1996年の入賞作品

作文部門1

<最優秀賞 大阪府知事賞>

「大和川と魚とみんな」

 
大阪市立矢田南中学校1年

ぼくは大和川で泳ぐ魚。
もう何代目かなぁ。ぼくの血は、ずーっと昔から伝わってきたもの。もう子そんもいるから、ぼくの血は、ずーっと伝わっていくだろう。
それにしても、ぼくの先祖はうらやましいなぁ。どうしてかって?それは、ぼくの先祖たちが泳いでたころの大和川は、
「よっ!日本一!」
というぐらいの清流だったらしい。だからいつも川で泳いでいたそうだ。
ところが、時がたつに連れてよごれてきた。先々代が亡くなって、ぼくの父たちが生まれるころは、ゴミだらけ、汚れた水だらけ、動物の死がいだらけで、気持ち悪いことおびただしかったそうだ。父たちは困り果てた。しかし魚たちには、川をきれいにすることも、地上の人間たちにうったえることもできない。魚たちは頭をかかえてしまった。
しかし、地上の人間は、魚たちの気持ちをわかってくれた。これが、大和川クリーンキャンペーンの第一歩である。
キャンペーンが始まったとたん、大和川がきれいになりだした。魚のなやみの種、ゴミがなくなり始めた。ポイ捨ても、完全ではないが、かなり減った。魚たちは、よろこんだ。が、そんな人間の努力もむなしく、大和川は日本一、きたない川になってしまった。だからぼくは、川をよごしているやつにこう言いたい。
「魚の気持ちを考えろ!」
今は日本一きたない大和川。でも少しずつきれいになっている。ぼくはもうとしだ。ぼくは、子そんや地上の人間に、
「ぼくがあの世に行くころは、日本一、“きれいな川”にしてくれ。」
こう言いたい。

<最優秀賞 奈良県知事賞>

「大和川は…」

王寺町立王寺小学校4年

「ちょっとお皿洗っといてね。」
お母さんが言いました。私は、
「ハーイ。」
といって、お皿をあらいはじめました。
スポンジに、せんざいをたっぷりつけて、コップをあらいました。
ピカピカのツルツルにすきとおっています。
ワァーきれい、さぁもっとガンバルゾ!」
でもこの水はいったいどこへ流れていくんだろう…。
「アッそうだこの水は川へいくんだった。」
前に先生が社会のじゅ業の時に言っていた、その水は、台所からかつ下川へそして大和川へと流れていくんだ。
だからせんざいをつかう時は、ちょっと少なめにしてうすめてつかえば、たくさんつかわずにすむし、かんきょうのためにもその方がいいと言っていました。
私の町には、大和川とかつ下川があります。その川では、月二回、町のみんなでそうじをするのです。そのおかげで川はだんだんきれいになってきました。かつ下川ではニシキゴイやアヒルなどがおよいでいます。大和川には黒いコイやカメがいますが、ニシキゴイやアヒルが泳いでいたらもっといいなぁと思います。
もし大和川が、泳げるほどきれいになったら、たくさんの魚がかえってくると思います。みんなで一生けんめいきれいになるように努力をして、はやく下水道ができてほしいです。下水道ができて、きれいな水になり金や銀、赤や白の魚たちと一緒におよぎたいし、そうなったら、きっと沢山の人がその大和川の川辺で楽しくなると思います。
私は今十才。十年後にせい人します。
美しい大和川、そしてすんだ空気やみどりの木々のこの町からすだち、古里をほこりに思いたいと思います。
私の育った町や川は「きれいだよ」って…。


<最優秀賞 近畿地方建設局長賞>

「大和川」

大阪市立矢田西小学校6年

大阪市の地図を見るとき、二つの大きな川が、大阪市をはさんでいます。一つは淀川、もう一つは大和川です。私の住んでいる所の近くには、こんな大きな川があるのかと、うれしくなってきます。
おばあちゃんの家に行ったとき、大和川の話が出てきました。昔は、お父さんたちと、よく行ったそうです。魚を取って、食べていたそうです。しかし、今の大和川は、そうでは、ありません。私は思わず、(私も遊びたかったな。昔の人は、どうして残してくれなかったんだろう。)こう思いました。
自転車で大和川を通るとき、大和川の近くのグランドで、野球の練習をやっていました。私は、
(大和川の水がきれいなら、のどがかわくと水を飲めたのになぁ。)
と、思いました。たくさんの人でにぎわうだろうな。
大和川の水は、きたないけど、その周りもきたない。そう思ったのは、クリーン活動のときでした。あきかんや、車のいろんな部品、犬のフン……。考えてみれば、川をよごしたのは、人間で、川がきれいになってほしい!と思うのも人間です。
川は、こう、思ったんじゃないでしょうか。かってにきたなくしておいて、きれいになってほしいと思う。そのはんめん、口だけで、ゴミを捨てたりしている。(人間って、とってもかってだなあ。)って。
ほたるの来るような、きれいな川と、虫一ぴきもいない、きたない川。川をよごして損をするのは、人間や、生き物たち。川をよごしているのは、人間だけど、他の生き物まで、まきこんでしまっている!小さなゴミ一つを拾えば、一つなくなる。
大きなことは、できないけれど、私はがんばっていこう。と思う!


<最優秀賞 近畿地方建設局長賞>

「大和川について」

三郷町立三郷中学校1年

川は流れる。
まるで海という列車にどんどん乗客が乗って行くように。
私の家から10分くらい行くと、明治橋という、三郷町から王寺町へ、王寺町から三郷町へ、向かう人が多く利用する橋がかかっているのが、大和川。
大和というのは、奈良という意味もあり、日本という意味もあります。そんなにいい名前をもらっていても、全国で上位のきたない川の中で、いっつも2位か3位とよくききます。
お父さんの話だと、
「まだ40年ほど前は、きれいで、水あびをおばあちゃんにさせてもらってたほどきれいな川やった。魚がすけてみえてんで。今の水みたらちょっとさびしいわ。」
と話してくれていました。
「私もそんな大和川で泳いでみたいなぁ。」と、思っていますが、たぶんむりだろうな。
うちの家族、とくにお父さんは山や森や木が大好きで、よく吉野へ行きます。そして時々吉野川で川遊びをします。
自分の顔がくっきりうつって、3cmほどの川魚達が、私に泳ぎを自慢して、おしえてくれてる様に通りすぎてゆきます。
その時ふと、お父さんの話を思い出しました。私も、
「昔の大和川って、こんな感じだったんだろうか?」と考えました。そして、「あと、もし40年たったら、吉野川まであんな風になってしまうのかもしれないんだな。」とも思いましたが、
「いいや。ぜったい21世紀になっても、川の水はきれいなままでいてほしい。」と、考え直しました。
このまえ、大和川の州の所に、白くて大きくて、美しい鳥が、きりりっと立っているのを見ました。
私は、電車の中で、ポーッとその鳥を見ていました。すると、大きな羽をひろげて、すこし遠くの州にとまりました。
だれかが、「あれ、シラサギ?」「えー?大和川にぃ?」と、会話しているのが聞こえました。それは本物のシラサギでした。おどろく事が他にもありました。カモが夫婦でうちの田んぼに来たのです。家族全員で、見ていても、ふつうに休んでいました。夕方また見に行くと、もう飛びさった後のようで、いませんでした。
大和川でも四万十川でも、みんなにしたしまれている川は、その地域の人達の大切な相棒なのかもしれません。
私達だけでなく、あのシラサギ君や、カモさん達のオアシスでもあるんだと思いました。
永久に大和川と、友だちでありたいと思います。


<最優秀賞 大和川水質汚濁防止連絡協議会長賞>

「みんなの大和川をきれいな川に」

大阪市立苅田小学校6年

ぼく達のラグビースクールは、日曜日の朝、大和川の河川敷で、練習しています。最近は、川でたくさんの鳥を見かけます。「魚がいるんだな、川もきれいになったんだな。」と、思っていたのに、大和川は日本一汚い川だと、テレビで知って、がっかりしました。
この間、お父さんと大和川沿いを自転車で走っていたら、魚つりをしている人を何人も見ました。「魚がいても、川は汚いのかなあ。」と、思いながら、川に下りてみると、あき缶やビン、お菓子の袋などが流れていました。「やっぱり、汚いなあ。」と、思いました。大和川の近くに住むおじさんから「昔はなあ、大和川はきれいやった。よう泳いで遊んだわ、魚もいっぱいいたわ。」と、聞いたけど、「今の川では、水遊びをしたくないなあ。」と、思いました。
みんなは大和川をどう思っているんだろうか。もし、自分の家の前にゴミが落ちていたら拾うし、ゴミを捨てたりはしないだろう。自分の大和川と思わないだろうか。
去年、大雨で大和川が増水して、河川敷のグランドの土が全部流されました。グランドには、大きな石がゴロゴロ、とんがった石が地面から顔を出していました。寒い冬、コーチ、お父さんやお母さん、中学生から幼稚園児まで百五十人位で、小さなスコップや石を取り除いて、バケツで河原の砂を運んで、ラグビーができるように、グランドを整備しました。一人の力は小さいけれど、みんなでやればできるというすばらしい経験をしました。そして、グランドに愛着を持つようになりました。
「みんなの大和川をきれいな川に」と、思う気持ちを忘れないで、一人一人できることをやれば、大きな力となって、必ず、きれいな大和川が戻ってくるだろう。そして大和川を好きになるだろう。


<最優秀賞 大和川水質汚濁防止連絡協議会長賞>

「これが大和川?!」

王寺町立王寺南中学校2年

私は、去年の九月に引っ越して来ました。ここに来る前は、「奈良ってけっこう田舎だろうから、川とかきれいだろうなあ。」と思っていました。だから、ここに来て、初めて大和川を見た時は、びっくりしました。
そのことを父に話すと、
「大和川は、日本で、とても汚い川の一つなんだよ。」と教えてくれました。
そしてもう一つ、父が教えてくれました。それは昔、大和川はとてもきれいで、子供のころよくザリガニなどをつかまえたそうです。
では、なぜこんなに汚い川になってしまったのでしょうか。それと、私の「田舎だからきれだろうなあ。」という考えは正しいのでしょうか。
まず一つ目の答えは、私はこう思います。川にゴミを捨てる人が増えたことと、それを拾ったり、注意したりする人が少なくなったことだと思います。
次に、二つ目の答えはまちがっていると思います。理由は、都会だから汚い川、田舎だからきれいな川だなんて決めつけられないと思います。例に、大和川がそうですし、私の前に住んでいた西宮市でもきれいな川はありました。
つまり、この二つのことから言えることはその土地に住む人々の心だと思います。そこに住んでいる人の心が良ければきっと、きれいになるだろうし、心の悪い人がたくさんいれば、川だけではなく山や海なども汚染されるかもしれません。みなさんは、良い心をもっていますか。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「大和川の汚水」

賢明学院中学校1年

私は、電車に乗っているとき、いつも思うことがある。それは、大和川が汚いということだ。でも、かつては、飲料水として使われていたというのだから信じがたいことである。昔は、きれいだったのかもしれないけどいまは、ほとんどドブ川だからだ。祖母も、私と、同じことをいう。私は、あの大和川の水の色は、石津川の水の色と同じと思う。
だが、大和川の水の色を、美しくする方法も、考えられないことではないと思う。
例えば、洗剤である。昔は、洗剤などは、なかったのだから、水も汚れることは、なかったのではないだろうか。洗濯用の洗剤でも、私の家では、合成洗剤を使わずに、粉石けんを、使用している。そして、洗濯用に使う水は、ずっと前から、風呂の残り湯を使用しているため、汚れる水の量が、少なくて済むのである。シミなどは、洗濯板と固型石けんを使って、ひたすらこすれば、落ちるものだ。台所にある食器洗い用の洗剤は、植物性の物を使うと、土に帰るのである。
もう一つの例としては、水をただひたすら節約することである。そうすることによって汚水が出ることを、おさえている。しかし、この方法は、途中で放きしないことである。
つまり、根本的にいうと、汚水をなくすことが、第一なのである。ということは、二つの例を、合わせると、汚水は、かなり少なくなるであろう。ついでに、水道料金も安くなって、まさに一石二鳥である。
現代人は、もっと水を大切にすべきだ。水は、一つの資源なのである。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「川をうつくしく」

桜井市立桜井南小学校3年

川には、生き物がすんでいます。生き物は川がとてもすきです。でも人間が川をよごすのでたくさんの生き物が死んでいきます。
このあいだボランティアの人と、ガールスカウトで川のせいそうをしました。わたしも、友だちも、おじさんも、みんなあせをながしながらいっしょうけんめいがんばりました。ジュースのかんやビン、ビニールぶくろ、かみざら、おかしのはこがおちていました。みんなが水をのむのによごれていたらのめないのになぁ。と思いました。だからジュースののみさしのカンやビン、くだもの、お米、おかずののこりなど食べのこしたり、ゴミをポイすてしないように気をつけてください。わたしも気をつけるようにします。
みんながきょうりょくしあえば川がうつくしくなるし、生き物もすみやすいかんきょうでくらせてとてもよろこぶだろうと、思います。そして、わたしたちが気をつけて食べのこしはしないでゴミを川にすてなかったらいつかはうつくしい川になると思います。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「魚の届かない言葉」

大阪市立矢田西中学校2年

私は、これまでに十回以上位、大和川のゴミ拾いをした事があります。
幼稚園児の時も、大和川に行きました。ただし、川遊びをするためでもなく、土手遊びをするためでもなく、掃除をするためだけに行った事が、何回もありました。何回も掃除して、そして何回も大和川に来ても、全っ然減らないゴミ。川の中に浮いてたり、草や土の中にまみれていたりして、必ずどこかにゴミがありました。私が幼稚園児だった時から今まで、大和川にゴミが消えた事はありません。川には、生き物が住んでいるんです。『はやく大和川をきれいにして欲しい』と思っているのかもしれません。
私がもし、大和川に住んでいる生き物の立場になれば、どれだけ文句を言うか分かりません。人がゴミを捨てれば、「おい!ゴミ捨てんなってゆってるやろ!」って絶対言います。そんな事を、人がゴミを捨てるたびに、言うんです。自分の住んでいる川…まるで家同然の大和川を、空缶等のゴミでうめつくされるんです。許せるはずがないんです。今も魚達は、悲痛な叫び声を上げています。
私だって、自分の家を、突然ゴミだらけにされたら、悲しいどころか、怒って、怒って、怒りまくります。それは、どこの誰であろうと絶対同じのはずです。なのに、何で魚達は“家”をゴミだらけにされなきゃならないんですか。これはおかしいです。
私も、思いおこせば平気でゴミを捨ててました。だから、「お前にそんな事言われたくない」って言う人はいると思います。けれどその分掃除しました。犬だってゴミ拾いをします。人間がゴミを拾って当り前じゃないですか。第一、ゴミを捨てると、後ですごく後悔します。私は後悔しました。だからもう、ゴミはゴミ箱へと、ちゃんと捨てています。どうか、魚達の気持ちを分かってください。きっと、魚達は言っています。『はやく、私達の“家”をきれいにして』って。


<優秀賞 大和川工事事務所長賞>

「大和川に似合う色」

王寺町立王寺南中学校2年

大和川は、昔とてもきれいと言われていましたが、今は空き缶やおかしの袋がいっぱいで、川の色なんて茶色みたいなかんじで、もし今、学校の体育の授業で、大和川に泳ぎに行こう!なんて言われたら絶対に行こうとは思いません。
大和川の絵を描く時、絵の具は、青色や水色はなぜかつかえません。つかうとしたら、ちょっと色をきたない色を使ってしまいます。こんな時、昔だったら青色や水色が、使えてるんだろなぁ~って思います。昔は、すきとおっていてとってもきれいな川で、夏になったら絶対みんなは、大和川に泳ぎに行き、そして遊んでたんだろうって思うと私は、とてもウキウキして泳いでみたいとずっーと思ってしまいます。私たちも、大和川にゴミを捨てなかったらどんどんきれいになると思います。
もし、私たちが絶対にゴミを捨てなく21世紀まできたら、絶対に昔みたいな川になりとてもきれいな絵の具がつかえるきがします。私は、これからどんどん青や水色の色に近づいていけるように、ゴミはほかさないようにし、みんなにも呼びかけようと私は思います。
いまから、21世紀が楽しみです。そしていつかは、自分やいろんな人をそのきれいな水色の川で泳ぎたいです。