2004年の入賞作品

作文部門2

<大和川河川事務所長賞>

「水環境改善の取り組み」

松原市立松原第二中学校1年

 大和川は一級河川である。ぼくにとって身近な川である。でも、残念なことに、全国でワースト五位 以内、いや三位以内に入っているほどの水質の悪さだ。昔は、とてもきれいで、あゆなどの魚もいたというが今では、とても考えられない事だ。どうして、こんなに汚い川になってしまったのか。戦後人々はいっしょうけんめい生活をたてなおすのに努力し、あちこちいろんな工場や会社ができ、だんだん豊かになっていった中で、工場排水や家庭用排水をたれ流し、又、ゴミなどを捨てたりして汚くなってしまった。人々が豊かになったけど、川などまわりの自然環境が悪くなってしまった。
 大和川といえば、小学校の時のマラソン大会や、土手をダンボールですべったり、自転車で走ったりした思い出のつまった場所だ。そんな中でも、あちこちにビニール袋や家庭で出るゴミみたいなものや花火のもえかす、犬のフンなどいろんなものが散乱している。人々が豊かになった代償がこれではほんとうに情けないと思う。近ごろ大和川のそばを通 ると、土手でゴルフの練習をやっている大人や、バーベキューみたいなことをやっている、たくさんの家族連れや、釣りをしている人々もたくさんみかける。こういう人たちは、ちゃんとゴミをちらかさないで持ち帰っているだろうかとつくづく思う。
 川が汚れれば海も汚れる。私たちが本当にいい生活をおくるには、川や海など自然をこわさないようにしなければいけない。大和川はほんとに身近な川で、いつでも行ってあそんだり、学んだりできるすばらしい川だ。この川が昔のようにあゆがいて、人が泳げるぐらいのきれいな川に戻ってほしいと思う。それには一人一人の努力がいるし、時間もかかるけど、絶対不可能じゃないと思う。将来のためにも、ぜったいにそうなってほしい。

<大和川河川事務所長賞>

「大和川をきれいにしよう」

松原市立松原第二中学校3年

 私は、夏休みにテニスをしにお母さんと妹で大和川に行きました。そして、大和川のテニスコートに着いてテニスを楽しんでいました。すると、ボールがコートからはずれて違う所に飛んでいって川沿いに落ちてしまいました。私は、取りに行きました。すると、ペットボトルやジュースの缶 や花火の後そのままにしているものやたくさんのゴミが落ちていました。私はそのたくさんのゴミを見て、二中のみんなで天美を掃除する、
「ピカイチ天美クリーン大作戦」
を思い出しました。
 私のピカイチの班では、班長がしっかりみんなをまとめてくれて、太陽がカンカン照りの中、しんどかったけど、一、二年生もがんばってゴミを集めていました。私の班は大和川担当じゃなかったけど、友達が、
「めっちゃ大和川きれいなってん。」
と言っていました。私は思いました。
「みんなピカイチでめっちゃがんばっても、またいっぱいゴミ増えて、どうしたらゴミが減るんやろ。」
と。大和川にゴミが増えるのは誰かがポイ捨てしているからです。だからそれをなくすための方法を考えました。まず、私の身の回りにいる人にポイ捨てをしている人がいたらピカイチの事を言おうと思います。二中の人はポイ捨てなんかしないと思います。だから二中の人が天美の人にゴミをポイ捨てしないように呼びかけていったらいいと思います。それだけで、
「二中の生徒達が天美をきれいにしようとしてくれてるねんなぁ。私も僕も協力しよう。」
と思ってくれる人が増えると思います。そうするコトによって天美の町のゴミが減るし、大和川もきれいになっていくと思います。大和川がきれいになると、犬の散歩をしている人も気分がいいだろうし、テニスをしにきている人も楽しめるし、やっぱりゴミがあるよりない方がずっといいと思います。だから二中のみんながピカイチ天美クリーン大作戦をして天美の町をきれいにしていることを一人でも多くの人に伝えていって理解してくれる人が増えることを願っています。


<大和川河川事務所長賞>

「川が泣いている」

大和高田市立菅原小学校1年

 日よう日のきのう。家族みんなでドライブにいってきました。
 野はらをすぎ、町をとおりぬけ、そして大きな川にかけられた橋をわたって、それは、それは、たのしい一日でした。
 「この川は、大和川だよ。」と、おとうさんがおしえてくれました。
 けれども、ちょっぴり気になったことがありました。本やしゃしんでみていた美しい大和川とは、ぜんぜんちがいます。
 草が一ぱいはえた土手に、たくさんのゴミや空きカンがあちこちにすててあり、川の水もよごれていました。
 晩ごはんのとき、おじいちゃんにそのことを話しますと、おじいちゃんは、おでこにシワをよせてこう言いました。
 「ほんまに困ったことやな。なんで自分の出したゴミを道路や川にすてるのやろ。昔の人たちは、何よりも水をたいせつに守ってきたのに、いまの人たちはそれを忘れてしもうて平気で水をよごしよる。なげかわしいことやなあ。」
 わたしは、おじいちゃんの話をきいているうちに、とてもかなしい気もちになってきました。水は人間だけのものではなくて、すべてのものにとって大せつです。「水」がなくなれば、すべてのものは生きていけないことでしょう。このよごれた川の水が海にながれて空に上り、また地上にもどってくるのです。そんなきたない水を、わたしも毎日のように飲んでいるのだと思うとゾッとします。このままでは、みんな亡びます。
 こんなによごれてしまった「大和川」を、おじいちゃんが言うように、わたしたち一人ひとりが少しずつでも美しい川になるように守っていかなければいけないと思います。
 「ほんとに、大和川さん、ごめんなさい」


<大和川河川事務所長賞>

「やまと川のこと」

天理市立前栽小学校1年

 ぼくのすんでいるところは、ならけんといって海がありません。でも、小さな川がたくさんあってあつまると、大きな川になっています。川は、名まえがかわります。ならけんの小さな川があつまって大きな川になると、名まえは、やまと川といいます。でんしゃでおおさかへいくときに、はしやトンネルをこえてはしっていきます。ちかくの小さな川が、いつのまにか大きくなっていて、その川がやまと川です。ならけんとおおさかのあいだの山では、川もせまくなっています。おとうさんにきいたら、かめのせというところだといいました。もし、山の土が川におちてきたら、川の水がとまってしまって、水があふれてきます。たくさん雨がふってもあふれてしまいます。だから、山のじめんの下で、たくさんのこうじをしていると、おとうさんにききました。むかしは、山の土がくずれて、てつどうのトンネルがこわれたり、町の中がみずびたしになってしまったりしたといいました。だから、みんなの家をまもるために、じめんの下でいっしょうけんめいたくさんの人が、はたらいて、こうじをしているんだなとおもいました。ぼくのすんでいるてんり市からも、とおいところの川ですが、つながっている川です。おなじ水がながれていきます。だから、とてもたいせつなこうじだとおもいました。でも、やまと川もおおさかにいくと、ぜんぶの川の一ばんめか二ばんめに水のよごれている川になっているといいました。だから、ちいさな川のちかくですんでいる人も、大きくなった川のちかくですんでいる人も、いっしょになって川をきれいにしなければいけません。そうしないと、やまと川はもっとよごれてしまうと、ぼくはおもいました。


<大和川河川事務所長賞>

「ずるい私達」

桜井市立桜井中学校1年

 私達は、ずるいと思います。川から、いろんな物をもらいながら、何もお返しをしていません。
 川からもらっている物。魚をつる人は、魚をもらっています。水浴びをする人は、きれいな水をもらいそれで水浴びをしています。そして、川から水をもらって、浄化センターできれいにして、生活に利用しています。お風呂、洗たく、そして飲み水。川は私達の生活を支えている大事な物です。「ありがとう」の気持ちをずっと持っていなければならないのです。しかし、それをあたり前の様に思っている人がいます。実は私も最近まではそう考えてました。しかし、最近川の事を勉強しました。そして考えが変わりました。「今、生活できているのは、川のおかげ。これからは大切にしよう」と。私の家の近くには、大和川があります。大和川は、汚くなってきました。それは、私達人間が汚したのです。最近、ボランティアで、川のごみ拾いをしているのを、テレビでよく見ます。私はごみを捨ててはないけど、拾ってもないです。いわゆるふつうの人間です。川にときどきごみが落ちてるのを見ます。ときどき拾うけど、本気でごみ拾いをした事がない。ごみ拾いについて、どうしても、「めんどくさい」と考えてしまうけれど、やはり、外へ出てしなければいけない仕事だと思います。そこで、私が家でもできる事を見つけました。川に、油など流さない事です。ごみとならんで、川が汚れる原因です。実際、私の母は、油を流してないようです。それにしても、人間とは、ずるい。現在の生活を見ると、これは明らかに分かる事です。「ずるい」と分かっていても、人間は、今は、こうするしかないのでしょうか。それまで、川が持ちこたえれる事ができるか心配ですが、きっと近い将来、いい方法が見つかるでしょう。いや、見つけなければなりません。そして川をきれいにして、川とともに生きていくのが私達の役目です。


<大和川河川事務所長賞>

「大和川の環境」

斑鳩町立斑鳩中学校2年

 僕の家の近くには、大和川が流れています。美しい川であってほしいけれど、実際は、大変汚れてしまっています。
 そう思うわけは、中学一年の時に、竜田川に住んでいる魚について調べに行ってそう思いました。
 僕が行っていた斑鳩西小学校の横に流れている、竜田川に、文化祭の研究発表のために、行った時、洗剤の泡が浮いていたし、汚れた川にいるコイを見たからです。
 その川が、大和川に流れこむので、大和川の水も汚れてしまうという事になります。
 昔は、竜田川もきれいな川だったと、近所の人や川の近くに子供の頃から住んでいた人から聞いた事があります。
 また、昔は川で泳げていたり、ホタルもたくさんいたと聞きました。
 しかし、今は泳いだりホタルを見る事は出来なくなっています。
 その原因は、家から流れる生活で使った水を流しているからだと僕は思っています。
 しかし以前は、大和川は日本で一番汚い川と言われていたけれど、最近は、日本で一番汚い川ではなくなっているようです。
 この様に言われるようになった理由を考えてみました。
 斑鳩町内で、廃油を回収して、自然にやさしい洗剤と交換してもらえるようになった事や、広報誌などで、生活排水に関する情報を載せてみんなに関心をもってもらうようにした事。まだまだ他にも地道な取り組みがされているのかもしれないけれど、少しでも意識を変えていく事が、このような結果 を生み出しているのだと思います。
 これからも、一人一人が少しずつでも川の事を考える姿勢を持ち続けていけば、昔のようにきれいになるというのも、可能だと思います。


<大和川河川事務所長賞>

「50年後の大和川」

京都市立福西小学校3年

 わたしは、お父さんに、大和川のことを、おしえてもらいました。いつも大和川のことを、テレビできたない川といっていました。どうしてきたない川なのかお父さんに聞くと、「家庭のお風呂の水や台所の水、工場の水が川にながされているからだよ」と言いました。わたしは、思いました。「よみがえれ、えりもの森」という本の話みたいに、50年前人間が木を切ってしぜんをこわしたけれど、また50年かけて、みんなの力でもとのようにしぜんをとりもどしたみたいに大和川も、50年かけて、川のそうじをしたり、ゴミをひろったり、ひとりひとり気をつければ、きっときれいな川になると思います。
 わたしは、今までもゴミをすててないけれど、これからもすてません。
 わたしが今できることは、川にゴミをすてないことです。大和川が50年後きれいな川になっていますように。
 わたしが、おとなになったときの大和川が楽しみです。


<大和川河川事務所長賞>

「きれいな大和川へ」

桜井市立織田小学校6年

 ぼくは、大和川の中流の大西という地区に住んでいます。ぼくは、六年生で、学校へ行くのに、橋をわたっています。橋の下に大和川が流れています。学校の帰りなど、橋の上から、川を見おろすと、大きいコイがたくさん泳いでいます。ほかにもたくさんの生き物がいます。でも、川のかん境が悪いと思います。あまり流れがなく、下水がそのまま流れたりしています。友達と川に下りたら、ゴミがたくさんういていて、テレビがういていたのも見ました。
 そういうのを見ると、悲しいです。でも、自分一人できれいにしようとしても、大和川周辺の人に呼びかけたり、いろいろなことをしないとだめなので、かなりむずかしいと思っていました。でも、ぼくが通 っている学校が建っている所は芝という地区で、そこの区長さんが、大和川をきれいにするために、大阪の道頓堀川をきれいにしようという人達からEM活性液という、水質をきれいにするび生物が入った液体を作る機械をかしてもらい、その機械で作ったEM活性液を校区内の人に配っているそうです。ぼくの家にも、EM活性液があり、お母さんは、そうじに使ったりおふろにも入れているそうです。ぼくの通 っている小学校では、どろとEM活性液をまぜて、どろだんごを作り、学校の近くの堀に、だんごを入れて、水質をきれいにしようというのもありました。
 芝の区長さんが、川をきれいにしようという心がだんだんと、広がっていることがわかりました。大和川は、きたないけど、きたないままにしておかず、今は、きれいにしようと、がんばっている人もいることを未来に伝えたいです。