九頭竜川流域誌


2.3 ダム管理

  建設省は、九頭竜川ダム統合管理事務所において九頭竜ダムと真名川ダムを統合管理している。これは、上流から河口まで水系を一貫とした効果的な洪水調節および効率的な不特定用水などの補給を行って、水資源の有効利用を図るとともに、ダム施設の適正な管理を行うことを目的としたものである。
  ダムの統合管理は、電子計算機を中心としたダム統合管理システムによって実施されている。このシステムでは、流域内の雨量・水位といった水文情報、ダム諸量等の迅速な収集、保管、流出予測計算など、ダム管理・河川管理に必要な各種の情報処理を実施することができる。


(1) データ管理システム
  データ管理システムでは、九頭竜川水系における水文(雨量・水位等)、水象(流量・水質等)、気象関係データの収集、編集、保管、情報提供を行っている。データは、テレメータなどの電気通信施設等によってオンラインで収集できる。
  データは、使いやすく、分かりやすく加工され、河川情報端末などに送って流域水文情報サービスを行うとともに、流域の状況を迅速かつ的確に監視するために役立てている。
(2) 高水管理システム
  高水管理システムは、水文・気象・ダム諸量関係データを基に電子計算機システムで処理し、出水時における適正なダム操作および九頭竜川下流の安全な流水管理を行うものである。
 流域予測システムは、九頭竜川流域を流域と河道に分割し、貯留関数法を用いて最大72時間の流出計算および河道追跡計算を行うことができる。
  ダム監視システムおよびエキスパートシステムでは、通信施設を利用した端末機により遠方でもダム情報やレーダ情報等を入手することが可能で、迅速かつ的確な管理を行うことができる。
近畿広域定性雨量分布図(前5分強度)
近畿広域定性雨量分布図(前5分強度) GDP出力結果図

(3) 低水管理システム
  低水管理システムは、不特定用水の確保を含んだ流水の正常な機能維持を監視・管理するものである。九頭竜川では、平成6年の渇水時において適切なダム管理によって、流水の維持が図られ、渇水による被害の発生を回避することができた。


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