2003年の入賞作品

作文部門2

<大和川河川事務所長賞>

「ぼくと大和川」

 
八尾市立高安西小学校6年

 ぼくは、つりが好きでよく大和川へ行きます。前に学校から大和川の見学に行った時に大和川にすむ魚の名前を聞きましたが、ぼくがつるブラックバスやコイ以外にも、ヘラブナ、マブナ、ナマズ、ブルーギルなどほかにも色々いることを知りびっくりしました。何年か前にアユのち魚を放流するのもテレビで見ました。
  ぼくが川岸からつりをして、川の中を見ても小さな魚は見えません。でも、この川の中にぼくが実際に見たことのない大小のたくさんの魚たちが、流れの中でけん命に生きているのを知りました。ぼくは、つった魚はすぐに川に戻し大きくなってまた会おうと声をかけます。アユも大和川で大きく育ってほしいと思います。
  でも、一つ気になることがあります。ニュースで大和川のよごれが全国的にも有名だということです。ぼくは、ほかの所でもつりをしますが、ほかではつり糸がよごれません。大和川では、すぐにつり糸がベトベトになります。それに、魚がかかったかと思ったらゴミだったということもよくあります。昔は、大和川でも泳げたということですが、信じられません。人間はその場所がよごれたら、そうじをしたり、いやになったらほかの場所へ逃げ出すことができますが、魚たちは自分でそうじができませんし、水のない所では生きていけません。その場所で必死に生きているのだと思います。
  だから、ぼくたち人間がまずゴミを出さないこと、ゴミを見つけたらそうじをすること、そして魚たちも安心してすめるきれいな水にすることが大切だと思います。きれいな水を作るのはぼくたち子供には無理だと思いますが、ゴミを出さないことやそうじならぼくたちの心がけでできることだと思います。ぼくはこれからも実行していきます。

<大和川河川事務所長賞>

「少しでもきれいに」

松原市立松原第二中学校3年

 「きったない川やなぁ。」これが始め大和川に行った時の感想である。花火のゴミ、タバコの吸い殻、カン等、大和川には数えきれない程のゴミがある。
  僕は、二年の時に、学校の取り組みで大和川を清掃する事になった。始めはだるくて、やる気がなかった。しかし、ぼくは、ふと一人の、おじさんに出会った。そのおじさんは一人で黙々と掃除をしている。その時ぼくは、本心無駄な事をしていると思った。
  数日後、僕達は大和川へ花火をしに行った。すると又、あの例のおじさんがいるのだ。僕は思い切って、声をかけてみた。「なぜ、いつも大和川を掃除してるのですか。」おじさんは、「みんなは大和川の素晴らしさを知らなすぎる。汚いのは、大和川の責任ではない。汚す人には、思いやりがないだけ。僕は、思いやりのある内の一人だから掃除をしているんだよ。」一見、ただのおじさんの言った言葉かもしれない。ただ、僕にはその言葉に輝きを感じた。
  花火も盛り上がり、そろそろ帰る時間になった。みんなは、帰ろうとした時、僕の中にはあのおじさんの言葉を思い出した。次の瞬間僕は、自然に口が開いた。「少しでもいいから、ゴミ持って帰ろや。」一瞬、静まりかえったが、みんなは素直にゴミを持って帰った。僕も持って帰った。
  それ以来、僕はゴミに対して、執着心を持っていた。誰かがゴミをポイ捨てする度に、あのおじさんの言葉を思い出す。そして、行動に移している。あの時のおじさんの言葉、そして、大和川への思い、これは僕のこの中学生活の中での大きな一歩となるだろう、そして、大和川がいつかは、とてもきれいな川になる事を、僕は、心に深く思ったのだった。


<大和川河川事務所長賞>

「本当の大和川を見たい」

三郷町立三郷小学校4年

 八月十二日、きのうからふりつづいた雨が朝やんだので大和川の様子を見に行ってみた。川は、ぞう水していて水の色は茶色っぽく、そこの石は全く見えなかった。流れる様子をしばらく見ていると、ペットボトル、スイカの皮、おべん当の箱、ダンボール、ハッポウスチロール、ナイロンのふくろ、カン、ビンなどが次つぎと流れてきたのでびっくりした。
  いっしょに行ったお父さんと草むらも見に行った。すると、まるでゴミがどく花のように点てんとさいているみたいだった。
  川の流れを見ていると、このまえ、キャンプで行った、あずさ川の事を思い出した。あずさ川の水は、そこの石がはっきり見えた。あせをかいていたわたしは、その水を少し飲んでみた。いつも飲む水よりおいしいと思った。もしかしたら大和川も昔、あずさ川のようにきれいだったのかもしれない。
  社会で「水の事」を習ったけど、おふろで使った水やあらい物の水、トイレで使った水や工場でよごされた水は、じょう化センターで、きれいにして川に流しているそうだ。
  今、見ている大和川のどろは、そこにしずむとしてもゴミは、すべてわたしたち人間が捨てた物。だから、自分勝手な心に気づき川に捨てる事をやめ、水をきれいにしたら魚も喜ぶし、わたしたちも魚といっしょに泳いだり遊んだりできるだろう。
  家に帰ってから、くわしくおばあちゃんに昔の大和川について聞いてみた。
  おばあちゃんの小さいころは、水がすきとおって小魚がたくさん泳いでいた。えびやあゆやしじみなどをとって食べた。夏になると何回も泳ぎに行った。山の川とちがって水はそんなにつめたくないから朝から夕方まで楽しく遊んだそうだ。最後におばあちゃんが「きれいな水がなつかしい」と言っていた。いつの日か、そんな大和川をわたしは見てみたいと思っている。


<大和川河川事務所長賞>

「大好きな大和川をきれいに」

奈良市立佐保川小学校3年

 私の学校は、佐保川の前にあるので、佐保川小学校と言います。学校の行き帰り川のよこを通ります。川には、ときどきかさのこわれた物や、自転車のタイヤとかいろいろほかしてあります。私は、佐保川は、ゴミすて場じゃないのになと、思いました。雨の日は、水があふれています。それに、えだやたばこやかんジュースやコーヒーのカップがかたまってゆれています。年に一度、佐保川せいそうがあります。近所のおじさんやおばさんと先生と、お父さんお母さんと、友だちで川をそうじします。大きいゴミぶくろがいっぱいになります。そうじをしたあとは、きれいだけど、いつのまにかゴミがうかんでいます。せっかくきれいにしたのに、悲しいです。けど春になると、佐保川のまわりには、たくさんのさくらの花がさきます。そのさくらの花びらが川や道に落ちると、さくらのジュウタンみたいです。とてもきれいです。夏になると、石についていた花びらがなくなっていました。私は、ふしぎだなと思いました。夏休みには、私と、お姉ちゃんと、友だちといっしょに、えびやどんこや魚をとりに行きます。もっと川がきれいだったら泳いだりしてみたいです。それによく吉野の川へ家ぞくで行きます。とてもきれいだから、さわがにがいます。でもそこに行くためには、2時間もかかります。だから、佐保川もきれいにして、さわがにがいるような、きれいな川にしてほしいな、と思いました。そのためには、自分が出したゴミを持って帰り、一人一人がゴミを出さなかったらいいと思います。もっともっときれいになった大和川を好きになりたいです。


<大和川河川事務所長賞>

「ゲンジボタルが住む川を守ろう」

桜井市立上之郷小学校5年

 「でっかいホタルやな。」
と友達がいいました。ぼくは、
「大きいのがゲンジボタルで、小さいのが、ヘイケボタルやで。」
と言いました。
  六月の半ばごろ、バドミントンの練習の後、みんなでホタルを見に行きました。その場所は、初瀬川の上流で都祁村とのさかい目です。 
  ぼくの家からは、車で五分ぐらいです。川の両側には、小さな田んぼがあり、そのむこうは、森があります。この場所は、特に、ゲンジボタルが多いので毎年見にきています。お母さんが車のライトをチカチカ光らせると、それに合わせて、一斉にホタルが光っているように見えます。お母さんが、
「なんか今年は少ないなあ。工事のせいかなあ。」
と言いました。確かに、いつもは追いかけなくても、ホタルがよってきて、手でつかまえられるのに、今年は、走らないとつかまえられません。ぼくは、せっかく来たのにちょっとざんねんだなあと思いながら帰りました。
  夏休みに入って、自由研究でホタルについて調べました。インターネットで、ホタルが減っていく理由を検さくすると、農薬やゴミで水が汚れたり、さなぎになるための岸辺がコンクリートで固められたりすることなどがあげられていました。その中で、ぼくがおどろいたのは、ホタルを見に来る人が原因と書いてあったことです。ホタルは、あかりがきらいなのにライトで照らすと混乱してしまうそうです。ぼくは、今度から、ライトで照らさずに、静かに見ようと思いました。
  また、川の水をよごさないように、せんざいや、シャンプーの量を減らそうと思いました。川の工事も、岸辺をすべてコンクリートで固めるのではなく、砂地や石を残し、ホタルが住める岸辺のかんきょうを作っていってほしいです。
  三年前、車のライトを消して、真っ暗な中で、ホタルの大群を見ました。空には、星がいっぱい出ていて、星の光か、ホタルの光か分からないぐらい、いっぱい輝いていてとてもきれいでした。この美しいゲンジボタルが住む大和川の上流の自然をぼくたちの手で守っていきたいと思います。


<大和川河川事務所長賞>

「みんなの努力と大和川」

河合町立河合第二中学校2年

 私は、これまでに何度か大和川のゴミひろいをしたことがあります。しかし、その時はあまり真剣に大和川のことを考えてなかったと思います。今回、この作文を書こうと思い、大和川の事を改めて、真剣に考えてみました。そこで思ったのは、この大和川が汚れてしまったのは、誰のせいでもなく、この奈良県に住んでいる私達のせいだということです。毎食の食べ残し、非常識なポイすて。原因は、すべて私達のまわりにあります。ということは、私達が何とかしなければ大和川は、ずっとあのままです。それは少しの努力でいいんです。ご飯の時にソースを出しすぎない。ゴミはゴミ箱にすてる。考えれば、いくらでもできる事があります。しかし、それを分かっていても、それを行動にうつさない人がいます。私も最近までは、そういう人と同じでした。しかし、この前大和川について考えた時に、ここまで大和川を汚してしまったのは、私達です。だったら、その大和川を元に戻せるのも私達しかいないと思いました。大和川が汚れていると、魚が住む場所がありません。私達だって、汚い大和川より、きれいな大和川を見ていたいはずです。その景色をとり戻せるのは、私達しかいないのです。汚すだけ汚しておいて、あとは知らんぷりなんて、間違っていると思います。私達には大和川をきれいにする義務があります。一人一人が、小さい事でもいいから、努力することが大切です。大和川はゴミをすてる所でも、汚れた水を流す所でもありません。川というのは、自然なきれいな水が流れていなければ、いけない場所なのです。これからは、食べ物を残す時、ソースを出す時、ポイすてをする時、汚い大和川を思い浮かべて下さい。今、自分がしている事が大和川にとって、本当に何の影響もないかを考えて下さい。大和川は、私達の努力できれいになるはずです。みんなで、きれいな大和川を見てみましょう!!


<大和川河川事務所長賞>

「大和川に再び清流を・・・」

大和郡山市立郡山中学校1年

 僕は釣りが好きだ。しかし、大和川に釣りに行った事は一度もない。水が濁っていて、魚が少ないからである。ポイ捨てされたゴミがある、泡が大量に浮いている、水が汚い。見るだけでも気分が悪くなる。
  昨年、たまたま参加した大和川源流ツアーで初瀬川へ行った。そこでは水が透き通っていて、水中には多種多様の虫がいた。その中で僕はゲンゴロウを見つけ、みんなの注目の的となった。後から二匹見つかった。それ程源流はきれいで、下流とは雲泥の差だった。なぜこんなに差が生じてしまったのか。
  大和川の現状は、全国の一級河川の中の汚い川二位である。その汚れの大半以上が生活排水だ。自然から出る汚れはたった二パーセントに過ぎない。明らかに僕達の生活が大和川の汚れの原因を招いているのだ。そのうえ大和川流域の年間降雨量が少ない為、川に流れ込む水の量が少ない。だから大和川は汚い川となってしまったのである。
  では、果たして大和川はこのままで良いのか?今以上に汚染が増えるとどうなるだろうか?このままでは魚もすめず、水さえなくなるかもしれない。
  それを阻止する為には、まず常識は守らなければならない。川にポイ捨てなどもってのほかだ。そして家庭で出来る簡単な工夫、再利用が大切だ。環境に優しい洗剤を使用する。余った油は流さない。生ゴミを流さない様に排水口にネットを付ける。出来る事は結構ある。少しずつでもいいから毎日続ける事が大切である。ちりも積もれば山となる。知恵も積もれば大和川は大きく変わるだろう。
  近年、大和川の水環境を改善しようと、大和川清流ルネッサンス という計画が始動されている。水が透き通った大和川が待ち遠しい。生まれ変わった大和川での釣りは最高だろう。


<大和川河川事務所長賞>

「THE YAMATORIVER」

三郷町立三郷中学校1年

 私が大和川を間近で見たのは小学四年。
  「大和川をきれいにしよう」ということで大和川の河原に落ちているゴミなどを拾いました。ゴミはものすごく多く、大変だったけど川の中のゴミを拾う時が一番大変でした。なぜ大変だったかというと「ニオイ」がすごかったからです。鼻がまがりそうでした。おどろいたことに、ネコの死体、ネズミの死体、イヌの死体までもがありました。「なぜこんなところに死体があるんだろう。不思議だな」と思いました。
  私は、死体にもビックリしたけどゴミの量にもビックリしました。ゴミぶくろからはみ出ているのに、まだゴミが落ちていました。
「なんでみんな大和川にゴミを捨てるのだろうか。ちゃんとゴミ箱に捨てればいいのに」と思いました。
  ふと考えました。それじゃあ源流はどこからきているのだろう。きれいなのだろうか。ということで調べました。大和川の源流は、奈良県天理市福住町五五〇四番地の老人ホーム「やすらぎ園」から西へ林道を川伝いに登ること約五〇〇メートル。湿地帯にその源が流れています。山深く、人も寄りつかない場所というよりも、田畑のすぐ上の山林といったかんじです。川は、源流から桜井市に向けて南下するが山あいを縫って流れる様子はまだ清流らしさが残っています。初瀬ダムに一度溜めたら、大和平野の市街地の中を通り大和郡山市の奈良県浄化センターで佐保川に合流。通称の初瀬川から大和川に名前が変わります。富雄川など色々な川と合流し、亀の瀬へ行きます。亀の瀬を越えれば奈良県から大阪へ入ります。また東除川など色々な川と合流し、大阪湾にたどりつきます。大和川の水は奈良県の天理市から大阪府までの長い道のりを旅しています。
  こんなに長い道のりなので、きたなくなるのは、しょうがないと思うかもしれませんが、ゴミを捨てなければ源流のきれいなまま残ると思います。大和川がこんなにきたないのは私達人間のせいです。私達が気をつければ、いつか源流のまま流れてくる日がきます。