淀川水系流域委員会 部会発足会議事録


日時:平成13年2月1日(木)11:40〜12:40
場所:京都センチュリーホテル1階「瑞鳳」




 

○庶務(三菱総合研究所 恩地)

部会発足会では議事録を作成させて頂きたいと考えていますので、お名前とご所属、部会であるのか委員会であるのかをおっしゃって頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

ただ今から、淀川水系流域委員会の琵琶湖部会、淀川部会、猪名川部会の合同発足会を開催させて頂きます。

淀川水系流域委員会の設立会と同様、部会発足会の議事進行は国土交通省の方でさせて頂きます。司会進行は私、河川調査官の水野でございます。よろしくお願いいたします。

先ず、開会にあたり、主催者を代表いたしまして、河川部長の坪香よりご挨拶させて頂きます。

○河川管理者(近畿地方整備局 坪香)

近畿地方整備局河川部長の坪香でございます。

本日は、淀川水系流域委員会部会の設立にあたり、多数の委員の方々にご参加頂きました。誠にありがとうございます。

先程、淀川水系流域委員会が設立されました。当委員会におきまして、今後20年ないし30年間の具体的な河川の整備内容を示す河川整備計画の策定に向け、委員の皆さまからご意見を頂くことになりました。淀川水系は、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、三重の2府4県にまたがる非常に広範囲の河川です。そのため、この委員会に先立つ準備会議におきまして、琵琶湖、淀川、猪名川の地域別に3つの部会を設立することが答申されました。

私共近畿地方整備局におきましては、この答申にのっとり、先程、淀川水系流域委員会を設立いたしました。本日、ここに部会を設立させて頂きたいと思っております。

河川整備計画は、具体の河川工事並びに河川の維持について定めるものです。ご審議に当たっては、必要な情報等についてはわかりやすい説明に努めるとともに、誠意を持って情報の提供をさせて頂きたいと思っております。また、できるだけオープンな場での幅広いご議論をして頂けるよう、お願い申し上げる次第でございます。

委員の方々のご協力のもと、淀川水系の河川整備計画がよりよいものになるため、私共も最大限の努力をさせて頂きますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

本日、ご出席の皆さまのご紹介をさせて頂きたいと思います。

[省略:委員紹介]

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

委員の方々のご紹介に引き続きまして、部会長のご挨拶をお願いしたいと思います。先ず、琵琶湖部会部会長である川那部委員からお願いいたします。

○川那部部会長(琵琶湖部会)

本来であれば、現役の方がよいと思っておりましたが、ご指名を頂きましたので、しばらくの間、琵琶湖部会長を務めさせて頂きたいと思います。

この淀川水系流域委員会を、このような形でつくられたというのは大変新しいことだと思います。その点では、近畿地方整備局の英断かと存じますが、逆の言い方を申しますと、我々の責任がかなり大きいということに、改めて気がついております。国土交通省の河川の仕事は、総論としては河川法の改正前から、かなり様々なことができ上がっており、上手く機能しているところがあると思うのですが、各論のところは、どうもうまく行っていないということを、以前どこかで口走ったことを覚えております。

このような委員会を行うということは、我々が過去、「○○がやっているのは、○○が悪い」とか、「○○を○○すべきであるが、していない」という批判的な言い方をしてきたものが、それで済ませることができなくなってしまったということです。我々が委員会で、いろいろなことを考えていかねばならなくなったという点で、荷が重く思いながらも、皆さまと一緒に考えていきたいと思っております。

一言、余計なことを言わせて頂くと、淀川水系流域委員会で審議する範囲には、琵琶湖そのものは対象になっていません。しかし、先程の委員会である委員がおっしゃったように、琵琶湖全体を全く考えず、国土交通省の直轄管理区間のみを考えるということは、やはりできないと考えます。ワンクッションあるということを意識しながら、やはり議論には琵琶湖自体も考え、琵琶湖・淀川水系全体を考えるということで進めていくのが適当ではないかと思っております。

最初に勝手なことを申し上げさせて頂きました。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

引き続きまして、淀川部会部会長、寺田委員よりお願いいたします。

○寺田部会長(淀川部会)

私事でございますが、私が弁護士になり、ちょうど今年で満30年です。30年間、弁護士の仕事以外に、公害環境問題を自分のライフワークとしてやってまいりました。主に在野の立場から、現場を踏まえ、国や自治体に対する法的な政策論、立法提言、政策提言を検討するという作業をずっとやってまいりました。今回、ご縁がありまして、準備会議の委員をお引き受けすることになりまして、芦田委員長をはじめ、3人の委員と一緒にこの委員会の発足のための作業をやってまいりました。他の審議会の委員になっているという立場はもちろんありますが、今回のように委員会を主体的に作っていくというところからはじめた委員会は初めての経験でした。

このようなことができるようになったのは、やはり時代の流れかなという感がいたします。特に河川の政策に関しましては、平成9年の河川法の改正は、法的には非常に画期的な部分が入っておりますが、法律の中にはあまり詳細に書いていません。

そのようなことを基本にして、この委員会が発足できました。これが本当に実のあるものになるかどうかは、私も含めこの委員会で選ばれた委員の皆さまが、本当にどの程度のことができるか、また法が改正されたその精神を踏まえ、河川管理者がどのように真摯に受け止め、それを実現していくかということに関わっていると思います。

そういう点では、先に発足をして、いろいろと活動している他河川の流域委員会がありますが、私は、準備会議を経た当淀川水系流域委員会のこれからの活動への期待は大であります。委員の皆さまとともに、全国でも注目されるような、21世紀の河川政策の模範になれるような活動をしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

引き続きまして、猪名川部会部会長、米山委員よりお願いいたします。

○米山部会長(猪名川部会)

準備会議委員を務めさせて頂き、今回、部会長ということになりました。よろしくお願いいたします。

私が住んでいるのは京都ですが、勤務先の大手前大学の新学部が猪名川の流域にあります。私は猪名川についてこれから勉強したいということで、猪名川部会に入れて下さいとお願いしましたという次第です。20年、30年のスパンで、長期的な構想を作らなければいけないわけですので、大変だと思っています。

実際、現実の猪名川流域、或いは阪神地域は、たくさんの問題を抱えております。水の問題も非常に深刻な問題の1つと了解しております。水をめぐる話は矛と盾というところがあり、利水、治水だけで頑張っていくと環境に様々な問題が生じてきます。逆に、環境を頑張ると、洪水が発生したり災害を被るということが生じます。その辺りをどういうところで決着をつけていくかということが、非常に大事なポイントだと思います。ですから、まさに矛盾を内包した部会だと考えております。

淀川水系流域全体がやはり同じ問題を抱えていると思いますが、その中で、できるだけ地元の皆さまの声を反映するような形で、しかし地元エゴだけで突っ走ってしまわないような徹底的な話し合いを、猪名川部会として考えていきたいと思います。

大変申し訳ございませんが、私、13時過ぎには退出いたしますので、予めお断りしておきます。どうぞご勘弁下さい。これからどうぞよろしくお願いいたします。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

では早速、部会の発足にあたり、淀川水系流域委員会の趣旨等について説明させて頂きます。

[省略:資料「淀川水系流域委員会について」説明]

以上が委員会、部会の設立趣旨、及び役割の説明でございました。何かご質問、ご意見はございませんでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

先程、川那部部会長のお話の中にもありましたが、この淀川水系といいますと、琵琶湖を抜きには語れないと思います。この点について、大いに関わっていくというお話でしたが、国と県の方に、具体的にどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

この流域委員会は、近畿地方整備局が策定する河川整備計画に対して意見を頂くというのが設立趣旨の根本です。従って、直轄管理区間の河川整備計画に対してご意見を頂くということになります。その直轄管理区間の意見を頂くにあたり、琵琶湖をはじめとして、県が管理している部分にも関わりがある部分がございますので、直轄管理区間に関わる分野での審議はあり得るのではないかと思っております。

ただ、県が管理している部分については、我々が直接、整備計画を策定するというのではございません。この委員会で出た意見につきましては、県の方にお伝えし、県でこの委員会で審議された意見を踏まえ、整備計画が作られていくのではないかと思っております。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

県の方はどうなのでしょうか。

○河川管理者(滋賀県河港課 加本)

滋賀県河港課長の加本です。

琵琶湖を考える場合、3つのスキームがあると考えています。・淀川本川絡み、直轄管理区間絡みで考える部分、・琵琶湖を考える部分、・流入河川を考える部分です。

淀川に絡む部分は、今回設立いたしました淀川水系流域委員会でご議論なされることになります。

琵琶湖に関わる部分については、既に国土交通省の調査や、先程の委員会での議論で出ました多摩川の例のように、滋賀県も独自に、かなり先行的に動いています。河川法が改正される以前から、かなり濃密な議論がなされています。1,400万人の飲み水を供給するということ、琵琶湖総合開発事業以後の総合保全をどうするかという切り口です。今回議論する河川整備計画とは違うところもございますが、その違いのすり合わせが上手くいけば、国と県で一体となった計画ができるのではないかと考えています。

流入河川は、120程あります。一級河川は500以上ありますが、今、滋賀県が抱えていますのは、ダムとしては芹川に栗栖ダム、安曇川に北川ダムがあります。それから、大きな河川改修では日野川や長命寺川等の事業があります。

県独自では、淡海の川づくりの検討委員会を組織しています。日野川では未来会議という仕組みで、公募型で地域住民の方々から100名程の応募を頂き、1年間にわたり議論して提言を頂いております。先月、日野川を見守る会と名前を変え、愛護活動等、実際に自分たちでできることを模索していこうという段階になっています。

ただ、他の河川については、まだそこまで平仄が合っていないのですが、1つずつ、真剣に地域の方々と一緒になって取り組んでいきたいと思います。

先程の質問は、特に琵琶湖に関する部分でした。県では琵琶湖環境部が中心になって学識経験者の方々に議論を頂いております。県琵琶湖環境部とこの琵琶湖部会とがうまく連携を取りながら、流入河川、流出河川について議論していければ、成案を得られるのではないかと考えます。

以上です。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

よろしいでしょうか。

○寺川委員(委員会・琵琶湖部会)

その辺りがこれから非常に大きな課題になってくると思います。当然、この委員会の中でも話し合われるとは思いますが、国、県での話がうまく噛み合うような形を取って頂きたいと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

わかりました。その辺は、調整をしながら進めたいと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

琵琶湖部会と淀川部会とに分けられたというのは、もちろん皆さまご承知の通り、非常にエリアが広いということと、琵琶湖には湖という特性があり、淀川とは違う問題もいろいろ抱えているということがあるからだと思います。しかし、そうは言うものの、淀川の40%か50%くらいの水は、琵琶湖から流れてくるということです。

これは私からの提案ですが、両部会におきまして、連絡調整会議というようなものを開き、意見交換をする、或いは議論をするという形で臨機応変にやってはいかがでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

その件につきましては、部会を合同で開催するということについては規約上可能ですので、委員会でご審議願えればと考えております。

○山岸委員(淀川部会)

午前中からお話を伺い、この委員会は非常に開かれていて、公開することを1つのキーワードとして設けられた委員会だと思います。資料「淀川水系流域委員会について」の33ページの委員会規約第6条第7項に、「委員長及び部会長は、一般の傍聴者に対して発言の機会を設ける」という記述があります。

さて、その一般の傍聴席が、本日は112席設けられています。一般傍聴出席者名簿が手元にありますが、そのうちの104席は完全に国土交通省関係です。その他、NHKや日本建設コンサルタント等の企業がありますが、私には一般だとは思えないのです。一般と思えるのは、日本野鳥の会京都支部だけではないでしょうか。

このような状況で、一般からの意見を聴くと言っていることに対して、どう考えればよいのでしょうか。次回は、112席全部とは言いませんが、50席くらいは本当の意味での一般傍聴者で埋まることを望んで止みません。そうでなければ、この委員会の運営は中立的だとは思えません。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

我々河川管理者が回答するのが適切かどうかはわかりませんが、その件につきましては、どなたに来て頂くことについても拒むものではございませんので、我々河川管理者としては庶務と一緒にホームページ等で会議のご案内をさせて頂いております。

我々もご案内いたしますし、皆さまからも口コミ等で広めて頂きたいと存じ上げます。先ず、このような委員会を開いているということを知って頂いていないのが、一番大きな原因ではないかと思っております。このような委員会を開いているということを我々もPRいたしますし、皆さまもPRして頂いて、おっしゃるように会議に一般の傍聴者が集まることを我々も期待しております。よろしくお願い申し上げます。

○本多委員(猪名川部会)

情報公開について、先程から聴いておりまして、言いたいことが幾つかありましたので、言わせて頂きます。

先ず、ホームページ等で情報公開して頂くというのは、とてもよいことだと思います。ただ、情報弱者の方がいらっしゃいます。ホームページを見ることができない方はたくさんいらっしゃいますので、その方たちに、どう知らせるかということも考えて頂きたいと思います。

特に、猪名川部会は余野川ダムという問題があります。止々呂美地域の住民の方々はこの問題に非常に関心を持っておられます。そういう意味では、委員会に関心を持っておられる方が、傍聴しやすい、親しみやすい場所でも会議を開催する、また開催の時間帯や曜日も考えてみるということも、私は必要ではないかと思います。

それと、情報公開の中身についてです。余野川ダム周辺にはオオタカの問題があります。オオタカだけではなく、絶滅危惧種は他にもございます。そうすると、やはり情報の出し方というものにも細心の注意を払わないといけないという問題もありますので、その辺も含みおきながら、情報公開を考えて頂きたいと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

委員会、部会の方でご議論して頂ければと思っております。

○井上委員(琵琶湖部会)

先程の委員会で、琵琶湖を語らずしてこの委員会で議論しても価値が半減するのではないかと谷田委員がおっしゃっておられました。

先程の説明で、琵琶湖部会では国が直轄管理している区間について話をして頂きたいとありました。琵琶湖から見た河川の議論はできると思いますが、琵琶湖を抜きにして琵琶湖に流入する直轄管理区間と淀川下流の関係を議論することは理解ができません。「琵琶湖部会」ではなく、「野洲川部会」や「草津川部会」にすればよくわかるのですが、どうして「琵琶湖部会」という名がついたのか教えて頂きたいと思います。国が管轄していないから、それは滋賀県の問題だと言いながらも、地域特性に詳しい委員が選ばれており、部会でどのような議論をするのかという素朴な疑問があります。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

準備会議から答申を頂いたという位置付けで、河川管理者より説明させて頂きます。

我々、準備会議から答申を頂いた者としましては、今回、淀川水系流域委員会でご審議頂く範囲について説明させて頂きました。直轄管理区間の部分と、それに関わる琵琶湖全体もありますという説明をした上で、最終的に部会をどう分けるかという議論になりました。そういった中、洪水の際に瀬田の洗堰を閉めるということがありまして、そこで区分することができるという観点で、部会を設けることになりました。その中で琵琶湖部会という名が決まり、野洲川等の直轄管理区間を中心に議論をするということで委員メンバーも選定され、準備会議より答申を頂いたものと理解しております。

部会の名や委員メンバーの選定については、準備会議での審議内容を適切に判断されて選ばれているものと我々は理解しています。

○河川管理者(近畿地方整備局 坪香)

河川部長の坪香です。

今の井上委員と山岸委員の言われたことにつきまして、そのような見方をされることが非常に問題であると我々は思っております。従って、今のご意見につきましても、我々は十分に考えたいと思います。

傍聴者につきまして一言申し上げますと、淀川水系流域委員会は、これまでにない初めての試みですので、各工事事務所は非常に関心を持っており、勉強をしたいという趣旨で傍聴していることもあります。それが逆に誤解を生じることになるのであれば、問題であると思いますので、その点については改善の方向で考えたいと思います。

琵琶湖部会の話でございますが、資料「淀川水系流域委員会について」の5ページをご覧下さい。私共が先程説明させて頂いたことの繰り返しになるかもしれませんが、ご容赦頂きたいと思います。図の「河川整備計画」の手順の中に、原案を示しまして、「学識経験者」、「公聴会の開催等による住民意見の反映」等があります。この部分について、当委員会でご議論なりご意見、並びに提言なりをして頂くというのが法律上の建前でございます。

従って、原案につきましては、この会議では直轄管理区間の原案をお示しするということになるのは、仕組み上やむを得ないと思っています。ただ、原案を説明するにあたり、当然、関連する指定区間、或いは県管理区間についてのご意見、ご議論もあるかと思います。委員会の趣旨にのっとって議論して頂くことについては、我々として、提供できる情報については十分に提供させて頂きたいと思っております。

もう1つは、県の知事が決めなければならない河川整備計画もございまして、その分については、先程、滋賀県の方からご説明がありましたような仕組みの中で考えられることになるだろうと思います。先程のご指摘にもございましたように、県と国の直轄管理区間で十分な調整ができて、お互いの計画が両立、補完し合い、よりよいものになっていくような努力をするというのが我々の使命だと思っています。その辺りは当委員会で、その場その場でご指摘もあろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

今の行政の仕切りの中では、我々としては、そういう意見にならざるを得ないというところを、ご承知おき頂きたいと思います。

○井上委員(琵琶湖部会)

国と滋賀県は、月何回くらい会合をしておられるのでしょうか。

○河川管理者(近畿地方整備局 坪香)

それぞれの計画を策定する際に、国の出先機関、或いは当時の近畿地方建設局の委員になって頂いたり、逆にオブザーバーとしてこちらが県の委員会に参加させて頂いたり、内容について協議するという形でやっています。ですから、月何回という具体的な会合を行っているわけではありません。ただ、先程委員からご指摘がありましたが、それぞれ調整が必要だという議論が委員会でございましたら、その内容、或いはやり方についても、我々として考えていきたいと思っています。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

よろしいでしょうか。

他に何かございませんでしょうか。

○村上委員(琵琶湖部会)

先程の情報公開の件についてですが、今のところ、要望があれば実費等によっていつでも資料を閲覧できるようにすることになっていると思いますが、どうなのでしょうか。

私からの提案は、資料を必要とする人たちに、例えば登録して頂いているNGOに対して、議事録や次回委員会のお知らせ等を定期的に郵送するという形は取れないでしょうか。お金の面、個人に対しても同じことをするのかといった込み入った議論になると思います。これは委員会の議論かと思いますが、この委員会に関わろうとされている方に対して、ホームページで見て頂くよりも、きちんと送られることの方が大事ではないかと思いまして、そのようなことも検討してはどうかと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

今のご議論はこの後、委員会と部会の合同懇談会で議論して頂ければと思います。本会議の目的は部会の設立ですので、今後、議論して頂くのが一番ありがたいと思います。

○川上委員(委員会・淀川部会)

河川整備計画のエリアですが、今までのお話を伺っていますと、直轄管理区間を主とするということでございます。

ご承知の通り、河川は周辺の社会と相互に影響を与え合っています。堤内だけを対象とするというように、いわゆる狭義に理解するのか、それとも堤外も含めたその流域全体の地域を対象とするのか、どちらなのでしょうか。多摩川の河川整備計画では、健全な水循環系の実現に向けた流域対策等について必要な施策を講じるため、上下水道、地下水、氾濫流等、多摩川水系の河川水が関わる地域についても計画対象区間としています。

これはこれからの議論なのでしょうが、河川整備計画を策定する基本的な枠組みがあると思いますので、最初にはっきりしておかないと、また無駄な時間がかかるのではないかと思います。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

最終的に我々が作ろうと考えているのは、直轄管理区間の治水・利水・環境面を考慮した河川整備計画ですが、流域管理という観点が必要になる部分が当然あると思います。ある直轄管理区間のことを考えるよりも、流域全体で考えた対策の方がよい場合があると思いますので、現状と課題を共有認識し、どういう対応をするのかという議論の中で、流域管理という観点が出てくれば、そこで議論させて頂ければよいと考えています。流域管理を排除するという気持ちはございません。

○小竹委員(淀川部会)

私は、この委員会のメンバーの中に、医師として1人入らせて頂いております。身分としては、産業医でもあり、大阪大学とも関連があり、小児科医として幼稚園児、託児所、小学校、中学校等の健診を担当しています。

皆さまがご指摘の「20年、30年でどう育てるのか」という問題を、水質、或いは自然環境、災害を含めた大きな目で私は見ておりますので、今おっしゃったように琵琶湖は別だという観念は持っていません。伊吹山の西や嶺南地方等、ありとあらゆるところの水が私の住む淀川河口へ来るわけです。

この前の日曜日、伊賀名張に行き、お酒を買いました。明治時代は名水で100軒を超えた酒屋がありましたが、現在では19軒にまで減りました。それだけ減ってはいますが、安いお酒ではなしに吟醸酒を、少し高くても世界に誇る日本酒を作ろうという意気込みで営々と頑張って暮らしています。

一方、琵琶湖を含めた淀川水系全体の中に、現在ゴルフ場が135カ所あります。ここで除草剤等を撒かれると、河口ではどう影響してくるのでしょうか。

今、ここに水を2つ持ってまいりました。1つは、昨日採取した淀川河口の大阪市矢倉海岸の水です。もう1つですが、淀川から採られた上水道が、どの地域で飲まれているのか、皆さまもよくご存じだと思いますが、須磨の水道水を持ってきました。矢倉海岸の水でも一見透明に見えますが、化学薬品がどれだけ出てくるかという問題があります。

汽水域では真水と塩水が合流します。そうすると、満ち潮のときは大阪湾のいろいろな水が入り、引き潮のときは真水の量が多いというように、いろいろな問題が絡んできます。いっそうのこと、琵琶湖を含めた淀川全体に、特定の国立公園のような規制をしき、地域住民が無茶をしないようにすればどうでしょうか。1,600万人に及ぶ地域住民の健康を守り、展開していく基盤として、委員長もおっしゃった30年先のための手だてを中心に考えて頂ければよいと思います。

私は、鉄道嘱託医もしています。鉄橋を渡る最大重量車両は500系の電気機関車です。橋梁に何トンの重量がかかっているかというと、機関車だけで100トンはあります。そこへ、25両、26両の貨車を乗せていきますと大体、1,100トンから1,400トンになり、瀬戸大橋ですと、近代技術の先端を駆使して、1m橋梁を歪ませて車両が通過しているわけです。

現在淀川に架かっている鉄橋の橋桁は古いものが多いので、これから橋を架け替えて頂くときは、今は技術が進んでいますので、先端技術を駆使し、なるべく川の流れを邪魔しないように等、いろいろと考えて頂きたいと思います。

思いついたことを述べましたが、国土交通省におかれましては、淀川水系を何とか維持し、国民の健康のために頑張って頂きたいと思います。ひとつよろしくお願いします。

○河川管理者(近畿地方整備局 水野)

河川に関するいろいろな熱い思い、我々の仕事に対するご意見を頂きました。ありがとうございます。申し訳ありませんが、話の流れを元に戻したいと思います。

この委員会、部会については、設立は河川管理者、運営は委員会自らが庶務を利用頂き、進めることになっています。この部会発足会では、部会の設立についての議論をさせて頂いています。設立趣旨、対象範囲、規約についてのみ、この場で議論して頂き、ご了承を頂いたら、次の合同懇談会で、先程の議論をして頂きたいと思います。

取り敢えずは、規約と設立に関するご意見だけを受けさせて頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか。

設立に関するご意見等はございますでしょうか。ご意見がないようでしたら、盛り上がっておりますので、設立会を終了し、合同懇談会へと移らせて頂きたいと思います。よろしいでしょうか。

では、これをもちまして、部会を設立させて頂きます。これから1年半、或いはもう少し長くなるかもしれませんが、お世話になると思いますので、よろしくお願いします。

これをもちまして、設立会を終了させて頂きます。

 

 

以上





 

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