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紀の川流域委員会NEWS!


第6回 紀の川流域委員会

日時: 平成13年12月20日(木)
13:30〜16:00
場所: 和歌山ビック愛1F 大ホール
国土交通省近畿地方整備局

中川委員長
   ほかに何かこの点についてご質問ございませんか。
 それでは、基本計画については、先程水野調査官が言いましたとおり今後の河川整備計画においてそれを検討する時の目標値の設定のところで今回の整備計画の対象降雨あるいは洪水をどういうふうに選ぶか、そういう議論を具体的にさせていただいて、そこで妥当な線が出てきたら基本計画そのものをここで議論するといいますか、審議する。そういう委託は受けていませんが、当然、基本計画そのものの望ましい修正、望ましい点というものは何かをコメントするとか提案してもいいのではないかと思います。それでよろしいですか。
 それでは、次に進ませていただきますが、2-2-2の伊勢湾台風(昭和34年9月)における土砂災害等についてですが、その時の流域の土砂災害等について江頭委員の方からご質問がございました。それについて説明をご願い致します。

平井所長(国土交通省和歌山工事事務所所長)
   和歌山工事事務所長の平井でございます。また画面でご説明させていただきます。江頭委員の前回ご指摘で、必ずしも満足いくお答えになっていないかもしれませんが、今知り得る伊勢湾台風のときの土砂災害について、お手元の資料には航空写真等入れておりますので、また後で見ていただければと思います。

  <<資料−3 説明>>

中川委員長
   どうもありがとうございました。ただいまのご説明に対しまして、ご質問、ご意見ございましたらどうぞ。

江頭委員
   資料を提供していただきましたので、これに対するコメントおよび将来の課題について少し述べさせていただきたいと思います。
 伊勢湾台風程度の雨が降りますと、今ご紹介あったように、山崩れ・土石流による流域の荒廃は当然起こるわけです。山崩れ、土石流等が川に入りますと、河床が上昇して洪水が起こる訳です。先程示された図で土石流、危険渓流等が中流域にもございました。計画降雨に対応するような雨が中・下流域に降りますと相当に流域が荒廃することが考えられます。現在の河道計画はいわゆる水だけが対象となってる訳ですが、そこに土砂が加わるとやはり現在の計画では不安な面があります。このようなことから、洪水災害の一つの拡大要因として土砂の流れとか流木の流れ、そういったものを少し念頭に置いておかなければならないと思います。

中川委員長
   ありがとうございました。ほかに何かございますか。
 はい、どうぞ。

今中委員
   参考までにお尋ねしたいと思います。治水等を計画される場合は、雨量のハイドログラフ等、観測の計測値がいろいろ出る訳で、また、それをもとにしないと将来設計もできないです。計測というのは非常に大事なことなのですが、問題は、現在、山岳地等に設置しているロボット雨量計やテレメーター等の雨量に関する観測機器のことであります。その数が適切であるのかどうかということです。
 また、現在は観測した数値をもとにして算出したものを実際にいろいろなデータとして使っていますが、従来からの方法では観測規模や状況が十分で無いのでは、ないでしょうか。観測数値の精度を言うと自然を相手にする訳ですから完璧なものというのは難しいと思いますが、このような点においてまず雨量観測機器の設置状況、あるいはそれが適切な観測場所にあるのか、そのデータが今後に生かされてくるものになっているのかどうか。分かるのであれば、その点を参考までにお教え願いたいと思います。

平井所長(国土交通省和歌山工事事務所所長)
   まず事実関係をご説明させていただきますと、雨量観測所でございますが、今現時点で流域内に36箇所ございます。ただ、ご存知のように、その時代時代で累加してふえてきたものでございまして、この36箇所が過去のデータを全部持っているというものではありませんが、現在36箇所あるのは事実でございます。ですから、1つの観測所で平均的に支配しているのが約40km2というのが現状でございます。さらには、流域の近傍でございます。先程の紀伊丹生川になりますと少し流域を越えたところも観測所がありまして、そういものを含めますと57箇所ございます。現在は、観測所が増えてきた訳ですが、必ずしも、過去のデータを全部持っている訳ではないのは事実でございます。さらに、テレメーター化を進めているという状況でございます。

今中委員
   その件に関してなのですが、整備局としてはこれらが完璧な設置状況であると考えられているのでしょうか。本当に望ましい数は、どれくらいのものなのでしょうか。また、より高度な内容にする場合の将来計画や関連機関からの要望があるのかないのか、あるのであれば今後、観測精度の高い内容になっていくと思います。もちろん現在は今出ている雨量の観測データしか分からない訳なのですが、その点はどのように御考えでしょうか。

平井所長(国土交通省和歌山工事事務所所長)
   流域の雨量を計算するときに流域を細かくし、流域を代表する雨はどれぐらいだというようにティーセン分割という方法を使いますが、50〜100km2に1カ所というのが適当と言われています。その数字と比較すれば満足している数字にはなるということです。ただ、場所の問題、密度の問題については、今中委員がおっしゃっるとおり、今後、計画をつくる者が河川を管理するという立場に立った時にもう一度、見直す必要があると思いました。

水野調査官(国土交通省河川部河川調査官)
   今後こういう治水計画を考える時は、現在、地上で計ったデータを使っています。今後は、より面的な方向を正確にとらえるべきではないかという趣旨だと思っておりますし、我々もより面的な分布を的確にとる必要があると思っています。最近テレビを見ていたらレーダーアメダス合成図というような面的な分布がございますが、実は河川局でもある程度整備していると思います。そういった上空のレーダーで面的な雨量も20年前以上から計測しています。年々精度を向上させてきており、実管理としては地上の観測したデータとレーダーで上空ではかった面的な分布をとらえてきておりますので、今後は、上空で計測したレーダーと地上値をうまく使っていくことにより、より面的領域を計測していけるのではないかと思っております。その辺をどうしたらいいかというのは、その辺りに詳しい池淵委員からご所見いただければありがたいと思っております。

池淵委員
   急に言われても少し困りますが、現象解析というスタンス、それから計画というスタンスで、先程言われたように、現象解析となってくるとレーダーもテレメーターも密度も高めて、鉛直方向も沢山計り分析するメカニズム、そういう形のものが一方では進められているスタンスだろうと思います。我々の計画の骨子としては流量というのが非常に直接的な管理、あるいは計画の指標としては欲しくなってきますので、幾つかの基準点での流量が本当にうまくわかるということの方が非常に大きな努力目標だろうと思います。そうすると、極端なことを言えば、上流に雨量観測所が1箇所あって、下流に流量観測所が1箇所あり、その一対一の対応で流量がうまく説明できればその1箇所でもいいのではないかということにもなります。ですから、そのスタンスの考え方としては、今ここでは、計画という余りに現象を回避した問題があるにしても、先程今中委員が言われたように、現象解析にあたっては、もっと密度の濃い形で目指していく必要があると思われます。これが管理という形になってくる、予測にという形になってくるということになると思います。流量の再現、あるいはかなり計画として信頼がとれるような流量系列の生み出し方等、そのあたりをどう考えるかということで、現在、密度を高めていってるそれらとどう結合するのかも観測系の一つのとらえ方として考えられるのではないかと思います。少しそういう気持ちもしております。

今中委員
   雨量を上空で観測されるということも、降雨となれば土地に浸水していく、そのようなものを考慮されデータとして計算されている訳です。そういったいろいろなことから考えると、例えば、レーダーレーザー、降水強度計やレーダー雨量計等いろいろな観測機器がありますが、将来30年先の観測での電子技術がどのように飛躍をしているか分かりませんから今言えるものではないと思いますが。ただ、私が冒頭でお尋ねしたように、現在の観測器の設置状況や観測体制の向上がレーダー雨量や降雨量データの精度を高め治水計画のよりよい推進につながるものと思います。確かに雨量観測の計測は、物理的かつ、大気の現象ですから難しいかと思いますがその辺りの検討を今後よろしくお願いしたいと思います。

中川委員長
   わかりました。他にございませんか。
 それでは、次にいきまして、2-2-4.大滝ダム洪水調節容量について。これは、前回私がお尋ねした大滝ダムの第1期・第2期制限水位、それを決めた根拠になった水文量についてお聞かせ願いたいと思います。

渡邉所長(国土交通省大滝ダム工事事務所所長)
   それでは、委員長からご質問がございました大滝ダムの洪水調節容量につきまして、大滝ダム工事事務所の所長、渡邉でございます。ご説明させていただきます。
 資料−5を画面で説明させていただきたいと思います。前回第5回の委員会で説明させていただきました洪水の調節容量が書いてあります。この資料にございますように、6月16日から8月15日までの間が第1期制限水位ということで治水容量として 4,500万m3、第2期制限水位ということで8月16日から10月15日までの間ということで 6,100万m3の洪水調整容量を持っています。それぞれの容量の策定根拠をご説明させていただきます。

  <<資料−5 説明>>

中川委員長
   これは質問ですが、今ここで示されている降雨のハイドログラフは、船戸上流域の対象雨量440mm相当の大滝ダム地点でのものですか。

渡邉所長(国土交通省大滝ダム工事事務所所長)
   先程説明ありました船戸上流域平均440mmの雨に対応した大滝ダムより上流の地点の平均降雨になってございます。従って、先程のピーク降雨量が59mmぐらいあったと思いますが、それよりは多いピーク降雨量になってございます。

中川委員長
   基本計画とは整合性はとれている訳ですね。

渡邉所長(国土交通省大滝ダム工事事務所所長)
   基本計画に用いた計画降雨の大滝ダム上流の部分だけを比較したものという形になってございます。

中川委員長
   これはいいですか。これからの議論になりますが、大滝ダムの洪水調節操作、そういうものについて河川整備計画はどれぐらいそれを弾力的に運用できるか検討する際の基礎になると思います。そういう点でいろいろお尋ねしている訳です。
 ほかにございませんか、何かご質問。
 それでは、時間の関係で、続きまして、2-2-5の紀伊丹生川ダム調査に対する予算執行状況についてのご説明をお願いします。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
   紀伊丹生川ダム調査事務所の所長の松山でございます。説明させていただきます。前回質問がございましたので、それにつきまして説明させていただきます。

  <<資料−6 説明>>

水野調査官(国土交通省河川部河川調査官)
   少し補足させてください。前回のご質問は、「どういう調査をしているのか、幾ら使っているのか。」だったと記憶しております。今回幾ら使っているかにつきましては包括的な説明にしかなっておりませんが、前回の質問に対して、何をやっているのか、それに幾ら使っているのかという説明をするつもりで詳しい資料を用意する予定でございましたが、手違いがございましたので、何に幾ら使っているかというもう少し細かい資料を次回提出させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 現在までの調査の結果、生態系としてどういう結果が得られているかについては、参考資料−2の方でお配りしております。以上でございます。

中川委員長
   何かご質問ございますか。どうぞ。

養父委員
   少し教えてほしいのですが、2ページ目の年度別調査内容というのは平成元年から平成13年まで継続的に実施されているものとされていないものがございますので、これは何か訳があるのですか。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
   水理・水文のところの流量だとか水質のようなものは継続的に調査しております。それから、環境調査とか地質調査とかにつきましては、例えば環境調査の植物調査でございましたら、付着藻類の調査をやったり、あるいはその調査の中でどういうものについて調査しようとか、あるいはその調査の範囲等、そういうものを区切って調査を実施していますので、調査していたりしていなかったりという形になっております。

養父委員
   少し分からない話で申し訳ないのですが、平成2年にある場所を調査しましても平成13年になりますと10年もたっている訳です。そうすると、例えば平成2年のときのデータは、10年先は違う植生なり環境になってくる。その辺はどんなふうにお考えになって調査計画をお立てになっているかお聞きしたいと思います。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
    一応全体的な調査を全域にするようには心がけております。ただ、全てを一度になかなかできないので、順次調査を実施し、結果的には平成2年から平成13年まで10年ぐらいあります。ダブっている場合と、同じところで調査している場合と、別のところで調査している場合とがあります。ですから、こういうような調査については我々はダムの計画立案者といたしまして蓄積していくことに意義があると思っていますので、そういう経時的なデータは、非常に重要なものだと思っております。

養父委員
   コメントなのですが、要はこういう調査をされるときに調査計画を10年なら10年、どんなふうにしていくのかという大きな骨組みがあって、その中でここはこうですというふうにご説明いただければ非常にわかりやすいと思います。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
   環境の調査につきましては、その地域の実状というものをよく調査したいと思っております。ただ、その中でアセスということについて着目いたしますと従来は、閣議アセスという方法でやっておりました。その後、法律ができまして、環境アセスは法律的に実施するということになっていますので、そういう調査の内容についてはある程度網羅するような調査というのも念頭に置いています。

中川委員長
   よろしゅうございますか。

養父委員
   要は調査計画をお立てになって、この年度はこんなことをするといったように全体的に通して落ち度がないように10年後でも有効に使えるような調査計画を立てる必要があると思います。その中で今回この年もこうやるという形でご説明いただければ、非常にわかりやすいと思います。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
   ありがとうございます。

中川委員長
   次回にでもまたそのときご説明願うということにしたいと思います。ほかにございませんか。
 どうぞ。

的場委員
   今、紀伊丹生川ダムの生物調査一覧というのを見せてもらいました。和歌山県が昨年レッドデータブックを出しているのですが、その中で「キバネツノトンボ」というのがあります。これは、絶滅危機I類の昆虫なのです。私は、これが紀伊丹生川ダムの調査で発見されているのを見せていただいて、そのI類に入れたのですが、この資料には入っていません。私の記憶違いなのか、地域外の違うところで確認されたからここへ入れなかったのか、少し気になります。

松山所長(国土交通省紀伊丹生川ダム調査事務所所長)
   このリストをチェックしているつもりでございますが、確認をさせていただきたいと思います。

中川委員長
   よろしゅうございますか。
 それでは、続きまして、2-2-6、前回の岩畑委員から大阪府の水需要の予測等につきましての資料請求がございましたので、それに対する回答を庶務の方からご願い致します。

庶務
   庶務の方に資料請求があったものとしまして、平成13年8月28日付で岩畑委員の方から「大阪府の水需要の計画について下降修正をされたその内容」について資料を要求しますというものと、「治水関係の資料の要求」という2点がございました。資料要求に対して庶務の方で関係機関から資料を取り寄せまして、12月4日に岩畑委員及び各委員の方に同じ資料を送付させていただきました。本日も資料−7ということで送付した資料を同じようにつけさせていただいております。庶務の方からは、内容の説明ではなく、事実報告とさせていただきます。内容については、本日、大阪府の担当者は呼んでいませんが、大阪府の担当者から、「必要ということであれば説明させていただきます。」という返事をもらっていますので、必要があれば次回以降の説明は可能かと思います。以上です。

中川委員長
   岩畑委員、それでよろしいですか。

岩畑委員
   はい、わかりました。


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