コンクール作品の紹介

【作文の部】 最優秀賞(大阪府知事賞)
「大和川は生きている」

わたしのおじいちゃんは大和川のすぐ近くで生まれて、子どものころから、いつも大和川であそんでいたそうです。わたしが、「どんなことして、あそんでいたの。」って聞くと、おじいちゃんはニッコリして、それから何か遠くを見つめるような目をして、こんなお話をしてくれました。

「もう六十年いじょうも前のことやけど、おじいちゃんのころは、大和川の水はもっとすんでいて、きれいやった。ふなや、こいがおよぐのが、よう見えたよ。おじいちゃんは友だちと、水かけごっこや、石なげきょうそうをしたり、おたまじゃくしや、やごをつかまえたりしたもんや、おじいちゃんは毎日のように、大和川であそんでた。そうして気がついたことが一つあるんや。」わたしは、む中でたずねました。
「なんに気がついたん?」
おじいちゃんはわたしの目を、じっと見ながら、お話を続けました。
「大和川は生きてるってことが、わかったんや。この地きゅうに人間が生まれる前から、大和川は生まれてたんやないか、とおじいちゃんは思ったんや。太陽が生きてるみたいに、大和川も何にもしゃべれへんけど、たしかに生きてるんや。もし、太陽がしんだら、人間も、しょくぶつも、どうぶつも、みんなしんでしまうように、もし大和川がしんだら、きっと大へんなことになるよ。」
「でも大和川がしぬって、どういうこと?」
「みんなが大和川を大じにせんで、いろんなきたないものを川にすてたりして、川をよごしてしまうことや。大和川の近くに住んでる人は、もっと大和川をかわいがってあげな、いかん、とおじいちゃんは思うよ。」おじいちゃんは本とうに大和川がすきです。わたしも、これから大和川のことを、一生けんめい、べんきょうしようと思いました。

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