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2003年8月発行

紀の川流域委員会ニュース No.16



● 第16回紀の川流域委員会 議事骨子
第16回紀の川流域委員会の議事骨子については次のとおりです。

平成15年7月28日

第16回紀の川流域委員会 議事骨子

委員長 中川博次

 第16回紀の川流域委員会は、7月28日(月)JAビル本館5階大ホールAにおいて全委員22名中20名の出席のもと実施された。
 

1.後任委員の紹介・選定について

●後任委員の紹介
上本委員の後任として、和歌山市水道局工務部水質試験課長山貞一(やまさきさだかず)氏が紹介された。

●後任委員の選定について

江種委員辞任に伴う後任委員の選定について、紀の川流域委員会は、規約第3条第5項に基づき非公開で審議を実施し、後任委員を選定した。選定に当たっては、下記の点を考慮した。
  1. 江種委員が提起してこられた紀の川の水質あるいは水理上の瀬切れ問題に関連して対応していただける方。
  2. 紀の川の水質に精通される専門家。
  3. 水環境工学の学識経験者。
  4. 紀の川に造詣が深い学識経験者。
  5. 江種委員の後任という観点で年齢を考慮する。
 

2.関係住民の意見の聴取方法について

「関係住民の意見の聴取方法について」説明を行った。説明の内容は以下のとおり。
  • 河川整備計画の策定の流れについて
  • 既に河川整備計画を策定している先進事例について
  • 都市計画決定の流れについて
  • ダム審議委員会の流れについて
  • 委員長提案の意見聴取検討会運営方針(案)について
《委員会での審議内容》
  • 河川管理者の「聴き方」を議論する。
  • 流域委員会として、河川管理者に「こういう方法で住民の意見を聴く」ことを示す。
  • そのうえで、委員会は河川管理者が聴取した「住民の意見」を聴く。
《聴取した意見で反映できないと考えられるもの》
  • 河川法上の制約により、河川管理者が実施不可能なもの。
  • 技術的、制度的など今後20〜30年間に実施不可能なもの。
  • 河川整備の方向性に逆行しているもの。
  • 社会的意義が低いもの、もしくは無いもの。
  • 社会的合意が得られないもの、もしくは得られそうにないもの。
《意見聴取の方法について考えられること》
  • 意見聴取の方法は、複雑で時間や金がかかるものは良くない。
  • 意見が、偏ることも良くない。
  • 携わる人、影響を受ける人が大切。
  • 説明会は、地区毎に行い、地区の関連する内容に時間配分を行えるようにする。
  • 地区は、郡単位や五條・橋本を1つの単位にするなど、小さくなりすぎない範囲で行う。

それらの説明に対する主な意見は以下の通り。
  • ・どのような工程を念頭に置いて発言すればいいのか。
    ⇒原案(第18回提示予定)ができ次第、住民意見の聴取を実施する。住民意見を聴取し、再度住民に修正案を説明する。
  • 理解が熟成していないのにいきなり公聴会を開催されても住民には理解しづらい。公聴会の実施に先駆け、住民に対して広報活動をする必要がある。
    ⇒そのような趣旨の事前のインフォメーションも必要である。
    →節目の委員会で記者発表を行っているので、それらを全面に出せば充分ではないか。
  • よりよい広報活動の提案をするために検討会を作り、そこで細かい内容を詰めていけばいいのではないか。
  • 意見聴取は、対象に応じて意見聴取方法を検討する必要がある。
  • 意見聴取検討会には、委員長が以下の5名を指名し、了解を得た。
     今中委員
     神吉委員(座長)
     古田委員
     養父委員
     湯崎委員

《意見聴取検討会での検討内容》
  • 効果的な聴き方の方法
  • 整備計画原案を案内する方法
  • 整備計画原案を効率的に理解していただく方法
  • 基本的には、整備計画策定のための意見聴取であるが、できれば上下流の住民団体の交流を図るきっかけになるような仕組みを作りたい。
  • 住民意見の反映について、先進事例としてどのように反映されてきたのか具体的に調べて欲しい。
  • 意見聴取検討会での検討結果を次々回の委員会をめどに判断基準も念頭において意見聴取の方法を整理し、委員会に報告してもらいたい。

 

3.岩出町の樹木について

養父委員から「岩出町の樹木について」報告があった。説明の内容は以下のとおり。

≪現地視察の内容≫
  • 岩出町の河道内樹木について、治水面、環境面、管理面からどのような影響があるか助言のため、6月19日に現地確認を行った。
  • 冒頭、庶務から「いわで夏祭り実行委員会」の主催は岩出町でなく岩出町商工会であるとの訂正を受けた。
  • 当日の参加者は、土岐委員、養父委員、庶務、和歌山河川国道事務所3名、岩出町商工会3名で現地を見た。
  • 樹木としては、エノキ、ムクノキ、ヤナギ、外来種(ニワウルシ)が多く繁茂している。
  • 河川管理施設である護岸に影響を及ぼしている樹木も見られた。
  • セイタカアワダチソウ群落(帰化植物)やクズ群落、ヤブガラシ群落がみられ本来の河川植物の生育の妨げとなっている。
  • エノキ、ムクノキ、ヤナギには、陸上昆虫の生息場所になっている可能性があるため調査が必要である。
  • 7月一杯は鳥の営巣時期であり、伐採、間伐を行う場合は、時期の配慮が必要である。
≪紀の川の樹木管理≫
  • 護岸に影響があるような治水上支障となる樹木及びニワウルシなどの外来種は伐採する。
  • 河道内樹木管理において、水辺の国勢調査は、地点の調査であり紀の川全体を網羅していないため問題がある。
  • 生物調査や植物調査を今後実施し、河川利用のみとなっている現在の河川環境管理計画に生物や植物調査結果を盛り込むことを検討していく必要がある。
≪岩出町商工会の方針≫
  • 河道内樹木の伐採については、いわで夏祭り実行委員会に諮っていないため予算措置も出来ていないことから今年度は実施しない。
  • 来年度以降、河川管理者と協議を行い対応していきたい。

 

4.大滝ダムの状況について

紀の川ダム統合管理事務所から「大滝ダムの状況について」説明があった。説明の内容は、以下の通り。
  • 白屋地区における亀裂への対応状況について
    それらの説明に対する主な意見は以下の通り。
  • 崖崩れが起きているのは白屋地区だけか。
    ⇒ 小さな崩れはいくつかあるが、大きな変状が出ているのは白屋地区だけである。
  • 今回の件については、ダム計画の段階から重要課題であり、それらの対応はどのようになっていたのかを聞きたい。
    ⇒ 当時、県の委員会があり、想定されていた地滑り対策としてアンカー工や鋼管杭工等の対策を実施してきた。
  • 地元住民とどの程度の危険度が改善されるのかについて話し合ったのか。
    →それらの質問については、委員会での審議とは筋が違うのではないか。
  • これらの地滑りについては、8月1日の第2回検討委員会で議論される予定である。
  • 白屋地区では、すべりの現象として一般的ではないメカニズムが起こったのでないか。その原因を検討委員会で調べて欲しい。
  • この委員会としては、整備計画の検討にあたって大滝ダムが現在どのような状況になっているのかを知ることができれば良いと思う。
 

5.一般傍聴者からの意見聴取

  • 昭和42年から全戸移転の要望をしていた。
  • 昭和48年の地滑り委員会の報告では、地層は逆目で安全と言っていた。
  • 金沢経済大学の先生に調査を依頼すると、ダムを造るともたないと言う報告書が出た。
  • 報告書を県が見て順目で危険としつつ、国がごり押ししてダムを造った。
  • 6月5日の第1回検討委員会の資料は、既存資料を集めたに過ぎず、幼稚な資料であった。
  • 国の資料が委員に提供されていなかった。
  • 第1回検討委員会では、水位を一定にすれば収束すると判断されたが、亀裂は増幅するばかりである。
  • 家の下の段差は7m幅で14cmの段差が付いているが、4cmの段差が付くと人は住めないと言われている。
  • 国が依頼した委員は、ダムが原因だと100%は認めていない。
  • 別の調査では、ダム本体が持たないと言っている。
  • 地滑り地区は居住区としてもたない。対策をしても住めない。
  • ダム湖に水中ロボットを入れると地滑り対策工に10箇所クラックがあった。今までの対策ではもたない。これは人災である。
  • 無駄な仮設移転はせず、早急な全戸永住移転をお願いする。
  • 委員の方は、私の話を聞いて早く対処するよう言って頂きたい。
  • 地滑りについては、8月1日の回答を待てとのことであるが、それまでに倒壊が起こる可能性があり、誰が責任を取るのか。
  • 国は治水論を議論する際は住民の安全というのに、この問題については後回しにするのか。
  • 国土交通省はここで処理を誤ると将来に大きな禍根を残すことになる。
  • 大滝ダムの問題は、一般住民に非常に判りやすい例になった。
  • 三重のダムでは尾根を一つはさんで同じ高さに来ると判った住宅団地の住民から不安の声が出てきて、地質調査が行われることとなった。そういった調査が、実施予算が大きくなる原因ではないのか。
  • 白屋区民は当初から全戸移転を要求しており、こういった現象を予知する調査も行ってきた。大阪自然環境保全協会は、住民の意見を支持する。
  • いくら対策をされても住民は安心して住めない。これ以上こじれないよう委員会として国土交通省にお伝え下さい。

 

6.次回の開催内容について

次回の開催内容については、次のとおり。
  • 次回開催日は9月。
  • 内容は「紀の川河川整備計画の立案について(環境・利水・維持管理)」。
  • 開催場所は、和歌山市内。
 

7.その他

  • 小川委員から、4点について資料の要請があった。
    ⇒庶務で資料を整えてた上で、小川委員に提供する。
⇒委員長回答
→委員回答
⇒河川管理者回答


この議事骨子は、委員会終了後に速やかに審議内容が公開できる様に取りまとめたものです。従って、今後議事の詳録を作成する上において、修正等が加わることがありますが、その際は、ホームページ上で修正箇所等を明らかにした上で再掲載を行いますのでご了承下さい。

次回、第17回紀の川流域委員会は、9月頃に和歌山市で開催される予定です。詳細は、決定次第ホームページに掲載します。

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国土交通省近畿地方整備局 和歌山河川国道事務所