NOTE05

中澤 苑子さん 女性

当時:神戸女学校・13歳

三ノ宮駅周辺を流れる濁流
 水害の前日、学校帰りに、いつもは水のない場所で石の間からチョロチョロと水が出ているのを見つけ、友達と「怖いね」と話していた。いつもは電車だったが、その日はバスで学校に向かった。学校の東口に着いたところで休校になったことが分かりすぐに帰宅。同じ学校に通う姉は、電車を使ったのでなかなか帰ってこられなかった。
 始めは自宅の周りの道にチョロチョロと水が流れていたが、そのうち川のようになった。
 妹が通っていた住吉小学校は、1階が水に浸かっていた。
 妹は父が迎えに行ったとき3階の講堂に避難していて助かった。始めはきれいな水だったが段々と泥水になり、冷蔵庫などが流れてきた。姉の友人は、松の木に登って助かったそうだ。午後になって増水が治まり、水が引いた後で外出したら、神社からまっすぐの道は泥だらけで2階から出入りしている人もいた。自宅は角屋敷で水は入ってこなかったが、地下水の流れが変わったのか井戸水が出なくなり、近所の人に水を分けてもらった。
 住吉小学校の辺りは泥で覆われ、その辻向かいのカトリック教会も、2階から人が出入りしていた。その後、度々国道をきれいな水が流れていたのを覚えている。