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紀の川流域委員会NEWS!


第8回 紀の川流域委員会

日時: 平成14年4月25日(木)
14:00〜17:00
場所: 和歌山ビック愛 1F 大ホール
国土交通省近畿地方整備局

神吉委員
   先程の大滝ダムの話に関係すると思いますので発言させていただきます。資料1の最後のページの放流量を2,500m3/sにしたらこうなるという27頁の昭和34年9月ハイエトハイドログラフですが、これはどういうふうにグラフの線が引かれているのでしょうか。放流量はもう少し平たく2,500m3/sの数値で横にでっぱらないのですか。貯めたっきりになっているグラフになっていると思います。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   実際は先ほどの資料にあったようにそのまま伸ばしていることもございます。ただ、それはそれぞれのダムのルールがございますが、基本的には、2,500m3/sを伸ばして、ダムの中の水位を下げる努力をします。なぜそんなことをするかというと、次の洪水に備えるためにいっぱいになったダムのキャパシティを上げるためです。しかし、ダムによっては、下流の氾濫が非常に顕著な場合、一端貯めた後に速やかに下げ、次の洪水に備えるという努力をするということです。

中川委員長
   他にございませんか。

岩畑委員
   確認しておきたいのですが、結局、目標流量をここで求めているのですか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   これは目標流量の検討の中の3つを示してみたということです。ですから、6×5通りが候補としてあり、その中の3通りをとりあえずやってみました。30通りの中でも結構ですし、もしかしたらまたご意見があって、それ以外でというお話もあるかと思います。我々は絞ったわけではなく、委員会でのご意見を踏まえて、検討がここまできたということです。今日お示ししたのは、候補の中の1つだというふうにご理解いただければと思います。

岩畑委員
   そうすれば、基本高水流量とは違うわけですか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   違うというふうに理解していただいて結構です。基本高水をどういうものとご理解されるか問題ですが、整備計画の目標とする流量を今日例として3通り示しました。それで、本日、おはかりしているわけではないということです。例えば、今は、この間の議論で6×5通りまで絞らせていただいたのですが、その中の3とおりを抽出して、実際の河川の現状を見るという状況であったということです。

岩畑委員
   そうすれば、基本高水流量は16,000m3/sと考えていいわけですか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   まだ、基本方針の議論がされておりませんので、我々は、基本高水流量についての議論がまだされていないという理解です。

岩畑委員
   議論されていないということは、これからそれを決めるということですか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   基本高水や基本方針はこれから決められるということです。

岩畑委員
   であれば、その目標流量がそれに該当してくるという理解でいいのですか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   その件に関しましては、今議論をされています。従って、その議論の過程の延長線上でどうなるかというのは、委員の方々の認識が異なってくる可能性があります。

岩畑委員
   説明を聞いただけですから議論はしていないのです。私は、13,770m/sが最終的に3つ選んだ中で一番高いピーク流量になりますから、それを目標流量とするのかということをお聞きしているわけです。

中川委員長
   先程の私の説明に誤解があるのではないかと思います。例えば、今、ここで検討していますのは中期計画というか、段階整備の20年ないし30年の中期計画の目標です。
 まずは、対象洪水です。先ほどの1〜6の1つのモデルから得られたものが示されています。長期計画とかなり考え方が違うのは、日本の主要河川は、河川整備がかなり進んでいるのですが、例えば、既往最大の洪水、既往最大の降雨に対する流出に対しても未整備な段階にあるところが多く、日本の河川の整備というのは、当面の間、この規模の洪水に対して、安全度が確保できるといった目標で整備をやっているためです。
 一方、工事実施基本計画は、今おっしゃっられたように、各河川の重要度に応じて、例えば、淀川であれば200分の1の確率の降雨、紀の川であれば150分の1の確率の降雨で計画されています。ご承知のように、紀の川では2日雨量440ミリを対象に計画を立てていたわけです。
ところが、こういう工事実施基本計画の問題は、その事業に対して時間軸がないわけです。いつまでにそれをやるかというのはないわけです。そういうことになりますと、流域全体を見た場合、あるところは整備されているけれども、あるところは100年経っても整備できないかも知れないということになります。そういうものではなく、やはり流域の全体の公平性というか、河川の安全面からレベルの低いところでも基準があってしかるべきだと思います。従って、今申しましたような既往最大の降雨を1つのスタンダードにおいて、それについての治水の安全度を確保します。ところが、いわゆる流出現象というか水文現象というのは、偶発事象ですから、越えるものが何回か起こるかも知れません。例えば、一昨年の東海豪雨のように年間の50%を上回るような洪水が発生するものはそこらじゅうにあります。そういうことを考えますと、それらについて、今回の整備計画でどこまで手当できるか。あるいは、先ほど言っていましたが、「浸水をします。」といったら、氾濫をどこまで受認できるかというようなことについても地域住民のみなさんに理解をしていただくと共にそれらに対して、完全ではないけれども、適切な対策が必要となります。そのために1.1倍とか、1.2倍とかの洪水を対象として考える。極端な言い方をすれば、その1.1倍とか1.2倍までは、完全に堤防で安全性を確保するというわけではありません。ところどころ、氾濫は致しますけれども、堤防は破堤しないとか、あるいは氾濫して田畑の一部は浸かるけれども、住宅は絶対つからないとかというのを、これから、いろいろとみなさんに審議をしていただきたいと思います。そのための基本になる量が、私の言いました超過した対象洪水として13,770m3/sになっているわけです。だから、これからこれも議論をして、ここまでは20〜30年の間に安全性を確保するという流量、つまり、洪水を決めていただかないといけないわけです。この6つなら6つの洪水があって、それを計算して、例えば0.8倍、1.0倍、1.1倍、1.2倍と出てきた段階で、どこを目標として整備をするのかといったことを決めていただくことです。それでご理解いただけたと思います。

岩畑委員
   委員長のお話で私は非常によく理解できてきたと思っています。いわゆる20年ないし30年の間に現実的に整備できる対象洪水に対してできることからやっていくという取り組みはよく理解できてきたと思います。
 しかし、今回この提案書に出させていただいている事業費についての質問に何故こだわるかというと、今年も4億5千万円の事業調査費が計上されて、そして、6月に新規見直しのダム計画が発表されるということになっているからです。従って、長期と中期が段違い的な方向性をたどって行くのは、非常におかしいのではないかと思っています。その辺のところはいかがでしょうか。 昨年の6月に水需要に基づきダムの見直しをしないといけないということでしたが、年内になかなか出来なくて、今年の6月に発表するということになっています。だから、ここで目標流量を決めて、20年なり30年できることを議論し、それとは別にダム計画を発表するのであれば、20年〜30年はずっとそのダム計画が存在するのですか。

中川委員長
   いいえ私はそうは思っていません。私はこの流域委員会で、私が提案しているように積み重ねて議論していきます。そうすると、その対策についてもいろいろ代替案が考えられます。その1つにダムがあるかも知れませんが、そのほかの河道掘削であるとか、堤防は対象流量によって異なってきますので、皆さまに適切なものを選択してもらい、そこを決めて頂きたいと思います。そして、その時点でダムの要・不要の議論に対して、今まではインプットに対してどれだけのアウトプットということでやってきましたが、最近の公共投資という点から、アウトカム、つまり、どういった効果があって、どのような影響があるかに重点をおいて考えなくてはなりません。例えば、ダム事業というのは、今言った費用対効果からしても効果がないということなら、自然に消えてしまうと思います。その議論をしていただきたいということです。それもダムが駄目だからとか悪いからというのではなくて、それは効果があるとかないとかという議論をするために、このようなきちんとしたデータを積み重ねた上で、例えば、紀の川の治水の安全度がどれくらいあって、ある地点がウィークになってそこをカバー、クリアするとすればどういった方法があるかということについて議論をしていただきたいと思います。当然、紀の川全体の公平性と利水・環境面をすべて総合的に検討していただいて、その結論によってはダム計画も無くなる可能性が出てくると思います。しかし、まだそこまでの議論に至っていません。そういうものを出すためにも、非常にきめ細かな議論を重ねていかないといけないと思います。そうでないと管理者側からすると、今の工事実施基本計画に基づく事業を進めるしかないのです。ここは国土交通省の委員会ではありません。国土交通省から諮問を受けた第三者の委員会なのです。国土交通省としては、この委員会が何も勧告しなければ、自分の事業は、推進します。そのためにも、やはりきちんとした客観的な資料の完璧な分析に基づいて、結論というか成果を出していかないといけないと思います。そうしないと、何年やっていても、何年も無駄な血税を使うことになります。そのようなことが起こるのではないかと思っています。
 この間も地元の人を侮辱していると言われましたが、私は決して侮辱していません。私は、紀の川のために今言ったようなステップで、本当に河川全体を考えた整備計画をまとめようとしているわけです。是非前向きにご協力をお願いしたいと思います。そういう点からしますと委員の方々にたくさんおいでいただいているのですが、先ほど言いましたうように私の不手際で工事実施基本計画に関する質問に集中していることから、委員の方々は、委員会の運営そのもの、進行について、いろいろご意見をお持ちだと思います。ですからこの際、この流域委員会の進め方というか、今までのやり方について、何かご意見がございましたらおっしゃっていただきたいと思います。勿論、委員の先生方から質問がでましたので、そういった質問について、委員会として管理者からお答えを願うというような手順をとるべきですが、議論がある方向に偏っていくと、流域委員会を発足させた意義や価値が反映されず、なかなか目的が達成されません。ですので、その辺りのところを皆さんはどのようにお考えかお聞きしたいと思います。何かご意見がございましたらお聞かせ願えないでしょうか。

岩畑委員
   中川委員長のおっしゃられていることは、前々回からよく理解できて、なるほどそうなのだなということで謙虚に考えたいと思っているのです。ただ、先ほども言いましたように、この要請書のとおり、中期計画と長期計画で計算が違っているのです。ダム審の時もそうです。「あれは全く違うのだ。」というような、手のひらを返すような答弁がありました。それに関して、水野調査官は、「昭和49年の工事実施基本計画が過大評価だ。」という質問について、「それは前任者のやったことなのだ。」とか、「今度、私は違うのだ。」と、なにか行政の職員であるまじきような発言が気になっていたのです。その様な一貫性のないことを、やるのが行政の仕事であるというのを非常に不思議に思うわけです。今回のように中期の計画において、審議で目標流量等を決め、議論し、対策を決めて行き、それに対して、やはり大滝では若干不十分なところが見られるということであれば、そのダムの必要性からダムの計画というのはわかります。だから、少なくともこの審議期間中に、ダムの計画を発表するというのは不謹慎です。どういうふうに考えているのかしりませんが、なぜダムの見直しを来月に発表するのですか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   紀伊丹生川ダムの見直しについては、現在継続中であり、その継続は整備計画策定の過程にあるということです。今、委員のおっしゃられた「昨年に水需要を確認している。」というのも事実ですし、その後、「洞窟等が発見された。」というのも事実です。そういうことも含めて現在見直しの検討をしているということです。それと、工事実施基本計画に関わる話なのですが、これは、第1回の紀の川流域委員会の時にもお話しましたが、河川法の制定の過程では、まず基本方針を決めて、その中で整備計画を決めるという過程になっています。ただ、整備計画を決めるに際して、関係する皆様の意見を聞いてそれを反映させるという過程が必要だというのが法律に明記されている手続きだということです。つきましては、そこの部分が非常に大事だというのが我々の認識です。したがって、今、整備計画に関わる話として、現状分析から、課題抽出をはかって、整備計画を立案しようとしているわけです。従って、そういった過程の中で整備計画に関わる対象洪水等が決められ、あるいはそれを検討されて、整備計画を作られた時に、これから先に決められるであろう基本方針について、整備局としては、当然、それと整合性の取れた基本方針が作られるように考えているわけです。
 もう一つ、現行の工事実施基本計画について、ご指摘のいろいろなご質問については、我々も誠意をもって明確に答えないといけないと思っております。現在工事をやっている基本になっているのは工事実施基本計画です。それから、新しい法律に基づいて、これから基本方針なり整備計画を作っていく法的手続きを致します。しかし、実質的な手続きというか、やり方については、まず、整備計画についてのご議論をしていただいて、それと整合のとれた基本方針が成立して、あとは法の手続きに基づいて、オーソライズされるということを期待しているということです。

岩畑委員
   私の言っているのは、ここで審議されたで中期計画が、基本方針に反映されないのではないかということです。結局、中川委員長も「長期的な意味合いでよりよく反映されるような整合性を認める。」と言っておられるけど、中川委員長と整備局は、ダムを計画をするということですか。ここで審議されたことが、反映されないのではないでしょうか。

坪香部長(国土交通省近畿地方整備局河川部長)
   これから考えていただく話については、まだ、対策に関わるのです。施設整備等の議論がまだされていませんから、その中で我々がいろいろ説明をする必要が出てくるだろうと思います。

中川委員長
   何度も私が言っているように、今は、河川整備計画の目標を検討していただいています。次に具体的な整備内容の議論に移っていくわけですが、その計画の整備目標、端的に言えば、計画対象洪水が決められれば、プロセスや検討の方法とかについて検討します。そこで、先ほどご指摘のあったような工事実施基本計画と整合してなければ、ここで検討された方法に基づいて、工事実施基本計画を見直してもらおうと思ってます。なぜ見直してもらうかというと、工事実施基本計画あるいは長期計画については、この流域委員会は諮問を受けていないからです。そこで、それを最大限尊重していただくこととして、それについての勧告というか提案を整備局へ提示するということになると思います。ただ、先ほども言ったように、工事実施基本計画に対して意見がかみ合っていないというかすれ違っている議論がありますので、河川管理者側の考え方や意見とこの委員会の意見の違いを明確にして、完全な理解を持たせておくことが非常に大事なことだと思います。だからといって、この委員会がずっとこれを続けて、かみ合わない議論をしているというのも、先ほども言ったような理由で非常にまずいと思っています。
 そこで、私の勝手な提案なのですが、これまでの工事実施基本計画についての勉強会をこの委員会の中で委員会の分科会あるいは勉強会として開催し、委員はだれでも参加していただけるという方向で考えでいます。当然のことながら、河川管理者からも出席してもらい、それについての問題点を議論していただきたいと思います。そういうことを提案したいと思うのですがいかがでしょうか。

江頭委員
   今、委員長が勉強会あるいは分科会を作ることを提案されたという理解でよろしいのでしょうか。私は、その提案に基本的に賛成します。なぜかと言いますと、この河川整備計画を検討するに際しては、河川管理者側にいろいろなことを調べて欲しいし、また、こちらの意見を申し上げたいことがあります。先ほどの河川管理者側の説明に対しても私は質問をしたかったし、コメントもしたかったのですが、そういう時間もこのような議論をしておってはなくなってしまいます。ですから、是非そういう会を作っていただきたいと思っています。この河川整備計画で非常に大事なのは、例えばこういう雨が降ったら山から川にどのように水が出てきて、それによって我々が住んでいる氾濫原がどのようになるかです。我々はどの程度制御できるのか、制御仕切れないとすれば、浸水地域が出るわけですが、それに対してどのような手当ができるのか、という議論を詰めていかないと、どのレベルで河川整備をやっていけばいいのかという答えが出てこないのだと思います。そういう議論を十分しないといけないと思います。そういう時間をこの委員会ではとっていただきたいと思います。そういう意味で委員長の提案に賛成であります。

中川委員長
   他にご意見は、ございますか。

小川委員
   私も勉強会が開かれるのは賛成なのですが、その時に一般の市民の人も是非参加できるような形にしていただきたいと思います。

中川委員長
   具体的にどういった形で運営していくとかを全然決めておらず、原案もない状態ですが、この委員会の中の勉強会と考えています。勿論、この流域委員会の委員に座長になっていただいて、その座長に勉強会でいろいろな問題点について検討されたことをこの委員会で報告していただきたいと思います。そして、それについて、委員の各位にまたご審議願うという形を取りたいと思います。そういう点からすると、勉強会ですので公開ということは考えていません。この流域委員会で公開することになります。そのため、それについてご意見いただくのはそれでいいと思います。専門家等を、参考人として呼ぶことは可能だと思います。この委員会の下部組織というと悪いですが、そういうものだという認識を持っていただきたいと思います。いずれにしても、もしもお認めいただけるなら、次回の委員会でその運営方法や規約構成等を提案させていただきます。勉強会ということですから委員は積極的に参加していただきたいと思います。

岩畑委員
   計画は、基本方針が生きているのだからやっていただいたら結構だと思います。しかし、問題は計画するのに毎年4億も5億もいらないと思います。第2の公共事業をフルに発揮する必要はないので、そこのところを考えていただかないと困ります。新河川法に基づいて法律的に場所を変えれば、一からやり直しというのは、新河川法の欠陥です。だから、場所を変えたらまた一からやり直し、また2年間、計画でお金を取れることになります。方針が生きているのだから計画していただくのは当然だと思うのですが、そこで莫大な税金が毎年使われるということに関して、問題があると指摘しているわけです。それも、20〜30年の中期計画では、「可能性というよりも先の話だ。」と委員長が言っていると思います。そうですね?この20年ないし30年では、そのダムというのはちょっと・・・

中川委員長
   それは、分かりません。検討してもらった結果次第です。私は「いらない。」とは言っていません。

岩畑委員
   私にはそう聞こえてきます。要はそこのところを考えていただきたいと思います。

中川委員長
   ですから、そういうのも含めて、その勉強会で考えればいいと思います。そういう場がなかなかないので河川管理者の本意も真意も聞いてもらわないとまずいと思います。そういった場を設定しようということです。

今中委員
   先ほどから委員長もおっしゃっておられるこの委員会の件につきましてコメントしたいと思います。いろいろと議論されている中で、一般に議論される内容というのは狭義に解釈する場合と広義に解釈すると言ったようにいろいろな形があるわけですが、まず、河川の流域に関する話の中では、河川流域での地域住民の安全ということが一番大事であると思います。洪水による災害等の危険を予見できる場合には、やはり、人命第一とした治水を考えていくことが重要であると思います。その中に環境とか利水などいろいろな面での問題も含まれてくるわけですが、そういう中で出てくる問題に対して、どのような状況に合わせてどのように考えるべきかと言うことには過去のデータが重要になります。また、将来的な予測データを検討して、1つの計画を作成する場合には、まず、その地域の河川流域における広義の災害等を十分に検討することが必要であります。そして、次にその延長線上に出てくる諸種の要件を考えるべきです。そう言ったことが大事ではないかと思います。従って、当局から出るデータは、出来るだけ適切な内容のデータをお出しいただくことは言うまでもありませんが。しかし、降雨のデータに関しては、絶対的なものはないという難しさの中では、想定して作られていくデータもあるかと思います。いずれにしても、河川流域での地域住民の安全と人命第一を考え議論していくことが、もっとも大切な事だと思います。

中川委員長
   結構なご助言をいただきありがとうございました。他にございませんか。先ほど申し上げましたように次回で勉強会の方法などを提案させていただきます。まず、ご審議願いたいと思います。
 それでは資料-2の「次会の開催内容について」の審議に移ります。以前にも示しています開催予定に沿って、本日、検討対象洪水の選定を行いました。まだ、これも完全に決定しているわけではないのですが、先ほどの説明でいろいろな洪水を仮定したら、こういった影響あるいは被害が出るといったようにどこに問題点があるかということは、説明があったと思います。
 それともう一つは赤で書いてある大滝ダムです。これについては、一定量放流2,500m3/sギリギリで、どれくらいの効果が出るかということについて説明して頂きました。それから紀の川における弱点は、洪水の規模にもよりますが、先ほどございました狭窄部であるとか、堰の位置であるとか、そういうところで氾濫現象を起こすということもわかってきたわけであります。そこで、次回にもう少し対象洪水の議論をした上で、河川整備計画の対策メニューについて説明をしてもらうということでどうか思と思います。それと先ほどの検証対象洪水の選定をもう一度というのはいいでしょうか。昭和34年9月の伊勢湾台風の1.0倍で検討して、それから、もう少しレベルを上げて1.1倍、1.2倍といったような安全率を高めた場合にどういう対策を考えていくかというようなことをお話しましたが、それもまだ、完全に認めていただいているわけではございません。その議論を先にさせていただいたらと思います。そして、その後に対策メニューというものを出させていただくということでどうかと思います。よろしいでしょうか。

池淵委員
   目標流量を先に決めるということなのか、先ほど先生がおっしゃったように、それぞれに応じた対策メニューとかb/cとかいくつかのシナリオ等があって、それもセットで提示してもらい議論して、そこから目標流量を決めるのか、どちらなのですか。

中川委員長
   例えば、そういう対策をしたらもう少し高くとれるとか、いろいろあると思います。目標とするレベルを決めると、例えば、伊勢湾台風既往最大であれば、その出水があった時に、堤防が完成堤になっていたらどうなるかとかならなかったら、どこでオーバーフローするか、一番ネックになるのはどこか、そして、それをカバーするのはどうしたらいいのかが議論できます。それをやると、また下流側で流量が増えてくるから、それをチェックし、フィードバックしないといけないと思います。ただし、対象流量のレベルというのは、あらかじめ設定しておかないと検討しにくいと思います。それにふさわしい対策は、例えば、「堤防はこれくらいの高さで良し。」「ここでは、嵩上げしないといけない。」「では、これはやめて、他に別の拡幅。」とかいろいろあると思いますが、そういうものを考えていくことになると思います。やはり、最初には仮定しておいて、それに対する対策を決めることになると思います。ですから、例えば、1.1倍の洪水が来たらどうなるかということを解析し、それに対する対策を検討するということになると思います。

古田委員
   委員長、少しよろしいでしょうか。紀の川の場合は、一応、いわゆる目標流量というのが基本方針にあって、それに合わせた形で紀の川大堰というのが造られています。整備が何%くらい進んでいるかはよくわかりませんが、現実問題として、その様な中で下流域から造りあげようとしています。それを基本的に見直してしまうのか、それとも、もっと安全度の高いものにしていこうとしているのでしょうか。
 今中委員からの話もありましたように、やはり沿川の人たちにすれば、単純に言って水が来たら困るわけです。そのため、いろいろな監視システムとかを造ってやっているわけです。先ほどの委員長の意見の中で、「稲が水についても」といった話がありましたけれど、農業をしている人にとっては、青い稲が水につくと非常に大きな問題なのです。やはり、その辺の認識のようなものを、共通にしておかないと大変だという気がします。

中川委員長
   今河川部長も言われましたが、私が一番最初に言ったように、工事実施基本計画はこれからも議論をしていきます。
 工事実施基本計画を基準に整備をしてきたわけですから、極端に言えば、紀の川の下流域の船戸とかでは、今、12,000m3/sとか13,000 m3/sに耐えられるようになっているのです。ところが沿川全体を見た時、治水の安全度は全然違います。だから、それは私からすると、何故なのかと思います。極端な言い方をするとその16,000 m3/sでずっと工事をしていくと何十年かかるかわからないわけです。これから公共投資がどんどん減ってくるとなかなか整備が進みません。そうすると沿川の治水安全度にものすごい不公平性が出てくると思います。人間の命というのはどこでも同じなのだから、これは重要であります。極端に言いますと、長期計画で整備されているところは、私が言ってる20年〜30年の中期計画の目標洪水からすると、100%の安全率ではなく150%の安全率があるということです。だから、それについては、例えば、先ほど私が言っている1.0、1.1、1.2倍とすれば、1.2倍になっても対策なしでもいいということです。

古田委員
   そうしたら、また、それがおかしいのではないかと思います。淀川が200年に1度の確率規模洪水を対象としていますが、何故紀の川は150年に一度の確率規模になるのかというその基準的な部分です。

中川委員長
   誰が治水安全度を決めたかということは言えませんが、その流域の重要度とか人口とかの試算があって、想定被害額等から決まっています。例えば、そういうことを紀の川で考えていいかどうかです。先ほど私が言った和歌山なら和歌山というものは絶対的なものであって、それ以外の地域が和歌山を守るため、ある意味での被害を許容するかしないかといった辺りを皆様で議論していただきたいと思います。この整備計画を立てるのに、最低レベルの流量については、公平性を沿川全体に保たなければならないという考えです。いろいろな地区から出てきていただいていますが、ここで議論した結論や意見に対して実際の地域の皆様からの意見をくみ取らなくてはできないと思います。

古田委員
   そういう意味ではありません。守るべきものは、守ってほしい。

中川委員長
   そういう議論をしていただくためには、今言ったような基準の流量を決めてそれで、それを上回ったらどうなるか、それにはどんな対策があるのかといったように、いくつかのメニューがあると思います。何が最も効果的、あるいは、費用便益の面から見てもすぐれているかということを議論していただきたいということです。それを、進めていただけるとありがたいと思います。そうなった時に、他の面から、例えば、それでは利水はどうにもならないとか、灌漑用水はとれないとか課題がいろいろ出てくると思います。その改修に波及すると問題です。また、環境がどうなのかとかあるいは、生態系への問題などを議論していただいて、その中でベターなものを選択していただくということです。その代替案も含めて、さらにこの流域の公聴会を開くかどうかについて議論をしていただかなくてはいけないわけです。一般の住民の方々の意見をどういう形で、吸い上げるかについても、その時期に皆様のご意見を承って、それをまとめて、公聴会を開かせていただくことになると思います。よろしいでしょうか。

岩畑委員
   先ほどの委員長からの提案に沿って、私が最初に質問した研究者グループの要請書に対する見解は、その分科会で議論されるということですか。

中川委員長
   勉強会の時に議論していただけたらいいと思います。

岩畑委員
   私も勉強会に賛成です。もっと認識を深めたいと思うのですが、我々の認識を深めるとともに、やはり、こういう質問や要請に対しては何らかの形で委員会として、整備局側の見解を即答でリアルタイムに出していかないと不信感が出ると思います。

中川委員長
   ですから、勉強会をしてもらい、その座長にここで報告をしてもらって、それと共に整備局から具体的にその説明をしてもらったら良いと思います。それは必ず報告してもらい、ここの委員会で質疑応答するということでいいと思います。

岩畑委員
   わかりました。

中川委員長
   そうしないと、結論というかまとめが出てこないと思います。ただ、直接ここで言うとすれ違いになってしまい非常にまずいと思います。それでは、一般の傍聴者の方からの意見を聴取したいと思います。


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