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地すべりを防ぎ、開かれた地域をめざして 亀の瀬

亀の瀬を学ぶ

大和川河川事務所の取り組み 〜1/5next

世界最大級の「地すべり対策工事」で亀の瀬を守ります

約50年かけて完成した「地すべり対策工事」

亀の瀬では、昭和35年から調査を開始し、抑制工と抑止工の両方を用いて対策工事を進め、平成23年3月に地すべりを防止するための主な対策工事が完成しました。これまで対策を実施した箇所について、地すべり変動は沈静化しています。現在、局所的な変異が見られる稲葉山地区において対策工事を進めています。

「亀の瀬地すべり対策工事のあゆみ」

世界に誇る、地すべり防止技術

「地すべり対策工事」は、地すべりの被害を防ぐための工事で、大別すると2種類あります。まず「抑制工」。これは地すべりの地形・土質・地下水の状態など自然条件を変化させることによって、地すべり運動を停止または緩和させる工事です。代表的な工法として、水を集める巨大な井戸である「集水井」と集めた水を大和川へ流す「排水トンネル工」、地中の水を集める「集水ボーリング工」、土を取り除く「排土工」があります。そして「抑止工」。これは杭などの構造物を移動土塊に直接打ちこみ、その抵抗力を利用して地すべり運動の一部または全部を止める工事です。代表的な工法として安定した地盤に深く杭を打ち込む「深礎工」と杭の強度でせき止める「鋼管杭工」を行っています。

亀の瀬では、これらを組み合わせた総合的な土木技術で地すべり防止対策が取られています。

亀の瀬で行われたおもな対策工

抑止工

杭などを移動土に直接打ち込み、抵抗力を利用して運動の一部または全部を止める工事

亀の瀬地すべり対策工事の地中のようす

地すべり地は大きく、柏原市清水谷地区、峠地区、峠北方斜面の3地区に区分され対策工事が行われてきました。

清水谷地区では排土工を中心に、地すべり頭部(土塊の上の部分)を取り除き、峠地区では移動土に杭を打ち込み、抵抗力を利用して運動を止める抑止工(深礎工、鋼管杭工)が中心に行われました。

また、全体にわたり地中の水を抜く「集水ボーリング」と地中の水を集める「集水井」工事が施されました。

亀の瀬地すべりの概要
地すべりの長さ 約1,100m
地すべりの幅 約1,000m
地すべりの深度
最大 70m
地すべりの傾斜
平均12°前後
推定移動土塊 約1,500万m²
完成した対策工
種 別 工 種 具体的工法 数 量 単 位
抑制工 排土工 排土工 911,330
地表水排除工 水路工 2,772 m
地下水排除工 集水井工 54
排水トンネル工 7,236 m
集水ボーリング工 147,392 m
横ボーリング工 7,572 m
抑止工 杭 工 深礎工 170
鋼管杭工 560
(平成30年3月末現在)
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