とじる
葉の形:単葉葉の付き方:対生葉の縁:全縁

クマノミズキ

科名 : ミズキ
初級
分類 : 夏緑樹
 

この樹木について

谷沿いの崩れやすいところに生える高木です。梅雨頃、白く小さな花が集まって咲きます。大木になるため、花は林の中からよりも林の外側から見たほうがよくわかります。谷筋に沿って黄みがかって咲いているのがこの花です。名前は三重県熊野地方に生育するミズキという意味からきています。

ここがポイント

見る 花の軸は実が熟していくとともに赤くなり、まるでサンゴのようになります。10月頃に谷沿いを歩くと、足元にたくさん「山のサンゴ」が転がっているのを見つけることができるでしょう。
触る 葉を脈と同じ方向に引っ張ってちぎると、脈の部分が糸を引きます。これは、ミズキの仲間(ミズキ科)に共通してみられる特徴です。

六甲山での分布と環境や植生との関係

分布 六甲山では広範囲に見られます。

エノキ−ムクノキ群集の中心となる樹木です。常に水のある大きな谷よりも、かつて崩れたことのある小さな谷でよく見かけます。これは、崩れて裸地となったところに、種子が鳥によっていち早く散布され、定着したためであるからと考えられす。エノキ、ムクノキの種も同じように鳥に運ばれます。エノキ−ムクノキ群集は、このように、裸地に種が運ばれてできていく群落のようです。

  自然林 二次林 植林
群落
略称
ブナ ウラジロガシ コジイ アラカシ ウバメガシ アカマツ コナラ エノキ オオバ
ヤシャブシ
ニセ
アカシア
スギ
分布

よく似た樹木

ミズキ 葉の付き方で見分けることができます。クマノミズキの葉が対生につくのに対し、ミズキの葉は互生します。葉の付き方以外はとてもよく似ています。
ヤマボウシ 葉を見ると区別できます。ヤマボウシは葉が円く、葉柄が短いので区別できます。