淀川水系流域委員会 第5回猪名川部会

議 事 録



日時:平成13年10月9日(火)16:00〜19:45
場所:大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)


○庶務(三菱総合研究所 新田)

定刻となりましたので、ただ今より淀川水系流域委員会第5回猪名川部会を開催致します。

本日の司会は、庶務である三菱総合研究所の新田が務めさせて頂きます。よろしくお願い致します。

では、審議に入る前に、幾つかご報告とご確認をさせて頂きます。

今まで委員会専任委員であった吉田委員が、本日より猪名川部会にご参加して頂けることになり、ご出席頂いています。

次に、配付資料の確認をさせて頂きます。「議事次第」「発言にあたってのお願い」、議事次第に書かれてありますように、資料1から参考資料3までございます。

資料2-1、資料2-2、資料3、資料6及び参考資料3については、委員の皆さまには事前に送付させて頂いております。本日、委員の皆さまの机の上にはありませんので、よろしくお願い致します。

資料2-1補足資料のパンフレット2冊につきましては、部数の関係上、委員の方のみの配付となっております。「河川に外来種が進入すると…」のパンフレットは部数が少ないため、受付に閲覧用としてのみ設置しておりますのでご了承下さい。「止々呂美のさとやま」のパンフレットは余部がございますので、ご興味のある方は、受付に設置しておりますパンフレットをご自由にお取り下さい。

なお、カラーコピーの資料は、委員の方のみの配付とさせて頂いております。一般傍聴者の方には白黒コピーの資料を配付させて頂いていますので、予めご了承下さい。

また、委員の方のお手元には、以前の部会でお配りした資料の修正資料を配付させて頂いています。「淀川水系流域委員会(猪名川部会)参考資料」と題した資料ですが、第1回猪名川部会で使用した資料3の差替えですので、よろしくお願い致します。

本日は審議の終了後、一般傍聴の方にもご発言頂く時間を設けさせて頂く予定です。審議中は一般傍聴の方の発言を遠慮させて頂いておりますので、ご協力の程、よろしくお願い致します。

それでは審議に移りたいと思います。米山部会長、よろしくお願い致します。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

庶務よりの説明、どうもありがとうございます。

戦争が始まり、大阪にテロの飛行機が飛んでくるかも知れないという心配もありますが、あまり気にせず進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

前回の猪名川部会から今日までの間に、第5回委員会が開催されていますのでその概要について、庶務より報告して頂きます。資料1をご覧下さい。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

それでは第5回委員会の概要についてご説明申し上げます。

資料1「淀川水系流域委員会 第5回委員会速報(暫定版)」をご覧下さい。こちらの資料ですが、速報はただ今関係者に内容を確認中ですので、庶務の責任でまとめた暫定版として提出しております。よろしくお願い致します。

第5回委員会では、4名の委員からの情報提供と、河川管理者から、「人と川との関わりについて」という議題で、本日の部会の議題と同様のご説明をして頂いております。

河川管理者からは水防の話等のご説明があり、その後、鷲谷委員からは生態系について、倉田委員からは京都府下7河川のデータを用いた漁業の現状について、池淵委員からは、本日の部会でも話題提供をお願いしておりますが、水循環の考え方についての基本的な部分から琵琶湖・淀川水系に関する具体的な例までをご説明をして頂きました。寺川委員からは、水上バイクやワームの問題等についてのご説明を頂きました。

情報提供の後、意見交換を行い、様々な意見が出されました。最後に芦田委員長から、今後も現状説明は必要だが次回からは課題分析・方向性の検討の段階に入りたいと話があり、今後、課題分析・方向性の検討のためにはどのようなポイントで議論すべきか、何が課題となっているのかを、委員の方から意見を募るという形で進めていきたいということで第5回委員会は終了しました。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

河川管理者から情報提供を頂く前に、ご相談、お願いをしたいと思います。

阪神高速道路の建設に関して川西嵐山計画というのが出されています。その計画を立てた方々から私宛てに質問書が届きました。その質問書に対して、この部会で相談した上でお答えしますとご返事を差し上げてありますので、今日皆さまがご了解頂けましたら、回答案をお諮りして、決定してご返事するという形をとりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

これは時間的に見ますと、3人の委員の情報提供の後、休憩に入りますが、休憩後の意見交換の最初にご意見を頂くということで、回答の当否をご審議頂く形にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

それでは早速ですが、猪名川の現状、人と川との関わりについての情報提供ということで、河川管理者にお願い致します。

○河川管理者(近畿地方整備局 猪名川工事事務所長 上下)

今日は、川(洪水)から災害を防御、それと川の利用、それから川の文化、川の環境、こういうことで、人と川との関わりにつきましてご紹介したいと思います。

@河川管理者からの主な説明

資料2−1を用いて、猪名川の現状(人と川との関わり)についての説明が行われた。

@.川(洪水)から災害を防御

・ 平常時より防災訓練を実施し出水時に備えている。また、各地に水防倉庫を設置しており、土嚢などの非常用用物資などを備蓄している。

・ 水防体制として、府県や関係市の水防担当者が直轄区間の重要水防箇所の点検を行っており、左岸、右岸で各市の担当区に分けて水防活動に協力して頂いている。また、水防警報は、小戸水位観測所を基準として警戒水位に達する1時間前に「待機」「準備」次いで30分前に「出動」を出している。日常においても、河川巡視を行っている。

・ 住民に対しては安全で的確な避難行動がとれるよう、過去の浸水地域や避難場所、ルート等を示したハザードマップが公表されている。

・ 猪名川は、流域の都市化が進み一気に水が流れていくこと、河川改修が未完成のところがあること、開発がさらに進んでいることなどの理由から総合治水対策を実施している。対策としては、「流域」「河川」「その他」の3つで考えており、流域については保水地域、遊水地域、低地地域を設定している。保水地域では一定規模以上の新規開発の際の調節池の設置や自然地の森林保全を、遊水地域では盛土の抑制などの対策を行っている。

A.川の利用

・ 利水のうち、農業関係では流域市町村の米粗生産額が昭和40年をピークに下がり、田畑についても面積が減少している。漁業は、アユ、ニジマスなどの放流が行われている。

・ 6市2町で猪名川の水が飲まれており、川西市、豊能町では100%、池田市、猪名川町では70%以上が猪名川の水である。

・ 渇水時の対応は、利水者、大阪府・兵庫県の水資源担当部局と河川管理者による猪名川渇水調節協議会を開催し、一庫ダムの貯水率や長期的な天気予報等を目安に渇水調整に入る。近年では平成6年から7年にかけて、延べで271日、上水の最高で30%の取水制限が行われた。

・ 河川敷364haに対する高水敷の割合は13%(47.5ha)で、高水敷の内67%(31.9ha)が占用公園として利用されている。また、都市公園における猪名川の河川敷占用公園の割合は、池田市で89%、伊丹市で12%となっている。

・ 猪名川の利用形態についてはスポーツや散策などに利用する人が多い。利用場所は高水敷が最も多く、70%を占めている。

B.川の文化

・ 各市において、高水敷や堤防天端を利用していろいろなイベントが催されており、中学生のマラソンや川の日の記念イベント、河川敷の清掃、野草教室などが開催されている。

・ 猪名川流域の特産品としては伊丹や池田の酒、茶道に使われている池田炭などがある。池田市の細河地区は宝塚市の山本地区とあわせて、日本で植木の四大名産地となっている。

C.川の環境

・ 昨年、地域住民と連携してワンドを整備した。また、河川をショートカットした際に残された部分の水面を利用して、公園を整備している。

・ 堤防から直接建物の2階へ行くことができるように通路を整備したり、堤防から高水敷の公園につながる坂路を緩い勾配にして、車椅子が利用できるように整備されている。

D.地域住民との関係について

・ 資料4−1、資料5−2を用いて、猪名川工事事務所等と関係のある地域団体の説明と、地域団体の一つである阪神高速道路対策川西連絡協議会と猪名川工事事務所との経過について説明が行われた。

(質疑応答)

Q:総合治水対策メニューの遊水地域の箇所に「都市計画法による市街化調整区域の保持」「盛土の抑制」とあるが、猪名川流域で遊水地域に指定されている地域はあるのか、あるとすれば、盛土の抑制というのは自治体の条例などで行っているのか、国の方でやられているのか教えてほしい。

Q:総合治水対策メニューの中の河川対策と流域対策をどういうバランスで計画され、流量をどのように配分されているのか、そして、実績として何%達成されているのか教えて欲しい。

A:今は資料を持っていないので、次回、回答させて欲しい。(河川管理者)

以上で、人と川との関わりをご説明させて頂きました。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

5分くらい、意見、ご質問があれば、委員の方からご発言を頂きたいと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

すみません、もう少し説明があります。

人と川の関わりで、前回、地域住民とどういう関係を持っているのかというお話がありましたので、そこも説明させて頂きたいと思っています。

○河川管理者(近畿地方整備局 猪名川工事事務所長 上下)

続けてさせて頂きたいと思います。

[省略:地域住民との関係について、資料4-1、資料5-2について説明]

以上で報告を終わらせて頂きます。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。ちょっと急ぎ過ぎました。失礼致しました。

これも含めて、河川管理者からのご報告に関して、委員の皆さまから何かご質問、ご意見がありましたら、5分くらいですが、今伺いたいと思います.

○畚野委員(猪名川部会)

河川管理者から説明されました、「人と川とのかかわり」について、若干質問させて頂きます。

資料2-1の5ページに総合治水対策メニューというのがあります。今回の協議の主対象は大臣直轄区間ですが、流域対策についても配慮が必要という話は前から出ていると思います。総合治水対策メニューは流域対策と河川対策に分かれておりますが、流域対策についてお尋ねします。

1つは、流域対策の中に「遊水地域」というのがあります。その中味に、「都市計画法による市街化調整区域の保持」と、「盛土の抑制」が示されていますが、遊水地域の指定は現在、この流域で存在するのかどうかということと、盛土の抑制というのは自治体の条例等で行っているのか、それとも国の何かで行っているのか、お教え願いたいというのが1つです。

もう1つは、計画上、流域対策と河川対策等の流量の配分問題があると思います。要するに、今までのやり方だと河川対策に非常に重点が置かれており、その殆どを河川対策で、はっきり言えばダムに依存するという姿勢が強かったと思います。それに対してこれからの考え方としては、かなり時間がかかると思いますが、流域対策にもやはり力を入れて頂きたい。そういう考えから見ますと、現時点において、河川対策と流域対策とを、どういうバランスで計画されているのか、流量配分がどう計画されているのか、それと、それぞれについて実際の実績が何%達成されているのか、今すぐでなくとも、数字を参考資料として提出して頂きたいと希望します.

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。今、ご返事頂けますか.

○河川管理者(近畿地方整備局 猪名川工事事務所長 上下)

今、資料を持っていませんので次回にさせて頂きたいので、よろしくお願いします。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

他にございませんか。なければ、引き続いて池淵委員にお願い致します.

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

それでは、水循環ということで20分ばかりお話をさせて頂きます。

OHP及び資料2−2を用いて水循環についての説明が行われた。

・ 6000年前の近畿地方は、海が現在よりも内陸に相当進入していたが、河川から流れ出る土砂の堆積や埋め立てなどによって、猪名川流域においても陸地が拡大している。

・ 日本の年平均降水量は他の国と比べても多いが、面積が小さい割に人口が多いため、人口一人あたりでは少ない。明治以降の年平均降水量の推移を見ると、最近の傾向としては変動が非常に大きい。

・ 降水においては季節変動と時間的集中化が特徴である。地形特性としては堆積地形が主であることなど、土地利用では下流低平地に人口や資産が集中していることなど、流出特性としては流量変動が大きいことなど、人口・水利用では人口が過去100年で4倍に増加していることなど、がある。

・ 森林には水源涵養機能というものがあり、雨が少ないときには森林等で遮断されたり、土壌を湿らせるため流量は出てこず、降り続けると流量が出てきて、さらに降り続けると流域が飽和状態となって降った雨はそのまま出てくるようになる。

・ モデルによる試算では、猪名川流域の一庫上流域で110〜120mmの雨量に達すると雨が直接流れ出るようになる。一庫上流域の市街地を山地に戻した場合は、昭和28年の実績降雨でピーク流量が16m3/s減少するが、量的にはそう多くない。

・ 森林は中小洪水に対してはかなりの洪水調節機能を有するが、大洪水となると流域は流出に関して飽和状態となり、特にピーク流量の調節という面では期待できない。ただ、森林は水源涵養機能の他に多くの機能を持っているので、森林の整備保全が重要であることには変わりはない。

・ 森林の洪水・渇水緩和機能を超える洪水時や渇水時では、被害の軽減などをはかるには、ある程度の水準をもった森林以外の治水、利水機能を確保することが不可欠である。どの程度の安全度とするかは、議論があると思うが、森林だけでは限界があると思う。

・ 下流の都市域の水循環としては、非常に浸透しにくい面が多いのと同時に、下水道など人工循環系のシェアが非常に大きい。

・ 南海地震の発生確率が大きな数字で発表されているが、大阪湾の湾口等では津波を考えなければならない。特に下流域では高潮或いは津波を想定しておく必要がある。また、地球温暖化により、世界的にも変動が大きくなってきていることから、渇水や洪水の頻度を警戒していく必要がある。

(質疑応答)

Q:高潮という切り口から説明されたが河川管理の役割を広くとらえた場合、防災計画における河川空間と水の役割の明確化というようなことがモデルで提唱されているので、そういった面も取り上げて欲しい。

A:南海地震のシミュレーションで、津波が大阪湾に入ってくる時の波高などのアウトプットを防災研究所でも算出しているようなので、高潮防潮堤を上回る波高になるのかなども含めて用意できれば提示したい。(池淵委員)

Q:市街地を10%山地に戻すと流出量は1%減少するというお話だったが、100%山地に戻すとどうなるのか。やはり流出量は10%減少する程度なのか。ピーク流量の減少としてはそれほどあてにはできないのか。

A:モデルでシミュレーションしていないので、算出してみたいが、山地のパーセントが増加した分だけピーク流量が減少するとは予想はしていない。(池淵委員)

Q:愛知の洪水のように500mm程度の雨が集中した場合、ダムを造っても駄目だという試算はないのか。また、余野川ダムなど今猪名川流域で計画されているダムが完成した場合、500mmの雨が降った場合にはもつのか。

A:東海豪雨並みの降雨の場合には、一庫ダムを空にしておいて、流入してくるものは全て貯め、それを超えるものを流すという考えだと相当の効果があると思うが、そういった想定のシナリオをまだ描いていない。余野川ダムなどが完成しても、500mmの降雨ではもたない。従って、どのくらいの安全度、リスクまで頑張るかを決めて、それを超えるものについては氾濫するが、死傷者だけは出さずに、床上、床下浸水は覚悟するという選択が必要となろう。400、500mmがどのくらいの確率で起こるかは計算できるが、それをこの流域の合意としてがんじがらめで防御するのがいいのかどうか、という議論がある。(池淵委員)

A:第1回猪名川部会資料3に、大きな雨が降った場合、ダムはどうなるかということについてモデル的に試算した資料を載せている。ダムもある計画値を想定して運用しているため、計画を超えるような大雨が降れば、パンクする。(河川管理者)

Q:針葉樹林と広葉樹林で違いがあるといった細かいデータはないのか。

A:樹種による違いがどの程度出てくるのかといった、試験地サイドでの事例がほとんどないのが現状である。もし提示できるようなデータがあればと思う。(池淵委員)

以上、雑駁でありましたけれども、水循環という切り口でプレゼンテーションさせて頂きました。どうもありがとうございました。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

委員会でもご報告頂いたのですけれども、こちらは猪名川バージョンということで、改めていろいろ教えて頂きました。

委員の方で、何か特にご質問はありますか。

○畚野委員(猪名川部会)

最後に説明された地震の問題について、委員は高潮の問題という切り口からおっしゃいましたが、実際、河川でも河川管理の役割を広く捉えた場合に、防災計画における河川空間と水の役割の明確化というようなことが関東の方ではモデルで提唱されておりますので、そういう面も後々の討論の席で取り上げて頂いたら良いかと思います。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

南海地震の想定で、早い段階で津波が大阪湾に入ってきて、波高はどれくらいになるかなど、そういった形のものもあくまでシミュレーションではありますが、アウトプットが出かけております。特に河口域、高潮防潮堤、或いはそれを上回る波高になるのかどうか、そういったことも含めて、プロダクトを用意、提示できればと思っております。

○田中委員(猪名川部会)

今の降雨量と流出量の関係ですけれども、120ミリから150ミリ以上の総雨量があると、森林の貯水機能や地下水に浸透していく機能は飽和状態になり、それ以上は直線的に増加していくという話でした。例えば、市街地を10%森林に戻したとしても、その流出量は1%くらいしかカットできないということでしたが、これは100%になったらどうなるのでしょうか。100%森林になっても10%くらいしかカットできないのでしょうか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

先ほどお見せした一庫ダム上流域の方は市街地面積が大きいですが、猪名川の特徴としては、下流域の市街地拡大の方が非常に大きいわけです。上流の方は、昭和22年で82%が森林面積率、現在は75%程度の地域なのですが、それを全部100%にしたとき、モデルでシミュレーションしていませんが、120ミリから150ミリ以上の雨に対しては、森林面積が増えた分だけが抑制されるというようには予想はしていません。

○田中委員(猪名川部会)

やはりある程度の人間の居住地は確保する必要がありますので、住まなければ100%とは言いませんが、流域の開発が進む前の状態にしたときに、何%アップするのでしょうか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

それが先ほど申しました、10%弱を戻したという形で計算してみました。

○田中委員(猪名川部会)

そうしますと、100ミリから150ミリ以上の総雨量があった場合には、たとえ森林に戻したところで効果がないということですか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

限界があると思っています。もちろん、洪水の緩和とか利水の緩和という、限られた視点で見ればということですが。森林は他にも土砂防止機能など、いろいろな機能を持っていますので、保全整備を基本として保水機能を持たすという森林整備は当然施策として持ち合わせる必要があるでしょう。

○田中委員(猪名川部会)

ピーク時のカットとしては、それほどあてにできないということですね。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

はい、そう思います。

○田中委員(猪名川部会)

そうしますと、今池淵委員がお話しされたことと少し離れるかも知れないのですが、例えば総雨量が150ミリというのは時々あることですよね。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

はい。

○田中委員(猪名川部会)

去年発生した愛知の洪水のときの降雨量は400ミリですか、500ミリですか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

500ミリです。

○田中委員(猪名川部会)

短期に集中して降った時には、ダムを造ったとしても駄目だという試算はないのですか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

今の一庫ダムを空にして、降った雨は全部貯めて、貯まり切らないものは越流させるという形だと相当効果はあると思いますが、今のところ、東海豪雨並みの雨量という想定のシナリオをまだ描いておりません。そういった形のものが皆無です。

○田中委員(猪名川部会)

一庫ダム、それから今造ろうとしている余野川ダム、要するに今計画されている猪名川流域のダムが全て完成したとして、200ミリ、300ミリ、400ミリ、500ミリの降雨のときにもつのでしょうか。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

もたないです。

○田中委員(猪名川部会)

分かりました。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

ですから、どれくらいの安全確保と、どの程度のリスクを受容するかという計画でダムを造るわけですから、それを超えるものについては当然氾濫する。その時には死傷者だけは出さないように床上、床下はそれなりに覚悟しなければならないという選択になろうかと思います。

400、500ミリの雨がここで降る確率に対する試算はできますが、そのようなリスクをこの流域で皆で合意して、がんじがらめで防御するのが良いのかどうかという問題はあると思います。

○吉田委員(委員会・猪名川部会)

東京大学の愛知演習林に関するデータには、例えば針葉樹林と広葉樹林では違いがあるとか、そういったデータがあるのでしょうか。もしあるとすれば、今現在、針葉樹林や森林になっている箇所をもっと広葉樹林に変えたら保水力は高まるのかどうか、その辺りについて、データがあれば教えて下さい。

○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

現実問題として、樹種による違いがどの程度出てくるのかについて、試験地サイドでの事例が殆どないのが実態だと思います。

一部諸外国の部分も含めて集めているのですが、微妙です。天然林と人工林、雨の降り方や面積のサイトとか地質、そういった複合要因がありますので、樹種の変更による観測事例は殆どありません。森林の樹種変更には非常に関心はあるのですが、客観的なデータとして少し提示をするまでに至っていないというのが実態だろうと思いますが、集めてはみます。もし提供できるものがあればと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

第1回部会の際に資料3をお配りしてありまして、委員のお二人に1冊ずつ置いてあると思いますが、大きな雨が降ったらダムはどうなるかについて、一応モデル的に計算した資料を載せております。先ほどの質問に対して一部の補足になると思いますので、ご説明させて頂ければということで、今、手を挙げました。

1-32、1-33をご覧下さい。ある基準の雨の1倍が降った場合と、1.4倍が降った場合にどうなるかということを示させて頂いております。

1-32の下側の図につきましては、昭和58年9月型の洪水を対象にして、同じ雨が降った場合どうなるかを示しております。赤い線が一庫ダムに入ってくる量で、青い線が出ていく量ですので、ダムできれいにコントロールしているという状況です。同じように右側ですが、昭和58年9月の雨を1.4倍に大きくしております。そう致しますと、最初の方はうまくカットできておりますが、9月28日18時で青い線が急激に立ち上がっております。ここでダムが満杯になり、限界になったということです。従って、ダムもある計画を持って運用しておりますから、計画を超えるような大きな雨が来ればパンクするということです。

ちなみに、このときの総雨量ですが、1.0倍ですとトータルで約250ミリ、1.4倍で約350ミリです。その関係につきましても、1-30ページの上側で流域平均の関係、これは下流で流量がどうなっているかを示しているグラフです。下の方で倍率と降雨量の関係が示してございまして、1.0倍では小戸で250ミリくらい、1.4倍で小戸の流量平均で350ミリという状況です。同様にダムにも限界はあるということですが、例えば100年に1回の確率を対象にしておりますから、ある程度までは大丈夫ということです。以上です。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。こういうデータがきちんとあるということに、感心しました。

それでは引き続いて、松本委員からご報告をお願い致します。

○松本委員(猪名川部会)

専門の方がいらっしゃる中で、前回、データを提供してもよいと発言したものですから、本日発表することになってしまいました。

OHP及び資料2−3を用いて猪名川に生息する生物(魚類)についての説明が行われた。

・ 自分の所属している団体では、生き物調査等を行っている。そのデータをもとに話をするので、定量的、専門的なデータをもとにした話ではないということを、初めに断っておきたい。

・ 猪名川の生物相、特に魚類については、まだ十分調査されていないのではという感想を持っており、そういった面から説明したい。

・ 猪名川流域には細かい分類をすると40種類くらいの魚が生息していると思われる。用水路或いは小河川が流入している部分に魚が集まる傾向がある。

・ 猪名川では、ギギやナマズが比較的豊富にいる。下流の方でも藻の群落が点々とあり、小魚のゆりかごになる場合が多々ある。また、深みがあって少し淵になっているような場所にもいろいろ集まってくる。

・ ムギツクは、岩場や障害物の多いところに生息しているが、今、減少が非常に著しい魚である。河川改修が進むたびに減少しており、平瀬が多くなっているのが原因の一つと考えられている。

・ スジシマドジョウは、大阪府下では非常に稀少になっており、猪名川でも消滅の危機にあるのではないかと思っている。

・ 河川は非常に著しく形態や環境を変える。過渡期のある時期にある環境があり、そこに出現する魚もいるのではという思いもある。

・ カワヒガイ、タナゴといった種類は二枚貝に産卵する習性があるが、猪名川流域のみならず、二枚貝は全国的に非常に減少している。二枚貝の生息する環境を取り戻さないとタナゴ類は戻ってこない。

・ 猪名川水系には比較的多くの種類の淡水魚・貝類が生息しており、まだ捨てたものではないが、今のまま放っておくと、近い将来消滅する種類も少なくはない、ということを結論として言いたい。

(質疑応答)

Q:猪名川水系の場合、大阪府のレッドデータと兵庫県のレッドデータがあるが、大阪府の方は参考になるのか。

A:大阪府の方が比較的ポピュラーなものを準絶滅種などとして取り上げている。大阪府の方には猪名川のデータが十分反映されていないという思いがある。資料2−3には、猪名川の大阪府に属する場所で生息している魚を意識的に載せた。(松本委員)

中途半端ですが、以上で終わらせて頂きます。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

ご質問をお願いします。どうぞ。

○畚野委員(猪名川部会)

ちょっとお教え願いたいのですが、資料2-3の表の備考の欄にいわゆるレッドデータブックのマークが記されています。分からない点ですが、猪名川水系のレッドデータの場合、大阪府版と兵庫県版の両方があって、大阪府のレッドデータが参考になるのでしょうか。

○松本委員(猪名川部会)

兵庫県に比べて、大阪府の方が比較的ポピュラーなものを準絶滅種として挙げています。猪名川は、大阪府内を流れている部分と兵庫県内を流れている部分がありますが、つい最近出た大阪府版のレッドデータは、猪名川のデータをあまり反映してないという思いがあります。ですから、猪名川の大阪府に属する部分で生息しているものを意識して載せました。兵庫県版のレッドデータもありますが、今回は載せませんでした。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

他になければ、ここで休憩に入ります。少し時間が押していますので、プログラムによれば休憩時間は17時20分から50分ということになっておりますが、もう17時40分になっておりますので、10分ほどで再開したいと思います。大変慌ただしいですが、少し休憩させて頂きます。よろしくお願いします。

[休憩 17:40〜17:50]

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

既に東山委員がお帰りになったそうですが、委員はこれで全員ですので、それでは再開させて頂きます。

最初に申し上げましたように、9月10日に質問書が参りまして、その内容は皆さまのお手元に届いていると思います。この質問書に対する回答を今日ここで決めようと思っております。原案を一応作っていますが、逐条の質問に対する、殆どその通りの逐条の回答です。

その前に10月5日に、私と庶務の新田さんが出席しまして、阪神高速道路対策川西連絡協議会会長の菅野さんと、環境にやさしい街づくり推進会の事務局長の三原さん、それに川西市から下水道部長と土木部道路建設室の高速道路課の方がお見えになって、リーガロイヤルホテルにてヒアリングをしました。私は、はっきりヒアリングと申し上げたのですが、ご意見を伺うということに致しました。要点を会談メモとして提出していますが、あまり時間がありませんので、先に進みたいと思います。

ヒアリングの最後に、本日はヒアリングだけで意思決定は行いませんと申し上げました。部会に諮った上で先日の質問書に対する回答という形でお示し致します、ということに致しました。それには、私の意見としては、阪神高速道路対策川西連絡協議会、川西市、近畿地方整備局の3者の協議で決着するようにという意見を盛り込みたいと思います、と述べさせて頂きました。

そういうことで、この回答(案)ですが、再生計画というのはお手元にあるかなり分厚いもので、それに付図がついていまして、その付図をもとにして議論が行われたわけです。河川管理者の上下所長に、これまでの経緯を一応ご説明頂いています。それも踏まえた形で、こういう形の回答でよいかどうか、ちょっとお諮りしたいと思います。大急ぎで読ませて頂きます。

[省略:「9月10日の質問書に対する回答(案)」の説明]

何か付け加える点、或いは訂正がありましたら、ご意見を頂きたいと思います。無ければ、「(案)」という表現を消して、文面が受け身になっているなどしていますが、それは訂正させて頂きます。

○吉田委員(委員会・猪名川部会)

私は今まで猪名川部会には属しておりませんでしたので、経緯を存じ上げない点もあって、失礼かも知れませんが、(案)のTの2「本委員会の法的な位置付けについて」の部分について意見があります。

淀川水系流域委員会及び猪名川部会、どちらも同じと思いますが、新河川法に基づく河川整備計画を作るということを前提にしておりますので、「拘束力、強制力を持っていません」と断言してしまうのもちょっとどうかという感じがします。つまり、第2回か第3回の委員会の議事録にも載っていると思うのですが、「河川整備計画を作るのが役割である。そして、その河川整備計画に書き入れられなかった事業については行わない」と河川管理者からも発言されていると思います。ですから、河川整備計画に対する委員会ないし部会の、ある程度の拘束力・強制力という言葉が適当かは分かりませんが、意見は反映されるものだと思います。そういう意味で、国土交通省猪名川工事事務所の事業に関して、河川整備計画については、委員会ないし部会が提案したことが反映されると認識していますが、皆さまのご意見はいかがでしょうか。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

ここに委員会のメンバーはあまりいないのですが、この質問書は、淀川水系流域委員会及び猪名川部会で何か言えば、そのまま国土交通省なり猪名川工事事務所にプレッシャーがかかるかという意図で質問されていたと思うのです。ですから、そういうことは一切ありませんということをここでは言いたかったのです。結果として、最終的にまとめたものは、中長期的計画、中期計画・長期計画に対しては、我々の意見を反映することを期待しているというようなニュアンスで答えたつもりです。ダイレクトに私たちが何か言えば、それがプレッシャーになって、そのまま反映するというものではないと私は理解しています。

○本多委員(猪名川部会)

すみません、その辺りが少し分からないのですが、今の吉田委員の発言ですが、私も傍聴していて、そのようなことを聞いたような記憶があります。河川管理者が確かおっしゃったと思うのですが、もう一度、河川管理者の方から確認をして頂けますか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

淀川水系流域委員会は、法的に申させて頂きますと、河川管理者が作成した河川整備計画の原案に対して意見を聴く場です。ですから、法的に言うと、「意見を聴く場」です。但し、河川管理者としては、意見を頂ければ尊重するというつもりです。そう説明させて頂いております。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

それでは、こういう書き方で異論はありますか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

この書き方でも間違っていませんが、より強く主張するとなれば、「河川整備計画に対して拘束力、強制力は持っておりませんが、国土交通省は尊重すると言っている」という書き方もあるのではないかと思います。ですから、「国土交通省は意見を尊重されると思っている」というくらいが良いのではないでしょうか。「期待する」という表現は、確かに弱いのではないかと思われますので、「尊重されるものと理解している」という書き方はあり得ると思います。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

「中長期計画に反映すると考えます」くらいにしましょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

我々河川管理者に聞かずに、そちらで議論して下さい。ですから、「尊重されると理解している」というような意味にすればよろしいのではないでしょうか。

○吉田委員(委員会・猪名川部会)

河川整備計画というのは、少し曖昧なので、「新河川法の河川整備計画」とはっきり書いて頂いた方が良いのではないでしょうか。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

何か他にありますか。

それでは、時間の関係もありますので、これでよろしければ、今の部分を少し訂正しまして、「中長期計画に尊重されると理解しています」ということにして、「(案)」というのを取らせて頂きますが、よろしいでしょうか。日付は、明日くらいの日付でご返事するということにさせて頂きます。

大変ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。一応、この部会で審議してご返事するということにしましたので、ご理解頂ければありがたいと思います。どうもありがとうございました。

それでは、質問書の話は終わりましたので、「猪名川の環境をめぐる現状と諸問題についての意見交換」ということですけれども、先に「猪名川モデル」というのをお話し致しまして、それについてご意見を頂くという形で議論を進めていくことにさせて頂いてよろしいでしょうか。

それでは、資料3「猪名川モデルの骨子(案)」をご覧下さい。これはまだ充分とは言えません。例えば、ここで例として挙げましたのは豊能町の世帯の人口増加だけですので、その辺りも100%全域のものをきちっと調べなければいけなかったのですが、ちょっと時間が無くて、大変失礼致しました。

淀川部会、琵琶湖部会も含めて、流域委員会全体としてものを考えていくときに、できれば何かたたき台があれば良いなということで、一番都市河川の典型と呼ばれている猪名川を材料にしてモデルを作ってみたらどうかということが、始まりでした。ところが、9月21日の第5回委員会で、淀川部会の寺田部会長から部会委員に宛てて、課題募集、一種のアンケートがあり、それを委員会でも配付されました。それを今コピーして頂いているようですので、後ほど皆さまにお配りします。できれば、猪名川部会でも同じように、皆さまのご意見をこういう形で集めてみたら良いかと思い、淀川部会の配付資料をそのまま配付させて頂きました。

これには、全体的に包括的な考え方の記述、本計画への位置付け、個別項目ごとの治水、防災、利用、環境、その他という形でいろいろ細かい項目が付いております。私は、実はここまでできれば良いなと思ったのですが、「猪名川モデルの骨子(案)」はここまで個別に詳しいことは書いていません。できれば、それぞれ提出して頂いたものを次回に議論するという形になれば良いかと思っています。取り敢えず、全体としての私が出しました骨子(案)を大急ぎで紹介します。

[省略:資料3「猪名川モデルの骨子(案)」の説明]

最後のポイントは、この後ろに、PHP出版から出ている「THE 21」の人口推移の表を付けさせて頂きました。非常に見た目に分かり易くなっています。人口はシュッと上がって、2005年以降はドカンと落ちるという乱暴な表ですが、2100年には1900年くらいの人口になるのではないかという気がします。それを前提に考えておけば、これからあまり住宅開発を想定しなくても良いのではないか、今の状態を成熟させていくことが大事ではないかと考えます。急激に変化させずに、静かな落ちついた社会にどう戻していくのか、もちろん江戸時代に戻すわけではありませんが、そこへうまく着地させるというのが理念として考えられるのではないかと思います。

そのような長期的な展望を前提にすれば、今、猪名川の上流がどんどん乱開発されて大変だと考えていますが、あまり気にしなくても良いのではないかと思います。あまり神経質になって、これから先も同じような路線でどんどん乱開発されるから大変だと考える必要はないのではないか。むしろ、今の180万の人間がより生活の質を充実させた生活をここで送れるよう条件づくりをするということが大事なのではないか。その大前提には、治水ということがあるわけですし、飲料水を始めとする利水も大事なのは言うまでもないです。

環境で言えば、そうイメージしておいた方が良いのではないかという気がして、少し乱暴なモデルですが、作ってみました。もちろんこれでは不十分ですから、委員の皆さまに、淀川部会のモデルと言うかフレームを利用して頂いて、それぞれのプラン・モデルを作って頂ければ良いのではないかと考えております。私自身もこのようないい加減な骨子では困りますので、少し数字その他も検討して、寺田方式にそのままするかどうかは分かりませんが、もう一度リライトをしてみたいと考えております。

いかがでしょうか。畚野委員、もし良ければコメントを頂けますか。

○畚野委員(猪名川部会)

実は、このモデルの骨子(案)を1週間ほど前に頂いたばかりで、それからもいろいろと他のこともありまして、十分頭に入っていないので申し訳ないのですが、これはあくまでモデルで、これをスタートとして、各委員の意見も十分聞いて頂くとして、ひとまず私の希望としては、具体的対策として、より広範囲で包括的なものも取り入れてまとめ上げて頂ければ良いと思います。淀川部会の配付資料も参考にさせて頂いて、次回から討論に入って頂くとありがたいと思います。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

いかがでしょうか。服部委員、一言お願いします。

○服部委員(猪名川部会)

今日は遅刻しまして申し訳ありませんでした。反省しております。

私が来たときにちょうど高水敷の説明をして頂いているところでした。猪名川モデルの骨子(案)には、軍行橋上流の東久代公園の整備というのが書かれていますが、整備の内容等はまだ良く分かりません。私は植物が専門ですので、河川の環境という問題を捉えた時に、河川敷の高水敷のあり方というのが一番重要な問題ではないかと思います。

前回、高水敷の状況の説明を頂いたのですが、今日の説明では高水敷が殆ど占用公園というような形で使われています。その占用公園も、殆どが運動公園という形で使われている状態です。

伊丹市の状態を見てみますと、今の段階ではまだ12%と非常に低いのですが、将来計画の中で恐らく50%程度、河川敷の部分を公園にするようなことも書かれています。その公園の実態というのは、殆ど運動公園です。河川敷の中に運動公園が本当に必要かどうか、また、本来河川敷以外の中で造るべきものをどうして運動公園を河川敷に持っていかなければならないのかと考えます。実際には、お金が無いから、土地がないからといった問題があると思うのですが、猪名川はその率が高過ぎるのではないでしょうか。私は伊丹市に住んでいますが、伊丹市、池田市、豊中市、或いは尼崎市といった都市にとってみれば、自然というのは河川しかないわけです。その河川しかない自然が運動公園に変わっているというのは、やり過ぎではないでしょうか。100%運動公園を外せというわけではありませんが、環境ということを言いながら、実は運動公園になっているというのは、ものすごく大きな問題ではないかという感じがあります。

○田中委員(猪名川部会)

猪名川モデルの骨子(案)となっていますが、新河川法ができて、治水、利水、環境を同列に扱うという大前提ができているにもかかわらず、この案を見て、正直言って私は失望しています。

やはり、余野川ダムはつくる。それから銀橋の上の開発した箇所を救うために、下流部の整備をして掘削する。要するに後追いの論理で、現状の洪水対策、水需要の対策ということがまず目標に置かれており、環境は一番後ろに後退してしまっています。

確かに、猪名川は都市河川で非常に難しい問題があると思うのですが、このトーンでは長期的展望の下、より落ちついた社会にソフトランディングさせるという目標を持っても、現状の具体的な対策というのが、やはり後退しているという気がします。

先ほどもありましたように、300ミリ降ったらダムでも止められないという話になるとすれば、今から、時々水に浸かりますという覚悟で、まずハザードマップを作る。余野川ダムや他のダムをつくった時にはこれくらいの被害を受けるけれど、一方でダムなしの場合はこれくらいの被害を受けます。その代わりに水辺環境・植物・魚にとっては非常に好ましく、私たち地域住民にとっても非常に良い環境が生まれる。結局は、その選択だと思うのです。

高知県の橋本大二郎知事が言っていましたが、50年に1度の水害に備えるために、とにもかくにもダムをつくり堤防を高くし、残りの49年364日はつまらない川の側で、1日の洪水のために99%の日はつまらない川で暮らすのか、或いは99%の楽しい川というか、非常に環境豊かなところに住んで、1日の洪水を許容するのかというところの選択で、私はこの米山部会長の作られた骨子(案)というのは、やはり後退しているという気がします。非常に不満です。

確かに猪名川という都市河川の問題はあるとは思うのですが、この猪名川モデル骨子(案)では、ソフトランディングにはならないと思います。一度つくってしまったダムというのは、恐らく撤去するのは難しいと思います。ですから、取り敢えずこの計画で今の需要を乗り切るとして、次、人口が減ってきたときにどういう状況にするのかというビジョンを最低限用意しておくべきではないかと思います。ダムを撤去する計画を30年、50年後のビジョンの中に持ってきて、その中に取り敢えず都市河川だから仕方がないと位置付けないと、非常にまずいのではないかという気がしています。

洪水は、恐らくダムをつくっても、堰堤をいくら高くしても、完全に防ぎ切れるものではないということは、先ほどの池淵委員を始め河川管理者の方も言っておられるわけで、洪水になった時にどうするのかという議論を頭に入れた上での計画にしていきたいと私は思います。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。実は、そういうご意見が出るようにとの仕掛けみたいなもので作ってみました。完全に国土交通省寄りのモデルをつくってみたのです。

○吉田委員(委員会・猪名川部会)

米山部会長案の[具体的な施策として]というところで、余野川ダムの建設は計画どおり推進するという部分については、非常に重点的に議論する必要があると思います。

私はこの部会に入ることを予定していなかったので、これまでの現地視察に行けませんでした。今日は、河川管理者と水資源開発公団にもご協力頂いて、1人だけ贅沢をさせて頂いて、現地を全部見させて頂きました。それだけの情報ですので、まだ利水とか治水の部分での必要性について述べるだけの知見は持っていないわけですが、環境について考えますと、第1回部会の資料3の3-27にある河川環境の変化等を見ると、昭和60年くらいから上流部の水質はだんだん悪くなっています。これはダムだけではなく、その他にも住宅開発が進んだということもあると思うのですが、一庫ダム側の方もやはり悪くなっていると思います。3-11ページを見ると、ダム湖の水質障害というのも、昭和60年くらいから発生しているということで、アオコの発生とかカビ臭等が発生しています。たまたま平成10年はちょっときれいな青色になっていますが、これは何か流況も良かった年なのではないかと思います。前後の平成8年、9年、11年、12年は、やはり悪いデータが出ています。

そういったことで、まずダムの利水、治水上の必要性の検討ということが当然必要だと思うのですが、それ以外にも、環境面から見て、同じような問題を起こさないようにするにはどうしたら良いかは考えなければならないと思います。一庫ダムでは、選択取水装置とか曝気装置とか、いろいろ装置は備えていますが、それでもまだ十分でないという点がありますので、その辺りは河川管理者からも情報を頂いて、自分なりに分析してみたいと思います。次回、間に合えば、そういう自分なりの分析した意見を提出させて頂きたいと思います。

○矢野委員(猪名川部会)

私は現在、利水団体の一つの水道局に所属していますが、先ほどからいろいろお話を伺っておりまして、特に最近、私どもでも同じような話があります。水源開発と水需要という視点でみると、例えば産業活動について見ますと、実は現在水道の水は本当に売れていません。以前は猛暑が続くと、配水量が増大しますが、最近は、昔のようには水は売れないのです。その理由の一つは、産業用と言うか業務用水の需要が落ち込んでいます。これは、現在の経済の状態に大きく影響されています。ただ一方、神戸では、あの大震災以後、街の復興とともに家庭で使用する水は、若干ながら伸びています。

また、昨今の水需要の落ち込みから今まで行われてきた水資源開発は過剰だったのではないか、という質問をいつも受けます。しかし、この点については複雑な問題がありまして、私どもも将来予測をした上で人口予測と水需要を予測し、市のマスタープラン等の中で事業を行っていくわけです。

問題の1つに水資源に重要な意味を持つ、渇水というのがどれくらいの周期で発生するのか、大きな問題があります。最近では以前にも増して非常に短い期間で渇水が起きつつあります。

それから2番目には、近年、水道水の夏期での水温が非常に高くなっていることがあげられます。例えば、従来、27度くらいが夏期での最高の水温でしたが、今年は30度まで上がったことがあります。良く云われるように、全体的に地球環境の温暖化が進んでいるのではないかということが1つ大きな原因になっていると思います。そうしますと、湖沼や貯水池などでカビ臭であるとか、湖沼等で起こる富栄養化の進化現象、出現生物相についても、従来に比べどうもダイナミックに変わってきているのではないかとの恐れもあります。私が水道局へ勤め始めてから30年、過去のデータをずっと見ていても、その生物相は随分変わってきているのではないかという印象を持っています。それは、窒素、リンが非常に多くなったからというばかりではなく、水質的には横ばいなのだけれども、生物相が変わってきているというところもあって、地球環境そのものが温暖化に向け徐々に変化しつつあるのではないかという感じを持っております。

そうしますと、現在我々は将来的な水の需要は現在の延長線上で考えておりますから、どう考えても過剰供給に陥ってしまうのではないか等、いろいろな話があると思います。しかし、もし本当に温暖化が進んでいくとすると、果たして現在の水資源は、本当にずっと将来とも十分にあるのかということを大変心配しています。ひょっとすると枯渇状態に陥る可能性もあるのではないかと思います。それはあまりにも心配し過ぎだという話もあるかもしれませんが、そういうことも考えていかなければならないようになったという感じを持っております。

だからと言って、過剰な投資自体は利水側に過大な負担を強いるなど様々な問題を含んでおり、いわゆる環境との共生もありますので、それこそ先ほど部会長がおっしゃっていました、ソフトランディングをどの辺りに定めるか、結局はそこに尽きると思うのです。それがこれからの一番大きな課題だと思います。

ただ、私がその答えを持っているかといえば、決して持っておりません。ただ、そういうことは十分考えていかないといけないのではないかと言いたいわけです。水環境は、水質的にもより良いものでなければなりません。一度水が汚れると、それを浄化するには大変なコストがかかります。ですから元々の水がきれいであれば、その浄化処理に、さほどコストをかける必要はありません。やはり原点に返らなければいけません。現在、高度処理等いろいろなことを導入していますが、大変なコストがかかっています。初期投資も大変ですし、運転維持費も大変ですから、一番良い方法は、水源を常に清浄な状態にしておく事だと思います。

そういうことを考えながらお話を聞かせて頂きました。

○松本委員(猪名川部会)

非常に膨大な資料や説明を今までに頂いており、消化不良の状態で今日を迎えているという状態です。

米山部会長からたたき台として提出して頂いた猪名川モデルというのは、特に強い異議を委員が唱えなければ、概ねこの方向に沿ってしまうのではないかという思いを持っているのですが、これに対して適切な反論と言いますか、代替案を出すだけの材料や根拠をまだ十分に持ち合わせていないというのが今の自分の状況かと思っています。

私は、ダム反対の立場でも、賛成の立場でもありません。状況によっては、ダムを造った方が環境に良い場合もあり得るのかも知れないとも考えています。ただ、例えばダムを造れば、確実にあるレベルまで水質は低下します。ダムを造って下流で水質が低下した部分をどう補えるのか、どういう仕掛けをすることによって少しでも水質を元へ戻すことができるのか、そういったことも含めたトータルでの河川の維持管理を考えていくべきだと思っています。

しかし、個人的な感想を言いますと、今まで川の生き物を観察してきて、やはり工事のたびに川は荒れ、魚の種類が減り、川の環境が単調になっていくというのは何度も経験してきています。

今、余野川の池田市の久安寺のさらに奥の部分で、流域の開発と言うか、破壊が進んでいます。その結果、不死王閣の付近では土砂が堆積し、水の中の環境が悪化し、きれいなところに棲む魚は確実に減ってきています。それに比べると、止々呂美の辺り、ちょうどマス釣り場のあるところですが、底質も非常にきれいな状態が保たれている感じがします。しかし、現在、ニュータウンの建設が進み、上流から取水し、別の谷に余野川ダムが造られる予定ですが、それらの開発によって水量が減り、流域の工事の結果、止々呂美の辺りも底質が悪化することが予想されます。

先ほど吉田委員がおっしゃられたのですが、源流部、上流部の底のきれいな状態がどんどん減っている一方で、中下流の水質の悪化は比較的止まっているという感じはします。全般的に中程度の水質の良さに全国の河川がなっていっているものの、山奥の開発、ニュータウンの開発によって、本当に一番きれいな上流部がまた失われるという思いがあります。それと利水、治水の問題、同次元で考えてはいけないのかも知れませんが、本当に地域住民、流域住民が望んでいる工事になっているのかどうかということを、再度吟味しながら考えていきたいと思っております。



○本多委員(猪名川部会)

米山部会長が先日猪名川モデルを作ろうとおっしゃられてから、すぐにその骨子をつくって頂きまして、短い期間で非常に大変だったのではないかとお察し致します。ありがとうございます。非常に議論がしやすくなったのではないかと思います。

従来の治水や利水ということで、人の命を守ることや人の暮らしを守ることを中心に工事を随分やって来られました。環境問題が最近語られながらも、人間の命や暮らしを守ることを優先したために、川が変わり、次第に川が死んできたのではないかという思いがあります。例えば海からちゃんと魚が溯上できるのか。堰には魚道をつくられていますが、ではダムはどうなるのか。あのように大きいダムには魚道はつくられないでしょうから、一体どうなるのかと思っています。川が海とつながって、生きた川に戻るのだろうか。

また、田中委員も前からおっしゃっていたと思いますが、川に変化がなく単調になってしまうと、生物も当然変わってきますから、生物の為には当然平瀬や早瀬や淵があったり、川が蛇行していたりといった変化が必要でしょう。また、話を聞いていると、川だけではなく、その周りにある用水路などにも貴重な自然が随分あります。そういうものをきっちりとつないでいかないと、川というのは生きてこないと思っています。

そう考えると、今まで人間の治水や利水による命や暮らしを優先してきましたが、環境も実は私は人間の暮らしにとって大切なものだと思うのです。これもやはり次の世代に伝えていかなければならないものだろうと思います。そうすると、その辺りのバランスをどうとっていくかというのも大切なことだと思います。

例えば猪名川の上の方に遊水池がありましたが、恐らく昭和28年の洪水を想定してあれだけのものを造られたのだと思います。実際は、その遊水池がいっぱいになったことがないという話がありましたが、見ていると、随分自然が戻ってきており、鳥が来たりしています。昭和28年にはまだ護岸もあまりできてなかっただろうし、川も蛇行していたでしょうが、現在はそれを直線にしてしまったわけですから、基準を昭和28年に置かないと駄目なのかと思います。その基準をもう少し見直すことによって、環境を優先する部分もあるのではないかと思います。そうすると、もっと工事のやり方や規模も変わるのではないかと思うのです。

特に私は、余野川ダム周辺にはオオタカもおりますので関心を持っております。国土交通省が土地を殆ど購入していますから、余野川ダムが現在の計画通り必要なのかどうかということも、もう少し見直していく必要があるのではないかと思います。私も松本委員と同じく、ダムが必ず必要だとか、ダムは反対だとか、そういうことが言いたいのでなく、やはり環境を考えたやり方をしていかないといけないだろうと思います。

その一つの取り組みとして、今エコミュージアムの取り組みがなされようとしています。河川を管理する上で、周辺地域の環境も保全していこうという取り組みになればと思っていますが、これが一つのモデルになっていくと期待しております。

もう一つ、水利用の問題があります。これは、後で庶務に渡しておきますが、箕面市の公共施設で配布されているステッカーで、「地球環境を守りましょう」「節水にご協力をお願いします」というステッカーです。これは、水不足とは関係なく、とにかく環境を守るために節水を心がけようという試みです。国土交通省として呼びかけていくことも必要ではないでしょうか。将来的に水需要の増加が予測されるから、水源を確保していくというやり方ではなく、まず利用を抑制していく。そのことによって、ダムが1つ必要ではなくなるかも知れないし、環境も守られるわけですから、このような取り組みもやはり河川整備計画の中に盛り込んでゆく必要があると思います。

また、いろいろな工事を視察させて頂きました。石を見栄えが良いようにして下さっている部分もありました。私は業者の回し者ではないのですが、ケイコン株式会社というところが、サワガニブロックというのをつくっています。実は、これは大阪の自然環境保全協会の会長が環境に優しいブロックということで考案されたものです。その方は、大阪市立大学の教授で、土木工学の専門です。近頃環境に優しい、環境に配慮した部材というものがあるようですが、自然保護の専門家が考案されたものというのを活用していくと、またちょっと違ってくるのかと思います。これも後で庶務に提出させて頂きたいと思います。

私は人と自然の関わりという部分では、前回も言いましたが、インタープリテーションや通訳をする人も、河川整備計画の中にソフトの部分として入れていく必要があると考えています。これもはっきり言っておきたいという気がします。

この間、フランスへエコミュージアムの視察に行ってきました。そこにアイスハウスという氷室が保全されていました。それは決して観光のための再現ではなく、地域興しはあるのかも知れませんが、将来、本当にエネルギーが無くなり、氷が作れなくなったときに、昔はこうやって氷を作っていたという事実を今のうちに資料をちゃんと調べ、伝えていく努力もしっかり行われています。

私たちも、そのようなことを実行してゆく必要があるのではないかと思います。30年先には、現在のような暮らしはできないかも知れないわけですから、そういう意味も込めて、環境というのは、お金を出してでも保全して、次の世代に伝えていく必要があるのではないかと思います。今ならまだ伝えていく遺産を保持しています。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。どうぞ、一番最後ですがよろしくお願いします。

○細川委員(猪名川部会)

昨日、資料に目を通しながらたまたま新聞も目を通していますと、自然再生型公共事業の実態を特集した記事がありました。今、自然再生型の公共事業というものがあちこちで計画されていますが、その問題点を指摘したような内容になっていました。

この記事を読みながら私自身の経験を思い出したのですが、私が猪名川自然林を保存したいという運動を始めてからちょうど30年になります。小学5年生で陳情書の署名運動を始めたのがちょうど30年前の今頃でした。

猪名川自然林の20ヘクタールの土地が全て残っていたならば、自然復元しようとか、そういうことを心配しなくても、さぞかし素晴らしい環境教育の場になり、地域の人たちにとっても良い環境を残せたのではないかと思うのですが、その当時の現実としては、尼崎市に予算が足りないとか、地主の方たちの意向が開発を望んでいた等、様々な事情で一部保存ということしかできませんでした。

その後、カラスアゲハという森林性のチョウを復元したのですが、ただ1種のチョウを復元するために10年かかりました。森林の象徴であるチョウを復元することで猪名川自然林の森林としての命を取り戻したいという気持ちで10年かけて活動をしたのですが、実際には、そのチョウが自然に増えていくようになっただけで、猪名川自然林の環境自体は同じように衰えていき、変化していく歯止めにはなりませんでした。

私が言いたいのは、再生する努力というのはもちろん必要だと思うのですが、開発を行う前に、自然破壊を伴う事業についてまず本当に必要なのか、他の方法が無いのかということをもっと真剣に見直す必要があると思うのです。どれほど人間が優れた力を持つようになっても、神と同じではないと思うのです。自然が神の創造物であるならば、それを人間がもう一度復元したり、創り出したりするのは不可能です。ですから、まず自然破壊を伴う事業をきちんと見直していく。再生を考えるよりは、まずそこを考えて欲しいと思います。

今、しきりと余野川ダムの話が出ていますが、水没する地域の森林の豊かさを見れば、余野川ダムを一度考え直す余地があるのではないかということを、かつて思い入れのあった森林を失った者として強く感じます。ぜひ再考して頂けるように望みます。



○池淵部会長代理(委員会・猪名川部会)

今日は水循環の話をさせて頂いた次第ですが、変動するということを少なくとも考えておかなければならないし、考えてもらいたいという意味合いも込めて話をしました。米山部会長のいうソフトランディング、或いは別の言葉で言えばバランスということを、人との折り合いも含めてどう考えるか、現在の施設で本当に良いのか否か考える必要があると思います。田中委員がおっしゃったように、どのくらいの安全度、どのくらいの安定で人との関わりを確保するか。度々水に浸かる、実際に浸かっている現場なり、沿川等のことを考えるときに、現在の安全度でいえば、私も十分調べておりませんが、5分の1とか7分の1で良いのかどうか。それから、先ほど矢野委員がおっしゃったように、水供給に対する実力というものが数年に一度何か制限をかける。節水という行為が先ほどお話にありましたけれども、もちろんそれも含まれています。需要者側の節水という行為は当然啓発もしております。先ほどデータを出すのは先だと申しましたけれども、変動は非常に激しくなってきているということからして、その変動を吸収する場面で、どの程度の安全水準で流域の川づくりとあわせて合意するか。私が防災を専門にしているからかもしれませんが、あまり大きな危機管理を考えることは許されないとしても、やはり危機管理も含めたバランスをどう捉えて考えるのかということが必要です。余野川ダムにもう少しシフトした形の議論で全て片付くのかどうか、バランスを考えるときにどの程度の安全、或いは安定水準をこの猪名川流域において合意するのか、私としては、その辺りの議論をもっとしておくべきではないかと思います。その結果として、既設のもので良いのだということであるならば、先ほど申しました余野川ダム等についても、消えていくかも知れません。

都市化流域として瀬戸内海へ流れる猪名川においては、当然水の少ないエリアに属し、その中でどのような安定供給の水準を確保すべきか、その辺りを整備水準という形かも分かりませんが、バランス、ソフトランディングを考えるときに踏まえた議論を展開する意見を私なりに言いたいという気がしています。最近この地域には災害らしきものが発生していないという感覚かもわかりませんが、バランスとソフトランディングを少し捉えて、安全水準なり安定供給の水準をどの程度この流域として納得した形で合意するか、その辺りを語って頂ければと思っております。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

余野川ダムについての議論が出てきていますけれども、私の骨子(案)では、ダムは計画通りに推進するということにしてありますが、はっきりした根拠があるわけではございません。ですから、そこを真剣に議論するというのが、たたき台のたたき台たるゆえんでないかという気がします。

水収支ということで言いますと、瀬戸内海気候にちょっと足を突っ込んでいる地域ですから、絶対量として水はまだ足りないと、素人として何となく考えるのです。

現在のように、非常に変動が激しい状況の中で、渇水ということを殆ど経験してきていない都市住民にとっては、渇水は大変なことではないかと思います。博多の人でしたら、日常的ではないが、何年に1回かは大変な状況になっています。それこそ高層アパート等では、トイレの水を持って上がるだけでも大仕事です。つまり、アフリカ並みの仕事をしているわけです。水を担いで、頭に乗せてということはしませんが、そういうことをやっているところがあるわけですから、もしかしたら、狼少年になってしまうかも知れませんが、そういうことが起こり得るのではないかという心配が一つは考えられると思うのです。ですから、利水というところで、余野川ダムは可能性として必要なのかも知れないと考えていく必要があるのではないかというのが一つです。

それから、治水ということで言えば、コントロールできる体制にしておくということです。オーバーフローし大震災にでもなれば仕方がないとは思いますが、やはり人間ができることをしておくことも必要ではないかと思います。

ダム建設によって多くの自然が水没し、そのためにそれこそ草木虫が全部変更せざるを得ない状況に追い込まれるわけですから大変です。長江の上流のダムの大開発にしても、ああいうことが実際に地球上で行われていることを考えたら、やはり地球全体で考えなくてはいけないことの一つではないかという気が致します。ですから、小泉首相が江沢民に「あなたは…」と言うわけにはいかないと思いますが、あそこは本当に一番有名な所を全部水没させる計画です。そういう大開発をやっているというのは、人間の恐ろしいところではないかという気がします。

この間のテロにしても、ちょっと想像がつかないことですが、それが実際に実現してしまっているというのは恐ろしいことだと思います。多くの人を巻き込んで、非常に計画的に行われたわけです。少しでも外れていたら全然駄目ですから、真正面にぶつかっていくというのは大変なことだと思います。人間というのは何かそういうところがあるのかも知れません。そのうち地球全体が滅びてしまうというカタストロフィ理論も考えられないこともないと思います。

○本多委員(猪名川部会)

田中委員からも洪水が起こっても良いのではないかという話もありました。先ほど米山部会長から、博多ではマンションの上へ水を汲んで運んだという話がありましたが、やはりライフスタイルの問題があると思います。便利さを求めるあまりに下水に油を流してしまう。それに対して、水をどう浄化するかという話も出てくるのかもしれませんが、そもそも今の私たちのライフスタイルが環境や資源というものをすごく無駄に使ってしまっていると感じます。

でも、やはり考えなければならないのは、このように今、物質的に豊かな暮らしができているのは、過去のいろいろな遺産が引き継がれてきたからこそ、コンピュータもあるし、便利な暮らしもできているだということです。そうであれば、物質的な豊かさも次の世代に引き継いでいく義務があると思います。

しかし、私たち自身が豊かな暮らしを続ければ、資源も枯渇してしまうだろうし、先ほどのアイスハウスではありませんが、氷にしてもそのうち電気で作れない時代が来るかも知れません。私たちはもう炭を焼く必要もなくなった。いろいろなことが必要ではなくなったから、私たちの代で全部捨ててしまおうとしています。しかし、かつて自然と人が関係を成立させてきた自然環境等を、今私たちがどんどん潰してしまうのではなく、次の世代の人間のことを考え、きちんと残していかなければいけないし、引き継いでいかなければならない義務があると思うのです。

そうだとすれば、我々自身のライフスタイルを変えていかないと駄目なのではないかと思います。自然は「良い」と殆どの人が言います。箕面の市民の98%は「自然が良いから箕面に住んでいる」とおっしゃっているようです。しかし、実際には自然は良いとは言うものの自然のそばに行き、触れるのは嫌だというのが実際の話のようです。

ですから、私は、自然や河川の環境に触れたりする中で、自分の暮らしを川から学んでいく部分も必要だろうと思います。そのような取り組みも行いながら暮らしを変えていく。河川整備計画の中でやらなければ、従来の考え方で、市民の意識でやっていったらどうしても、一定のことをしなければならないという話になってしまうと思うのです。暮らしも変われば、許容範囲も変わってくるし、多くの環境をまた次に伝えていくこともできるのではないかと思います。そういうソフトの部分は河川整備計画の中に必要だろうと思うところがあります。それを水野河川調査官に是非お願いしたいとは思っています。

○松本委員(猪名川部会)

今、本多委員がおっしゃられたことと同じようなことになるのかも知れません。水とは関係ないのですが、大阪市の例を出しますと、大阪市は非常に許容量の大きいごみ焼却施設を持っております。その結果、分別回収等については非常に遅れています。コストがかかるので、結局全部集めて焼却する方が早く、埋め立てる場所もある程度持っているということなのでしょう。私の勤めている高校も大阪市内にあるのですが、空き缶も瓶も他のゴミと分けることなく全部まとめて業者に持っていってもらっています。結局許容量があるから、大阪市はゴミの分別を強く要請してこないのです。そういう事例は結構あるのではないかと思います。逆に、吹田市は非常に早くから分別回収に取り組みました。それは、処理する余裕がなかったからで、減量化にも力を入れてきました。

これは、水にも当てはまるのではないかと思います。本当にこれ以上水がないのであれば、植木の水やりには雨水を貯めて使ったり、東京都の墨田区がやっているような取り組みをもっと進めるだろうと思います。

そういう点で、田中委員が前から言われていますように、需要があるからそれにとにかく追いつくようにしなければいけない、今現状がこうだから、と追認でダムをつくり、堤防を高くするという発想は、見直していく時期に来ているのではないかと思います。

米山部会長がおっしゃられました長江にかかる三峡ダムについてはとんでもないものを造ると私も思っています。しかし、中国には中国が抱えている様々な課題があるわけで、これは日本と全然事情が違います。同じように、過去にアスワンハイダムの例があります。あの時、外国から資金援助を得て遺跡をそっくり移すという大規模なこともやっています。しかし、今はアスワンハイダムの功罪のうち、罪の部分がかなり指摘されています。ただ、アスワンハイダムを造ったときも、やはりエジプトの当時の事情があったと思うのです。

今、日本はあるレベルの生活水準を達成し、今求められているのは資源を浪費する豊かな生活ではなく、もっと環境に配慮した、自然と接して過ごしていけるような部分ではないかと思います。日本はそういった文明の段階に来ていると思うのです。その段階を認識した上でダム等についても考えていくべきだと思っています。

ついでに、これは前から言っているのですが、今日の魚の話の中で、遡上する魚とか、モクズガニについてあまり話をしなかったのですが、海から川につながる生き物で猪名川に生息しているものは、ウナギとアユとモクズガニです。これらの溯上は、猪名川では一庫ダムで止まっています。箕面川では、途中で川が枯れて途切れてしまっています。やはり最後までずっと溯上していけるのは、余野川ではないかと思います。そういう点で余野川は、猪名川流域の中で最後の源流まで辿り着ける貴重なルートだと思います。何とかそういう川を一筋だけでも残しておいて欲しいという思いがあります。それはまた、一つの財産になってくるのではないか、途中で切れている川が多い中で、今となっては貴重なのではないのかと思っています。

○細川委員(猪名川部会)

いつも他に知識がないもので経験から来る話ばかりですけれども、30年前でしたら、自然保護というものは公害問題の二の次だろう、自然保護なんて贅沢だという意識が強かった時代でした。それが10年経てば、「ああ、よくこんな良い環境を残したな」と語られ、それが20年たてば、住民運動に迷惑したはずの尼崎市が、市が誇る財産として考えるような時代になりました。たった10年、20年で人間の価値観というのは変わっていきます。

これから20年後の生活がどうなるかを考えれば、開発は見直されて良いと思います。それは、これまでの国土交通省の事業が間違っていたというのではなく、移り変わってゆく人間の生活、人間の価値観に沿って事業を変え、計画自体も見直していくことがもっと柔軟にできないといけないと思います。組織として難しいのであれば、せめて私たちの意見をもっと取り入れて下さいとお願いするしかないのですが、20年先に今の事業が全て本当に必要なのかどうか、そういう視点で見直す必要があります。20年後には、一体日本人の生活はどうなっているのか、地球の環境はどうなっているのかといった大局的な視野で現在の開発を見直すことをぜひ行って欲しいと思いますし、そのために事業を見直すということに私たちも参加させて頂きたいと願っています。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

テロでまだ少しノイローゼ気味なのですが、宣戦布告の相手がアフガニスタンという国ではなく、不特定多数のどこにいるか分からないタリバンという戦争が始まってしまったということは、本当に世界が非常に大きく変わったという気がします。考えようによっては、これが一種のグローバリゼーションというものだと思います。

つまり、一方でブッシュとかラムズフェルドとかパウエルが、もう一方でビンラディンがテレビに出て何か話をするわけです。それを我々は見て一喜一憂しているという状況ですから、同じ土俵に両方とも巻き込まれているという感じです。前者は狂気の中で星条旗を集め、ナショナリズムを利用して真珠湾と同じような大衆操作、世論操作をやっているのだと思います。それに対して、後者は、これは聖戦だということですね。実は、殆どのムスリムはそうではない、あれは過激派で、人殺しをするようなムスリムはいないのだと言っているにもかかわらず、我々の味方にならないとムスリムではないという言い方をして、どんどん巻き込もうとしているということです。ですから、まさに文明の衝突ということが起こっているのではないかと思います。

その中で考えてみると、何が残るかというと、結局国は残らないと思うのです。国は残らないが、システムは残る。つまり、水を管理しているシステムとか、そういうものを残さないと人間は生きていけないわけです。要するに、国土交通省がなくなっているけれども、猪名川の防水・防災のためのネットワークは全国につながっていると、それをどこかでコントロールしていると、そういうところまで考えておいた方が良いのではないかという気がします。

私は決して左翼でもなければ右翼でもないですが、そういうこととは無関係な制度、システムというのが、まさに文明だと思うのです。文明は残っていく、残らざるを得ない。それがなかったら、完全に駄目になってしまいます。不思議ですが、そういう状況になっていると思います。

私、この間、マラウイという国へ行きました。その国の漁村に3日しかいなかったのです。マラウイというのは琵琶湖の45倍もの大きな湖があって、その一番南端に行ったのです。そこでいろいろ聞いて、びっくりしたのは、日本のJICAの協力で、自動車でマラウイの大学の先生と行動したのですが、その時に先生が携帯電話でホテルの予約を取っていたのです。その光景だけ見たら、本当に文明そのものの中に生きているという感じです。車や道路が一方にはあるのですが、他方には、完全に貧困というか、8割、9割の人が最貧困層なのです。収入で言うと、不正確ですが、1日1ドルの水準に達していないのです。しかも、エイズが流行しており、私の訪れた村でも18%はHIVポジティブだという状況です。私たちがお世話になった先生も亡くなったという連絡を頂いてびっくりしたのですが、そういうひどい状況なのです。

つまり、一方では豊かな文明があるが、一方では大変な貧困があるわけですが、ひょっとしたら、日本の国がそうはならないという保証は全くないのです。一方で携帯電話は使っているが、一方で食べていけないという状況も起こり得るのではないかと思うのです。ですから、猪名川モデルの骨子(案)の最終ページに添付した図表が、全てを象徴しているのではないかという気がするのです。人口がどんどん増えていくなら夢はありますが、激減してゆくという事実をどう考えるかです。少なくとも人口統計学者は予測が大きく外れることはないだろうという確信を持って、このように推定していているわけです。そういった将来を見越して、これからどうするかという話ですから、非常に暗い話になってしまうのですが、その中でも生きていかなくてはならないのだから、それぞれ皆さま、それなりの何か幸せな生涯を完結して送っていくというところへ持っていければと私は考えています。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

部会長、河川管理者も意見を表明させて頂いてよろしいでしょうか。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

はい、どうぞ。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

今日の議論を聞かせて頂きますと、治水、利水、環境のバランスをどうとるかというところが一番大事だというのは皆さまの共通認識だと思います。河川管理者としても、皆さまに判断して頂けるように最大限の情報、現状、課題は提供させて頂きたいと考えています。特に治水の方は非常に得意ですので、重点的に説明させて頂くことになると思います。では、現状の猪名川で、既往最大とか戦後最大の雨が降ったらどうなるか、その時にどこまでやるのかやらないのかという議論の中で浸水を許容するのかしないのかということが出てくるかと思います。ライフスタイルにも影響してくるとも思っていますし、もしある目標を立てたときに、ダムを造るのか河道で対応するのかといろいろ議論があると思いますので、我々としてはいろいろな代替案を分かる範囲で提示させて頂いて、いろいろご議論して頂きたいと思います。造れば悪影響は全くないとは言えませんから、いろいろな代替案の中から軽減策をどうするかという点もあわせて説明させて頂きたいと思っています。

それで、先ほどから浸水は許容するという話も少し出ましたが、昔浸水が常習しているときは、浸水するのだという前提で生活をしていた部分があったので、そういう浸水被害は少なかったのではないかと考えられます。最近、起こらないと思い込んで暮らしている場合の被害が大きいのではないかと思っています。

私は、神戸の長田を流れている新湊川が平成10年、11年と2年連続で溢れた時に少し関わっていました。溢れた量は毎秒50トンとか60トンとか、そんな大した量でもないし、溢れた時間も2時間くらいです。エリア的には非常に狭いエリアですが、1,000戸くらいの方が被害に遭われています。その人たちは、1年目に起きた時から、もう二度と起こらないようにしてくれと強く言っていました。

ですから、1%が良いのか、0.1%が良いのかわかりませんが、今の世の中で1回浸水が起きると相当被害があるという実態もあるようですので、その辺の実態もよく見て頂いて、バランスをどうとるかということを考えて頂ければ良いと思います。その状況を判断するために必要な情報は、我々も精一杯提供させて頂きたいと考えております。

あと、猪名川モデルの方で中長期的な展望を多分もう少し議論された上で具体的な施策が議論されると思っておりますが、猪名川の特徴というのは、我々としては総合治水、流域全体でものを考えようとしております。ちょうど猪名川というのは大きなエリアですから、流域でものを考える、世界的には統合的な流域管理とか言っているようですが、流域全体でものを考えるということが猪名川の特徴でもあると思っていますし、都市を流れる川であるということで、治水も利水も環境もいろいろ考えないといけません。そこが猪名川の特徴ということで、その辺りも一緒に議論して頂ければありがたいと思っております。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

どうもありがとうございました。

ちょっともう時間が予定を過ぎてしまっています。この辺りで審議は一応終わりまして、一般傍聴者からの意見聴取に移りたいと思います。約20分という予定ですが、一般傍聴者の方からのご意見を承りたいと思います。

○傍聴者(伏見)

「関西のダムと水道を考える会」の伏見と申します。

議事録への個人名、所属については載せて下さい。それと、議事録の確認は必要とさせて下さい。

要望を申し上げさせて頂きます。参考資料2の「委員および一般からの意見」の中に私どもの会の資料があるのですが、それに関して直接ここで申し上げるつもりはありません。猪名川部会の余野川ダム等については記載されてないのですが、私からお願いしたいのが、先ほど国土交通省の方から、この委員会の法的な根拠というお話の中で「意見を聴く」とおっしゃられましたが、このようなすばらしい委員会で議論が行われているわけですから、意見を聴くだけにとどまらず、検討し、検討内容をぜひ情報公開して頂きたいと思います。

例えば、今日は余野川ダムに関していろいろなご意見が出たと思うのですが、余野川ダムについては、私どもの会から出されているような利水に関する議論は幾らもあると思うのですが、何年も前にできた計画であって、現在は環境も時代も、水需要予測も変わってきていると思います。せっかくこういう委員会があるわけですから、ここでもう一度白紙に戻して、その上で、まずこういう場や、国土交通省においても、始めからまた議論して頂き、その上でダム計画を再考して頂きたいと思います。よろしくお願いします。

それからもう一つ、先ほど国土交通省の方から資料の1-32とか1-33といった話をされていて、その中で一庫ダムの治水の現状といった話が出たのですが、私はこの委員会に参加させて頂いたのが初めてですから、そういう資料を持っていません。そういうものはコピー等でも頂くわけにはいかないでしょうか。その点、教えて頂きたいと思います。以上です。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

資料に関しては庶務の方からお答えします。過去の部会についての資料は、資料を請求して頂ければお送り致します。それと、ホームページ上に第1回猪名川部会の資料を掲載しておりますので、そちらをご覧頂いても情報は手に入るように致しております。

○傍聴者(伏見)

先ほどの1-32とか1-33というのはホームページを見れば載っていますか。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

はい。

○傍聴者(伏見)

分かりました。ありがとうございました。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

これは、野村さんという方の名前で別紙1の要望を頂いておりますが、「関西のダムと水道を考える会」ですね。これには淀川部会と琵琶湖部会への要望というのが出ていますが、猪名川部会への要望はまだ出てないのですか。

○傍聴者(伏見)

まだ作成しておりません。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

分かりました。それでは、期待して待っています。

他にありますか。なければ、時間がどんどん経ってしまいますので、次回のスケジュールだけ決めておきたいと思います。

次回は、予定としては12月18日火曜日ということになっておりまして、場所は未定ですが、17時から20時ということでいかがでしょうか。一応そういうことで行いたいと思います。

もう一つお願いですが、先ほどもお願いしましたが、淀川部会で寺田部会長が作られました「課題・意見募集の項目例」というものがあります。これと同じようなものを作成し、次回の議論のたたき台にしたいと思います。これは、このままではもちろんないわけで、寺田部会長もそうおっしゃっていました。「以下の例は、委員各位から検討項目を提出して頂く際に参考として頂くために、今までの部会の議論等をもとに河川整備計画に盛り込まれるべき内容をイメージして、今後の検討項目にして例示的に示したものです。下記の項目を参考として、次回以降検討すべき課題等についてご記入下さい。なお、お気づきの点があれば、その項目以外についても自由にご記入頂ければ幸いです」ということで、かなり細かいことがリストアップされていますので、これを参考にして頂いて、それぞれの委員のご意見を頂ければと考えています。意見は庶務に提出して頂いて、12月18日の部会に間に合うようにしたいと思います。締切りは11月中頃で良いですか。11月15日くらいにしておきましょう。これは前後するかも知れませんし、全委員ではなくても良いことにしておきましょう。別にさぼって頂いても構わないということで、私もさぼるかも知れませんが、どうぞよろしくお願い致します。

他にご意見か何かありますか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

次回、11月15日付近というのは何ですか。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

委員からの意見の提出の締切りです。それをもとにして、12月18日に議論するということです。

○松本委員(猪名川部会)

宿題が出されたのですが、それにあたって、資料を読んでいるだけではなかなか理解できないと思いました。ここはどうなっているのかというのがもし出てきた場合は、お電話等で質問させて頂いてお答え願えるとしたら、どこへ連絡させてもらったらよろしいでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

資料の種類によって担当が違っているので、それぞれに電話してもらうのも大変でございましょうから、一応窓口を決めまして、窓口を一本化させて頂きたいと思います。よろしければ、数名単位の勉強会に呼ばれて行くということも可能ですし、個別に説明するということも可能です。ただ、全員に全部回るというのは我々も大変かも知れませんので、固まって頂いて、個別にじっくりご説明するということも我々は理解を深めるために必要だと思いますので、それは決めて頂ければ、誠意を持って対応させて頂きたいと思います。窓口については、追って庶務の方から連絡するように致します。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

一応庶務でやって頂くことにしないと、直接ではあまり良くないと思います。ですから、中間に必ず庶務を入れて頂いた方が良いと思います。個人的にお聞きになるのは本来自由ですが、建前としては、庶務を通して管理者にいろいろ聞くという形にしたいと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 河川調査官 水野)

それでは、庶務を通じて質問を出して頂いて、説明は庶務を通すと分かりにくくなる場合があれば、必要によって説明に伺うというのも可能にします。

○松本委員(猪名川部会)

それでは、そういうことでお願い致します。

それから細かいことですが、地域団体で、私の属している団体「池田・人と自然の会」の代表者名が事務局の名前になっておりますので、松本馨に訂正をお願い致します。2枚出ていまして、1枚は2番目、もう一つの方は4番目に記載されております。

○米山部会長(委員会・猪名川部会)

では、庶務で訂正して下さい。よろしくお願いします。

それでは、これで部会をお開きにしたいと思います。長時間どうもありがとうございました。

○庶務(三菱総合研究所 新田)

それでは、これにて第5回猪名川部会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

以上







 

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