水質についてアンケート調査結果
猪名川の水質は、平成19年の全国一級河川水質調査(109水系、1,102地点)において、ワースト5(3年連続)という順位となっています。 このような現状を踏まえ、猪名川流域の水質を良くするためには、流域住民と行政が共通認識を持って合意形成を図り、流域が一体となった取り組みが必要であると考え、猪名川流域(支川を含む)の水質に関して、現状・将来像に対する流域住民の意識を把握するためにアンケートを行いました。 その結果、猪名川流域に関する住民意識・関心度が高いことが分かりましたが、広報活動や啓発活動が行き届いておらず、住民が猪名川を知るきっかけや学ぶ機会を与えられていないこともわかりました。また水質がよくないと感じている人が多いことがわかりました。猪名川河川事務所では、今後水質改善に向けて「行政と住民が一体となった水質浄化対策」を取り組んでまいります。なお、このアンケートは、猪名川流域で水環境に関する活動を行っている方々にご意見をいただき作成しました。
ご協力いただいた方々
- アスビ友の会
- 池田・人と自然の会
- 猪名川・神崎川水質研究グループ
- NCアソシエイツ
- 底のみえる水辺つくり研究会
- 一庫ダム飲み水を守る会
- 流域ネット猪名川
目次
調査の方法
調査1
調査対象 | 猪名川流域の一般住民(世帯の代表者) |
---|---|
配布数 | 1560部 (市町別の流域内人口比による住宅地図による無作為抽出) |
調査方法 | 郵送配布・郵送回収 |
調査期間 | 平成21年2月4日~2月16日 |
調査2
調査対象 | 猪名川クリーン作戦参加者 |
---|---|
配布数 | 471部 |
調査方法 | 現地(19会場)配布・郵送回収 |
調査期間 | 平成21年2月7日~2月16日 |
表記に関する注記
比率は、全て百分率(%)で表しています。また、設問の終わりに(複数回答)とある場合、1人の回答者の方が2つ以上の回答をしてもよいことから、比率の合計が100%にならない場合があります。
回収結果
有効配布数(人): A |
回答数(人): B |
回収率(%): A/B |
|
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調査1 | 1,508 | 627 | 41.6 |
調査2 | 471 | 164 | 34.8 |
*ここで、有効配布数とはアンケート発送後、宛先不明等で返送された数を除いたもの
回答者について
回答者の性別は、調査1が男性85%、女性15%、調査2が男性63%、女性37%と男性が多かった。年齢割合は、男女とも70代以上が多く、50代以上でみると、調査1が全体の92%、調査2が全体の79%を占めた。居住年数については、調査1、調査2とも「20年以上」がもっとも多かった。

男女別年齢割合(調査1)

男女別年齢割合(調査2)

居住年数(調査1)

居住年数(調査2)
結果について
猪名川への関心/猪名川の利用状況
今回アンケート調査を通じ、猪名川流域に関する住民意識を把握したところ、住民意識が高いものであることが調査結果より得られました。
回答結果のなかでは、猪名川流域に関心がある人が流域全体で約85%いるものの、日頃から河川を利用する人は約21%という状況でした。利用しない理由としては、「身近に利用できる川がない」や「川に近づけない構造になっている」、また「川の水が汚いので健康に害を及ぼすことが心配である」という理由が多くありました。
猪名川への関心

猪名川への関心(調査1)

猪名川への関心(調査2)
猪名川への関心はイベント参加者の方が高いようです。
川の利用状況

川の利用状況(調査1)

川の利用状況(調査2)
イベント参加者の方が日頃から川を利用する人が多いようです。
猪名川の水質に関する印象
河川の水質に関しては、「汚い」「やや汚い」と感じている人が約46%と、「きれい」「ややきれい」と感じている人の約30%よりも16%も上回っていました。 また、昔と比較して水質がよくなっていると感じている人は、約30%いるものの、汚くなっていると感じている人が約46%と住民がイメージしている水質には戻っていない結果となりました。 なお、多くの人がイメージしている川の姿は昭和50年以前となっており、この水質を目指すべきものとすると未だ55%の人がきたないと感じていることがわかりました(よくなっている28%)。
川の水質

川の水質(調査1)

川の水質(調査2)

水質の変化(調査1)

水質の変化(調査2)
水質の印象はイベント参加者も同じような結果でした。
イベントへの参加状況
流域で行われている水質調査や清掃活動などについては、約75%の人が参加したことがないという状況でした。このうち約82%の人がイベントがあることを知らず、広報活動や啓発活動が行き届いていない実態が明らかとなりました。
イベントへの参加

イベントへの参加(調査1)

イベントへの参加(調査2)
イベントの開催情報について

イベントの開催情報について(調査1)

イベントの開催情報について(調査2)
参加がない人は情報を知らない人が多いことがわかりました。
きれいにするために必要な取り組み
水質を保つための取り組みとして、流域住民は、「行政と住民が一体となった水質浄化対策」が必要であることを理解しており、引き続き「行政による水質浄化対策」も行うことも望んでいることがわかりました。 また、家庭での取り組みとして、流しに三角コーナーをおいて残飯などを流さないようにしたり、使用した天ぷら油は吸収剤等にしみこませてゴミとして処分したりするなど、川を汚さないための取り組みをしていることがわかりました。

(調査1)複数回答

(調査2)複数回答
総括
そのほか、住民が願う川のあるべき姿は、「透きとおった川」や「魚を捕って食べることができる川」、「ゴミのない川」、「化学物質に汚染されてない川」となっていました。
以上より、アンケートを通じて住民意識・関心度が高いことが分かりましたが、広報活動や啓発活動が行き届いておらず、住民が猪名川を知るきっかけや学ぶ機会を与えられていないこともわかりました。 また水質がよくないと感じている人が多いことがわかりました。
猪名川河川事務所では、今後水質改善に向けて「行政と住民が一体となった水質浄化対策」を取り組んでまいります。 また、その取り組みはホームページ等で情報発信していく予定です。
この記事に関するお問合せ
工務課 072-751-0999