「地下水検討委員会」の報告及び第1回「文化財検討委員会」
(平成14年3月27日開催)
■京奈和自動車道について
 京奈和自動車道について  京奈和自動車道は、京都市から奈良市等を経て和歌山市に至り、関西大都市圏の外郭環状道路の機能を有する、延長約120kmの高規格幹線道路であり、現在、早期完成を目指し、奈良県内、和歌山県内で整備を推進しています。
 平成12年4月に全線開通した京奈道路から西名阪自動車道以南で事業を進めている大和御所道路までの区間は、基本計画の策定を行うため、現在、国土交通省奈良国道工事事務所において、大和北道路として調査・計画を進めています。



■調査の状況と課題
 大和北道路の調査・計画については、大きくは、
  1. 国道24号奈良バイパス周辺を中心とした「中央エリア」

  2. 春日山周辺の山地部を中心とする「東側エリア」

  3. 奈良市・大和郡山市西部の「西側エリア」
のエリアにおいて、大和平野周辺部も含め、幅広く、現況土地利用、土地利用計画、文化財分布、沿道環境などを勘案し、検討を進めています。  
 特に、「中央エリア」の北部地域においては、既成市街地および世界文化遺産の「平城宮跡」をはじめとするきわめて重要な文化財が数多く存在していることから、この地域でルート・構造を検討するためには、埋蔵文化財保護の観点から、埋蔵文化財や地下水の現況を正確に把握したうえで、道路建設と地下水挙動との関係について予測・評価するとともに、埋蔵文化財に対する配慮事項を明らかにする必要があります。

■地下水検討委員会
 このため、平成13年7月には、地下水や土質等の専門家からなる「地下水検討委員会」を設置し、地下水の現状分析や、道路建設と地下水挙動との関係について検討を行い、委員会報告書としてまとめられました。
(参考)
 
座 長 京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻教授 大西有三
  奈良教育大学教育学部理科教育講座教授 谷口真人
  東京大学工学系研究科地球システム工学専攻助教授 登坂博行
  岡山大学環境理工学部環境デザイン工学科教授 西垣 誠
  独立行政法人土木研究所材料地盤研究グループ長 三木博史

■報告書の入手方法
「地下水検討委員会」報告書へ

■文化財検討委員会について
 地下水検討委員会による検討結果等を踏まえつつ、道路建設における埋蔵文化財保護の観点からの配慮事項について、文化財等の専門家のご意見をいただくため、「文化財検討委員会」を設置します。
○文化財検討委員会メンバー
 
  京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻教授 大西有三
  独立行政法人奈良文化財研究所平城宮跡発掘調査部長 金子裕之
  学習院大学文学部史学科教授 笹山晴生
  岡山大学環境理工学部環境デザイン工学科教授 西垣誠
  東京大学工学部都市工学科教授 西村幸夫
  独立行政法人土木研究所材料地盤研究グループ長 三木博史
  奈良県教育委員会教育次長 奥家孝彦
  奈良市教育委員会社会教育部長 西久保武志

■今後の予定
 今後さらに、これら検討委員会での検討結果を基礎資料とし、「西側エリア」「中央エリア」「東側エリア」の幅広い範囲において「PIプロセス」を導入し、計画策定を図ります。
PI(パブリック・インボルブメント=市民参画)プロセス
 基本計画決定までの手続きの透明性、客観性、公正さを確保するために、計画の早い段階、すなわち構想段階から、情報を公開し、計画の必要性、行政が提示した基本計画原案の妥当性等に関する市民、関係する地方公共団体等の意見を把握し、合意形成を図る手続き。

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