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鈴木 正二郎さん 男性

当時:神戸市立稗田小学校2年生・7歳

灘区天城通の被害
 小学校の周りの道に水が流れ込み川のようになった。米屋を営んでいた我が家に丁稚として働いていたお兄さんが自分と2つ上の兄を迎えに来てくれ、大人の膝上までの深さになった水の中をロープにつかまりながらやっとの思いで自宅まで連れ帰ってくれた。
 自宅は無事だったが100mほど離れた店の中は水浸しになった。水害から4、5日たっても道路に水が流れており、友達と笹舟を流して遊んだことを覚えている。
 成人して教師として赴任した東灘区の本山第二小学校の北側に水害時に流れ込んだという大きな石があり、谷崎潤一郎の「細雪」にこの石の事が書かれているという説明文が添えられていた。
 本山第二小学校の校長室には床から2mほどの所に水に浸かった跡の褐色の線が薄く残っていたことを覚えている。