足羽川ダムへの質問

Q15

堤防を強化して、余裕高1mを使って洪水を流せば、工事期間も短縮でき、コスト面でもメリットがあるのではないですか。

A15

堤防は土で構成されていることから水があふれることにより決壊しやすい特徴があります。従って、計画で定められた規模の洪水に対して、洪水が堤防を越えないようにする必要があります。
洪水を安全に流せる水位としてはん濫危険水位を設定し、これに余裕高を加えたものを堤防高としますが、洪水時の風浪、うねり、跳水等による一時的・局所的な水位上昇や、流木等の流下物が橋等に引っかかることにより、洪水が堤防を越えないようにするために堤防の構造上の余裕として余裕高が必要です。また、洪水時の河川の巡視や水防活動を実施する際の安全性の確保などの観点からも余裕高が必要であり、このような様々な観点から余裕高が必要です。従って、余裕高の役割・目的を達成し堤防の安全性・機能を確保するためには、余裕高を使って洪水を流すことは適当ではありません。

なお、堤防の強化という施策は、計画を超える洪水への対応や、治水施設の整備途上段階における危機管理上の減災対策としては有効な方策であるため、河川管理者として順次導入を図っているところです。

余裕高の必要性

①波浪、うねり、水跳等の一時的な水位の上昇
②流木などの流下物
③洪水時の巡視や水防活動を実施する場合の安全の確保