「近畿歴史まちづくりサミットin和歌山」を開催しました

 令和7年10月18日(土)和歌山県和歌山市において「近畿歴史まちづくりサミット in 和歌山」を開催しました。

 歴史まちづくりは、平成20年に公布・施行された、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(通称:歴史まちづくり法)」に基づき、歴史的風致(=地域の固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境)の維持向上を図ることを目的として、主に市町村により実施されてきました。
 近畿歴史まちづくりサミットは、歴史まちづくり法に基づき、歴史的風致維持向上計画を作成し国の認定を受けた都市や、歴史まちづくりに熱心に取り組んでいる都市の関係者が一堂に会し、歴史文化資源の宝庫である近畿地方において歴史まちづくりの機運を高めるとともに、観光振興など歴史まちづくりに関する取組をより一層強化しようとするもので、今回で9回目の開催となり、地元和歌山市をはじめ、各地から約300名の方々が来場されました。
  • サミット
    和歌山市副市長の挨拶
  • サミット
    近畿地方整備局副局長の挨拶

〇サミット内容

 サミットのプログラムは、和歌祭保存会のメンバーにより、400年の歴史を持つ和歌祭の奉納芸能「唐船(とうぶね)・御船歌(おふねうた)」の披露から始まり、会場内は大きな拍手で包まれました。その後、有識者による「基調講演」と3名の歴史的風致維持向上計画認定都市の代表による「パネルディスカッション」が行われました。
 基調講演では、滋賀県立大学名誉教授である中井 均氏から、「豊臣兄弟とライバルたち~織豊期の城とまちづくり~」と題して、和歌山市、大津市、宇陀市における豊臣兄弟や、ライバルの明智光秀などが関わった城や城下町の歴史についてお話しをいただいたうえで、豊かな歴史に育まれたまちに住む誇りや、歴史的資源における活用の重要性をご説明いただきました。
  • サミット
    和歌祭保存会による和歌祭奉納芸能
  • サミット
    中井 均先生の講演
 パネルディスカッションでは、中井氏をコーディネーターに、 犬塚 康司 和歌山市副市長、北澗 弘康 大津市副市長、金剛 一智 宇陀市長をパネリストとして迎え、「豊臣兄弟の城とまちづくりから、現代のまちづくりへ」をテーマに意見交換が行われました。
 意見交換では各パネリストから、”訪れる人”と”住む人”のそれぞれの観点から、インバウンド戦略についてや、歴史的なまちに住む住人へのメリットや魅力はどういったように考えているのかという点について意見が交わされました。
 中井氏からは、「訪れる人も住む人にも魅力を伝えるため歴史的資源をもっと活用してほしい。歴史まちづくりは数年後にはもっと素晴らしいものになっている。」と総括いただき、近畿全体で歴史まちづくりの機運を高める有意義な場となり、盛況のうちに幕を閉じました。
サミットパネルディスカッションの様子
サミット記念撮影
来年度の近畿歴史まちづくりサミットは、「堅田」、「坂本」、「大津百町」といった3つの歴史的重点区域を有し、国府、里坊群・門前町、城下町、港町、宿場町など様々な顔を持つ滋賀県大津市で開催予定です。
次回のサミット開催を楽しみにお待ちください。
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