琵琶湖及び周辺河川環境に関する専門家グループ制度 第1回水陸移行帯ワーキンググループ会議

議事のまとめと今後の方針

1.議事次第

議事次第

  1. 開会
  2. 挨拶
  3. 専門家グループ制度について
  4. 議事
    1. 第1回姉川・高時川河川環境WG会議 議事のまとめ
    2. 本ワーキンググループの検討の流れと今回の説明内容
    3. 瀬切れ発生のメカニズム
    4. 琵琶湖水位と丹生ダムの貯水池運用の関係
    5. 高時川に必要な河川流量の検討
  5. 閉会

日時 平成16年9月1日(水)13:30〜16:00
場所 ぱるるプラザ京都 6階 会議室D

2.出席者

所属・分類 出席者氏名(順不同敬称略)
専門家グループ: 江頭教授、熊谷総括研究員、竹門助教授、鳥塚組合長、前畑総括学芸員、渡邉教授(欠席:池上教授)
琵琶湖河川事務所: 河村、酒井
水資源機構関丹生ダム建設所: 原、木戸、山本
事務局: (財)河川環境管理財団

3.使用資料

資料‐1 第1回姉川・高時川河川環境ワーキンググループ会議 議事のまとめと今後の方針 (PDF 50.1KB)
資料‐2 夏季出水時における姉川河川水の琵琶湖への流入状況 (PDF 116.2MB)
資料‐3 姉川・高時川の河川環境保全・再生に向けての検討の流れ (第1回WG資料-3補足の改訂版) (PDF 9.3KB)
資料‐4 高時川流域周辺の気象・水文 (PDF 1.1MB)
資料‐5 高時川の瀬切れの進行と解消の状況 (PDF 3.4MB)
資料‐6 高時川の瀬切れのメカニズム (PDF 2.0MB)
資料‐7 高時川流域周辺の地下水の状況 7-1 (PDF 7.7MB) | 7-2 (PDF 5.0MB)
資料‐8 琵琶湖水位と丹生ダムの貯水池運用の関係 (PDF 504.1KB)
資料‐9 高時川のあるべき姿(必要な河川流量の検討) (PDF 84.1KB)

ダムの調査検討に係わる委員会での検討スケジュール (案) (PDF84.1KB)

4.議事のまとめ

項目 1.第1回姉川・高時川河川環境WG会議 議事のまとめ
意見のまとめ
  • 「3.丹生ダム計画に関する調査検討【農業水利の現況整理】」の1つ目の「・」を次の通りに修正する。『ワーキングの名称にある“河川環境”という範囲は姉川・高時川本川及び、農業用水路関連の周辺河川や用排水路の環境も含む。』
  • 「3.丹生ダム計画に関する調査検討【姉川河川水の琵琶湖への流入状況調査】」の1つ目の「・」を次の通りに修正する。『今回の調査結果は「姉川・高時川からの雪解け水が貧酸素水塊の軽減・解消に寄与する」との仮説が必ずしも成り立つものではない。』
今後の方針、等
  • 指摘事項を修正する。
項目 2.本ワーキンググループの検討の流れと今回の説明内容
意見のまとめ
  • 「高時川に必要な流量の検討」について、流量をどうするかだけでは対策としては足りない。水質や土砂の問題も大きな項目として関わってくるが、この後の予定としてその検討スケジュールはどう考えているか。
今後の方針、等
  • 水質、土砂移動ともに次回以降に説明する予定。
項目 3. 瀬切れ発生のメカニズム
意見のまとめ
  • 今の資料に一つ足りないのは、瀬切れ現象が過去のいつ、どのように起こっていたかという情報。これが分かることで流量や河床の問題が時系列的に明瞭に分かってくると思われる。
    → 資料が乏しく定量的には難しいが、定性的にはヒアリング等を実施していて現在とりまとめ中である。
  • 河床のミクロな凹凸も瀬切れに関係するということを念頭にして、例えば蛇行波長スケールでの河床の凹凸も可能な範囲で調べて欲しい。
  • 過去の大きな出来事を把握するべきである。江戸時代末期の河床が急上昇した時の原因、田川カルバートやびわヤナができた年度とその前後の状況、田川と高時川の昔の位置と高さ関係、これらから瀬切れとの因果関係、経緯が把握できると思う。
  • 高時川頭首工付近にたまる土砂の成分がある時期から変わった。砂よりも細かい成分が多くなった。
  • 姉川・高時川周辺での蒸発量の変化を、あればまとめて欲しい。昔は滋賀県内の南北で気温の差がはっきりしていたが、近年は気温、気象の差がほとんどない。
  • 流量観測地点の選定が流量観測をしやすい場所でなされているのであれば、水の損得計算をする場合にどちらかに多くなりやすい傾向が考えられるため、観測地点の場所条件を見ておく必要はある。
  • 湧水と瀬切れの相関、使用されていない井堰もあるので、これらの影響もあると思う。
  • 井堰や頭首工の設置や改築、廃止、その後の残置した井堰の実際使用状況などと、それぞれどの程度の機能を実際に有しているかを整理して、瀬切れの平面図上に取水量とその向きがあると解釈しやすい。
  • 瀬切れの状況の整理について、灌漑期の高時川頭首工で流量が少ないときの瀬切れと、その地点で余水があるときの瀬切れとがあり、その両方のケースで整理すると分かることがあると思う。
  • 資料7の水田からの浸透量の計算について。渡邉委員が同様の試算を行っており、内容を詰めるのであれば、いろいろな資料を提供する用意がある。
  • 瀬切れは全く起こさせないのか、ある程度許容するのかという議論が必要。
  • 昔から瀬切れはある。ただ時期的にアユやマスの産卵には影響がない時期であった。近年は台風が少なかったり発生の季節がずれることで問題が起こっている。
  • 単年度の例として、アユについて平成15年度は極端に不漁であった。しかし、姉川はダムにより流量が保てたため、統計上琵琶湖のほぼ3分の1が姉川から流下したことになる。このような例もあり、河川の維持流量は漁業者としては非常に重要な問題である。
今後の方針、等
  • 上記の意見、指摘事項を参考に調査検討を行う。
  • 田川については文献があるため次回に紹介する。
  • 土砂については次回に説明を予定しているため、今回の意見も踏まえ、次回までに調査検討を行う。
項目 4.琵琶湖水位と丹生ダムの貯水池運用の関係
意見のまとめ
  • 他の例からもダム放流水はどこも富栄養化している。そこで、渇水期の維持流量としてダム放流水はアユの育つような水質を確保できるのか。
    → マクロ的な分析とシミュレーションを既に行っており、次回以降に説明する。
今後の方針、等
  • 河川管理者である滋賀県と調整し、「高時川のあるべき姿」について検討を進める。
項目 5.高時川に必要な河川流量の検討
意見のまとめ
  • 正常流量については高時川の特徴を再度整理した上で、「高時川らしさ」を出す工夫が必要である。例えば
  • アユやビワマスを生態系の評価基準とする場合、これらは産卵を雨の後の砂と砂利が混じり、河床がゆるくなった瀬で行うため、瀬の撹乱が必要になる。
  • アユとビワマスではビワマスの方が5月頃まで川で生息するため、厳しい条件となる。
  • 河道内植生が繁茂しすぎないということも可能であれば検討して欲しい。
  • このWGは河川環境の観点で「あるべき姿」を検討する。水需要他は別で検討する。
  • 水資源の問題を扱うときは、水資源そのものの長期的な展望を考慮するのかしないのかによって結果が大きく変わる場合がある。河川環境を議論するときは非常に小さい流量の話になりがちであるが、背景として水資源そのものについても考慮に入れて議論を進めて欲しい。
今後の方針、等
  • 次回以降にダム湖の水質についての資料を説明する。
項目 6.その他
意見のまとめ

(特になし)

今後の方針、等
  • 次回の開催は10/6(水)とする。
  • 欠席となる熊谷委員には個別で資料説明を行う。

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