九頭竜川流域誌


1. 砂防事業の目的

 九頭竜川流域は、山地の占める割合が約78%であり、その地形は険しく、脆弱な地質で覆われているため、大雨が降ると山の斜面が崩れ落ちて土砂が川に流れ込む。
 大野盆地や福井平野をはじめとする平地部は、上流から運ばれた土砂によって、長年月をかけて形成されたものである。このような沖積地は、運搬堆積した土砂によって作られた平野であるため、土砂災害の起こる可能性を秘めている。
 この土砂災害には、山地が崩壊して土砂が直接住家や田畑を埋没・破壊してしまう災害と、流れ出た土砂が河床に堆積して川の疎通を悪くし、洪水のときに川から越水して、住家や田畑などに被害を与える災害とに大別することができる。土砂災害は、破壊力が大きく、突発的であるため、人命損失を伴う大災害に至る場合が多く、また、大量の土砂を排除する必要があるため、被災後の早期復旧が非常に困難である。
 国や県では、住民の生命・財産、そしてすばらしい郷土を土砂災害から守ために、植林のほか、砂防ダム、床固工や流路工などの各種施設を山の奥深くまで設け、土砂の崩壊・流出を防ぐ砂防事業を進めている。



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