とじる

クズ

科名 : マメ
分類 : 夏緑藤本
 

この植物について

繁殖力の旺盛なツル植物です。団地や道路の法面を一面におおってしまって、ほかの植物を相容れない様などは、まるで侵略的な外来種のようです。でも、クズは、秋の七草(ススキを参照)の一つとして詠まれているように、古くは万葉の時代から親しまれてきた植物です。ツル状の茎はカゴを編む材料、根はくず粉や葛根湯(かっこんとう)の材料など、利用価値の高い植物だったのです。クズの繁茂は、手入れされない土地が増える一方で、利用されなくなってしまった、現在ならではの問題かもしれません。

ここがポイント

嗅ぐ 9月頃に咲くクズの花は、グレープジュースの香りがします。香りに敏感な人は、道を歩いていて、風に乗って運ばれてくるクズの香りに気づくでしょう。
触る ツルを使って、カゴを編むことができます。晩冬なら、クリスマスのリースに最適です。

六甲山での分布と環境や植生との関係

分布 林縁や法面を中心に、六甲山のいたる所で見られます。少ないながら、群落を問わず林の中にも生育し、まさしくどこででも見られる種です。

時間が進むと共に植生は、草原から低木林へ、低木林から高木林へと遷移していくのが普通です。一方、クズが繁茂した所では、長期間にわたって遷移が止まってしまいます。クズ1種がベッタリと繁茂し、ほかには何も生えないといった状態が続いてしまいます。例えば住吉川沿いには、四半世紀にもわたって続いている所もあります。

  自然林 二次林 人工林
群落
略称
ブナ ウラジロガシ コジイ アラカシ ウバメガシ アカマツ コナラ エノキ オオバ
ヤシャブシ
ニセ
アカシア
スギ
分布

よく似た植物