高島市針江 生水の郷(しょうずのさと)に愛らしく咲く梅花藻(ばいかも)

高島市針江 生水の郷に愛らしく咲く梅花藻

 古い町並みの中を水路が流れる高島市新旭町針江地区。安曇川の伏流水を源とするわき水を大切に使い、昔ながらの生活を続ける町の人々の暮らしぶりが、いま注目を集めています。地域が育み、受け継いできた水への想いを象徴する川端(かばた)のある風景。川端とは、こんこんと自噴するわき水を引き込んだ、いわば屋内の井戸端です。わき水は、壷池に溜められ、調理や洗い物に利用されます。そして、使い終わった水は、コイの泳ぐ端池(はしいけ)から水路へと流れ出ます。このコイが米粒や野菜くずなどを食べ、水をきれいにしてくれます。
毎年、夏の初めになると、町中を流れる針江大川の中に愛らしい白い小さな花を見つけることができます。まるで、水中に咲く白梅のように見えることから名付けられた梅花藻の花です。梅花藻は、1年を通して水温が一定したきれいな水の中でしか育たないため、水の汚れの指標ともなる植物です。身近な水路や河川に梅花藻の咲く針江の町は、まさに豊かな水の郷。現在、針江地区では、地域の人たちが「針江生水の郷委員会」をつくり、全国から訪れる人たちを案内するエコツアーをボランティア活動として運営しています。 毎月、第2・4土曜に開かれるツアーでは、針江の集落や川端をはじめ、ヨシの群生地や当地区の湖岸を中心に進められている水環境の再生プロジェクトを見学することができます。昨年は約2,000人が、このツアーに参加し、地域に息づく人と水の絆に触れ、豊かな自然への想いをあらたにしました。

梅花藻(ばいかも)

梅花藻
写真提供:
(社)びわこビジターズビューロー

キンポウゲ科の水生多年草。
水の流れにゆらぐ細い葉の上に浮かぶように、7〜8月頃に直径1.5センチほどの小さな白い花をつける。また、水温が15℃〜20℃に保たれる清流にしか生育しない。
お問い合わせ先:針江生水の郷委員会 TEL.090-3168-8400


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