1999年の入賞作品

作文部門2

<銅賞>

「この先に何があるんだろう。」そう思いたい

王寺町立王寺南中学校3年

「この先に何があるんだろう。」そう思ったのは、幼いころ吉野の山の川に家族でキャンプにきていたとき、ふと川の上からながれてきた小さな葉を見た時だった。
私は今まで、小さな葉が流れてきたからそう思ったのだろうと思っていた。そこでビーチサンダルが流れてきたら「その先を見たい」と強く思ったりはしなかっただろう…と。「でも、幼かったころの私ははたしてそのことを考えただろうか…」と思った。それもそうだ。例え流れてきたのがビーチサンダルでもそう思っていただろう。なぜなら流れてきたものを葉と認識せずに、きれいな川から流れてきた何かを見て、この先を見たくなったのだというほうがまだ考えられることだと思った。
最近、私は大和川からながれてくる小さな葉を見た。その時あの幼ないころに思ったワクワクした感じは、まったくなかった。しかもそれを思い出したのは、家に帰って詞を考えていたとき、幼いころとは反対に「どこに行くんだろう」そう思ってしまった。これはたぶんこの葉のことを心配することからきたと言ってもいいだろう。
では、なぜ心配したのだろう?たぶん今、昔のような川で見たのなら、あのころのように先のことを考えただろう。そう、あのときのように「この先に何があるんだろう」と思ってほしいと思った。確かに、私一人では、いみのないことだけどみんながほんの少しわかってくれればかえてゆけると思う。例え、あの川のようにきれいにならなくても、それはむだじゃないと思う。「がんばったんだぞ」って胸をはって言えたらそれでその人たちには十分、わかってもられると思う。
いつかその日が来るまで…。

<銅賞>

「大和川で泳ぎたい」

王寺町立王寺南中学校2年

奈良は海のない県です。僕のしゅ味は釣りなので、夏休みも海で遊びたかったりするけど、難しいことです。そのため、我が家では県内のきれいな川を見つけて遊びます。
今年の夏休みは室生川へ行きました。室生川には、去年の台風のせいで倒れた木のくずが川底に、かなり落ちていました。でも、水はきれいで魚もよく泳いでおり、たくさん釣る事ができました。僕も泳ぎました。
以前大和川にも行きましたが、釣りだけで泳ぐ気持ちには、なれませんでした。今年の八月の最初、大雨が降った後、電車に乗って大阪に行きました。あと数cmで、大和川が氾濫し、線路も道も水につかり、危険な状態でした。それともう一つ驚いたことは、ペットボトル、スーパーの袋、おかしの袋などのゴミが次から次へと流れてきたことです。このゴミは、どこから来るのだろうと思いました。誰かが捨てたのに間違いありません。
実は、室生川の近くも道路工事をしていて下流はかなり濁っていました。お母さんが、二十年前に行った時は、道が細くだんだんと山へ通じる道で、自然に囲まれた寺があったそうです。なんのために工事をしているのか、必要であっても悲しい気がします。大和川のゴミを流したのも上流の奈良県の人です。
川しかない、奈良県です。きれいな川にして安心してどの川でも泳いだり、釣りをしたりしたいと思いました。


<銅賞>

「きれいだったら…」

大阪市立矢田南中学校1年

私は、小学校の三年間キックベースのチームに入っていました。いつもは矢田小学校の雨天運動場で練習をしていました。でもある時矢田小学校が使えなくて、練習は大和川ですることになり、みんなで大和川に行きました。練習をやっていると、ボールが大和川の方にころがっていきました。みんなで必死に追いかけたけれどボールは大和川に落ちてしまいました。
はじめ私はあきらめていたけれど、何人かの子が階段を下りていきました。私も「ほっといたらあかん」と思い行きました。長い枝などで自分たちの方によせようと思ったけれど、ボールが大きいのでなかなかきませんでした。そんなことをしていると三年生だった谷口くんがすべりおちて大和川にはまってしまいました。そしてついでにボールをとってもらいました。大和川がもっときれいだったら、私もくつとくつ下をぬいで大和川に入ってボールをとれたのに、きたなかったから入る気にはなりませんでした。
もっともっときれいな大和川になったらいいのにと思いました。


<銅賞>

「大和川クリーンキャンペーンについて」

清教学園中学校1年

ぼくは、小学校三年生の夏休みに、大和川と石川とサイクリングロードについて調べました。滝畑ダムから流れ出た石川が大和川に合流し、大阪湾に流れ込みます。二つの川沿いにサイクリングロードができたので八尾のスタート地点から、富田林の川西まで、二日に分けてサイクリングをしていました。
石川が大和川に合流すると水はにごって、底は全く見えずゴミもたくさん浮かんでいます。それに、とても臭いにおいがする所がありました。ぼくはサイクリングするだけだけど、周辺の人は毎日そのにおいの中でくらしているんだなあと思いました。大雨のあと大和川はとても水量がふえます。水がひくと川岸の草水にはゴミがたくさんひっかかっています。
けれども、河川敷にテニスコートがあったり、「流れは未来に続く」という看板があったり、水をきれいにするため流れに段差をつけるせきがあったりいろんな工夫をしていることがわかりました。
石川の源の滝畑にも行きました。水はすきとおっていて、みんなで水に入って遊びました。ぼくは、このきれいな水のまま海に流れこめばいいのにと思いました。
よごれた川は一人ではきれいにはできないけれどもだれかがやってくれると思ってもきれいにならない。みんながきれいにしようと思って初めて出来ることだからみんなで川をきれいにしよう。


<銅賞>

「わたしたちの川をきれいに」

王寺町立王寺小学校4年

今年は、七月、八月にたくさん雨がふりました。わたしは、おぼんに大和路線に乗って四国のおじいちゃんの家に行く時に、大和川を見ました。その時に、川の両岸にいくつかのごみがひっかかってるのが見えました。何のごみか、わからなかったけれど、大雨で流されてきたのだなあと思いました。
おじいちゃんの家に行って、いとこやみんなと、食事をしている時に、おじいちゃんが「日香理ちゃんの住んでいる町を流れている大和川はきたないとニュースで言ってたけど、どんなんや。」と言いました。
わたしは、おじいちゃんに言われて、はっとしました。わたしは、自分の町を流れている川のことを、ほとんど気にとめていなかったからです。きたない川で、ゆう名なのは、知っていたけれど、どうしたらきれいになるか、わたしに何かできることはないか考えたこともありませんでした。
電車のまどから見た大和川は、川はばが広くて、りっぱな川でした。それをよごしているのは、住んでいるわたしたちです。わたしたちが、ごみをすてないようにすれば、もっとりっぱな川になると思います。
みんなの力で、大和川をきれいでゆう名な川にしましょう。


<銅賞>

「私達の故郷の川」

三郷町立三郷中学校2年

今、日本で一番汚れている川と言われている大和川。こんな私達の身近な川をほっておいてよいのだろうか。私はこの作文をきっかけに汚れている原因を振り返ってみることにした。その原因の一つには、洗剤などで汚せんされた家庭からの廃水や、浄水されない水がそのまま大和川へ流れこんできているという事があげられる。
近所のおばちゃんは、「昔は、橋の上から川を見おろすと、水がすき通って泳いでいる魚も見えた。」
と話す。また、川で泳いだという話も聞いた事がある。今、橋から見おろしてみてはどうだろうか。水は茶色く濁りゴミばかりが浮いているのが目につく。私はそのゴミの発生でごく最近思いあたることがある。原因の一つにすぎないが、毎年おこなわれる、河原での花火大会である。花火大会で一時中止となっていた夜店も去年ぐらいから一部再開されるようになっている。しかしなぜ夜店が一時中止になったか、考える人がいるだろうか。私は一つには食中毒がさわがれていた事、もう一つは、夜店によって出るゴミが原因だと思う。夜店で物を買って出た食べ物の容器、あき缶などをゴミとして河原にすててしまう人が多くなってきていると思う。後先を考えずに自分達の川を知らず知らずの間によごしていることに気づかなければいけないと思う。
大和川の水が増水すると、川から流れてきた布、おかしのかす、つり糸などが木にからみ、川は痛いたしく目にうつる。
川を美しくするには、おおげさなクリーンキャンペーンをとなえるばかりでなく、一人一人が少しの気づかいを川に持ち「私達の故郷の川」という意識を持つことによって、川の状態は全くかわってくるのではないかと思う。


<銅賞>

「大和川」

賢明学院中学校1年

川には、汚れが流れ込んでも瀬や淵などで自然にきれいにするという自浄作用があります。近年は、急速な都市化により生活排水などの流入が増大したため川の汚濁は著しく、現状の浄化作用だけではもとどおりに回復できない状況となっています。
そこで、この自浄作用の能力を高めるため川底に礫を広く浅く敷きつめ人工的に瀬の状態を作りだし、微生物による酸化分解作用を高めて浄化を図る
「薄層流浄化」を進めています。
家庭で出される汚れは、おどろくほど川を汚しています。
使用済みの油500mlを捨ててしまうと、魚が住める水質にするために必要な水の量は風呂おけ330杯分、10万l。家庭での生活排水対策をすることが必要です。
米のとぎ汁は、意外と水を汚すものなのでとぎ始めの濃いときだけでも庭や植木にまけばいいと思います。食用油はできるだけ使い切るべきです。私の家では、一度使った油でも、まだきれいなほうであれば、二、三度使う様にしています。新聞紙やキッチンペーパーで吸いとり、ゴミとしてだすようにします。家庭での少しの工夫が大和川に住む魚一匹が生きられるのです。
大和川は、奈良県の笠置山を源とし、大和盆地で支流を集め、亀の瀬渓谷を経て、大阪湾へと注ぐ一級河川です。流域面積は1070km2で流域内人口は200万人にものぼります。かつては万葉の歌人らに詠まれた清流も、流域の市街化にともない水質が悪化していき、昭和57年以来、全国一級河川の中で水質ワースト二を続け、平成七年に十六年ぶりにワースト一という不名誉な結果となりました。大阪府では国、奈良県流域の38市町村と協力し西暦二千年と目標とし、流域特性に応じた良好な水環境と水辺に棲む生き物が共生できる望ましい河川環境の実現に向けた行動計画である「大和川清流ルネッサンス21計画」を策定しました。
私も、身近なことから、大和川を汚さない工夫をしていこと思います。


<銅賞>

「だんだんと少しずつ」

大阪市立矢田西中学校3年

あれは小学校六年生のときでした。学校行事で大和川でマラソン大会をしました。私たちが走る道は、以前、クリーンキャンペーンでそうじをしたことがあったのでよく知っていましたが、私はその道を走りたくはありませんでした。なぜなら、道が汚なかったということも知っていたからです。あき缶、ドロドロの袋、そして何よりも、犬のフン…。私は、犬のフンをふんだときのために、もう一つくつを用意しようと思ったくらいでした。
しかし、マラソン大会の当日は、以前の私の記憶よりもきれいだったのを覚えています。そのとき感じたことは、(少しずつ、きれいになっていくんだなぁ)ということです。
私の見た感じでは、大和川(周りも)少しずつきれいになっていると思うのです。もちろん、勝手に川がきれいになっているのではありません。たくさんの、多くの方たちの努力と苦労によって、きれいになっているのだと思います。時には、心ない人たちの行為によって川が汚れてしまっているかもしれません。しかし、大和川が少しずつきれいになっているということは、心ない人たちよりも、大和川をきれいにしてくれている方たちの方が多いということだと思うのです。
私は、(川はきれいになって欲しい)と思うだけで、何も実行に移すことはしていません。それは、私の心の中で、「誰かがやってくれるだろう」とか「私一人が家の排水に気を付けたって、ゴミを拾ったからって別にどうってことない」と思っているからなんだと思います。しかし、よく考えてみると、大和川も含めて、たくさんの自然は、こうして消失していきました。「一人ぐらい」「自分くらい」と。
小さなことが大きくなるということを信じて、まずは、自分からはじめようと思います。川のためと、地球のための、私たちのために。


<銅賞>

「大和川クリーンキャンペーン99」

橿原市立橿原中学校1年

私達の住む町には、とても美しい河、吉野川があります。
私の家族はみな魚つりが大好きでよく吉野川に魚つりに行きました。夏には小さい子が泳ぎ、あゆをつる人達がゆったりとつり糸をたらしていました。川の底には魚が泳いでいるのが見えました。
ある時、大和川をきれいにしようと伝えるよびかけのチラシを見ました。『ボランティアで川をきれいにします。』私と母で参加しました。多くの子供達や親が集まっています。
ぐん手とゴミ袋を持ってゴミをひろいます。ジュースのカン、ビン、ビニール袋、板、ぼう、おかしの箱、コンクリート、etc。タイヤが曲がり、あちこち部品のなくなった自転車まで捨ててありました。
川の水は黒くにごっていました。ジュースのカンがういていたり、川のせきになっている所であわがとんでいます。
どうしてこんな川になってしまったのか、それは私達のせいです。この川のそばで生活しているからです。食器を洗い、洗濯をし、車を洗い、いろいろな事をした水が川に流れていきます。
川を美しくするのもよごれた川にするのも私達です。
少しでもこの川をきれいにするのが私にとって、とても大切な事だと思います。
今日、私達が拾ったゴミは1トンもあったそうです。


<銅賞>

「クリーンキャンペーン99」

広陵町広陵西小学校5年

ぼくの、学校では、6月に4年生~6年生で、大和川に流れて続いている、葛城川に、ゴミを集めに行きました。川に、降りる階段を、降りると、空カン・空ビン・アイスクリームのカップや、ビニール袋などが落ちていて、ちょっと手では汚くて取りにくかった。ゴミを集めていくと、川のそばより、土手の草むらの所の方がゴミが多いと気が付きました。草むらにゴミが多いと言うことは、ゴミを捨てた人は、ゴミを見えなくするために草むらに、捨てたのだなぁと思いました。
良く大和川に、行ってブラックバスを釣ります。お父さんと行った時、川原には、空カンや、釣り糸、ルアーが入っている入れ物などが、捨ててあります。お父さんは、「ぜったいに自分の出したゴミは持って帰れ。」と言います。捨ててあるゴミをかたずける事は、出来ないが、自分のゴミは、かならず持って帰っているつもりです。
前に、海に釣りをしにいった時、ハトがいました。そのハトをよく見るとびっくりしました。ハトが片足で立っているのです。もう片方足が折れ曲がっているのです。それを見た時から、釣りをした時に、出したゴミは、必ず持って帰る様になりました。この作文を書く事で、お父さんに話を聞いたら、お父さんの会社では、今ゴミを出さない様に工夫や努力をいろいろやっているそうです。奈良にある工場なので、汚い水や油が大和川に流れない様にしているそうです。大和川は日本で2番目に汚い川です。これからも、きれいな川で釣りをしたいのでぼくは、ゴミを道に捨てないようにしたいです。