アクア琵琶からのメールニュース vol.243号(2022.12.21発行)
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■開館のおしらせ
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 アクア琵琶は、コロナ感染症対策として館内の見学人数を45名で調整させて
いただいているところで人数制限については継続となりますが、令和4年4月28
日より個人・小グループ(9人以下)の入館については、当日受付により見学
いただけるよう運用を変更しております。
 但し、学校関係・団体等(10人以上)の見学については、従来同様3日前迄
に事前予約が必要となりますので、利用者のみなさまにおかれましてはご不便
をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 詳細はホームページをご確認ください。
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■アクア琵琶だより
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                 黒部ダム体験記 


 メールニュースvol.233号「天ヶ瀬ダム 〜再開発中!〜<前編>」で少し触
れましたが、アーチ式の天ヶ瀬ダムと似た形状(※)の黒部ダムは、日本最大
級の規模を誇るダムです。天ヶ瀬ダムを訪ねてからというもの、「黒部ダムに
も行ってみたい!」という思いが募り、この秋ようやく実現することができま
したので、今回は黒部ダム体験記をお伝えいたします。
(※黒部ダムはアーチ式に重力式を組み合わせた世界でも稀なM字構造)

 立山黒部アルペンルートにある黒部ダムへは、長野県側からと富山県側から
の2通りの行き方があります。富山県側の「黒部峡谷トロッコ電車」は有名な
ので乗ってみたかったのですが、紅葉巡りにはまだ少し早い時期で諸事情もあ
ったので、私は長野県側から車で扇沢へと向かいました。扇沢からは電気バス
で関電トンネル(全長5.4km)を抜けます。
 トンネルの途中、青くライトアップされた「破砕帯」(岩盤の中で岩が細か
く砕け地下水を大量に溜め込んだ軟弱な地層)はたった80mの区間なのですが、
関電トンネル工事最大の難関で、毎秒660リットル・摂氏4℃の湧水の中でずぶ
濡れになりながらの作業は7ヶ月もかかったそうです。その苦闘は、昭和43年
(1968年)公開の映画『黒部の太陽』でも描かれています。

 地下にある黒部ダム駅から階段を220段上り、ダム展望台に着くと、目の前
に広がる景色の中に名物の「観光放水」(毎年6月〜10月)が見えました。下流
の川底が削られないように霧状で毎秒10トン以上放水されているため、晴れた
日はその霧の中に虹が見えるそうです。当日はあいにくのお天気で私は見るこ
とはできませんでしたが、迫力ある放水と標高1508mの大秘境黒部渓谷の雄大
さが相まって感無量でした。
 外階段を下っていく途中に「放水観覧ステージ」や「レインボーテラス」な
どの観覧スポットがあり、いろいろな高さや角度から眺めることができるのも
魅力のひとつです。ダムえん堤は全長492m・日本一の高さ186mで、そこから放
水をのぞき込むと想像以上に圧巻の景色でした。
 ダムレストハウス2階では放水を見ながら「黒部ダムカレー」を食べたり、
湧水の「破砕水」(無料)を飲んだりすることもできました。

 黒部ダム駅とダムえん堤をつなぐ長いトンネル内には写真等のパネル展示が
あり、歩きながら建設の歴史を順に追うことができます。また、散策道中にあ
る新展望広場特設会場では、映画『黒部の太陽』の撮影風景やトンネルセット
レプリカが展示されている他、実際のダム建設の貴重な写真や映像・工事の解
説パネルがあり、数々の難関を乗り越えてきた奇跡(軌跡というより、まさに
奇跡!)を知ることができます。
 約70年前、高度経済成長に伴って電力不足となり、関西では週3日の電力使
用制限があったそうです。このままでは電力破綻するため、関西の使用電力の
半分をまかなえる巨大水力発電所をつくる必要がありました。こうして、総工
費513億(現在の価値に換算すると1兆円超)をかけた日本史上最大級建設プロ
ジェクトが決行されたのでした。
 水力発電の適地でありながら厳しい自然条件のため不可能といわれた黒部渓
谷において、昭和31年(1956年)から始まった7年間の難工事の中で171名の
方が命を落とされたことも知りました。
 殉職者慰霊碑に手を合わせ、黒部ダムを後にしました。

 厳しい自然界と戦った結晶ともいえる黒部ダム。今回、初めて訪問したこと
によって、関西に住む私たちは現在もその恩恵にあずかっているのだというこ
とを実感いたしました。
 寒さがこれからますます厳しくなってくる季節ではありますが、毎日当たり
前のように使用している電力に感謝の気持ちをもって、今年の冬は節電を心が
けて過ごしたいと思っています。

 皆様、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。


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      ご参加ください。

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■休館情報
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年末年始は、2022年12月29日(木)より2023年1月3日(火)までが休館となります。
また、2023年1月9日(月祝)は臨時休館とさせていただきます。
なお、天候等の事情によって急遽、臨時休館とさせていただく場合もございま
す。詳細はホームページをご確認ください。
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■その他
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