なぜ、亀の瀬では地すべりが起きるのでしょうか
地すべりとは、斜面を構成している土地の一部が、おもに地下水の影響により、ある程度原形を保ったまま、ゆっくりと斜面下方に移動する現象です。
亀の瀬の地質は、大きく2つの層に分けられ、土台は岩石でできた硬い地層です。その上を、水を含んですべりやすい粘土質の地層が覆っています。2つの地層の境目はすべり台のように傾斜しており、硬い地層の表面はつるつるで大変すべりやすくなっており、この境目を「すべり面」と呼んでいます。
すべり面までの深さは、亀の瀬の場合、最大約70mもの深さがあります。しかも、長さ約1,100m、幅約
1,000mにわたって広がっており亀の瀬では、その大量の土砂(約1,500万m³)がすべり落ちてくるため、被害が大きくなってしまうのです。
大和川の河床が何度も隆起している原因は、亀の瀬の地すべり面が大和川の下に広がっているためです。そのため、すべり落ちた土が川に入ると河床をせり上げ、土砂災害に加え、河床の隆起による川の閉塞が広い範囲に水害をもたらしていたのです。