コンクール作品の紹介

【作文の部】 金賞
「川を大切にする心」

 私が住んでいる所は、大和川に、水が流れこむ飛鳥川の近くにある。私は、毎日と言っていい程、飛鳥川を見る。小学校の頃から、ずっと、飛鳥川を見てきた。

  川というのは、毎日、毎日、表情がちがう。おだやかな日、にごった日、流れが速い日、水がたくさん流れる日、大空を映してくれた日。私が飛鳥川を見るたびにちがうのだ。

 でも、飛鳥川の水は、いつ見ても、やっぱり、汚れている。堤防を見ても、空き缶やタバコなど、いろんなごみが、たくさん捨てられている。私は、それを見ると、胸がぐっとおさえつけられる様になる。私達人間のせいで、川は汚されていったのだ。私達の生活が便利になった分、川が汚されていったのだ。

 ある日、私が学校から帰って来た時、一人のおばさんが、堤防で何かしておられた。よくよく見ると、おばさんは、ごみを集めておられる。私はびっくりした。おばさんは、草の間とかのゴミを手で、一つ一つとり、三つのごみ袋に分別しておられた。すごいと思った。私には出来ない事だな、と思った。だんだん自分がはずかしく思ってきた。その日は、とても暑くて、日射しが強かった。

 その日以来、飛鳥川を見ると、おばさんの事を思い出す様になった。私も、ごみをひろうおうか、と思ったけど、一人でするのは、はずかしいし、知ってる人に見つかったら、声をかけられるのは嫌だし、という思いもあって結局ごみをひろわなかった。考えたら、全くはずかしい事じゃない。むしろ、とてもいい事なんだって思うけど、私はしなかった。

 大和川をきれいにしよう、とボランティアを集める事は、出来ないだろうか。そんなのがあったら、私は必ず参加する。情けないと思うが、一人でしよう、と、いうのは、やはり、勇気がいる。きっと、私みたいに思っている人は、たくさんいると思う。それに、何だって、大勢いた方がいいと思った。

 私は、まず、水を節約する事から始めて行こうと思った。顔をあらう時とか、水を流しっぱなしにしないで、洗面器にためようと思った。そして、少しずつでも、飛鳥川、大和川に出来る事を、ひろげて行こうと思った。
私の一番みじかにある飛鳥川を、大切にしようと思った。大切に思う心が一番大事だと思う。みんなが大切に思えば、何かが変わっていくだろう。どうか、川を大切に思う心を持ってほしい。忘れないでほしい。私も、絶対に忘れない。絶対に。

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