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地すべりを防ぎ、開かれた地域をめざして 亀の瀬

亀の瀬を学ぶ

もし、地すべりがおきたら 〜2/2BACK

亀の瀬地すべり対策事業を行わなかった場合、現在地すべりが起きたらどのような被害や影響があるのかを検討したデータです。

地すべりが起きると暮らしにも大きな影響があります

これは、平成19年度末における最新の地形、人口、事業所数などをもとに算出された想定被害額です。さらに、現在検討中の大和川整備計画がすべて実施された場合を前提としており、被害規模は比較的小さく見積もられています。

それでも、もしも地すべり活動が起きると、これだけ大きな被害があるのです。

想定被害額:治水経済調査マニュアル(案)平成17年4月 国土交通省河川局に基づき試算
想定被害額:治水経済調査マニュアル(案)平成17年4月 国土交通省河川局に基づき試算
道路や鉄道への被害

● 国道25号の被災

昭和42年の地すべりでは国道25号が隆起し、交通が途絶しました。現在、国道25号は亀の瀬に近い王寺町藤井地点では平日の場合1日約20,400台、亀の瀬の下流柏原市の高井田地点では約28,400台の交通量があり、国道25号が被災した場合交通が途絶するか、迂回を余儀なくされます。南方の国道165号を迂回すると想定した場合、1日当たり約2,300万円、交通途絶が10日続いたとすると被害金額は約2億3千万円と予想されます。

交通量台数/ 平成17 年度道路交通センサス
交通量台数/ 平成17 年度道路交通センサス

● 鉄道の被災

具体的な金額は算出されていませんが、JR関西本線の1日平均乗車人数30万人以上が影響を受けると考えられています。

JR関西線の1日あたりの平均乗車人数:平成20年度(奈良県統計年鑑、大阪府統計年鑑)
JR関西線の1日あたりの平均乗車人数:平成20年度(奈良県統計年鑑、大阪府統計年鑑)
家屋の浸水

奈良県、大阪府合せて18万世帯以上が影響を受けると予想されています。生活の不自由、家屋の被害に加え、一度水浸しになった家財道具はほぼ使い物にならないため、家庭の被害額1.3兆円の約半分は家庭用品被害と応急対策費として算出されています。

事業所等の機能不全

交通が途絶すると商店は食料品や日用品の仕入れに困り、消費者は日々の買物に困ります。学校や塾が被災すると教育機能に支障が出ます。飲食店・宿泊施設などの被災は観光集客に打撃を与えます。もちろん、資産、在庫、売り上げの減少は事業所そのものに大きな打撃を与えます。

ライフラインの機能不全

電気・ガス・水道を使えない生活を想像してみてください。地すべりによってこうしたライフラインが被災する可能性も非常に高いのです。さらに、それらの復旧を担うべき事業所が被災すれば、復旧が遅れ、不自由な生活が長引くことになります。

農作物の被害

農業は単なる食料生産にとどまらず、農業による地域の活性化や自然豊かな景観を守るという大切な役割を併せ持っています。大半はぶどう畑、広さにすると約600ha(甲子園球場の約480個分)の田畑の被災は、金額だけでは計ることのできない大きな損失となります。

● 災害に備えて〜災害弱者の救済

奈良県・大阪府ではそれぞれ「広域災害・救急医療情報システム」を整備し、平成8年には「近畿2府7県震災時等の相互応援に関する協定」が結ぶなど、大規模災害に備えています。しかし、高齢者や車いすの方などいわゆる災害弱者は地域の助け合いを必要とします。

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