加古川流域委員会

  
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第5回 加古川流域委員会 議事録(概要)

  • 日 時:平成20年12月18日(木) 10:05〜12:00
  • 場 所:高砂市文化会館 1階 展示集会室
  • 出席者:委員14名、河川管理者9名、自治体関係者1名、傍聴者26名

1.今回の議題について

加古川の河川整備計画に反映させる河川整備の内容について、生物の生息・生育環境、河川景観、具体的な対策の考え方について審議を行いました。

議題
河川整備内容について

2.第4回加古川流域委員会審議内容の報告

【説明概要】
加古川流域委員会庶務より、前回の第4回加古川流域委員会審議内容の確認が行われました。概要を以下にまとめます。
●今後、20〜30年間で整備する河川整備の内容を検討していく上で目標とすべき三つの洪水の選び方で、基本的に一番大きな洪水を選んでいることから、洪水選定の考え方としては妥当であることが確認されました。
●整備の具体策として、例えば、三つの洪水の中で最も規模の大きい平成16年10月洪水を対象にすると、河口干潟や闘竜灘などへの環境上の影響が懸念されるため、今後の具体的な対策検討の重要性が確認されました。

3.質問に対する回答

【説明概要】
第4回委員会での質問事項への回答が、河川管理者より行われました。概要を以下にまとめます。
●環境課題の整理(中州・ヤナギ)のご質問については、中州は加古川堰堤下流および加古川大堰下流に形成されています。中州にはヨシ群落やツルヨシ群落などがあり、鳥類、底生動物などの生物が生育・生息しています。ヤナギは上流から下流まで全川にわたって生えており、サギ類などの営巣やねぐらなどに利用されています。また樹林化が進行している場所もあります。
●選定洪水の時間分布のご質問については、前回の委員会でお示しした被害の大きい洪水の中に、長い時間に降り続くだらだら型降雨を踏まえており、比較しても、平成16年10月洪水の流量が最大であるため、選定洪水の時間分布についても考慮できていると考えています。
●河口部掘削の効果のご質問については、河口付近では、洪水時には上から流れてくる水の量が大きくなって流速が速くなり、海水を押し出して流れていきます。このため、洪水を流すための川の断面積を増やすことで、多くの流量を流すことができると考えます。
●色々な降雨パターンのピーク流量に対応していると理解できました。(道奥委員)

4.河川整備の内容について

【説明概要】
河川管理者より、平成16年の洪水を安全に流すための河川整備の内容について説明が行われました。概要を以下にまとめます。
●生物の生息・生育環境、河川景観について、前回の委員会資料に中州とヤナギを追加して再整理しました。
●干潟については、潮が引いた時に陸地になる箇所、ヨシが生えている箇所(地下茎もふくめて)と考えています。掘削箇所についてはこの干潟を改変することなく、みお筋部分を掘削することを考えています。この際、一度に掘削するのではなく、徐々に深く掘っていき、モニタリングを実施しながら順応的に工事を実施します。
●干潟の少し上流部のところにある水際植生、中州については、橋梁などの横断工作物に配慮し、河川公園として河川敷が利用されていない高水敷を最低限必要な幅を確保して掘削します。これでも流下能力が不足する場合には若干中州を掘削します。さらに上流の中州で高水敷のないところでは、ある程度低水路を大幅に改変しないといけないところも出てくると考えています。低水路を掘削する場合、魚類の生育・生息場を保全できるように、普段水が流れている部分(平水位と言います)より高い所を掘削します。また、緩やかな勾配をつけて掘削することにより、多様な水際環境が期待できるのではないかと考えられます。この際、モニタリングを実施しながら順応的に工事を実施します。
●甌穴の存在するところについては甌穴を保全した河床掘削を実施します。
●闘竜灘については、闘竜灘の露岩部を保全して、その脇の高水敷部分を掘削することで平成16年の洪水については安全に流すことができると考えています。
●古新堰堤、加古川堰堤、河合頭首工については老朽化が進んでいます。

【意見および質疑応答】
○最近、魚が減少してきている。加古川には多く木が生えており、そこにカワウが巣をつくり、魚を捕食している。掘削する際には、魚がすみやすい川づくりをしてほしい。 (池嶋委員)
○ヤナギ群落を放置するといろいろな問題が出てくる。地域を決めてローテーションで輪伐することで、ヤナギ群落の生態系を残すことができ、大きくなりすぎることもない。そのぐらいの管理をしないとヤナギ群落は残せないと思う。(服部委員)
○播州大橋から水管橋の間に木の茂っている中州があった気がする。その説明が不足していると思う。また、説明図を低木や草だけでなく大木もイメージできるものにしてほしい。(玉岡委員)
→(河川管理者による回答)空中写真をお示しし、高いヤナギが生えているようなところも整理していきたい。
○川の環境を残すことを考える際、川の歴史の中でどの時点のどのような状態の環境を残すかを考える必要がある。また今の川の状況は、堰堤のつくられた時の状況と変わっているが、今もこれらの堰堤は必要なのか。(田下委員)
→(河川管理者による回答)古新堰堤と加古川堰堤の間で何カ所か取水しています。古新堰堤がなければ、潮が上がってきます。
○河川景観も含めて、加古川堰堤、古新堰堤を整理する必要がある。(中瀬委員長)
○加古川流域に流下している土砂の量は、他の川と比べてどの程度なのか。また、河床掘削を行った箇所は、何年くらいで元に戻るのか資料を出してほしい。(田辺委員)
○流下している土砂の量を正確には把握できない。順応的にどう管理していくかの議論を行ったほうがよいと思う。データは整理してほしい。(中瀬委員長)
○河道の縦断の経年変化を見ることで、土砂量が過剰供給なのか不足なのかの評価ができると思う。(道奥委員)
→(河川管理者による回答)河道断面の経年変化から整理の仕方を検討する。
○干潟や中州は動きながら地形が維持されるところであるべきだと思う。特に干潟は現状の地形を維持するだけでは干潟の機能にならないと思う。戦後の空中写真で動きや植生はあったのでしょうか。(道奥委員・田下委員)
○干潟の変化や成長は予測できない。とりあえずつくってみて、それを順応的にどのように管理するかが最前線だと思う。(中瀬委員長)
○加古川の干潟は近畿地方で一番価値があると思う。(服部委員)
○干潟のヨシの中に貴重な貝類がまとまって生息しているのは、近畿地方ではここだけである。(畠山委員)
○加古川の干潟は、兵庫県で最も東に位置するまともな干潟であり、重要な生物が多産しているため、貴重だと考えている。(増田委員)
○水際植生で外来種が多く入り込んでいる部分は、掘削して取ってもいいと思う。ただ、ここに重要なものがあった場合には、高水敷をそのまま残して河道の中の植生だけをとるというのはおかしいと思う。(服部委員)
○闘竜灘をどう考えるかで、全体の治水計画のサイズが変わってくる。(道奥委員)
→(河川管理者による回答)闘竜灘の岩盤が露呈した横の、左岸側の高水敷を削れば、平成16年の実績洪水を安全に流下させることができると考えている。改修の効果がイメージできるように洪水時、平水時の水位を入れて示したい。
○闘竜灘周辺は、洪水時に危険性があっても、加古川の水運にとってとても大切な場所であったため町ができた。(田下委員)

5.今後の予定

次回の加古川流域委員会は1月21日(水)午後に小野市での開催を予定します。