1.会議設置の背景
- (1)都市再生本部における「海の再生」
- 都市再生本部においては、都市環境インフラとして、水質汚濁が慢性化している大都市圏の「海」の再生を図るため、都市再生プロジェクト(第三次決定、H13.12)に「海の再生」を位置付け、東京湾再生推進会議において、先行的に東京湾奥部について、行動計画の策定を行ってきている。
- 歴史的に東京湾より早く都市化が進んだ大阪湾の再生についても、近畿地方整備局・大阪府を中心に国の関係機関や関西圏の2府4県3政令市で構成する「大阪湾再生プロジェクトワーキンググループ」において、検討を進めてきた。
→ ワーキングの経過
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- 平成15年6月26日の都市再生本部会合において、「『大阪湾再生推進会議(仮称)』を設立して大阪湾再生に取り組む予定」とされた。
- (2)都市機能の拡大と水質汚濁の慢性化
- 京阪神都市圏は、古代から大阪湾と大きな関わりをもって発展してきており、また平野部が狭く、江戸時代から新田開発などのために大阪湾の干潟や浅場を埋め立て、都市機能を拡大してきている。その一方で、干潟・藻場などの自然海岸や浅海域を喪失してきており、現存する干潟は約15haに縮小している状況であり、このため、沿岸域における水生生物の生息空間が少なく、海の自然浄化能力が低下し、水質汚濁が慢性化している。
- (3)大阪湾の特徴に着目した水環境の改善
- 大阪湾は、東京湾よりやや大きく、明石海峡で播磨灘と、紀淡海峡で紀伊水道と2ヶ所の開口部を持つ閉鎖性海域であり、和泉葛城山系、六甲山系など森林等が近接し、淀川水系、大和川水系などとともに琵琶湖まで含めると関西圏の大きな水循環体系を形成しており、その中心に大阪湾が位置している。これまで大阪湾に流入する汚濁負荷の削減を実施してきたが、今後、大阪湾の特徴に着目し、さらなる陸域からの流入負荷削減対策の強化や海域における良好な環境の回復による水質浄化対策など、水環境の改善対策の検討を行う必要がある。
- (4)自然空間・親水空間の回復・創造
- 大阪湾臨海部においては、港湾再開発、港湾緑地の整備等により徐々にパブリックアクセス・親水性の改善が図られているが、依然として工場等の産業系の土地利用が多く、住民のパブリックアクセスは制限されているところが多い。親水性を求める住民ニーズが高まる中、大阪湾の水環境の向上を図り、沿岸域に自然空間・親水空間を回復・創造するなど、「海と都市のかかわり」に重点を置くといった総合的な「海の再生」が求められている。
- (5)「大阪湾再生推進会議(仮称)」の設置
- 大阪湾では、これまでも「瀬戸内海環境保全特別措置法」「大阪湾臨海地域開発整備法」などにより、瀬戸内海の特殊性に配慮した水質保全やベイエリアの活性化が図られてきている。また、「近畿広域戦略会議」において、琵琶湖・淀川水系から大阪湾に繋がる、水と緑のネットワークの創出に向けた「三都を結ぶ『水の都』の復活」が連携プロジェクトとして提示されている。
- こうした先駆的な取り組みを踏まえ、本年3月に京都・滋賀・大阪で開催された「第3回世界水フォーラム」を契機として、関西圏の行政機関等が横断的かつ広域的に連携して、大阪湾の再生を図るための行動計画を策定し、その効果的な推進を図るため、「大阪湾再生推進会議(仮称)」(以下「推進会議」)を設置するものである。
2.推進会議の目的及び個別検討項目
【推進会議の目的】
- 目的 :
- 大阪湾の特徴に着目した、さらなる陸域からの流入負荷削減対策の強化や海域における良好な環境の回復による水質浄化対策など、大阪湾の水環境の改善対策を講じることにより、「海と都市のかかわり」に重点を置く総合的な海の再生を目指す
- ●「大阪湾再生行動計画(仮称)」(以下「行動計画」)の策定
- ●行動計画の推進とフォローアップ
【個別検討項目】
- ●より的確な大阪湾の水環境の現状の把握
- 貧酸素水塊の発生メカニズムの把握
- ●住民の視点に立ったアウトカム目標の設定
- 大阪湾の水環境を分かりやすく示す指標の検討
- ●さらなる陸域からの流入負荷削減対策の検討
- 下水道等の生活排水処理施設普及の推進
- 窒素・リンの除去等、処理水質向上のための高度処理の導入
- 雨天時の汚濁負荷を削減するための合流式下水道の改善
- 河川浄化施設の整備
- 森林の適正な整備
- 面源系負荷の低減対策の推進
- ●失われた良好な環境の回復手法の検討
- 沿岸域における緑地、干潟、浅場、藻場等の創造・回復
- 汚泥の浚渫、覆砂等の底質改善対策の検討
- 人と海のふれあい(パブリックアクセス)の確保
- ●沿岸域管理手法や総合モニタリング手法の検討
- 住民・NPO・行政機関が一体となった沿岸域管理手法の検討
- 総合的・広域的なモニタリングのネットワーク化の検討
- 水環境向上の観点からの臨海部土地利用のあり方の検討
- ●水環境の改善のための実証調査・社会実験の実施
- 新たな水環境改善方策を検討するための実証調査及び社会実験の実施
- ●産学官による新たな技術開発の推進
- 大阪湾再生に向けた技術開発の推進
- 技術開発等を通じた環境関連産業の振興
- ●大阪湾再生に向けた制度改善提案
- 大阪湾再生に向けた制度上の隘路の改善方策の提案
→ 「大阪湾の再生」イメージ
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- 大阪湾再生に向けた制度上の隘路の改善方策の提案
3.推進会議の構成と運営
- (1)推進会議の位置付け
- 推進会議は、都市再生本部(第三次決定)での、「大都市圏における都市環境インフラの再生、『海の再生』」に基づき、大阪湾の総合的な海の再生を中心に検討
- 推進会議は、都市再生プロジェクトの推進を図るものであることから、国と9府県市の連携の場である京阪神都市圏再生会議に位置付け
→ 京阪神都市圏再生会議
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- (2)推進会議の構成
- 推進会議は、具体的な施策を担当する以下の行政機関(国及び地方公共団体)等により構成
→ 「大阪湾再生推進会議」の構成[ new ]
- (3)推進会議の運営
- 推進会議の事務局は、国土交通省近畿地方整備局に置く。事務局の運営には、大阪府及び(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構が協力。事務局は、必要に応じ、都市再生本部事務局と連携
- 専門的検討等を行うため、推進会議の下に幹事会を設置
- 行動計画の円滑な策定のため、必要に応じ、幹事会の下にW・Gを設置
4.スケジュール
年 月 日 | 会 議 名 | |
---|---|---|
(平成15年) | ||
7月28日 | 第1回大阪湾再生推進会議 | |
(平成16年) | ||
3月26日 | 第2回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
大阪湾再生行動計画決定 (大阪湾再生推進会議最終とりまとめ) |
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(平成17年) | ||
3月30日 | 第3回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
(平成18年) | ||
3月30日 | 第4回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
(平成19年) | ||
1月26日 | 第5回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
12月15日 | 大阪湾再生シンポジウム | → 「概要」 |
(平成20年) | ||
3月19日 | 第6回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
(平成21年) | ||
3月5日 | 第7回大阪湾再生推進会議 | → 「会議の概要」 |
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