよろしいですか。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

同じ日の方がよいですね。

○芦田委員長(委員会)

それでは、運営会議も2月1日にしましょう。

○庶務(三菱総合研究所 柴崎)

では、運営会議も2月1日の11時からということでお願いします。

○芦田委員長(委員会)

今日は、残った時間で、できれば総論的な問題についてお話し頂きたいと思います。部会においてもかなり議論して頂いておりますので、琵琶湖部会の方から、ご意見等、状況を報告して頂けますか。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

琵琶湖部会では、委員の皆さまから同じようにアンケートをとらせて頂きまして、それを私なりにまとめたのが資料3−2の後ろの方、54ページからです。それを11月1日に皆さまにお渡しして、それについてまた追加をして頂くという形をとりました。幾つかの問題点が出てきておりますが、それらを含めて、資料3−1に入っています。

そして、資料3−2の54ページから55ページの半ばくらいに書いてあるようなことが、総論の枠組みとして、大体よろしいのではないか、というのが琵琶湖部会としての考え方です。

そこにも書いてあるように、基本的な考え方、具体的な方向というのは両方とも、前半の部分は実は近畿地方整備局の文章です。つまりそれは、資料3−2の52ページ、53ページの内容そのままです。「淀川部会のものを基盤に新たに作成」と書いてある部分は、琵琶湖部会の前日にあった淀川部会に行って、大変参考になりましたので、その内容を大幅に入れながら、私が書いた内容です。

近畿地方整備局の文章を少し広げ、或いは少々強い言葉になっているかも知れませんが、かなり近いと思います。従って、琵琶湖部会としての提案は資料3−2の54ページ以降で、従って検討項目の総論にすぐ入って構わないのではないかとは思います。琵琶湖部会の方で、異論があれば、おっしゃって頂きたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

内部的には、特に矛盾して、お互いに議論するというようなことはなかったのですか。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

後ろの方の検討項目に、もう少し入れよというご意見はありました。例えば、人間のくらしの問題がいろいろなところで書かれていますが、治水・利水・環境等で分けるだけでなく全体としてどのようなことになるかというような項目が是非必要である、との意見がありました。それは、追加として資料に出ております。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

ちょっと関連で言わせて頂きます。琵琶湖部会に所属しておりますが、1つ、私が思いますのは、琵琶湖の管理者は滋賀県ということで、滋賀県、或いは他の省庁との関係です。琵琶湖というのは非常に大きな存在であるわけです。ところが、この委員会には出ていないと思うのですが、例えば滋賀県が琵琶湖部会に提出した、「滋賀県における河川整備計画の策定と淡海の川づくり検討委員会について」という資料があります。これは琵琶湖に流れ込む河川を7ブロックくらいに分けて、川づくりを見直していこうという検討委員会です。その委員会そのものにはずっと問題を感じていますが、琵琶湖を一体どこで誰が考えるのか、というのが欠落しているのではないかなという感じがするのです。

私としては、今後、この河川整備計画の審議を進めていく上で、特に琵琶湖の問題については滋賀県だけに任すのではなくて、滋賀県と一体的に進めていかないと、よい結果が出ないのではないかなという感じがしておりますので、今後の議論といいますか、1つ提起しておきたいと思うのです。

○芦田委員長(委員会)

河川管理者の方は、それについてコメントがありますか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

この淀川流域委員会で琵琶湖をどう取り扱われるかということについては、最初の方に再三議論されたと思っておりまして、その考え方が踏襲されていると思っております。

○芦田委員長(委員会)

ということはどのようなことですか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

具体的に申しますと、この流域委員会は、あくまで原則は直轄管理区間のことを議論する。但し、直轄管理区間といっても、洗堰の操作の関係で琵琶湖も影響する部分があるので、その観点で琵琶湖が議論されるものと理解しております。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

琵琶湖の問題は、直轄河川と南郷洗堰の操作の問題だけではなく、琵琶湖自体の非常に大きな問題については、琵琶湖部会でも実際に議論をしてきていますし、結論も出すつもりです。

その点では寺川委員のおっしゃったことに賛成です。私の意見とちょっと違うところがあるとすれば、滋賀県が琵琶湖について議論する委員会等と、この流域委員会、或いは琵琶湖部会とが一体になって議論しなければいけないとまでは、私は必ずしも思っていないというところでしょう。流域委員会は流域委員会としても、琵琶湖部会としても独自に、琵琶湖全体の問題について議論をすることが大切です。いわゆる「河川管理者」として、近畿地方整備局だけではなくて、滋賀県の河港課の方がいつも流域委員会に来て聞いていらっしゃるのですから、その議論はきっと向こう側の別の検討委員会にも伝えられるに決まっていると信じています。逆に言えば、そういう信じ方をしなければ、こんな委員会はやっていけないと思います。ですから、滋賀県が琵琶湖部会の議論を無視するようなことは絶対起こらないと信じますけれども、もしそんなことがあったとすれば、琵琶湖部会の方からでも要請して、ちゃんと議論・調整をしてもらいたいと、強く言わないといけないと思います。もちろん両方が懇談会を開く等というようなことなどは大変重要なことですが、ちょっと違う討論や活動があってもよいのではないかとも思います。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

その点については、確かにそうだと思います。今日お見え頂いている方が、淡海の川づくり検討委員会などの委員をなさっている方がいらっしゃるわけですから、それは当然反映されると思います。しかし、淡海の川づくり検討委員会で議論されるのが、琵琶湖ではなくて河川の問題なのです。その中に琵琶湖は含まれていないという辺りで、大丈夫なのかなという感じがするのです。

滋賀県の方、もし何かあればコメントを頂けますか。

○河川管理者(滋賀県 土木交通部河港課 課長補佐 中谷)

課長が所用で欠席していますので、代わりに参りました課長補佐の中谷と申します。

寺川委員のお話ですが、滋賀県で策定します河川整備計画に関しましては、琵琶湖が含まれていないということではありません。例えば琵琶湖部会でも最初に現地視察を行い、新海浜等を見ましたが、新海浜等、あの辺をどうしていくかということは当然、滋賀県が策定します河川整備計画に盛り込むつもりでおります。

但し、琵琶湖全体につきましては、滋賀県の方ではマザーレイク21計画等を策定しており、全体的な理念というものを整理しておりますので、そういう中でこの流域委員会の意見と整合をとれる面が十分にあるとは考えております。

従いまして、滋賀県の方で策定します狭い意味での河川整備計画については、いわゆる琵琶湖の湖辺域で何か手当てをしようというところに関しては、記載していくつもりで、現在のところそのような整理をしております。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

私もうかつでしたが、そうであるとすれば、マザーレイク21計画そのものへも当然にここで議論されたことをお伝えを頂くことが、滋賀県の義務であると思います。ですから、是非そうして頂いて、滋賀県の中で策定する河川整備計画とも連動させて、一緒にしなければならないので、当委員会の形と県のいろいろな計画とを有機的に連関をもつようにして頂くことを強く要請しておきたいと思います。

○河川管理者(滋賀県 土木交通部河港課 課長補佐 中谷)

今の件は、十分受け止めさせて頂きます。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

これは非常に重要なところですが、私は今の発言というのは何とでもとれるような感じですし、非常にあいまいだと思うのです。国土交通省の言っているのも、いわゆる洗堰の操作に絡めてという点ですので、もう少しグローバルに、きっちり琵琶湖を位置付けておかないと、淀川水系流域委員会の中に占める琵琶湖の割合は、非常に大きいにもかかわらず、それをきっちり議論する場所がないような感じがするのですが、どうでしょう。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

もう少し実態に即して申し上げますと、琵琶湖には、「マザーレイク21計画」だけではなくて、環境政策の「河川水質管理計画」もありますし、或いは農政水産部の「みずすまし構想」というのもあります。そういう意味では、どんどん複雑になります。この状況は、実は淀川も、桂川もかなり似通っている。

それで最初に申し上げたのですけれど、実は現場というのは、地域自治会であったりして、市町村に全てが集約されるのです。ですから現場レベルでどうなのかという、ある意味でモデル地域のようなものを入れることによって、実は上位の行政機関が縦割りになっているものの意味が見えてくるだろうというのが最初の提案です。つまり、モデル地域を少し考えましょうということにもなると思うのですね。ですから、その辺について、どの項目を立ててやるかなのですが、項目別でやったとしても、絵にかいた餅になってしまいます。その時に、現場でどうなのか、例えば新海浜を1つのモデルにする、或いは丹生ダムを1つにモデルにする、という意義のあるモデル地域を出すという方法があると思います。

ですから、私は先ほど中村委員がおっしゃった、丹生ダムをモデルにというのは、大変よい話だろう、重要な話だろうと思います。その時に、県の河川整備計画も国の河川水質管理計画も農村整備のみずすまし構想も、或いは県の琵琶湖に係る湖沼水質保全計画も、或いは他に農林水産省、教育委員会がいろいろな体験学習とか地域ミュージアムとかいろいろ出していますが、それらが全て合体するのが現場ですから、現場のモデル地域というものを考えることを改めて提案させて頂きます。

○芦田委員長(委員会)

わかりました。川だけでは何事もなかなか議論しにくいということで、流域全体の視点から必要だということは出しておりますので、その中で琵琶湖も含めて考えることが必要ではないでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

確かに一体として、一緒に議論していくという必要はないかもしれませんけれども、少なくともそういった議論といいますか、接点をどこかでもって、位置付けしておかないと、これまで見てきている書類上のいろいろな問題等では、何か飛んでしまうような気がします。

○芦田委員長(委員会)

その点については、資料3−2の4ページに私が書いています。「2.社会、流域全体の視点」というところです。

これは、河川域だけでそういう問題を議論することができないことが多いということから、流域管理全体から見て、関係者で流域協議会のような組織をつくることが望ましいと書いているのですが、そういうことを提言していった方がよいのではないかと思うのです。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

わかりました。

○芦田委員長(委員会)

それでは、淀川部会の様子をご報告頂きたいと思います。

○寺田委員長代理(委員会・淀川部会)

淀川部会長の寺田です。淀川部会の方で2回、この検討課題についての議論をやった中で感じたことを申し上げたいと思います。

各委員から、検討課題としてどのような項目を取り上げたらよいかということについては、先ほど川那部琵琶湖部会長の方からご紹介頂いたような形で、他の部会よりは先にやったわけです。非常に多義な項目で、いろいろな意見が出てきました。それを一定整理して、そして基本的な理念とか、基本的な施策というようなところから議論を始めようということでした。しかし、時間的なタイムスケジュールの中でどのようなことを議論していったらよいのか、していくべきなのかということについては、必ずしも委員の皆さまの意識が統一されてないといいますか、ばらばらでありまして、これはいたし方ないことなのです。正直申し上げて、今までの2回の議論の中で、必ずしも噛み合った十分な議論というところまで行っておりません。

これは、試行錯誤の中でやっていかざるを得ないとは思います。先ほど委員長の方から示されました資料4の検討スケジュール(案)で、4月には一定の中間取りまとめを流域委員会として提出するという予定になっています。それに向けて、各部会で部会の守備範囲についての議論を行い、それを委員会に反映をして、全体的な議論を進めるということだと思います。少なくとも2回の部会の議論を経て言えることは、当面、4月の中旬を目途に行う中間取りまとめは何のための取りまとめかということを委員の皆さまが自覚をして頂かないといけないだろうと思うのです。

資料4にもありますように、この流域委員会の特徴は、事務局案的なものが先に示されて、委員の皆さまが案に対して一定意見を述べるという従来のスタイルからとにかく脱却するというところから始まっているわけです。まずは、原案をつくる前にこの流域委員会で基本的なところは議論を尽くして、そして理念の転換、または基本施策の転換を迫るならば、どのようなところについて原案に盛り込むべきかという柱を示すというのがこの委員会の4月中旬までの努めなのです。そういう中で議論をしていかないといけないと思います。

限られた時間の中ですから、淀川部会にしましても、4月の取りまとめまでの間に、随分と会議開催日を補充したわけですが、あと4回しかないわけです。1回あたり4時間をかけても、僅か16時間しか延べの時間はないわけです。この中で、少なくとも河川整備計画原案に盛り込んでもらわなければいけない基本的な理念の転換と、その転換した理念に基づく基本的な施策をどう変えるべきかと、どうあるべきなのかということを明確な形で示さなければいけません。これが我々流域委員会の務めなのです。

ですから、こういう中で、検討項目にしましても整理をしていかなければいけないのかなと思います。これまで2回部会をやって、いろいろあっちこっちに分散した議論をしておりますけれども、今後は部会でも、4月中旬に中間とりまとめを行うという目的意識をもって、重要な部分についての議論をきっちりやっていこうと私は思っています。各部会の委員の方にもそういうことは十分ご理解を頂いて、これから進めて頂きたいと思います。従って、委員会でも、その辺のところは、この際はっきりと意識をもって頂いて、議論を進めてもらいたいと思います。重要な部分の議論を積み残したままで、中間取りまとめが終わらないようにすることが大事だと私は思います。

それからもう1点あります。これは、運営会議の方で少し議論をさせてもらったことではありますが、委員会の委員の皆さまにはまだご紹介がないので、私の方から申し上げたいと思います。

住民意見の聴取ということです。実は、3日前の淀川部会で、部会長の私案という形で、部会として住民の意見聴取を議論の過程でやろうではないかということを提案させて頂きました。これについては、委員の反応は様々です。

しかしながら住民の意見聴取については当初、流域委員会が発足したときに少なくとも規約をもって明確に定めているわけです。ちょっと読み上げますと、規約の第6条第8項に、「委員会は積極的に関係住民の意見を聴取することを原則とする。」ということを明確に書いているわけです。各部会でももちろん今後検討されると思います。住民意見をどのような方法で聴取するかというのはいろいろ手法があると思います。しかし、少なくともこの中間取りまとめをするまでの間に、十分に今回の淀川水系流域委員会はよく聴いてもらったというように評価してもらえるような住民意見聴取をやっておかないといけないと思います。これだけ情報公開をして、傍聴も自由だということで言っていますけれども、この会議の場で関係住民の方がたくさん来られて発言するということは基本的にできていないわけです。委員の皆さまの中にも、地域の特性に詳しい委員という立場で参加をしておられる方もいらっしゃいますけれども、非常に限られた範囲です。

ですから、いろいろ工夫をしないといけません。委員による議論ももちろん大事です。しかし、もっと大事なことは、幅広く、淀川水系の河川整備ということに関心をもち、真剣に物事を考えて頂いている住民の方はたくさんおられるわけです。そういう方々からの意見をいかにしてうまく聴取するか、集めるか、どのような時期にどのような方法でそういうことを行ったらよいのかということについて、できれば委員会でも議論をして頂きたいと思います。単に部会だけでやったらよいのか、それとも委員会として一定の時期に何らかの方法でやるのかどうかについても、時間はあまりありませんけれども、少し討議をして頂きたいと思っております。

○芦田委員長(委員会)

猪名川部会はいかがですか。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

猪名川部会長の米山です。最初に申し上げましたように、我々の部会は少し遅れていまして、12月18日に第6回目の部会を開催いたします。それから後の予定ですが、今の予定では来年4月までに第9回の部会までが予定に入っています。あまり他の部会と差がついてしまいますと困りますので、少し回数を増やす方向で、それを12月18日の部会でご相談したいと思っております。

資料3−1、3−2でご紹介されておりますように、池淵委員を初めとして、田中(哲)委員、畚野委員、細川委員にそれぞれご意見を頂いておりますし、尾藤委員からも頂いています。

そういうご意見も踏まえた上で、次回部会からはその方向で取りまとめ、4月上旬を目標にして、これまでの他の部会での結果もご紹介しながら、議論を詰めていくようにしたいと思っています。他の部会と比べてペースが遅れておりまして、申し訳ありません。お詫びいたします。

関連したことですが、猪名川部会では、実際にヒアリングの形式で、川西の住民の方たちのご意見を聴くという機会がありました。これは、今日の参考資料2の4ページから質問書と回答書が付いていると思いますので、ご参照頂いたらよいと思います。その他、できれば公開のディスカッションをやる機会をつくるということも考えたいと思っております。これも、今度12月18日の部会で具体的なプログラムを立てたいと思っています。まだ部会長代理の池淵委員ともご相談していないのでなんとも言えないのですけれども、そんなことを考えています。

それから別件ですが、部会の委員の方から勉強会をしたいという要望があります。具体的には、東京へ行ってきて、いろいろ面白い話を聞いてきたので、そのレポーターをお誘いして勉強会をやりたい、という意見が来ておりました。これは部会だけで抱え込んでしまうのにはちょっと問題が大き過ぎるので、できたら3部会を通してのディスカッションの機会になればというようなことで、実は塚本委員等にもご相談しています。まだ具体的には進んでおりませんけれど、勉強会形式のものもやるように考えています。

それから、先ほど、立ち話で出てきたのですが、川上委員から実はこの集まりに先立って、1996年に琵琶湖、淀川水環境の提案として、「琵琶湖・淀川を美しく変える−提言−」を出されていますね。小林庄一郎さんが中心になった組織でした。その提案等もこの流域委員会での検討項目として反映して頂いたらよいのではないでしょうか、場合によってはどのような形で反映すればよいかも議論しなければいけないと思いますが、そういうことも考えていきたいと思っています。

○芦田委員長(委員会)

どうもありがとうございました。

今日は、あまり時間がございませんので、川の整備に当たっての基本的なスタンスはどうあるべきかということを中心として議論しようと思ったわけです。

これについては、河川管理者の方から、従来の人間からの視点のみではなく、河川の視点も考えるというお話がありました。河川の視点というのは、生物の視点ということと川自体の変動の法則というか川の生命力といいますか、そういうものを含めたものだと思いますが、そういう視点に180度転換するようなことを提案されているわけです。それは私も同感でございまして、資料2−3の4ページにスタンスとして書かせて頂いています。表現は違いますが、川那部委員がおっしゃったこともそういうことではないかなという感じがするのです。もう少し、表現が足りなければ変えていったらよいと思います。

川づくりの河川整備に皆さまのご意見を含めたものが、どのように反映しているか、どのようにそれが具体的に関わっていくかということを次回以降の委員会で議論したいと思っているのです。

抽象的なことだけの議論では駄目で、資料3−1、3−2に書かれていること、例えば洪水の治水に当たってどのように反映されるか、環境に対してどう反映するかという、議論が必要で、基本的な考え方は次回以降の委員会で議論したいと思っております。

時間がだんだんなくなってまいりましたので、もう1回資料4に戻りまして、進め方について考えを述べたいと思います。

次回は2月1日ですが、治水と防災の基本的な考え方についてまず議論する予定になっています。もう1つは、河川利用のうちで水利用の問題、河川の水に対して流域の需要がどれくらいあるかということです。節水によって、それをどう減らしていくことができるか、河川の水供給の能力、実力は今どのようなものであるか、もうこれ以上開発する必要がないのかあるのか等、そういうような議論の参考となるデータを出して頂いて、議論したいと思っています。

それから、その次の委員会は2月21日ですけれども、その他の河川利用の問題、或いは環境の問題、これを中心に議論したいと思います。もちろん洪水の問題とか利用の問題等もいろいろ関係があると思うのですけれども、2月21日の議論をもって、その段階で、委員会としてはある程度のまとまりを得たいと思っているのです。

3月30日の委員会では取りまとめの議論をしたいと思っておりますが、その段階になりますと各部会でも議論が進んで来るでしょうから、部会の報告をまとめて頂いて、委員会に報告頂き、それを含めて、委員会と部会の報告を含めて、原案作成のための意見の整理をします。この整理は、委員会でやるのもなかなか難しいと思いますので、運営会議でやりまして、ある程度、文章化する必要もあります。文章化とは、きれいな文章ではなくて、とにかく河川整備計画にどのように反映してくれということを、項目を中心として書くわけですけれども、それを委員の皆さまに見て頂いて、手を加えて頂き、それで取りまとめということにしたいと思います。そのような段取りを考えているのですけれども、その進め方について何かご意見はありますか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

質問というか、確認なのですが、最終的に4月にどのようなアウトプットをイメージしていらっしゃるのかということです。今、検討項目というお話がでていましたが。

○芦田委員長(委員会)

はい。部会や委員会で検討した内容がアウトプットとして出てきますね。それを相互に矛盾するようなものがあれば議論して、ある程度整理できるものは整理して、そういうものを出そうと思うのです。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

そうすると検討項目は確定ではなくて、まだ追加は可能と考えてよいのでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

はい、そうです。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

つまり、その辺の考え方がよくわからなかったので、追加可能だということならば、まだこれから出すこともできるわけですね。

○芦田委員長(委員会)

はい、こういう項目を追加した方がよいという提案があれば、出して頂いたらよいと思います。割合早い段階で出して頂かないといけませんが。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

いつまでに出したものは項目として入る等の、ある程度の時間軸についてお教えください。

○芦田委員長(委員会)

それは、とにかく中間報告に載らなくても、その後にも時間がありますね。これは絶えざるフォローアップではありませんけども、いつでもよいと思うのです。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

それともう1点あります。紙の項目で出てきているのは比較的よく拾われていますが、どうも委員会で議論したものの拾い方が浅いというか、その辺は庶務のまとめの能力にかかってくると思うのですが。

○芦田委員長(委員会)

委員会は、今日から議論が始まったので、あまり入っていないのです。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

そうなのですか。では、今までの部会で議論したものはここには入っていないということですか。

○芦田委員長(委員会)

今までのは入っていないです。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

入っていないですよね。それは入れる予定はないわけですか。部会で議論をしたこと、つまり紙で出したもの以外に議論していることがここに入っていないように思われるのですが。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

前回の琵琶湖部会と前々回の淀川部会に関するご意見については資料3−1に入れ込んでおります。検討課題について議論が始まった時点以降の部会についてはご意見を入れさせて頂いております。不十分な点がありますので、その点はご指摘、ご指導頂ければ、庶務の方で反映させて頂きますので、よろしくお願いしたいと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

検討課題の議論が始まってから以後とおっしゃいましたけれども、今までのプロセスの中でも随分大事な議論もありましたので、これまでの委員会と部会の全ての議事録から全体的に拾って頂くというふうにお願いしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

そうですね。やりましょう。

○川上委員(委員会・淀川部会)

それともう1つは、琵琶湖と淀川本川とは非常に密接な関係があると思うのです。生き物がご専門の委員の方々は特に関心があると思うのですけれども、当委員会と淀川部会、猪名川部会、琵琶湖部会の全体の討論というのをなしに取りまとめに入ると、ちょっと問題があるように思うのです。

○芦田委員長(委員会)

それは、部会でまとめて頂いたものを出して頂くことを考えています。

○川上委員(委員会・淀川部会)

その前に一度全体で議論を時間制限なしでやれればよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

答申案のようなものはもちろん全部会の委員に、事前に見ていただく予定ですが、全体での議論はちょっと技術的にできるかどうか疑問があります。

○川上委員(委員会・淀川部会)

今日の委員会もそうですけれども、会議のときにどさっと資料を頂いても、毎回、目を通さないで議論をやっています。

せめて3日前くらいに資料を頂いておくと、じっくり読んで、琵琶湖部会ではこんなことをやっているのか、どこどこでこんなことをやっていると、見た上での議論ができると思うのです。

○芦田委員長(委員会)

今回、資料の整理がちょっと遅かったので、それは庶務の方でもひどく気にしていました。

○川上委員(委員会・淀川部会)

私、今日来る電車の中で、淀川部会でこの間頂いた資料をずっと見てということで、ちょっと自転車操業的になっております。

○芦田委員長(委員会)

先ほども申しましたように、いつまでという期限がないのです。絶えず改革を求められている問題ですから、その都度、とりまとめたものを直していったらよいと思います。これはフォローアップが非常に大事で、答申が終わって河川整備計画ができた後も、実際にフォローアップしていくことが必要になってくると思うのです。それをやるような組織というか、やるべきだということを提案していく必要があると思っています。そういうことで、あまり期限をご心配なさらなくてもよいと思います。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

休憩前の発言の補足もさせて頂きたいと思います。

西洋自然科学に対しての批判をしましたけれども、要するにもっと範囲を広げれば、西洋自然科学を非常に有効に使えるということがあります。もともと日本には科学という言葉があって、知恵を働かせて科学を使ってきました。ここで、今までいろいろなことが起こってきて、何が不合理だったのかということをもう少し、委員の皆さまと確認したいと思うのです。

サイエンスというのは、再現性は必ずしもありませんけれども、確かだということはあります。

確かということはあるのですが、主観・客観ということ、要するに五感を含めた物の考え方というのも、1つの知恵として非常に大事だと思います。では、そこで、客観性というのは何だろうかというと、私は、恐らく両方、客体なものと主観的なものを近づけていけるものと思います。そこに何が大事かと言ったら、例えば哲学では、今は恐らく記号哲学、ディジタル哲学ですが、その次に実存というのがあるのですけれども、内面をみる、心をみるということをもう少し客観的に皆さまがやり、コミュニケーションとして表現することが必要だと思います。そこがないと、恐らく本当の意味での不合理さは除かれないのではないかと1つ考えます。

それから、先ほどから具象と抽象という話があり、よく抽象ということを言われるのですけれど、恐らく我々が生きているときにずっといろいろなことを全部具象で我々は受けているわけです。そこで整理してきているものが抽象であるなら、抽象のものというのは、本来何かテーマを与えられたら全部解ける、或いは矛盾を引っ張り出してくるものでもある大切な要因だと元々私は解釈しております。

それから、先ほど中村委員がパートナーシップの仕組みをシステム化したらどうかと言われましたが、私は街の中でいろいろやっていまして、いろいろな分野の人たちがここで苦労をしないといけないのではないかと思っています。先ほど寺川委員も、嘉田委員も言われましたが、結びつけていくにはどうしたらよいか、地域というものをどのような有効な結びつけにするのかというのは、これから苦悩しないと、次のステップへ恐らく進んで行けないだろうなと思います。

それから、今まで経済こそ、サイエンスこそと一方的な単調な物量や情報の流れで刺激を受けたわけですね。もう少し実感としてボリュームのもてるような内面というのは何なのかというときの説明、表現としてよく使われるのが自社製品の比較ですが、私は、いろいろな方と出会って来て、よく見えている、この人は非常によくいろいろなことを組み合わせていけるということを共通として感じるときがあります。それは分野を限りません。それはやはり大いなる知恵が働いているからだと思います。そこには、生命体をダメージから何とか軽減していこうという深い思いがあるからだと思っております。

少し戻りまして、今後のことですけれども、河川管理者の方たちが、180度の転換と言われますけれど、恐らく実態はそうではないだろうと思います。かなり近畿地方整備局は頑張っているのではないかと思いますが、実態はそうなっていないと思います。ですから、そういう意味では、我々も含めて、何とかこれをしっかりした実態として互いに実績を重ねていきたいと切に願っております。

もう1つ楽しみなのは、河川管理者が我々の提言を受けて、どのようなものを出してこられるかによって、恐らくそこで具体的に、もっとより検討できると考えております。

○芦田委員長(委員会)

今おっしゃったことを河川整備計画にどのように反映するかということを、また後でよいのですが、わかりやすく表現して頂いたら結構かと思います。今のご発言では、なかなかそれを反映するのは難しいと思います。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

ですから、一応4月に中間とりまとめとしてまとめられて、出してこられますよね。またそれを検討するという繰り返しが何度かあれば、収束していくのではないかと思います。

それからもう1つ付け加えさせて頂きますと、『京都環境フェスティバル2001における「エコ・ワークショップ」の開催について』という案内を1枚、休憩時間に配らせて頂きました。これは、やはりひとつの具体的で、行政、地域住民、そしてNGO、NPOを含めていろいろな分野の人があつまり、まだまだ途中経過の段階です。ですから、総合的に複合的にどのようにつながっていって、実態を知って、何とか解いていこうかとしています。何かやろうと思ったら、今は必ず矛盾がいっぱい出てきます。それをどのようにやっていくかということをお互いに具体的な策を考えながら進めていくというのが現状です。

○吉田委員(委員会)

今後の検討課題については、資料3−2の9ページからの川上委員のまとめが、また後ろの方に琵琶湖部会長の川那部委員のまとめ等があり、こういったもので非常によく方向性がわかるという気がしています。

ただ、山登りでいえば、5合目くらいまできていると思っていたら、やっと頂上が見えてきて、実はまだ1合目か2合目にすぎなかったということがわかって、愕然たる思いもします。これから十分な時間をかけて議論していけば(例えば川那部委員の言葉の中にあるように)洪水時には河川の中で防ぐという考え方から、水が河川外にあふれる状況もある程度考慮しながら、流域の土地利用を全体で対応する等の方向性は(もちろんこれについてもいろいろな意見があると思いますが)、議論できるし、回答は出せるのではないかと思うのです。

ただ、先ほどから丹生ダムの問題も出ておりますけれども、河川整備計画を考える上で一番大事なことは、実際ダムを計画する、或いは堤防を計画する河川管理者の方は、洪水時の計画流量だとか、将来的な水需要の量だとか、そういう具体的な数値に基づいて計画していると思うのです。ですから、河川整備の理念を変えなければいけないのであれば、数値も変わらなくてはいけないと思います。そこまでもっていけるかというところに、例えば次回4時間を使って議論したとしても、かなりギャップがあると思うのです。

○芦田委員長(委員会)

それは若干の不安は感じていますけれど、しかしやらざるを得ないと思います。

○吉田委員(委員会)

そうですか、委員長はそうおっしゃるのですが、私は、かなりギャップがあるかなと思っていたのです。

そこで、河川管理者の方にもお聞きしたいのですけど、そういったところまでこの流域委員会に委ねて議論できるのかどうか、それでしたら時間も相当必要だと思います。それから、私は猪名川部会の正式な委員ではないのですけれども、部会長にご了解を得て入れさせて頂いているのですが、猪名川の場合には、流域の真ん中が国の直轄管理区間で、上流と下流は府や県の管理区間ですね。そうすると、真ん中だけ数値を変えてしまっても、今度、下流の方は、洪水を抑え切れない等の状況がありますね。ですから当然、府や県の河川整備計画の数値についても整合性をもたなくてはいけなくなるわけです。

そういったことがどこまでこの流域委員会でできるのかということは、非常に大事なポイントだと思いますので、確認したいと思って発言させて頂きました。

○芦田委員長(委員会)

委員の議論の中だけではなくて、いろいろな意見が出ていますね。一般からも意見が出ています。それらのご意見を読ませて頂くと、非常に参考になることが多いので、最後の取りまとめのときには皆参考にする必要があると思います。

それから、どなたかがおっしゃったのですけれども、今までの議論をずっとやってきたプロセスの中に、いろいろなことを、皆さま言っておられるわけです。今年の2月1日に開催した、合同懇談会のときに夢を語るようなことを言っていますが、そういうものも入れていくべきではないかと思っております。この件については、庶務の方にまた後程ちょっと言います。

そういうことで、この議論だけではなくて、もっと広く書かれた意見書も含めて参考にしていきたいと思っています。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

今までサイエンスをやってこられた方も含めて、要するに今は物事というのは測定とかだけでは不特定だということがちゃんと出ていると思います。それと、河川事業をも含めて行って来て流域全体に影響があるかないか、確かに幅があるのだということもわかっているはずです。それは、かなり皆さまそれぞれの方が認識されているだろうし、そこを数値でいう場合、決定論的にこうだというのは恐らく無理だろうし、そこをどうするかということが、例えば実体を基にして宮本所長も越水の説明で言われましたように、水があふれたら結果としてどうなのかということも1つの回答の仕方なのですよね。その辺は、ちゃんと重要なことが進んでいるのですから、お互い認識しないといけないと思います。

そこも含めて、私は先ほど、河川管理者がある程度決められたときにはおもしろいですねという話をさせてもらったのです。

○芦田委員長(委員会)

ちょっと予定の時間を過ぎましたが、はい、どうぞ。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

資料4の検討スケジュールのところで、私自身もうっかりしていたことがあります。資料4の上から2つ目の点線の書いてある辺りですが、流域委員会の中間とりまとめのあとは、河川整備計画の原案が出てきてから審議を再開始するというのはまずいように思います。その間も委員会や部会は、基本的には開くべきであると考えます。琵琶湖部会はきっとそのあいだも開くと思います。委員会で一応意見を整理したものに関してでも、部会としてはある程度いろいろ考えたいということもあるかもわかりませんから。

それから、寺田委員が先ほどおっしゃったように、住民の意見を聴取する、いや反映するという問題をどのように実現するのかは大変な問題で、この件については必ずこの委員会で議論をちゃんとしなければなりません。寺田委員の先ほどの提案をセコンドしておきます。

○芦田委員長(委員会)

部会で住民意見を聴くことはお願いしているわけですけれども、この委員会として聴くかどうかというのはまだ決めていないのです。いずれ決める必要があると思いますね、公聴会的なものをやるかどうかとか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

最初から住民意見ということが委員会のかなり重要なポイントだったと思うのですが、先ほど検討項目として出したものは確かにまとまっています。それに対して、議論の部分がまだまとまっていないということを申し上げたのです。庶務の方がこれからやって下さるということですが、今までに住民の方が傍聴して出された意見、或いは投稿等していらっしゃいますけれど、そういう意見はここに、検討項目なり、どう反映されるのでしょうか。そこが少し不明確なまま来ているので、「聞き置く」というような状態になっていると思うのです。そこのところは大変重要だと思います。つまり、住民意見の聴き方を、はい、全部やりました、それで出発ですというのではなくて、既にこのプロセスは始まっているわけですよね。その始まっているプロセスをどのように結果の中に見せていくのかということが重要な議論だろうと思います。

○芦田委員長(委員会)

ちょっと考えなければいけないと思うのですけれども、全部その通り聴く必要もないわけですね。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

必要がないというのは、誰がどう判断するのでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

それは、委員会です。委員会としてやっているわけですから。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

ですから、委員会の方が少なくとも出てきた意見はある程度網羅的に、全部網羅するなら網羅すると方針を決めて、もちろんセレクトするのは必要ですけれど、その中で、議論するのはこれだという段階を決めて行うというのはよいと思います。

○芦田委員長(委員会)

セレクトすることは必要でしょう。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

ただ、その方法もきちんと整理しておかないと、単に聞き置くだけで、せっかく来て下さって、いろいろな意見を言って下さっている一般の人の意見が反映しにくい、或いはできないということになってしまうことを恐れているわけです。

○川上委員(委員会・淀川部会)

この意見取りまとめ表の最後のページに、傍聴者とか、住民の方から投稿された意見だとかを一覧表でとにかくまとめて頂いたらいかがでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

それはよいと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

その中から何を議論するかというのは、また委員会でセレクトをするということでどうでしょうか。

○芦田委員長(委員会)

ええ、その中から何を議論するかというのは委員会で決めるということです。

○川上委員(委員会・淀川部会)

もう1つあるのですけれど、すみません。先ほど、マザーレイク21計画とか、琵琶湖に係る湖沼水質保全計画とか、いろいろなものが各府県で策定されているとおっしゃっていましたけれども、庶務としてそういう資料を収集して頂いて、ポイントポイントでこれからの議論で提出をして頂くというようなことをお願いしたいと思います。整合性なしにはちょっとできません。

○芦田委員長(委員会)

もちろん庶務にもやって頂いたらよいと思いますが、この委員会としても関係するものは、収集する必要がありますね。

○塚本委員(委員会・淀川部会)

淀川部会でも、意見聴取に関する意見がかなり出たのです。基本的には今までのいろいろな歴史も含めて、近年の30年、40年を見ても、やはり何か不合理が起こっているときに必ず意見が出てくるのですね。もちろん限界はありますけれども、少なくとも何も出てこないところから意見聴取するのではなくて、今何か壁にぶつかって、何とかしたいというその思いで行動を起こしている、或いは意見というのは、ある意味で、集約して、とても大事な部分ではないかと思います。そこで皆さまがその意見を通すか、通さないか、とかそういうことではなくて、それによって今の実態を非常に明確に見ていけるという利点はとてもあると思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

住民の意見の聴き方で少し教えて頂きたいと思います。

淀川部会の議論を聞かせて頂きますと、インターネットなりいろいろPRして、幅広い人から意見を紙に書いて頂いて出して頂いて、その中と、委員からの推薦人の中からセレクトして、直接お話を聴くというような方向で調整をされていると話を聞きました。

そうしますと、例えば広く新聞広告なりインターネットで淀川部会に関して意見をお求めになられるときに、ついでに琵琶湖も猪名川も聴けば一緒に意見募集出来るし、一緒に意見が来る場合もあると思うのですが、どうでしょう。その意見の中から誰の意見を聴くかということについて部会でも選べるし、委員会も選べますので、取り敢えず一緒に選ぶということもよいかなと思うのですけど、いかがなものでしょうか。

○寺田委員(委員会・淀川部会)

今、河川管理者の方から意見を言って頂いたのですけれども、そういうことを検討したらどうかということで先ほど申し上げたつもりではあるのです。

つまり、このタイムスケジュールの中で、基本的にはこの前の運営会議では、まずは各部会の判断で、どのような手法で行うかは別として、住民のいろいろな意見を聴くということをやる。委員会としては、今後の皆さまの意見の中で決めていくという基本的なところが決まったと思うのです。

ただ、非常に時間が制約されているわけです。これから考えていくというのでは、もう時間がなくなってしまうのです。4月に中間取りまとめをしてから意見を募るというのは、これは前後が逆だと思います。やはり我々が議論していく過程で、もちろんこうしていろいろ意見を寄せて頂く方もおられるけれども、きちんとした形で意見を募るということは委員会としても必要ですし、部会としても必要だと私は思います。

ですから、淀川の方では、今、河川管理者の方からご紹介があったような形で、広くあらゆる広報手段を通じて意見を募り、1月の部会で、意見を寄せて頂いた方の中で、時間が制約されていますから、一定人数に絞るわけですけども、是非こういう方に直に意見を聞いてみたいという方を、申し訳ないけれども、選択はさせて頂いて、委員が自らいろいろ聴かせて頂こう、質問もさせて頂こうという方法でやるということを、3日前の部会で決めました。

しかし、こういうことは他の部会も、実はもう今決めていかなくてはいけないわけですね。この委員会としても、どの時期にどのような形で意見聴取をやるかということは、今日もう時間がなくて議論ができないとしたら、次は2月1日です。2月1日に議論をして、いつ行うかということで、4月の中間取りまとめまでに間に合うでしょうか。こういう制約された時間の中で、基本的にはやるかやらないかということくらいは今日決めておかないといけないと思います。

それから、広く意見を募って、あらゆる広報手段を通じてやるというのであれば、河川管理者の方が言われたように、別に淀川部会だけでやらなくても、他の部会もやるのでしたら、わざわざ広報手段に何遍もお金を使う必要はないのであって、1回の広報手段で他の部会も、場合によってはこの委員会としてもやるというようなことを明確にして、時期もある程度、同じ頃にやるのであればそういう方法が一番合理的ではないかと思います。

できれば委員会としても基本的には一定時期に、4月に取りまとめるまでの間に、何らかの広く意見をきちっとした形で募るということを、やるかやらないかだけを決められた方がよいのではないかと私は思います。

○芦田委員長(委員会)

わかりました。では、その件について、時間はあまりありませんけれども、他の部会はいかがでしょう。

○川那部委員(委員会・琵琶湖部会)

琵琶湖部会は、12月21日の午前中に部会を開いて決め、その午後に住民の方のご意見を聴く「試み」の会を開くことを部会長権限で考えております。

実は今までも、完全に私的な形で、「私の夕食につき合って下さい」という言い方で、部会とは全く別にやってきました。しかし、もう少し違うやり方も、しかも完全に私的なものではないものをやった方がよいのではないかというので、提案することにしています。但し、部会として開くのか、そうではなくて私的にお願いする形にするのかは、その部会で決めさせて頂きたいと思っています。

そういう方向から見ますと、琵琶湖部会としても、水野河川調査官が言って下さったように、一括して広報することに大いに賛成します。ご意見を言って頂くことで困ることはあり得ませんから、ぜひお願いしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

それでは、猪名川部会から何かありますか。

○米山委員(委員会・猪名川部会)

12月18日の部会で最終的に決めますけれども、先ほど申し上げましたように、公聴会というかヒアリングをやりましょうということは予め申し上げていますので、多分開くことができると思います。従って、広報は一元的にやって頂いて、3部会全部のアナウンスをやって頂いた方が経済的ではないかと思いますから、よろしくお願いします。

○芦田委員長(委員会)

そうすると、委員会としてどうしましょう。今、やるかやらないか決めた方がよいのではないかということで、やる方向で検討しましょうか。

○嘉田委員(委員会・琵琶湖部会)

全体一元的でという方向に賛成です。というのは、人は移動するのに、例えば琵琶湖に住んでいて淀川に移動したり、淀川の人が琵琶湖に来たり、近畿圏として人は動いていますから、そういう多様な意見を頂くという意味でも、この際、やるなら一体的な方が理にかなっているのではないかと思います。節約ということもあります。

○芦田委員長(委員会)

淀川部会はそれでよろしいでしょうか。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

淀川部会でいろいろ検討しているわけですけれども、現在のところは淀川本川とかその辺りに範囲を限って募集しようかという案がでていますけれど、水野河川調査官がおっしゃったように、淀川水系全体にわたって意見を集めても、いろいろなところに関わる意見が出てくるのではないかと思います。

私が事前にいろいろと聞いたところによりますと、例えば川を利用する人、川を守る人、エンドユーザーだとか、河川敷を利用する人とか、協会だとか個人とか、そういう方々を全部含めると、1万とか2万とかいう数になるような感じなのです。その中からどのようにピックアップして、意見を出すかということを考えていました。

流域委員会全体の中に入れば何とかなる可能性はあります。

○芦田委員長(委員会)

むしろ、部会ではなくて、流域委員会としてやらせてもらうということでどうでしょう。集まった中で、部会でそれぞれやってもらうということにしたらどうでしょうか。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

その中から選択して意見聴取するということですね。

○芦田委員長(委員会)

委員会として議論した方がよいテーマについては委員会でやるという方向でいかがでしょうか。せっかく淀川部会でお進め頂いているのですが、全体でやるということで決めさせて頂きたいと思います。よろしいでしょうか。

○桝屋委員(委員会・淀川部会)

スケジュールを検討しますと、非常にタイトですね。実際に1月中旬にやりますよということですと、土曜、日曜を入れますと、実質的には今直ぐにでも募集を開始しないと間に合わないですね。選定については、各委員の方に正月の間に検討してもらおうというスケジュールになると思いますので、その辺は早く決めなければいけないと思います。

○芦田委員長(委員会)

そうですね。それでは、よろしくお願いします。せっかく淀川部会でやろうとしておられたのを全体でやるということで、ちょっとご迷惑かもわかりませんが、その方がよいということです。

大分時間を超過しましたが、傍聴の方からご意見をお伺いしたいと思います。先ほど傍聴の方の意見を聴く必要はないと言ったのは、ちょっと言葉足らずでございまして、傍聴者からのご意見は選択させて頂くという意味で言っていたわけです。大いに参考にさせてもらっておりますので、どうぞ積極的なご発言をお願いしたいと思います。

何かございませんでしょうか、川づくりについての基本的な考え方とか、何でも結構です。特に傍聴の方にお願いしたいのですが、行政の人でも結構です。河川管理者でも結構です。

○傍聴者(猪名川部会委員 本多)

猪名川部会の本多と申します。今日は、傍聴で来ております。

先ほど川上委員から、流域委員会全体で集まるという趣旨のご発言が1つあったと思うのです。部会ごとによって河川の特性というものが違いますから、異なる意見も出てくるかもしれませんが、各部会にいらっしゃる委員の専門性から、片方では議論されているのですが、本当は一般的にどこでも言えることであるにも拘わらず、特定の部会でしか議論されていないということもあるかもしれません。私は一遍全体でそういうコンセンサスを得る場も必要ではないかなということを考えており、先ほどの川上意見に賛成したいと思いました。

もう1つは、委員からの意見聴取をされましたけれども、これも先ほどおっしゃっていたように、各会議の議論の中で随分意見が出されてきましたが、それを除外した出がらしではないのですけれども、その部分が出ていないということがあります。一番大切な話は議論の中で随分されてきたので、やはりこれは庶務の方に議事録を最初の段階から全部拾って頂きたいと、それを是非お願いしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

委員会と部会の委員全員を集めますと53人になりますので、全員実際に議論ができるかどうかというのがちょっと心配ですが、どうすればよいか考えてみたいと思います。

いずれにしましても、部会の方のご意見も、傍聴の方も含めて、全て項目の中にずっと結集していくという方向にしておりますので、そしてそれをまた全体で見てもらうということにしておりますから、それでよいか、或いは意見交換が必要かどうかということですね。

53人全部集まるというのは物理的に難しいと思いますね。

○川上委員(委員会・淀川部会)

会場については大学に協力して頂いたらどうでしょう。

○芦田委員長(委員会)

ちょっと考えたいと思います。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

委員会の開催時間ですが、一般の方の声を聴くという点でも、やはり参加しやすい時間調整をできたらお願いしたいと思います。それと、この委員会そのものも、大体平日の朝9時から17時の間ということですと、我々勤めは休んでこなければならないということで、もう休みがなくなってしまいました。そういう事情もありますから全部そうしろとは言いませんが、3回に1回か4回に1回は、遅くなって申し訳ないけれども、参加しやすい時間帯、或いは土・日を使ってもらうという工夫を残された期間でも結構ですので、ご検討を是非お願いしておきたいのです。

傍聴される方も、一般の市民の方も来られているとは思うのですけれども、どちらかというと少ないように思います。そういったことの配慮もちょっとお願いしておきたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

庶務の方、何かありますか。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

資料5と参考資料1、2についてはご覧頂くということで、先ほどの検討課題についてのご意見等につきましても、随時庶務の方に送って頂ければ反映させて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○芦田委員長(委員会)

それでは、大分予定時間をオーバーしましたけれども、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

これをもちまして、淀川水系流域委員会第6回委員会を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。

 

以上


注1:第1回委員会終了後、委員長代理は3人の部会長が交代で務めることが決まりました。第6回委員会の委員長代理は、淀川部会長である寺田委員が務めています。

 

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