九頭竜川流域誌


4. 動物
4.1 動物環境

 福井県は、本州中央部に位置するため、北日本系の生物と南日本系の生物が混在するという特徴を有している。したがって、生息する動物の種類が多い。
 確認されているほ乳類は18種に及び、山岳地帯ではニホンカモシカやニホンイノシシ、ホンシュウモモンガ、ホンシュウジカが挙げられる。このうちニホンイノシシは、日本海側における生息地の北限とされている。
 鳥類としては、白山山系とこれに連なる県境付近の山岳部を中心に、森林性の鳥類が生息している。丹生山地、南条山地、越美山地の自然林は、キビタキ、オオルリなどの夏鳥や、ツグミ、カシラダカなどの冬鳥、ウグイス、メジロなどの漂鳥の生息地域となっている。
 昆虫類は、現在確認されているものだけでも約7,000種に及ぶ。
 今庄町岐阜県境に位置する夜叉ヶ池は、固有亜種であるメススジゲンゴロウが生息するほか、その周辺部を含めて数多くの注目すべき昆虫の生息地である。
 九頭竜川流域に生息する魚類は、上流域にイワナ、アマゴなどの渓流魚、中流域にはアユやタナゴ類、下流域にはボラなどの汽水性の魚類が多くみられる。
 なかでも、「アラレガコ」(カマキリ)は九頭竜川中流域の代表種である。また、トゲウオ科の「イトヨ」は大野市本願清水に、トミヨは武生市五分市に生息する。大野市のイトヨは陸封型で、昭和9年(1934)に天然記念物として国指定されたように、全国的にも珍しいものである。



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