九頭竜川流域誌


4. 水と食文化

 外国の料理が油脂の料理に対して、日本料理は水の料理であるといわれている。その水を生かした料理の原点がご飯である。九頭竜川流域は、昭和31年(1956)に福井県農事試験場が農林100号として世に出した「コシヒカリ」の原産地であり、美味しいご飯がいただける地域である。
 豆腐は、85〜90%が水分であるので、水の善し悪しが味を大きく左右する。豆腐づくりには、九頭竜川から伏流した地下水が使われている。九頭竜川流域には、約100軒以上の豆腐屋がある。
 豊かで良質な地下水といえば、地酒や醤油づくりである。特に、酒造りは水が命であり、昔から「水のいい所にうまい酒あり」といわれている。九頭竜川流域には、約40軒(平成8年)の酒造がある。
 また、そば打ちにも良水が欠かせない。九頭竜川流域には、そば屋が300軒以上ある。「越前そば」、「今庄そば」などと所によって名前が変わるが、「おろしそば」が特に有名であり、大野市では婚礼の時にも出てくる。また、そば打ちのための打ち板、打ち棒、こま板、打ち台としった打ち道具やそばを切る打ち刃物、味付けの醤油、おろしそばの材料となる自然薯、そばを入れる器なども地元の品々である。

福井が産んだ「コシヒカリ」 そば畑
福井が産んだ「コシヒカリ」 そば畑
清水を使った地酒 越前おろしぞば
清水を使った地酒 越前おろしぞば


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