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● 大和川の洪水

川の水位はどれくらい急上昇する?

 大和川流域の13観測所について過去20年間のデータを調査し、1時間に50mm以上の雨が観測された回数をカウントしたものが以下の表です。近年集中的な降雨が多発していることが伺えます。特に平成10年は多く、観測所別では、富田林(石川の上流)、八木(寺川の上流)、生駒(竜田川の上流)が他観測所と比べて多くなっています。

■過去20年間で1時間あたり50mm以上の雨量を観測した回数

観測回数

観測場所

■上記観測データの詳細な記録

観測記録

 降った雨は川に流れ込んで、川の水位を上昇させますが、どのくらいの速度で上昇するものなのでしょうか?どの地域で、時間あたりどの程度降ったかによって、また季節によっても変わってきます。平成12年7月4日の天理付近を中心とした集中豪雨では、佐保川の番条観測所において、18:00〜19:00の1時間に2m以上水位が上昇しました。

雨量・水位相関図

上記の表では、昭和57年の出水に比べ、短時間に大きな降雨だったため、水位も急激に上昇しているのがわかります。

平常時 洪水時
平常時(平成12年5月 撮影)
河川敷や中洲が現れている
洪水時(平成11年8月12日 撮影)
河川敷や中洲が水没し、川の中は危険な状態

 普段は穏やかな川もいったん集中豪雨があると一変します。特に中洲や瀬、淵など川の中は変化に富んでおり、時々刻々変化しています。川の中で遊ぶときには、天気予報などで上流の雨にも注意しましょう。


河川に取り残された少年ら5人救助 急な増水に注意
早めに避難しよう 消防本部警告

 大阪府下に大雨、雷、洪水警報が出ていた6月25日、上流に降った大雨で河川が急激に増水、午後2時半ごろ石川玉手橋の橋脚下で遊んでいた15歳の男女2人が、また午後3時ごろ大和川河内橋の橋脚下で遊んでいた9歳から12歳までの男女3人が河川に取り残され、柏羽藤消防本部から救助隊が出動、全員救出された。
 同消防本部では「不安定な天候の状況では、自分のいる場所に雨が降っていなくても、上流で大量の雨が降っている場合があり、急激な河川の増水が考えられる。川の水が少しでも増えてきたら、早めに避難しよう」と警告している。
 最近の水難事故では昨年8月4日の神奈川県玄倉川(くろくらかわ)での水難事故があり、多数の尊い命が失われた。
 さらに同本部は「この様な事故の再発は、あってはならない。自然の力は強大で、最善の注意を払っても避けられない場合もあるが、常に最悪の状況を想定して行動するように。これからは川遊びの機会も多くなるが、くれぐれも気をつけて楽しい夏を過ごされるように」と呼びかけている。
(柏原新聞 平成12年7月13日より)

H12新聞記事
河川に取り残された少年らを救助する消防隊員(大和川河内橋下で)
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