和歌山県が目指す将来像 |
■京阪神都市圏との連携強化を背景とした産業振興とこれによるいきいきとした活力ある地域づくり |
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- 京阪神都市圏との広域連携の強化は、観光客の誘致や農林水産業のマーケットの拡大など、産業振興に伴う地域活性化に結びつく。
- 高速道路の整備により、京阪神都市圏との時間短縮を図り、その恩恵を県域全体に波及させて地域活力を向上することを目指す。
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■豊かな自然資源、歴史文化資源を保全活用した魅力ある地域づくり |
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- 豊かな自然資源、歴史文化資源は和歌山県の貴重な財産であり、これらはそのまま基幹産業でもある観光産業の資源となっている。
- 将来にわたって、「新しいふるさと」として、和歌山県の魅力を発揮していくため、これらの資源を保全するとともに、有効に活用した地域づくりを目指す。
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■自然災害に強い安全な県土づくり |
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- 和歌山県は台風の通過ルートに位置しており、毎年多くの被害が見られ、道路損壊などの通行障害も発生する。さらに近年は東南海南海地震発生の可能性も指摘されている。
- このような自然災害の発生に備え、県民の安心安全な暮らしを支える社会基盤施設の整備を促進し、災害に強い県土づくりを目指す。
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■様々な顔を持つ県内各地の豊かな個性を活かしたまちづくり、地域づくり |
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■社会基盤施設整備の遅れを取り戻し、快適で安心安全な暮らしづくり |
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- 和歌山県の道路をはじめとする社会基盤施設の整備は全国水準から見ても大きく立ち遅れている。
- このようなインフラ整備の遅れを取り戻すことは、社会的公平性の観点からも重要であり、これらの施策の迅速な実施により、日常生活の利便性を向上させ、豊かな環境を守るとともに、災害や医療など様々な面で安心できる暮らしの実現を目指す。
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提 言 |
■道づくりの基本的な考え方 |
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(1) 広域的な連携を強化するとともに、産業の活性化を図り、豊かな県土づくりを進める道づくり
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和歌山県の高速道路の整備延長は僅か24.4qと大きく遅れており、早期に整備を促進することが和歌山県の地域活性化、産業の振興にとって重要な課題となっている。
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このため、京阪神都市圏をはじめ、中部関東都市圏も視野に入れた広域的な連携を強化するとともに、観光や農林水産業の振興を図り、豊かな和歌山県を創造する基盤施設として、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、府県間道路等の整備を促進する。
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また、高速道路の恩恵ができるだけ県内の広いエリアに波及するよう、インターチェンジへのアクセス道路も併せて整備する。
(2) 日常生活の利便性を向上させ、快適で安心安全な県民の暮らしを守る道づくり
(3) 他の交通機関との有機的連携により交通の円滑化を図り、地域の活力を引き出す道づくり
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■目指すべき道づくりの方向 |
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(4) 急峻な地域に道路が通っている和歌山県の特性を踏まえたリダンダンシーの高い災害に強い道づくり
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道路はライフラインとして大きな役割を担っており、異常気象時の通行規制、道路損壊は県民の生命に関わる重大な問題となる。
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また、近年は東南海南海地震発生の可能性も指摘されており、このような災害時には現道が寸断され、海と空しかルートがないという事態も想定される。
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このため、海岸から山地までの僅かなスペースに道路が通っているなど、和歌山県の地域特性を充分に考慮した、代替ネットワークや強固な構造、さらに先端技術を用いた危険予知システムなど、災害に強い道路の整備を進める。
(5) 画一的ではなく、それぞれの地域のイメージを活かすまちづくりに寄与する道づくり
(6) 和歌山県の魅力である観光産業を活かすとともに、人と人との新たな交流を促進する道づくり
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観光は和歌山県の基幹産業であり、近隣のエリアだけではなく、全国やアジア諸国をはじめとする海外からの観光客もターゲットとなっている。このため、京阪神地域や中京都市圏からの利便性の高い広域観光高速ネットワークを形成するとともに、県内に分布する観光地を結ぶ周遊ネットワークの形成も促進し、観光産業を活かすための道づくりを進める。
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さらに、観光交流にとどまらず、様々な面で人と人との出会いを創出し、新たな交流を促進する道づくりを進める。
(8) 貴重な観光資源である豊かな自然環境を保全し、環境への負荷を軽減する
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■望ましい道づくりを実現するために |
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(10) 地域の実情に応じた道づくりの基準を設定し、効果的で迅速な道路整備に努める
(11) 限られた予算を効率的に配分し、的確で有効な投資を行う
(12) 道路整備に関わる情報を開示し、県民と行政が相互に協調して道づくりを進める
(13) 経済効率だけではなく、社会的公平性の観点から道路の整備優先順位を設定する
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道路は生存権を保証する重要な施設であり、私人の負担で整備維持できない公共財である。
また、都市部、地方部それぞれの交通手段の現状を見ると、都市部では自動車以外にも公共交通網が発達し、様々な移動手段の選択が可能であるのに対し、地方部では自動車が事実上唯一の交通手段になっている。このため、地方部の道路の持つ重みは大都市部より高いと言える。
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したがって、経済効率や人口、需要の多少だけではなく、住民の生活を守るなど、社会基盤としてあるべき姿、社会的公平性から道路の整備優先順位を設定すべきである。
(14) 短期的な事業効果だけではなく、中長期にわたる効果も評価する
(15) 道路特定財源制度の意義、仕組みを理解し、道路財源に関する県民の声をアピールする
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