とじる
葉の形:単葉葉の付き方:束生葉の縁:全縁

イヌビワ

科名 : クワ
中級
分類 : 夏緑樹
 

この樹木について

イヌビワは秋にイチジクを小さくしたような果実をつけます。この果実は食べることができますが、タネがいっぱい詰まっていて、味もさほどおいしくありません。名前の由来は、果実がビワに似ていても、ビワほど食用には向いていないことからきているといわれています。みなさんもイヌビワの果実を見る機会があれば、イチジクに似ているのか、ビワに似ているのか、どちらか観察して見て下さい。

ここがポイント

見る 葉は楕円形、おしりはハート形にくぼみます。
紅葉の時期には、オレンジがかった黄色になり、きれいです。
触る 小枝に傷をつけると白い乳液がでます。試してみましょう。

六甲山での分布と環境や植生との関係

分布 エノキ−ムクノキ群集を識別する樹木の一つです。山麓部の谷筋や斜面下部などのやや湿った立地に多く分布しています。

イヌビワは雄花と雌花が別々の樹に咲く樹木です(植物の世界では、同じ木に雄花と雌花があることが多いです)。花は初夏に咲きます。しかし、見ることはできません。なぜかというと、花は果実の中で咲くからです。では、雄花と雌花がわかれていて、しかも花は果実の中にあるのにどうやって受粉しているのでしょうか。 その答えは、「イヌビワコバチ」という小さなハチが花粉を運んでいるからです。この「イヌビワコバチ」は、小さな隙間から雄花に入り込み、その果実の中で産卵します。成虫になると、ハチは外に出ていき、次の果実を求めて飛んでいきます。運良く雄花に入れれば、そのまま産卵できますが、運悪く雌花に入ってしまうと、産卵もできず、出ることもできずに、閉じこめられてしまうのです。出よう出ようともがくほど、自分が生まれた花を出るときに体についている花粉をめしべに振りかけていることになり、受粉が行われます。イヌビワの雄花は「イヌビワコバチ」の育児を、雌花はイヌビワの種子の生産を行っていると考えられます。

  自然林 二次林 人工林
群落
略称
ブナ ウラジロガシ コジイ アラカシ ウバメガシ アカマツ コナラ エノキ オオバ
ヤシャブシ
ニセ
アカシア
スギ
分布

よく似た樹木

六甲山では特にありません。