世界最大級の「地すべり対策工事」で亀の瀬を守ります
地下水を抜き取る工法として、「集水井」と「排水トンネル」「集水ボーリング」を行いました。「集水井」は地下水がたまりやすい部分につくる井戸のことで、内部から斜め上方に「集水ボーリング」とよばれる細い管を何本も打ち、これで地下水を集めます。集められた地下水は、「排水トンネル」を通って大和川へ流されます。
亀の瀬の地下水を集める生命線が、「集水ボーリング」とよばれる細い管です。このパイプには水を集めるための細い穴があいており、この管が「集水井」や「排水トンネル」から無数に亀の瀬の地中に伸びており、亀の瀬地すべり地帯の地下水を集めています。打ち込まれたボーリングの総延長は約147Kmと、その長さは直線距離で大阪〜名古屋間の距離とほぼ同じ長さです。
排水トンネルは集水井で集められた地下水を排水するとともに、トンネル内部から打ちこまれた集水ボーリングにより、トンネル自身で集水を行っています。排水トンネルは、地下水の分布や流動などを調査した上で、地すべり面より下の安定した地層に網の目のように張りめぐらされています。排水トンネルの全長は約7. 2km、地下鉄梅田駅〜天王寺駅間の距離とほぼ同じ長さです。
地すべり面(粘土層)へ水が貯まらないよう、水を抜くための管と排水トンネルを地中に埋設しています。現在主力の排水トンネル1号の場合の排水量は1日平均約137トン*1で、お風呂にすると約457個分*2の水を集めていることになります。
*1:2010年4月〜12月末までの平均値(T-1トンネル)
*2:お風呂の容量300L(リットル)で計算