ススキ(別名:尾花) |
科名 : イネ |
分類 : 夏緑多年草 |
秋の七草のひとつで、秋を代表する草です。秋の七草とは、古くは万葉集「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花」 (山上憶良)に詠まれた草で、ススキはその一つ、尾花のことです。では、この歌は、どのような風景を詠んだのでしょうか。近い景色を、東お多福山に見ることができます。山上に広がるススキ草原です。秋に行くと、ススキ(尾花:おばな)が生えそろう草原の中に、ハギ(萩:はぎ),カワラナデシコ(撫子:なでしこ),オミナエシ(女郎花:おみなえし)の花が咲いています。草原の縁には、クズ(葛花:くずばな)も見られます。フジバカマ(藤袴:ふじばかま)とキキョウ(朝貌:あさがお。今で言うキキョウ)は、残念ながら、生えていませんが、やはり草原に生える草です。つまり、万葉時代に詠まれた風景が、今の東お多福山に広がっているのです。
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ススキを根元から手折るときには、注意が必要です。ススキの葉の縁は鋭い鋸歯があり、葉の先から根元に向けて手を突っ込むと、手を切ってしまいます。 |
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ススキ自体は、六甲山全域の林縁や明るい林など、いたる所で見られます。一方、ススキの群生する草原となると、見られる場所は少なく、まとまった面積のものは東お多福山に限られます。 |
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秋の七草をはじめ、ススキ草原の中には、草花に限らず、蜜や花粉を食べにくる昆虫も多く暮らしています。この生き物の豊かな草原は、刈り取りや場合によっては山火事など、樹木の侵入が妨げられることではじめて維持されます。今は、神戸市側の一部で定期的に刈り取られが行われることで、かろうじて維持されているような状態です。
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群落 略称 |
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ニセ アカシア |
スギ |
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