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第7回
紀の川流域委員会
H14.3.2
資料-4


● 第7回紀の川流域委員会 小川委員から提出された質問について

小川委員から提出された質問に対する回答

(P1)質問1 過大な引伸ばしとカバー率
採用された降雨パターンの引き伸ばし率2.32、そのカバー率90%(ピーク流量最大)は、ともに過大である。これらはピーク流量が現実離れしたものにならないための重要なはどめであり、河川砂防技術基準でも引き伸ばし率2以内、カバー率60〜90%との目安が示されている。2番目の降雨パターン(カバー率76.7%)を採用すればピーク流量が約13,000m3/sとなり、大滝ダムの調節量2,900m3/sだけで、計画高水流量12,000m3/sをクリヤーできることになる。
 
(P1)回答1  
 紀の川水系工事実施基本計画では、一般的によく用いられる貯留関数法という流出解析手法を用いて、雨量からどのくらいの水量が流れてくるかを算出しています。(資料-1〜5)したがって、雨の量、雨の降り方が決まれば、河川の流量が決まります。この雨量については、明治12年〜昭和45年(92年間)の船戸上流域の流域平均2日雨量をもとに確率統計解析により、150年に1回起こりうる雨量(計画雨量)を算出しています。この計画雨量は、船戸上流域で440mm/2日です。(資料-6〜7
 雨の降り方については、流出解析で必要となる時間雨量が観測されはじめた昭和28年以降に発生した主要な洪水を選定し、その降雨パターンで実績雨量を計画雨量まで引き伸ばし流出量を算出しています。(資料-8〜9)そして、その中で一番流出量の多い昭和47年9月の洪水パターンにより算出された、船戸地点16,000m3/sを基本高水ピーク流量としました。(資料-15
 この計画の中で、昭和47年9月実績降雨189.5mmを計画雨量440mmに引き伸ばしている(2.32倍)点ですが、「河川砂防技術基準(案)」では、計画降雨の時間分布および地域分布の決定にあたっては「単純に引き伸ばすことによって著しく不合理が生ずる場合には、修正を加えるものとする」とされています。紀の川の治水計画では引き伸ばしによる雨の地域的な異常性や時間的な異常性を降雨制限方式を採用することにより、過大な引き伸ばしを制限しています。(資料-10〜13)よって、2日雨量トータルでは、2.32倍となっていますが時間的な分布でみると必ずしもすべて2.32倍とはなっていません。(資料-14)また、昭和47年9月洪水は船戸地点で実測流量が5,780m3/sと改訂前の計画高水流量6,100m3/sに近い流量が観測されており、治水計画を検討する上で不可欠な洪水であると考えます。(資料-8
 カバー率については、紀の川の工事実施基本計画では、7洪水の基本高水ピーク流量7,000〜16,000m3/s(資料-15)の中から、安全サイドをみて一番大きなものを採用しています。


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