1994年の入賞作品

作文部門1

<最優秀賞 大阪府知事賞>

「きれいな所ときたない所」

 
大阪市立桑津小学校4年

東住吉図書館で本を返してから、帰り道で、小出くんが、
「大和川…行こか。」
とぼくと谷口くんと文田君にきいてきた。ぼくは、
「いいよ、先生も一回行ってみと言ってたから行ってみよ。」
といった。文田くんは、
「サッカーあるからバイバイ。」
と、道を曲がりながら言って帰ってしまった。
商店街を通って、針中野の駅を通って、矢田の駅を通って、草のまがりくねった道をのぼっている途中、小出くんが、
「大和川まだ?。」
と聞いてきたから、ぼくは、
「この上のぼったとこやで、ほら、あそこに看板見えるやろ。」
と言って、「大和川」と書いてあるエメラルドの長四角の看板の方を指さした。ぼくは、前にも遊びに来たことがあるから、道順は知っていた。
上について自転車を置いて、川の水を見てみると、茶色ににごって、何も見えなかったから、ぼくは、(きったねえ)と思った。もっとよく川の水を見ると三十センチぐらいのこん色のコイがいた。上から追いかけたけど、見失った。すると、小出くんが、
「デート中のコイや。」
と言った。見てみると、四十センチぐらいのこん色のコイが二匹で泳いでいた。そのコイも水がにごっているから見失った。
それから鉄橋の下を通ると、ちょうど電車が通った。ゴーゴーとなった。ぼくは、(うるせー)と思った。鉄橋をこえた所の川の水を見てみると、透明で、川のそこが見えた。川の水はきれいだった。
前に、福間先生が、
「大和川って、日本で何番目にきたないと思う。」と、みんなに聞いたとき、ぼくは、
「二番目。」
と大きな声で答えた。先生が、
「そう二番目にきたないねん。」
とおしえてくれたことがあった。ぼくは、
「何で日本で二番目にきたないねん。」
とおこって言った。
前から、水が少ない所と多い所があることは知っていたけど、きれいな所ときたない所があることは、初めて知った。
それからぼくが、
「だれが一番むこうまで行けるか、勝負しよ。」
といって勝負することになった。
川の中を向こう岸へ歩いていったら、途中で、水をけったら、砂の形が残るような所についた。そこで一回止まって、また、歩いていった。小出くんが川の半分ぐらいまで行って、ぼくと谷口君が、五分の三ぐらいまで行った。そこの川の水もきれいだった。
谷口くんが、
「プールがあるから、帰ろ。」
と言ったので、もうちょっと遊びたかったけど帰ることにした。帰ろうとすると、小出くんが、
「ちょっとまって、土と水もってかえる。」
と言った。谷口くんが、
「早くして」
と言った。小出くんは、いそいで、落ちていたしょうゆの空いたびんに川の水を入れて、カップに土を入れた。それからみんなでうちに帰った。

<最優秀賞 奈良県知事賞>

「よみがえれ大和川」

桜井市立桜井南小学校5年

八月一日の朝刊に『クリーン大和川へ三十八市町村スクラム』と大和川の事が太字で大きくのっていました。
大和川は、大阪、奈良両府県にまたがっている、一級河川です。その大和川がどうなったのか、どういうことなのか、新聞を読んでみると、大和川は全国の一級河川の中で十二年連続水質ワースト2という、あまり喜ばしくない記録をもっていて、その汚名を二十一世紀までに返上しようと、三十八市町村が大規模浄化計画の具体化を進めているという内容でした。
全国の一級河川は、百九水系もあるのに、どうして私達の身近で流れている大和川が、十二年連続ワースト2の汚れを指摘されるほど汚れてしまったのか、それほど汚れているのにどうして今までほおっておいたのか、もっと早い時期に、この計画がたてられなかったのか、などと色々思っているうちに、大和川がかわいそうになってきました。きっと初めは、大和川という名前から考えても、きれいな水で、ゆったりとゆうがに流れていたように思います。それが、どうしてここまで汚れてしまったのか…。
具体的な原因を考えてみると、まず下水道の普及率が低いこと、水質浄化施設が少ないことだけど、結局は、私達の毎日の生活から出てくる、汚れた水や油、ゴミなどが、根本的な原因になっているように思います。どの川も、昔からきたない川ではなかったはずです。
汚れた大和川をよみがえらせるために、いいえ、大和川だけではなく、汚れた日本の全ての川をよみがえらせるために、私達一人一人が、これ以上汚さないように気をつけ、きれいな川にするために、できることは、何でも努力していかなくてはならないと思います。そして、『クリーン大和川へ三十八市町村スクラム』が成功して、一日も早く美しい川に生まれ変わるよう願っています。


<最優秀賞 近畿地方建設局長賞>

「きれいになってよ大和川」

王寺町立王寺小学校5年

最近、電車から見える大和川は、土手にきれいな絵がかかれ、公園もできた。大和川に流れる葛下川にも両岸に、遊歩道が作られ、木が植えられ、とてもきれいになったなあと感じていた。
でも、今年の春休み、お父さんと河原へつくし取りに行って、ぼくの思っていた事と全然ちがう様子にとてもショックを受けた。河原の上の方のつくしを取って、もっと川に近い方へおりてさがそうとすると、そこには、あきカン、スーパーのふくろ、おかしの箱などが流れてきて、木ぎれにひっかかっていた。草の間のつくしをさがすというより、ゴミの中のつくしをさがすという感じだった。それに、とてもくさいにおいがして、いつまでもいやな気分だった。
ぼくは、前に、大和川のまわりで、役場の人達だったか一人一人ゴミぶくろと金ばさみを持ってゴミをひろってくれているのを見た事があった。土手の草かりをして、もやしているのも見たことがあった。そんな人達の努力のおかげで、少しずつ川がきれいになってきたというけれど、ぼくの見た大和川はまだまだきたない。
そこで、これからは、役場や団体の人達にたよらず、ぼくたち自身もきれいにする努力をしていかなければならないと思った。それには、きたなくなった川をきれいにそうじすることも大事だけれど、きたなくなる前に川の水をよごさないようにする工夫が必要だと思う。川にゴミをすてたり、強いせんざいや油を流さないなど、一人一人の心がけは小さくても、みんなの心がけが一つになれば、少しずつでも大和川がきれいになっていくと思う。
昔、おじいちゃんが泳いだ大和川、もっと昔はその水が飲めた大和川。今年のように水不足で町営プールも中止になり、給水制限もされるこんな時、昔のようにきれいな大和川だったら、みんな困らずにすんだのに。みんなの力を合わせて一日でも早くきれいな川がとりもどせるようにしていきたい。


<最優秀賞 近畿地方建設局長賞>

「魚の泳ぐ川」

賢明学院中学校2年

今は、もうほとんど汚くなってしまった都会の川。
「わあ、きれい。川が透き通って見えるし、とても冷たい。」
と言うには、ちょっと郊外に出てみないとなかなか言えない。
昔は、川で魚釣りや水遊び、泳いだりもできた川も今はすっかり汚なくなってしまったところが多いと思う。大和川もその中の一つかもしれない。
「どうして、川は汚れるのか?」
その答えはわかりきっている。川が勝手に汚れるはずがない。私達人間のせいです。空き缶・ゴミのポイ捨て、生活・工業排水などさまざまです。自分で自分の首をしめているようなものです。
水は私達の生活上欠けてはならないものです。今年の夏は水不足で、どこも断水です。水は顔を洗う時、野菜を洗う時、おふろに入る時、物を造る時、なくなれば困るもの第一位かもしれません。その水を運んでくれる川。山や湖から私達の住んでいるところへ水をプレゼントしてくれる、水のサンタクロースです。たとえサンタクロースじゃない川だとしても何か役目をもって生まれたと思います。きれいな川だと周りまで新鮮ですがすがしく感じます。大和川たけでなく全ての川がきれいになってほしいです。決して人事ではなくて、私自身ができることをみつけて、といっても何をすればいいのかわからないけど、いつか魚のたくさん泳いだ川が一つ、二つと増えていってほしいものです。


<最優秀賞 大和川水質汚濁防止連絡協議会長賞>

「大和川の水」

広陵町立広陵西小学校2年

ぼくは、JRのほうりゅう寺えきへいく時、大和川のはしをわたります。上からみおろした大和川は、とてもきたないです。
ちゃ色くなったはっぽうスチロールがういていたり、空きかんがなげすてられていたり、水はとってもにごっていました。
お父さんの子どものころ、この川の下りゅうでおよげたそうですが、いまでは、そうぞうもできません。
ぼくは、学校のみんなといっしょに、ゴミをひろって、少しでもきれいにしてこの川であそびたいなとおもいます。
まず、大きいビニールぶくろをよういして、はっぽうスチロールをあつめる人、ビンをあつめる人、空きかんをあつめる人、というようにわかれて、そうじをしようと思います。
そうして、きれいになったら、できるだけ、水をにごらさないように、いえからながす水にも、気をつけていって、もっともっときれいな川にしていきたいです。
その大和川で、魚をとったり、ザリガニをとったり、友だちとはだかやはだしで、おもいきりあそびたいです。


<最優秀賞 大和川水質汚濁防止連絡協議会長賞>

「ぼくが見た大和川について」

大阪市立矢田南中学校1年

ぼくの見た大和川は、どてにごみがおいてあったり川の中に、こわれた単車や、家庭から流れ出た油や洗剤の泡がういていた。油や洗剤の泡は家庭の責任だけど、こわれた単車は、なぜ持主がちゃんと決められた方法で処分せずに、大和川に置きざりにするのかなあと思った。単車を捨てた人は、大和川をどう思って捨てているんかなあと思った。
ゴミを拾いなばら、ぼくはだんだん腹がたってきた。大和川を、ごみばこあつかいして、何でもかんでも捨てて置く。すると川の水がきれいに流してくれる。そんな気もちでいたから、きれいだった昔の大和川が、きたない大和川になってしまった。大和川のまわりの人々がごみを拾ってきれいになった大和川が、次の日にはそうじした人の心をふみにじるみたいに、またきたなくなっている。ごみをすてた人は、苦労していっしょうけんめいきれいにした河原をみても、何も感じないのかなあと思った。少しでも、人を思いやる心があれば、簡単にごみを捨てることは出来ないのではないんだろうか。
一人一人のちょっとした心づかいが、大和川をきれいにすることが出来るのではないかと考えながら、大和川を後にした。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「大和川を美しく」

大阪市立瓜破小学校4年

わたしは、家族といっしょに大和川に行った時すごくきちゃなかったです。ゴミがいっぱいおちてありました。自転車がおいてある所もありました。また、草や花がいっぱいさいてある所で、友達といっしょに習字の先生の所の犬をかりて、さんぽに行ったら、ねこのしたいがおいてありました。わたしはかわいそうだなぁと思いました。
大和川でお弁当を食べている人もいました。ちゃんとゴミをもってかえっていました。そういう人みたにに、大和川にゴミをすててかえらず、持ってかえればいいと思います。
犬のさんぽをして、わたしたちはちゃんと犬のふんをとってかえったけど、いっぱいふんもありました。かい主がきちんとふんをとってかえればいいと思いました。
水もすごくきちゃなくなっていました。でもお姉ちゃんに教えてもらった時、いっかしょきれいな場所がありました。あさくて底が見えていました。水もそういう所みたいにもっときれいにしたらいいと思います。こらからも大和川の水をもっときれいにしてゴミをすてないようにしたいです。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「おしえます! 大和川をきれいにする ちょっとした方法」

田原本町立田原本小学校5年

私のすんでいる町には、寺川があります。その寺川は、たどっていくと大和川になります。
先生の話を聞いてたら、大和川は日本で二番目にきたない川です。といっていました。私はへえ~大和川って日本で二番目にきたない川かと思いました。
前学校から帰ると中、橋でおばさんたちが話しているのを聞くと、
「これって日本で二番目にきたない川やろ?でも魚およいでるからきれいやねんやろな。」
といいました。それを聞いていた私は、大和川を日本一きれいな川にするぞ!と思いました。
私は考えました。今私達にできることを。
思いつきました! 前、せんでんでやっていたお母さんのいらないストッキングを三角コーナーにかぶせるんです。
それよりもっとだいじなことは、
ゴミをすてないこと。
一人一人がきをつけること。
ゴミをすてる人がいたら注意すること。
です。
七月十五日 今日は私のたん生日です。
私は十一才からぜったいゴミをすてないことを決心しました。
私が大人になるまでに、大和川をきれいにし、およげて、ゴミ0の川にしたいです。
みらいの川は、デラックスで、みんなが、サーフィンをしている川かもしれません。そして、ゴミをほかすごブザーがなるデラックス川がいいです。
こんなちょっとしたことで、きっと大和川がきれいになると思います。
一人一人がきをつけるともっと大和川が喜び、私達に幸福をくれると思います。
さあ、みなさん、みらいにむかって大和川をきれいに……。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「きらわんといてよ」

王寺町立王寺小学校5年

あなたは大和川が好きですか。そう聞くとなぜか、いやという言葉がかえってきます。
「いややわぁ大和川って。くさいし、もうどっかいってよぉ。」と言う人がいます。私はへんやと思います。自分たちの川をきらってそれに自分がよごしてるなんてゆるせません。
「きっと、きれいになる、いやぜったいきれいにさせる。」そんな言葉はかえってこない。
なんか大和川が泣いているように思うんです。そんなことを思うと、わたしまでかなしくなります。昔の大和川は、きれいで、魚が泳いでいて、すきとおっていて、今もそんな川がよかった。だれがしたん?とかふーん。とか思っている人いてるかもしれない。けれど、よごしたんは、自分たちやねんで、きれいにしようそういう気持ちもってほしいんです。けれどいままででいいと思っていると、どこかの町の人がきたら、
「わぁ、これが有名なきたない大和川かぁ。」そんなこといわれたらくやしくなりませんか。それでいいわ。なんていう人いないと私はそう思います。
「なにいうてんねん。これからぼくたち私たちの川をきれいにするんや。」そういうことをいってほしいんです。言うだけだったら、意味ありません。ゴミをほかさない。また人がすてようとしていたら、「すてなや、大和川ぼくたち、私たちの川大事にしよう。」そういってあげようよ。
そうしたら、大和川にまた笑顔がもどってくるのではないですか。始めから、無理やってなんて、弱気にならんといて下さい。それに、したいじゃなくて、しようにかえたいんです。いえ、かえるんです。それを本当にやって、私たちの笑顔、町の人たちの笑顔、そして大和川の笑顔が見たい。見ようそう私は、思います。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「大和川を美しく」

生駒市立生駒南第二小学校6年

川は私達に楽しみを与えてくれます。例えば、つり、水泳などです。しかし、その楽しみを、与えてくれている川を私達がよごしてしまっています。大和川もその一つです。川は、少しのよごれなら、そのよごれを食べてくれる魚がいます。でも、空きカン、おかしのふくろ、又、その他の物をたくさん捨てたら、きれいにしようにもできなくなります。
私達は、今、「大和川を美しい川に」と願っています。それは、わがままだと思います。私達がよごしたのに、今度は美しい川なんて言うのなら、最初から、ゴミなどすてなければよかったのです。すてなければよかった、というより、川はゴミ箱ではないのだから、捨ててはならないのです。どうして、そんな簡単な、そして当たり前のことができない人がいるのか、と思います。ふつうなら、楽しみをあたえてくれる川に恩返しをしなければならないのです。
川をよごすのも美しくするのも私達、人間です。これからは、できるだけ早く、よごした私達の手で、きれいにしていかなければなりません。そして、多くの人に、川のありがたさを分かってもらい、もっと川を大切にしてもらいたいです。これこそ、川の願いだと思います。これが私達が、今、できることであり、最低、しなければならないことです。川が願い、私達にうったえていることは、きれいにした川をずっと後世に伝えていくことです。でも、私達は、そこまでする力と知恵がありません。ごみは捨てなくても、人口が増加すると、家庭や工場で使った水が増えるからです。だから、せめて、川を大切にし、少しよごれたな、と思ったら、きれいにしていくのを続けてほしいです。そして、いつか大和川に、アユが泳ぎ、子供が泳ぐ川にしたいです。