電子植生図鑑 六甲山の種多様性

はじめに1:構成種の要素に着眼する2:照葉樹の質に注目3:他地域のブナ林と比較

1:構成種の要素に着眼する

各群落の構成種を、要素の異なる4つの種群に分けて比較してみました。

1. 照葉樹林の構成種群
照葉樹林を主な生育地とする種群。主に常緑の植物です。
アカマツ林やコナラ林から照葉樹林への遷移の進み具合を知る、ひとつの手がかりとなります。
2. 外来・移入・植栽種の要素
本来、六甲山には自生しない種群です。
3. 林縁・路傍群落の要素
林縁部や道ばたに生える種群です。主にツル植物と雑草からなります。
4. アカマツ林・夏緑林の要素
アカマツ林や、コナラ林あるいはブナ林などの夏緑林に出現する植物です。
主に、森林生の夏緑植物と草原生の植物からなります。
アカマツ林やコナラ林から照葉樹林への遷移の過程で、減っていくかもしれない種群です。

森林群落の種多様性の比較

グラフ:森林群落の種多様性の比較
  • 自然林ではそれぞれ、ブナ林なら「マツ林・夏緑林の構成種群」の、コジイ林やウラジロガシ林なら「照葉樹 林の構成種群」の割合が卓越しています。
  • 二次林では自然林と異なり、ひとつの構成種群に偏らず、いろいろな種が出現する傾向にあります。
  • メタセコイア群落やオオバヤシャブシ群落のように、外来植物の優占する人工林には、多くの種が出現してい ますが、「外来・移入・植栽種」や「林縁・路傍群落の構成種」の割合も高いのが特徴です。
  • 照葉樹林の中には、人工林のマテバシイ群落やクスノキ群落、二次林のウバメガシ林のように、種数が極端に 少ない群落があります。
六甲山の種多様性
はじめに | 構成種の要素に着眼する | 照葉樹の質に注目他地域のブナ林との比較