環境整備の取り組み
環境整備の取り組み
木津川の砂防では、環境に配慮した山腹工や床固工を積極的に実施しています。これらの工事は、地域の自然環境を保護しつつ、氾濫や土砂災害からの防止に向けて重要な役割を果たしています。特に山腹工は、斜面安定化を促進し、自然の生態系を保持しながら地域の安全を確保するために、最新の技術と環境配慮型の設計を採用しています。一方、床固工は、水流制御を通じて河川の流れを調整し、地域住民の生活基盤を守るために不可欠な役割を果たしています。木津川の砂防工事は、持続可能な開発と地域コミュニティの安全を両立させる重要な取り組みとして、地域社会に広く貢献しています。
山腹工の役目
山腹工は、荒れた山の斜面から流れ出る土砂を未然に防ぐために行う大切な工事です。主な目的は、斜面の安定を図り、豪雨などによって発生する土砂災害のリスクを軽減することです。 この工事では、自然の力を活かすことが重視されており、植生を回復させることで、山を緑で覆い、根の張りによって地面をしっかりと固定します。こうした取り組みによって、景観を損なうことなく、生態系への影響を最小限に抑えながら、安全な山づくりを実現しています。
整備の様子
ススキなどの草本類に覆われ土砂の移動を抑制しています。
平成2年12月 施工直後
平成11年7月 施工後9年経過
間伐材を利用した山腹工
環境や景観を考え、間伐材を用いることで山腹崩壊を防ぐ工事です。 この工法は、山腹崩壊地からの土砂流出を抑制するために、間伐材を組み合わせ土砂の移動を抑制し、自然の力(風や鳥などにより種子が運ばれる)で緑を復元していくもので、使用した間伐材は、斜面に植生が回復する頃には腐食して土に還っていきます。また、この工法は間伐材を活用することにより、コストの縮減と地域の林業振興にも寄与しています。
整備の様子
平成2年12月 施工直後
平成11年7月 施工後9年経過
床固工群の役目
川の流れにより、川底や川岸が削られるのを防ぎます。
生態系に配慮した床固工
オオサンショウウオは日本固有の世界最大級の両生類で、清流に生息します。
夜行性で、魚や昆虫を食べ、環境の変化に敏感な生きものです。現在は絶滅危惧種に指定されています。
木津川上流域には、数多くのオオサンショウウオが生息しています。 名張市滝川では、オオサンショウウオの生息が確認されたため、流量や水質、生息形態など様々な調査が行われ、できる限り生態環境を保全するよう配慮した整備を行いました。
夜行性で、魚や昆虫を食べ、環境の変化に敏感な生きものです。現在は絶滅危惧種に指定されています。
木津川上流域には、数多くのオオサンショウウオが生息しています。 名張市滝川では、オオサンショウウオの生息が確認されたため、流量や水質、生息形態など様々な調査が行われ、できる限り生態環境を保全するよう配慮した整備を行いました。
・オオサンショウウオ昇降路
床固工の落差部には、魚道とオオサンショウウオの移動の阻害にならないように、階段式やロープ式の昇降機を平成3年に設置しています。また、底面には割石を植え込んだり、平らな部分を設けて、オオサンショウウオの移動中に休息ができるようにしています。
・人口産卵巣穴
護岸下部に設けた横穴を出入口とするオオサンショウウオの巣穴を作っています。巣穴の中には砂利を敷き詰め、オオサンショウウオが生息産卵しやすい状態を作っています。
・生息調査
施工した区間を中心に、オオサンショウウオの生息環境(人口巣穴・繁殖移動等)の保全に関する追跡調査を実施しています。追跡調査では昇降機の利用確認や産卵直前の雌を川岸横穴方式の人口産卵巣穴で確認しました。また、施工区間の下流ではオオサンショウウオの分散期(冬季)に幼生を確認しています。