徳川家ゆかりののどかな庭園
第10代紀州藩主の徳川治宝(はるとみ)が、8年の歳月をかけて造営した別邸、西浜御殿の庭園。徳川中期の代表的な武家庭園とされる池泉回遊式庭園だが、海水を利用した潮入りの池が珍しい。海水を取り込む大浦湾水門は、船で庭園を訪れる際の通用門にもなっていた。池に架かる石造りの三ツ橋は、中国の西湖を模したもの。数寄屋造りの養翠亭、表千家の茶室な風情を醸し、菖蒲やアジサイの季節はとくに色鮮やかで美しい。