![]() ![]() ![]() コジイ・スダジイ(別名:下記参照) |
科名 : ブナ |
初級 |
分類 : 照葉樹 |
何千年もの昔、人の手が入らなかった時代の六甲山にも原生林が発達していました。海抜の低い、より温暖で湿潤な場所では、シイが優占する照葉樹林がおおっていたと考えられています。その原生の片鱗を残しているのが今のシイ林(コジイ−カナメモチ群集)であり、コジイやスダジイの大木です。 別名はコジイがツブラジイ、スダジイがイタジイです。
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葉はやや先のとがった水のしずくのような形をしています。葉の裏面は金色っぽい光沢があり、独特の色をしています。 |
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5月の終わり頃、常緑で緑であるはずのシイノキが淡く黄色に色づきます。これは花が枝先でいっせいに開花しているからです。この時期、天竜寺などに出かけると甘い香りが漂ってきます。 |
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皮をむくと白いデンプン質のものが出てきて、そのまま食べてもほんのり甘い味がします。フライパンなどで炒ると、さらにおいしくいただけます。 |
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コジイ、スダジイの大木が残っているのは、再度山の天竜寺や摩耶山の天上寺跡周辺だけです。また、その周辺には幼木や低木が確認されています。 |
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シイの大木が残る林は、原生のなごりです。人の活動が活発になるにともない、山を切り開いていく過程で、畏敬の念を込め社寺を建立し、本来の自然を社叢林として残しました。そのため、六甲山の樹木の過度の利用により林がなくなり、はげ山となったときでもその林は残されていました。シイの大木が残る林は、六甲山の原風景として、また、過去の植生を知るうえでの学術価値の高い場所でもあります。
自然林 | 二次林 | 人工林 | |||||||||
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群落 略称 |
ブナ | ウラジロガシ | コジイ | アラカシ | ウバメガシ | アカマツ | コナラ | エノキ | オオバ ヤシャブシ |
ニセ アカシア |
スギ |
分布 | − | ◎ | ★ | − | − | △ | △ | − | − | − | − |
− | コジイとスダジイの見わけ方は非常に難しいです。わかりやすいのは、コジイの果実は小さく、丸みを帯びるのに対し、スダジイの果実は大きく、細長い形状です。また、一般にはコジイの樹皮はほとんど割れないのに対し、スダジイの成木の樹皮は、縦に深く割れていますが、中間的なものもあります。 |
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