とじる
葉の形:単葉葉の付き方:互生葉の縁:鋸歯

ヒサカキ

科名 : ツバキ
初級
分類 : 照葉樹
 

この樹木について

六甲山で照葉低木といえばこのヒサカキです。どこにでも生育していて、ときには繁茂しすぎてしまいます。その結果、林床に光があまり届かず草本や芽生えが生育できなくなるため、植物の種多様性低下が懸念されています。名前の由来は「姫サカキ」がなまったものだといわれています。神事に用いるサカキが少ない地方では、代用品としてヒサカキが使われたそうです。

ここがポイント

見る 秋から冬にかけて、黒い小さな果実をたわわにつけている姿に出会います。そうかと思うと、まったく果実のついていない木も見かけます。これはヒサカキの雌株と雄株が別々だからです。
嗅ぐ 春先の開花期にそばを通ると、特有の香りがします。臭く感じる人もいるかもしれません。
味わう ヒサカキはチャノキと同じツバキの仲間です。葉をあぶって炊けば香ばしいヒサカキ茶のできあがりです。

六甲山での分布と環境や植生との関係

分布 六甲山では分布範囲、分布量ともにナンバーワンを誇ります。表六甲も裏六甲も、高海抜も低海抜も、照葉樹林も夏緑林も関係なく、とにかくどこにでも生育しています。これはヒサカキがやせ地や日陰、乾燥にまでも強いことが理由の一つだと考えられます。

どの二次林にも生えています。特にウラジロガシ−サカキ群集,コジイ−カナメモチ群集,ウバメガシ群落内ではよく見られます。

  自然林 二次林 人工林
群落
略称
ブナ ウラジロガシ コジイ アラカシ ウバメガシ アカマツ コナラ エノキ オオバ
ヤシャブシ
ニセ
アカシア
スギ
分布

よく似た樹木

クロバイ 葉がそっくりなクロバイとは葉の先端で区別します。よく見ると、ヒサカキの葉の先端はへこんでいて、へこまないクロバイと見わけるのは容易です。