瀬戸内海にそって屏風のようにそびえたつ六甲山は、神戸・阪神間の4つの市(神戸・芦屋・西宮・宝塚)にまたがり、高さは最高で931.3m。まちの背にそびえる緑豊かな山です。
六甲山の豊かな自然は、人々に安らぎとうるおいを与え、また、「宮水」とよばれる六甲山からわき出る地下水は、全国的にも有名な灘の酒になくてはならない水。
さらに、六甲山には、高山植物園や修法が原、カンツリーハウス、森林植物園、六甲山牧場などみんなが楽しめるさまざまな施設があります。
ハイキングで、ドライブで、また、ロープウエーやケーブルで、まちから気軽に出かけられる六甲山は、人々のくらしと切り離せないとても身近な存在です。
六甲山をふくむ神戸・阪神間のまちは、温暖な瀬戸内式気候に属しますが、六甲山とまちの中では気温が大きくちがっています。
六甲山の8月の平均気温は23.4度、1月の平均気温は-2.9度(1985年)。これは青森市の気温とよく似ていて、夏は涼しく、冬はスキーや霧氷の風景を楽しむ人々でにぎわいます。
また、西宮市から神戸市の須磨あたりまで、ほぼ東西の方向に連なる六甲山地では、太平洋、紀伊水道を通過して大阪湾から水蒸気をたっぷりふくんだ南寄りの風が吹くと、雨が降りやすくなります。
神戸・阪神間のまちの年平均降水量が約1300mm程度なのに対して、六甲山頂では約1900mm。高度が上がるほど降水量は多くなり、山麓がよく晴れていても、山頂は雨が降っていたり霧におおわれていることが案外多いのです。