事務所の仕事

猪名川の調査

 生き物を通じて猪名川の状況を把握するために、種や分布、生息数など、様々な調査を行っています。
 また、雨量・水位・流量の定期観測や水質の定期調査を行い、猪名川に関する多様なデータを収集しています。

河川水辺の国勢調査

 河川水辺の国勢調査は、生き物を通して河川の状況を把握するために行う全国規模の河川環境調査です。
 平成2年より8項目について調査を実施しています。

魚介類調査

平成12年度の調査では、28種類の魚が確認されました。ゆるやかな流れに生息し、小さな底生動物を食べる魚が多いのが特徴です。
いちばん多いのはオイカワで、次にギンブナ、カワヨシノボリと続きました。

オイカワ 全長約15cm。中・下流域に広くすんでいます。

底生動物調査

川底に生息する水生昆虫や貝類、甲殻類を調査。
平成12年度の調査では、109種の水生昆虫や貝類、甲殻類が確認されています。

両生類・は虫類・ほ乳類調査

平成15年度の調査では、両生類は1目2科4種、は虫類は2目4科8種確認されています。
両生類ではウシガエルが圧倒的に多く、は虫類ではアカミミガメやカナヘビが多くいます。

ウシガエル 体長約12cm。

鳥類調査

平成13年度の調査で、12目73種の鳥たちが見つかっています。河口や堰付近ではカワウやカモ類、中州等の水際ではサギやチドリ類が、またグラウンドなどのある高水敷ではスズメやムクドリなどが多数見られます。

ハクセキレイ 地上を歩きながらエサをとっている姿が観察できます。

陸上昆虫類調査

平成14年度の春・夏・秋の3回に分けて調査したところ、全部で602種類が確認されています。
夏が最も種類が多く、次に春が多くなります。

クロヤマアリ 広い地域で見られます。巣は深い土の中にあります。

植物調査

平成16年度の調査で347種の植物が確認されましたが、そのうち129種が外来種となっています。
堤防にはセイタカアワダチソウやセイバンモロコシ群落が多く、高水敷にはセイタカアワダチソウやセイバンモロコシ、アレチウリ、ツルヨシ、セイタカヨシなどの群落が多くなっています。高木ではジャヤナギ、アカメヤナギ群落が多く生息しています。

アレチウリ群落

ヨシ群落

河川調査

水質や生息生物を上流・中流・下流ごとに調査。わんどや瀬・淵も調べます。
平成12年度には、淵50カ所、瀬8カ所を確認しました。

河川空間利用実態調査

都市の中の緑地ゾーンとしての河川空間の利用状況を調べます。河川敷の公園やグラウンドなどの数と広さ、利用者数も調べます。
平成15年度には、利用者数延べ317万人(スポーツ34%、つり6%、水遊び2%、散歩など57%)、公園・グラウンド合計面積30ha、公園数10カ所でした。

雨量・水位・流量の観測

猪名川流域の年間降水量は、1200-1500mm程度、11月-2月の降水量は少なく、梅雨時の6-7月と9月に雨量が増えます。また豪雨の時の洪水流出は非常に早いため、水害が発生する危険があります。
猪名川河川事務所では、洪水や渇水にそなえ、治水・利水計画を策定したり日々の管理に必要な基礎データとするため、日々の雨量や水位、流量を観測しています。

  • 雨量観測所 5カ所
  • 水位流量観測所 9カ所

雨量ます

水位観測施設

流量観測状況

水質の調査

 川の水質を調査することは、公共の川としての水質を監視するという目的に加え、人と河川との豊かなふれあいや豊かな生態系の確保、利用しやすい水質といったことを確保するためにも重要なことです。
猪名川では流域9地点において定期的に河川の水質調査を行っています。
銀橋と軍行橋の2地点においては水質自動監視装置を設置し、pHや濁度などについて24時間監視しています。

河川の水の採取

水質自動監視所(軍行橋)

水質自動監視装置

この記事に関するお問合せ

工務課 072-751-0999