九頭竜川流域誌


4.2 真名川ダムの目的

(1) 目的
 1) 洪水調節
 真名川ダムの建設される地点における計画高水流量2,700m3/sのうち、既設笹生川ダムと合わせて、2,550m3/sの洪水調節を行い、他のダム群と合わせて九頭竜川下流の中角地先における基本高水流量8,600m3/sを5,500m3/sに低減させる。(昭和54年4月九頭竜川水系工事実施基本計画改定後)
 2) 不特定灌漑
 真名川沿岸の約1,700haの既成水田に対して灌漑用水の補給を行う。
 3) 発電
  真名川ダムの建設にともなって新設された真名川発電所において、最大出力14千kwの発電を行う。
発電事業者 福井県企業庁
形式 ダム水路式(内径2.80m、導水路延長約2.2km)
年間発生電力量 66,421Mwh
(2) ダム貯水容量
 真名川ダムは、最高水位が標高385.0mで、総貯留容量は115,000千m3であり、そのうち標高331mまで堆砂することを想定して、それより上の部分を有効に利用する範囲として、有効貯水容量を95,000千m3としている。
(3) 取水量および放流量並びに貯留量の用途別配分
 1) 洪水調節
 洪水期(毎年6月16日から10月15日までの間をいう。)においては、洪水調節を行う場合を除き、水位を下記の標高以下に制限するものとしている。洪水調節は、標高337.4mから385.0mまでの容量最大89,000千m3を利用して行う。
 しかし、7月1日から7月31日までの期間は標高348.0mを制限水位とし、8月1日から9月30日までは標高337.4mを制限水位としている。
 2) 不特定灌漑
 灌漑期(毎年4月26日から8月25日までの間をいう。)においては、灌漑用水補給のために、必要な水量(11.95m3/s以内)を笹生川ダムよりの補給量と合わせて確保するものとする。
 灌漑のための有効貯留量は、標高331.0mから346.0mまでの貯留量15,900千m3とし、灌漑、または洪水時の予備放流のために水位を低下させる場合を除き、水位を下記の基準日において、それぞれ、当該基準日の水位以上に保つものとする。

基準日 基準日の水位
5月20日 標高 346.0m
7月15日 標高 346.0m
8月1日 標高 337.4m
8月10日 標高 337.4m
8月15日 標高 333.0m

 3) 発電
 真名川発電所の取水量は15.0m3/s以内とし、発電のための有効貯留量は標高331.0mから365.0mまでの47,000千m3とする。
 発電は、洪水調節および不特定灌漑用水に支障を与えないように行うものとする。

図3.4.8貯水池容量配分図(真名川ダム)
図3.4.9 洪水調節図 図3.4.10 流量配分図
図3.4.9 洪水調節図


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