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紀の川流域委員会NEWS!


第11回 紀の川流域委員会

日時: 平成14年9月27日(金)
10:00〜13:00
場所: アバローム紀の国 2階 鳳凰の間
国土交通省近畿地方整備局

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   和歌山工事事務所長の平井でございます。それではいつものように、画面で今委員長からお話があったことについて、検討結果を報告させていただきます。恐縮ですけれども座ってお話させていただきます。

  <<資料−1 説明>>

中川委員長
   どうもありがとうございました。前回から遊水地のご提案がございまして、いろいろご調査願って、非常に細かく調べていただき、またさらにいろいろ考えるところがあると思いますが、今のご説明に対しましてご質問あるいはご意見ございましたらどうぞおっしゃってください。

岩畑委員
   はい、よろしいですか、岩畑です。今ちょっとご説明いただいたのですが、ちょっと私の方で理解が不足なところがあったのですけれど、氾濫型と貯留型の解釈なのですけれども、私、個人的にというよりも、その氾濫というのは、あくまでも基本の堤防がどこの河川にもありますね。従ってその堤防を前提において、それから洪水が起こった場合に氾濫するという感じの全く私の素人感覚でそういった意味合いの氾濫型治水を進めるというよう考えていた面があるのです。いろいろまあこの説明では、全くその堤防を撤去するってことですね。それによる冠水なんで。できれば、次回でもその既存の今ある堤防を洪水、目標流量があった時に越流するというのですか、実質的に氾濫するその数値計算を提示してほしいです。それをちょっと、考えたのですが。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   伊勢湾台風の時にどういう状況なのかというのは、今の現状でこういう氾濫現象だというのは、以前ご説明させていただいたところでございますけれども、まさにその話かなと思うのですけれども、氾濫させた場合の今堤防がある所に水が越えていくというところについては、土の構造物でございますので、計算をする時にどのように考えていいかというのを、逆にお話いただければありがたいのですけれど。何が言いたいかといいますと、基本的に土の構造物を水が越えるということは、堤防は壊れていくということはご理解いただきたいのです。その時に、堤防が壊れていくというのが、基本的に長時間に及びますと、上下流にどんどん壊れていくという現象が広がっていきます。氾濫していくというところで、計算するにおいて単純に計算ですので、お時間をいただければできますけれども、計算する前提で、どのように考えればいいか逆にお話いただければと思うのです。

岩畑委員
   岩畑です、実はですね、ご存じのとおり兵庫県の武庫川から宝塚に至る武庫川ですね、あれは完全に天井川ということで、我々近畿では、いつも目にするところなのですけれども、全くの典型的ですよ。宝塚の住居の方もそれを前提において、80年、洪水氾濫がないということです。あそこも土塀になっています。従って、今、考えられることは要するに、決壊すればということです。一番危険度があるのはどっとくるやつですね、そうするとあそこの住居は、もう一機に壊滅状態になる恐れがある。しかし、80年一つもそれをオーバーフローしなかったという前提の基に生活共存しているわけなのです。したがって、どうするかということになれば、その堤防を補強すると、今、専門の方に聞けば、その補強についての費用対策は、非常に高額なものではないと。したがって、補強を考える対策を講じるのだというご意見の先生方もおられるということで、私もこの間もお話を聞いているのですけども、そういう意味合いで、土塀だから、土製であるからすぐ壊れるからということで、それを撤去するという話、それだったら。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   我々が説明させていただいた撤去の話は、場所によっては水が入りませんと、伊勢湾台風の水位と今の堤防の状況からいって入りませんので、ご提案いただいたその解釈がもしかしたら、違っているかもしれませんけれども、我々が解釈をさせていただいたのは、前回図面も小川委員の方からお話がありましたけれども、その7地区について遊水地の可能地ということなので、水が入らないいわゆる堤防を越えられないので、計算のために、今ある堤防がないという前提で計算したということです。もう1つ、この私の理解がまた違ったらご指摘いただきたいのですけれども、岩畑委員からあったご質問に対して、私がどういうふうにと言ったのは、現状でどういうことなのですかというふうに、私は理解したわけで、現状では、今度は低いところがございます。堤防が一部できているところがございます。そこの、水が越えることがあります。その時にそういう扱いについて、壊れないものと計算するのとですね、壊れるのだと、基本的に水が構造物を越えたら非常に危険になるのは間違いないですから、壊れるという前提で計算したらいいですかという問なのですが。さきほどの堤防がないものというのは本日の資料という意味でございまして、越える越えないという話は先ほど岩畑委員からお話あったことについて、次回、どういうような計算をした方がいいのですかというご質問をさせていただいたのですけれども。

岩畑委員
   ですから、今の既存のですね、護岸整備されているところが目標流量がきた場合に溢れる状況が床上であるか床下であるかというところですね。そういったところの具体的なものを提示してほしいのです。ただ、撤去した撤去しないというその二者択一的なものでなくて、二者択一的なことをやると、今最後の説明でもありましたように、要するに、井堰を造ったら527億円かかるというような数字になるわけですよ。それで、遊水地にすれば、930億と倍やないか、費用対効果はこんなに違うじゃないかと、そういう単純な比較を行って金額提示されるとね、930億ものすごいではないかと、そんな費用は捻出できないということになりますから、やはり、現実可能な状況の数字を、だから、護岸があって、目標流量がきた場合のオーバーフローする、その時どういう形になるかというのを、今度の資料として出していただきたいのです。

古田委員
   委員長、はい、古田ですが、あのおっしゃっている意味はよくわかるのですけれども、現実的に紀の川の流域で氾濫している実態というのは、前の委員会でも出てますし、そして、浸水箇所というのも、はっきりしているはずだと思うのです。私この遊水地の説明を聞いていて一番思ったのは、この流域沿いにですね、逆に平地にダムを造るというふうな発想じゃないかなというぐらいの部分があると思うのです。実際、その遊水地というのを新宮川の支川で相野谷川というところで見てきたのですけれども、非常に条件的に整っていない限り遊水地というのはなかなか難しい部分があります。現実的に住宅とか、農業とかいう部分で農地指定されていて、相野谷川の場合、農業用地、占拠でですね、そういう中で住民の合意を得て造っている部分だと思うのですけれども、住居とかそういうものがある中で現実に、もう浸水を受けて被害を被っている流域住民がおるわけですね、それが堤防を乗り越えた、その流量とかそういうふうな数値というものを出して意味があるのかどうかということを逆にお伺いしたいですけれども。

岩畑委員
   岩畑です、今のお話なんですけれども、我々、第二室戸台風からですね、今ここで提案出された、その周囲堤ですか、それは二重堤防のようなことで理解したらいいのですね。だから私の周辺もの、要するに台風後ですね、大変だということで二重堤防を造ろうと。二重堤防を造ってからはね、現実にあふれたことがないのですよ。だから、要するに我々は、戦後台風による都度重なる確かに被害はありました。しかしですね、その被害を全く回避するということにおいてね、日本国土の全土の40%をね、埋め立て云々、ずっとやってきているわけなんですよ、それから40年間でね。だから、これ以上の埋め立て、護岸整備ということに対して危険信号を発信しているからこういうふうに議論を今やっているのでね、だから、遊水地のことも、念頭に入れて考えないと。それと私、前回言いましたように、この間提案してあった、7ヶ所か6ヶ所の遊水地なんですけれどもね、現実に実現可能なところを、提示してほしいということで、私はお願いしたと思うのですけれども、その、可能性だけではなくて、本当に実現可能な、まさにこの委員会は、20年、30年で実現可能なものを議論するのだというのが前提ですから、だから、遊水地の7ヶ所、実はですね、あのお話があってから、現地に行ってきたんですよ。そうするとね、やはり、住居で農業地であるとか、非常に問題があります。従ってそういうことはね、すぐにできないことと思います。それで、私はずっと現場を見てこれならばという所は1ヶ所、2ヶ所、可能性があると。これは、ちょっと検討していただきたいなということで今日はご提案していただきたいとは思うのですけどね、だから、実現可能なところの数値を私は出して欲しいと言っているのです。ここで単純に7ヶ所の合計が930億かかるんだとそういう話ではなくてですね、わかっていただけますか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   2、3誤解があるようなので、私の説明が不足なのかもしれませんけども、1個、1個お話させていただきますと、二重堤防というお話がありましたが、周囲堤が二重堤防という話がありましたけれども、あの、遊水地を造る場合に越流堤を造ってですね、普通の堤防よりも高さを低くするわけで、水を入れ込むとそのために水がそれ以上広がらないように周囲堤を造る、水を囲むと、水を入れますので、川から今度は外に出てきますので、その囲むための堤防です。二重堤防ということはないということをまずご理解いただきたい。それから、ここはまだ足らないと言われればそれまでなんですけれども、可能性があるということでご説明させていただいたのが、前々回の上野の公園でございますが、地権者はございますしいろいろな調整がありますけれども、そういう意味でいわゆる住居がないということで、説明させていただいたのが上野公園ですと。それから前回の委員会で、これも誤解があったら恐縮でございますけれども、ご指摘いただいたのは、小川委員の方からご提案について、検討してくれということなので。事業費のことでございますけれども、きちんと説明してないのが恐縮です。早口だったのでご理解いただけていないと思いますけれども、本日、事業費を出したのは貯留型の越流堤を造ったり、周囲堤を造ったりという、貯留型の堤防を造った場合、失礼、遊水地を造った場合の事業費がその額でした。ここは誤解があったら恐縮ですけれども、岩畑委員がおっしゃっている氾濫させてという額は、いろんなバラエティがございますので、額は今出していませんということはご理解いただきたいと思いますけれども。

中川委員長
   はい、どうぞ。

三野委員
   ちょっと、少し話が違うのですが、今ご検討いただいたのは大変参考になりました。私も遊水地の理解が進んだのですが、もうひとつですね、今ご説明の中で、法手続だとか、合意形成だとか、大変な時間がかかると思うのですね。できましたら、次回、遊水地でどれくらい事業に期間がかかったか、地域の合意形成の永いところとか短いところとか、その辺のところを少しお調べ、ご報告いただけるとちょっと補完的なあれができると思うのですけれども。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   今、全国の事例はあれなんですけれども、ひとつわかっていることだけ、今一番近傍で木津川で上野遊水地を整備しております。今の状況ですけれども、先ほど言った水を入れますので堤防、越流堤というのを造って、普通の堤防より高くして水を入れます。そのための、それ以上広がらないための周囲堤の整備が今やっているところで、かなり終わりが見えてきました。この事業ですけれども昭和44年から始めたものでございまして、地権者がおられるということで他の事業も今度、次回、説明させていただきますけれども、時間はかかります。あくまでもこれはちょっとまた岩畑委員の話に関わりますけれども、貯留型で整備をした、貯留型という言葉も我々が使っている用語にはないのですけれども、いわゆるダムみたいに越流堤を造って、水を引き入れて、洪水を下流に行かないような整備をした場合ということでご理解いただきたいと思います。

岩畑委員
   岩畑ですけれども、もう一つ、基本的に今回のこの問題に関しては、我々がやはり、発想の転換を基本的にはからないといけないということだ私思うのです。それでなければ新河川法の意味がなくなってくる。これはどういうことかと言えば、我々洪水で危険だ危険だ危ない危ないっていうことなのですけれども、相変わらず、河川の危険地域において住居がどんどんどんどん進出しています。これは、やはり我々が利便性を求めてね、やはり河川地域への集合、集中していると、これはやはり、車を考えればわかると思うのですよ、便利である利便性がある、ということで我々は車に乗れば気をつけよう、気をつけようと、合言葉のようにね、出る時は話をしている、死ぬかもわからない、事故にあえばとんでもないことになる、又人に迷惑かけるよということなのです。したがって、それについては、だから保険をかけましょうよと、できるだけもしもの時のためにですね、あの先方さんの方へもご迷惑がかからないように、又自分についてもですね保険をかけましょうというのがこれが、何十年間の危険の我々の共通認識として、かけているわけです。したがって、これからの住居だって住まわれる方も、やはり、河川においてはひょっとすれば100年に1回、150年に1回、洪水があるかもわからないということで、やはりこれからの住居の認可方法においてもですね、自覚に基づくそういう気持ちでなければ、より良い河川の管理ができないと思うのです。だからその辺の方もね国土省と何々省とですね、議論を深めて、やっていかないと、河川だけで全てを守っていくということは、私不可能だと思います。以上ですけど。

池淵委員
   あの、ちょっと前回も欠席していたのですけども、遊水型のそれで、現堤防をはずして計算されているというそれが少し理解しにくい。それから、前々回目標流量を定める時にいろいろ流した時に、どこの箇所が越水したり、破堤して広がるかとか、そういう形の位置とですね、今、お見せいただいたそういう箇所のオーバーラップした、そういう形のものがセットで見せていただくとそこの部分が、さっき岩畑委員がおっしゃったように、可能性という形とポテンシャルが備わるかどうかということがみえてくる。それは遊水地、貯留型にしても、一番上の方で、それなりにダム型と言えば、大きなそのものを用意する方が、遊水地群という形でいろいろポケットを足していくよりもそこから、下流が全部そういう効果が出てくるわけですので、効果がある。そういう面からすれば、その遊水地の案を考える場合においても、その氾濫等の今のエリアとのつながり、そういったものを見ることによって、仮にその遊水地の可能性と手続き論とのコンフリクトがあると思いますけれども、そういう代替案について考える時にどこが絞れるかというような、そういう形の案の候補をもう少し絞りきれるような意見交換というか、そういうこともできるのかなとちょっと気がしたので。前回欠席していたもので、いきなり遊水地というものが出てきたもので、ちょっとめんくらった言い方かもしれませんけど、そういうことと、それから非常に多くの計算をいろんな形でやっていただいている気が、ものすごくするんですけれども。例えば、目標流量とかですね、最初ずっとストーリーできていた目標流量がどの辺のレベルでセットして議論するのか。そこにいろんな代替案とそのメニューの議論をしていく。目標流量というものの定め方、またそれがどういう形で収斂していくのか、その辺りが今まで参加してきたストーリーからの位置づけみたいな気がしたもので、ちょっとそういう形で混ぜ返すようですけれども、お願いしたいなという気がするのですけれど。

岩畑委員
   はい、それとですね、現実的に実現可能な云々というところは私は要するに、九度山の方では安田嶋の方であると、五條に上がって、公園で我々が見学会で一度見に行ったところの上野のところですね、あそこにあるとか、ということをですね、現実に一度バスの中で案内してもらった、五條に入るところですね。橋本の裏手の道路から五條に入るところで、ツジモトさんですか、農家されているずっと、名前は正確にどうでしょうか、私、実はそこにも行かしてもらったんです。そうするとやはり台風後のね、上流部のダムのおかげというのか、何というのですか、非常にその洪水の時の現在台風が来ている時にも防備林ができた、だから、水位がこうなんですと。現実に、過去40年の水位の跡が残ってるんですよ、塀であるとか、倉庫のね、何年はここへ来たんだということなんです。やはり、上流部ができてから大迫とかできた時からここまでしか来ないんだと、それで、そのツジモトさんのところの河川のところが防備林になっているというのは全く自然に来なくなったから、あの竹が生えた、生息したんだというようなね、それは非常に40年間のこの紀の川の上流のダム群による河川管理の跡がこう位置づけられているというのか、私そこでちょと勉強させてもらった、それで要するに遊水地というのは、今回大滝ダムができる、そういうことも踏まえて、あの実質的な洪水、どれだけの流量が流れるのかどうかという、今ここで机上の数字以上の現実は流量が達してないということですよ。ツジモトさんもだから今非常に安心した生活ができているということをおっしゃっていました。だから、私は、現実的には上野のところが自然遊水地になってます。現状、放っておいても遊水地になるんです。だから安田嶋は要するに住居が一部建設していますから、そうした問題が非常にあるということなんですけど、安田嶋と上野のところですね、この二ヶ所については、非常に詳しい資料で出していただきたいと思います。以上です。

中川委員長
   はい、どうぞ。

江頭委員
   江頭です。遊水地の効果のところでちょっと確認させていただきたいのですが、堤防を取っ払うというのは、地盤高と同じにして沈澄計算をしておられる。それから貯留型の場合、越流させる幅によって効果が若干違うと思うのですが。27ページの表を見させていただいて、やっぱり、これくらいの遊水地ではそれほどの効果がないなという、印象で見ているのですが、それでよろしいんですか。流出抑制効果は遊水地の洪水ピーク流量の低減という読み方でよろしいですか。

平井所長(国土交通省近畿地方整備局和歌山工事事務所長)
   まず、あのまさに流出抑制効果というのが、各地区を単体でやった場合の効果、ある地点、岩出の地点の効果とそういうことですと。それと貯留型の場合の越流堤と高さ、まさに委員ご指摘のところでございまして、この計算が非常に大変なところでございまして、実は各洪水によって、平均的には10回トライアルでまず仮に越流堤の高さを決めてですね、幅を仮に決めて、まだずらしてと、いう最大効果、我々がやれる中の最大効果を探したところの結果だというようにご理解いただければと、それで、また貯留型、すみませんこれ専門的で恐縮ですけれども流出解析で一番効果のあるところ、場所、高さと幅をとらえる計算をしまして、それに基づいて安田嶋と島だけは氾濫解析をやったということでございます。

江頭委員
   それから岩畑委員のお考えはよくわかるのですが、治水対策とか災害対策をどうやっていくかという、考え方ですよね。わが国、重要な河川では何世代にわたっても安全、安心でいられるというようなことを目的とした治水をやってきているわけです。これに対して、岩畑さんおっしゃるのは、なんて言うんでしょう、自分がそこに住んだ、何年かの経験というのですか、それが非常に前面に出ていて、岩畑委員の治水はどうあるべきだっていう言い方、よくわからないんです。30年間何もなかったとかですね、そういう言い方っていうのは、非常にわかりにくい。申し訳ないですが。それから先ほど岩畑委員の発言の中で、洪水氾濫をさせる場合のさせ方の話しがわかりにくかったんですが、例えば、雨が降って水が川に出ていって、現在の堤防がびくともしないというそういう状態で洪水がどうなるかということを見たいということでしょうか。そういうことですか。 現在の堤防がびくともしないという状況っていうのは、ものすごく難しいんですよね。実はほとんどの堤防は越流しますと破堤につながる。破堤すると堤防、破堤幅が時間的にものすごく変わる。それで、どれくらいの幅で決壊し、時間的にどれくらい破堤幅が広がっていくか、そういう仮定をおかないと、計算できない。それには非常に大きな仮定が入ってくる。だからやってもしょうがない。ある意味ではですね。そういうことも一方においてはあります。ここが明らかに破堤しますよという、前提での氾濫計算であればそれはできるわけです。これはコメントです。

養父委員
   いろいろご意見出てるんですが、別の視点からも遊水地を考えてみる必要があると考えています。要は治水上の遊水地というお話と、もともと川というのは氾濫するため、生態系の上でも遊水池がいろんな営みを担保してきたわけですね。ですから、河川法が改正され、環境的な視点ということで、自然環境の保全上、遊水地が、有効な役割を果たしている。例えば、渡良瀬遊水地しかりでございますが、そういう視点でも物事を見ていく必要がある時代に入ってきていると考えています。 勿論、事業として個々のお金の話をし始めますと費用対効果で違うよという話が出てくるかもわかりませんが、紀の川沿川を見てみましても農地については、区画整理がどんどん進み、市街化がどんどん進んでいます。そういう中で河川が自然環境の保全していく上で軸になっていくというのは明確な事実でございますので、そういった意味で遊水地の付加的な効果も当然あると考えています。そういった意味で治水の話は当然あるわけですけれども、このような視点での遊水地の見方もあると考えております、もしも何かしら資料等ございましたら教えていただきたいと思います。

岩畑委員
   よろしいですか、今のご指摘のとおり私の方もあくまでも先生方との話で、周囲の土壌であるとかですね、そういった所で強度というのは専門的に計れるというんですか、そういったところだけれども、だけど、災害洪水というのはやはり人間の理解しきれないことが災害だと思うのですよ。それでいくら我々がこれが大丈夫なんだと、これの強度でやれば大丈夫なんだと、この高さであれば大丈夫なんだと、そういうのはね、非常に思いあがりの我々の力学だと僕は思います。したがって、やはり、どこまでがどうだこうだということの危惧を危険度を自分自身に集めてしまっても我々日常生活していく上においてはあまり意味がないという前提においてでしか僕は考えられないのですけれども、それはどういうことかと言いますと、例え話で非常に恐縮で申し訳ないんですけれども、英国のダイアナ妃というお方ですか、ベンツで走って車が壊れて、死亡されたということで、かなり、テレビで放送されました。これはですね、ベンツ社がこの車を回収するんだと、これは非常に全く関係のない話で申し訳ないんだけれども、それでですね、どういう衝撃でダイアナ妃が亡くなったのか、だから、ダイアナ妃が亡くならない車を造りたいというような発想をベンツ社が持っているということなんです。しかし、それは今も言うことでね、どんな車を造ってもね、やはり、事故、災害という時は、我々人間の力が知れないから事故になるんですよ。だから、注意すれば事故がおこらないんじゃないんですよ。私の人生観では。注意しても事故の起こる時は事故は起こるんです。これは私の人生観です。したがって、あまりに神経質にこれだけの高さがあったとか、これだけの強度があったからということだけではね、ちょっと事故災害というものを回避できないっていうのが私の素朴な考え方です。

江頭委員
   治水には、構造物による対策とそれによらない対策があって、後者をソフト対策といいますけれど、ここでも、浸水地図とかをお作りいただいて、いわゆる洪水の危険を常にあなた方は背負っていますよ。そういうことを通じて啓発に努めているわけですね。ですから両面で水害対策というのは進められていると、そういうことです。決して、構造物そのものが安全ですよという言い方というのはできない。そういう治水対策を現在、学校でも教えていますし、行政もそういう方向で推進しているというのが実状ではないでしょうか。おっしゃったとおりだと思います。

神吉委員
   土地利用規制の話が出ないので少しコメントします。都市計画区域にほとんどが入っているというのは、これは結構良いことでもあります。都市計画区域外ですと開発してもなかなか市町村には、届け出ということにはのらなくて、把握されないままどんどん進んでしまうのですが、都市計画区域というのは一応、届け出がされますので、今度家が建つということが逐一把握できるということになります。「水害に気をつけないといけない所ですよ」と言うチャンスは1回はあるということになります。そういうことを考えると都市計画区域に入っていたというのは、私は割とよかったなと思います。一方で、今、人口フレームが減少もしくは現在の数字からは増えないというようなすうせいになっていまして、実は人口フレームから都市計画というのは積み上げますので、人口が増えている時代というのは、何とか規制しなきゃという意識が働くので、それなりに用途地域を作ったりしてきたんですが、今その辺のモチベーションが低くなってます。都市計画サイドは厳しい規制を作るとかいうことをあまり強く思っていないという問題があります。ただ、一方では人間が減るのに実際には、どんどん郊外に家が建ってまして、どんどん街の真ん中が寂しくなっていくという非常に不合理な話が全国で起こっていて困っているというのが、一番最先端では議論になっていますが、だから、個人的には都市計画のモチベーションが落ち気味の現実があるので、こういう河川とか安全とかそういうサイドからですね、是非、ここはきっちりと都市の再活性化も含めて土地利用の構想をきちんとしなさいというメッセージを送っていただきたいという気がするのです。都市側から見れば、中心部にきちっと人が住んで、街の商店街が元気でという方向に行って欲しいというのがあるので、その後押しにもなるということで、あんまり郊外の住宅開発が望ましくないというメッセージを送っていただければ、影響力があっていいなというのが、都市計画側の意見です。

江頭委員
   洪水ハザードマップですとか、浸水地図とかはそれを暗に啓発している。例えば、ここは危ないですよと言ってもその人が被害に遭わなければ、その世代は動きませんよね、通常。ところが世代を越えて土地利用が自然と進んでいく、いわゆる危険度に応じた、土地利用が進んでいくだろうと、大きな期待は持っていると思うのですね。ただ、それをどういう方法で啓発していくか、あるいは法的にどう規制していけばいいかというのは私自身よくわかりませんが、これもこの流域委員会のテーマのひとつではないかと思っています。

古田委員
   住宅の建設について一言言っておきたいんですけれども、いわゆる市街地の活性化というのもよくわかりますし、理屈もよくわかるんですけれども、現実問題としてそういう遊水地になるような所、そういう低い所というのは土地の値段、土地が非常に安いわけですね。価格差が埋まっているとはいえ、現実問題としてはそういうところがその安いコストで売られている。だから、住んでる。さらにもっと言うならば、いわゆる都市計画区域に指定されてないいわゆる農業用地の所でもですね、農業生産者というのは現実問題として後継者なんなりにお家を建てて、そして住まわしている、するとどうしても農業生産者の場合だったら流域の下の部分とかにお家が建っていくということは、現実はあると思うのですね。だから、そういう意味で遊水地、その理屈的にはよくわかるのですけれども、現実問題としてですね、その堤防の外というのは何らかの形でやはり使われるのだと、利用されるのだと水がやっぱり出してもらったら困るのだという基本的な部分というのは必要かと思う。そうしたら何をすべきなのかと言うのであれば、先ほど岩畑委員がですね、だんだん水路の上のダムが出てきて、竹藪が自然発生的に生まれてきている家もあるというふうなことをおっしゃっていましたけれども、私は紀の川の河川敷を見て、あの状態が治水上本来の姿であるのかということになれば、非常に逆に言うとアブノーマルな姿ではないかということを問題提示したいと思うのです。
 あれだけ木が生えていて、あれだけ雑草が、背の高い雑草があって、流量というのが現実問題としてその維持できるのかと、それをその何らかの形でキープする必要があるのと違うのかと。それともう一つ言わしてもらえるのであれば、先日、取材で貴志川というか、貴志川と紀の川の合流域のところで、おじいさんの釣りをしている人と会ったんですけれども、川原の石が昔と全然違うと言うんですね。どうして違うかというと、昔は雨が降って水がひいて、川原に石が出てくるけれど、雑草が生えてこなかったというんです。今は水流れているところ以外、雑草か木が生えている。ということは泥分というのが非常に多いんだと。しかも栄養に富んだ泥分が多いんでこんなに生えているんだということを申しておりました。これは絶対鮎にもよくないんやと。現実問題として、紀の川の下流域を見ますと砂利とかそういうものが上流から流れてこなくなって、いわゆる30年、40年代に堀尽くした河床が泥分化しているんじゃないかと。本当の自然の形態に戻す、上流から石なり砂なりというものが流れてくるような形態、それが自然の再生ということにつながっていくのではないかと。今回の計画もですね、紀の川大堰が出来て固定堰がないわけですから、そういうものも海岸へ流されるという部分もあるのですが、何らかの形でそういうふうな部分を見ていく必要があるのでないかな、というふうなことは思います。

三野委員
   あの、先ほど私がちょっと申したこと、若干足らないので、これ、遊水地の問題というのは突き詰めていくと憲法問題になっちゃいますよね。結局は、公共の福祉と私有権、財産権の補償の間の極めて微妙な問題ですから、これもいろんな河川で裁判中のものもあるかと思いますが、そういうことで、今度の河川法の改正というのはそこまでぎりぎりの線よりももう少しステックホルダーの間で、どういう具合にして、こう合意を形成していくかという筋道が出来た、また筋道ができたところですよね。その中でこういう流域委員会がいろいろ動いているわけで、まだまだその辺に関する住民全体、流域住民全体との認識もまだ、ずれているわけですから、是非遊水地を題材にしていろんなその方向へ検討を進めていくのは、大変大事な問題ですが、こと紀の川の今、安全の問題とかなり、議論のレベルが違ってこないかと、具体的な問題とですね、一般的な問題と。その辺をどうこの流域委員会で解釈して進めるかというところに最終的にはつきるのではないかと思うのですが、なかなかその辺みなさんの共通の認識というのは出来ていないので、結論をつきつめていくのは難しいのではないかと思うのですけどね。どういう議論をしていくのか。

中川委員長
   それはね、今おっしゃったように、例えば氾濫型そんなものを残すにしても、河川区域として指定しなければ、そのままではそれは災害なんですよね、その手続きなんていうのは、非常に困難だと思う。そういった法的な手続き、あるいは法的な上からの縛り、そういったことを考えるとですね、効果が小さいのに果たしてそれをクリアすべきかどうかということなんです。それともう一つは、今おっしゃったように合意ということも、過去からこの沿川の市町村というか自治体、そういったものがここにも載っているように土地利用計画とか、都市計画とかそういったものに対する将来構想など持っているわけですね。これと例えば、ここで議論された結果とがどのように調整できるかということになりますね。極端なことをしますと、あるところでは、堤防をもう一度高くして、土地を確保してくれと、そして我々のところで一端、他に利用させてもらうと言うのが希望だということになりますね。ところが、この委員会で例えば、どんどん、開発をしていったために治水上、非常に問題が起こってくる。そうするとある規制を加えるべきじゃないかというような話が出てくる。そこの調整というか、例えば、実際に実現する時にどれだけのバリアが切り抜けられるのか、そこまでのところを考えるとかなり難しい問題と思う。もう1つは、始めからあきらめのことを言ったらいけませんが、紀の川の特性と例えば先ほどの木津川の上野のあたりの遊水地とは違うんですね。あそこら辺は上野盆地で三川が合流していて、そこに農地がずっと開けて、それを転用というか、今の遊水地に利用したということになる。紀の川の周辺、流域そのものの、特性というものを見ていますと、非常に急流であって、1本でありながら、支川が180も入ってきているわけですね、しかもそれぞれの流域幅が非常に小さい、こういう条件のもとで遊水地等でそれを処理するというのは非常に難しいのではないか。例えば、吉宗がまさに紀州流というのを、考え出したというのは、新田を開発するために、河川周辺での非常に狭い土地をどんどん開発していくということを、おそらく、石高を上げるために考えたんだと思う。これは、関東平野みたいに広ければ、それこそ、関東流のように遊水池を作って、渡良瀬遊水地のような池をいっぱい揃える、川の特性をよく考えた上で果たして遊水地というものが紀の川にとって有効なのか、他の対策がそこにあるのではないかとかですね、そこを考えないと、何でもかでもここで実施するというのは、僕は逆に言うと将来にとって、危険だと思う。例えば、保水機能を高めるとか、あるいは河道そのものをある程度手当するとか、いろいろあると思うのですけれど、まあ紀の川の歴史というのか、その辺の特性に基づいて我々は、ものを論じないとまずいと思う、これは私のコメントです。 そういうことで法的な手続きはどんなことが必要なのか、あるいは土地の買収をする必要等、整理してもらったらありがたいと思います。もうよろしいですか。どうぞ。

今中委員
   今中です。先ほどから遊水地の話が出て数値的なことがいろいろと議論されていますが、私、思いますのは、遊水地とはまず、自然的な降雨に対する問題でもあるわけですから、100%こういう数値でなければならないという議論は実際に難しいことだと思います。20年〜30年先を考えるとき。これらは予見という中で出てくる話ですから、統計とか経験的には言えても、それ以上、いろいろと細かくそれを求めることは大事ですが、今すぐ結論的でなくてもよいのではと思うのです。安全という事に対し数値は重要な意味をもつことは、それは当然、わかるのですが。またもう一つ、この遊水地についても提案区域とかあるいは遊水区域や狭窄部において、この範囲が一番好ましいというように出ているわけですが、これとて、1つの形であって、できるだけ、洪水被災を防ぐように安全度のことを考え、その区域を試案として出てきたものだと思うのです。しかし、先ほどからもお話がありましたように、実際、遊水地の土地利用においては、農地法や都計法、あるいは土地収用法、そういういろんなものが絡んでくる問題もあり、全てが可能かということになりますと難しいのではと思います。数値的なものに関しては100%正確に出る時と、出にくい時があるかと思います。その辺は幅を持って、考えればよいのであって、いつも数値に関する議論で思いますのは同じ議論を長くいつまでも続けるのではなく、議論の内容によっては次の段階に移り、また、不十分な場合はフィードバックするとかの方法をとりながら前に進めていくことが、もっとも大事ではないかと思うのです。勿論、議論は重要かつ、必要であり大切なことは言うまでもありませんが。議論の方法についての私の感じです。

中川委員長
   どうも、いろいろご議論があると思いますが、時間の関係からこの問題としては、これから、整備計画、具体的な整備計画を立てていき、その中に今申したような遊水地というようなものも織り込められるというのが1つの案として、その時にまた具体的に議論させてもらった方が良いと思いますので、一応、これで終わらせていただきます。
 続きまして、紀の川を取り巻く環境についてということに移りたいのですが、これは、前回ですね、紀の川を取り巻く環境について、それぞれの委員の方のご意見があればお聞かせ願いたいと。そういったご意見をこれからのここの議論、具体的な、先ほど申しましたような整備計画を立てていく上で活かしていきたい。こういうことで、ご意見をいただいたわけでございます。資料に出てございますように、22人の委員の中から15名の方々から、資料2にあるようなご意見を頂戴いたしました。一番最初のところに表記致しましてカテゴリとして10のカテゴリに分けて、各委員のそれに関連したこのご意見をまとめて掲載させていただいているわけでございます。今申しましたように全体として見ますと、いろいろとご意見がありますが、現在の河川の環境と言いますか、それ以上に絶対悪くしてはいけないと、こういうこと、あるいは、現在の姿を、あまりそれ以上いじるなというようなことではないかと思います。とりわけ、森林生態系そういったものについての保全ということについても、歴史文化的な関連についても配慮をすべきだというご意見をいただいております。
 従いまして、これを次回以降に反映いたしたいと思っておりますので、みなさんにこの資料をお読みになっていただきたいと思います。そして、時間的な制約がございますが、何か特にこの環境分野について環境の委員の方々にご意見があればご発言願えればと思います。何か追加でも結構ですし、どうぞ。


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