加古川流域委員会

  
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第9回 加古川流域委員会 議事録(概要)

  • 日時 : 平成21年6月25日(木曜日) 15:00〜18:05
  • 場所 : 高砂市文化会館 1階 展示集会室
  • 出席者 : 委員11名、河川管理者12名、自治体関係者9名、傍聴者11名、報道関係者1名

 1.今回の議題について

加古川の河川整備計画に反映させる河川整備の内容について、河川管理・河川環境についての審議を行いました。

議題

(1)河川管理の内容について、(2)河川環境の内容について

 2.第8回加古川流域委員会審議内容の報告

【説明概要】

加古川流域委員会庶務より、前回の第8回加古川流域委員会審議内容の確認が行われました。
●中間取りまとめ内容について、活発なご審議をいただき、(1)さらに中身を深めていく、あるいは漏れているものを加える、(2)ごみの話とかモニタリングの話を、上流・下流を踏まえて整備する、(3)モニタリングを内包したマネジメントをどうするかという概念で詰め親水性の話も入れる、(4)連続性、歴史性の話を加える、(5)ため池のことを議論する、(6)堤防を整備に関して地元の有識者の意見をいただく、(7)内水の問題を議論する、(8)どのように地域の力を使うか議論する、という8点の条件つきで案をとり、中間とりまとめの了承を得ました。

 3.河川管理の内容について

【説明概要】

河川管理者より、河川管理の内容およびため池の役割について説明が行われました。概要を以下にまとめます。
●今後20年から30年間の加古川の整備計画における河川の維持管理について、河川管理、危機管理、地域と連携した河川管理という3点で説明します。
●ため池は、農業用水源、洪水緩和、生態系保全、親水空間、文化伝承、景観形成、地下水涵養、防火用水等多面的な機能を保持しています。このため池の役割を認識し、関係機関や地域住民と連携して、ため池の保全に協力をしていきたいと考えています。
●河川管理施設は、国民の生命財産を守る重要な施設であることから、常にその機能が万全に発揮できるよう、日頃から維持管理が必要だと考えています。例えば、加古川大堰の維持管理については、電気施設等においては毎日、堰の堤体等土木施設については2カ月に1回の点検を実施しています。
●河道の維持管理における土砂管理については、定期的な測量および、洪水後速やかな測量を行い、適切な土砂管理に努めています。樹木の管理については、輪伐という方法をもって維持管理を進めていきたいと考えています。
●堤防の除草については年2回の除草を実施しており、パイロット的に堆肥化し農業への有効利用を行っています。
●危機管理については、(1)河川管理者と、関係団体との連携、(2)安全な河川管理施設の運用、(3)平常時・災害時の情報提供、(4)防災施設の整備 を行っています。
●地域と連携した河川管理について現在、河川愛護モニター、リバーカウンセラー、地域活動やボランティア活動による河川清掃等、地域の皆様と連携した河川管理を行っています。河川管理を通じて、地域の方々が河川に来て、河川管理施設について知ってもらうことから、地域での河川管理を行っていく意識の向上を図りたいと考えています。
●兵庫県では平成16年災害を踏まえ「ひょうご治山・治水防災実施計画」を策定し、河川管理者だけで河川の治水を行うということではなく、流域の治山、ため池、海岸も含めて流域が一体となり、農林、水産、土木を含めて総合的に取り組みを進めています。森林災害の予防対策として、緊急防災林整備事業を行っています。森林だけに限らず、老朽化したため池も含めて、流域全体での治水力の向上に努めていきたいと考えています。

【意見および質疑応答】

○資料「ため池について」のため池の役割はそのとおりだと思います。ため池の役割に、冷害を防ぐために、ため池の水を太陽光線により温め、田植え水としてふさわしい30℃前後にするという「水温上昇の役割」も加えておいていただきたい。(池本委員)
○流木について、山から流れる流木の量と河川に生えている樹木の割合は、どの程度でしょうか。緊急防災林整備事業は、5年間の整備で終わりですか。(服部委員)
→(河川管理者による回答) 流木について定量的に把握していません。緊急防災林整備事業は、5年間の期間限定の施策でこれが続くのかどうかは、事業の効果も検証して、議論をして決めていくのではないかと思います。(兵庫県)
○ため池ということに対しては日常から非常に興味を持っています。上流の方は全くため池に頼るしかないということで、東条地区や吉川地区は山田錦の本場ですので、水というのは死活問題になっています。(土肥委員)
○危機管理あるいは洪水管理のところで、管理目標を平成16年の洪水に置くという話はそうなっていると思うのですが、管理目標を超えるような超過洪水については、何か考えていますか。(神田委員)
→(河川管理者による回答)今回の資料にまとめた危機管理対策が、超過洪水対策になっているという理解をしています。
○ソフト対策も非常に重要ではあるが将来的にはハード面を考えた超過洪水対策も必要と思います。ソフト面は実際やると非常に難しい。市町の防災計画とリンクされたら有効と思います。(神田委員・中瀬委員長)
○降れば大雨、降らなければ渇水になるということを踏まえ河川の整備のあり方をもう少し検討していく必要があると思います。(畠山委員)
○気象庁のアメダスデータ、ゲリラ豪雨予測とのリンクも可能性として協議されたい。(中瀬委員長)
○都賀川での警報のノウハウのご説明をお願いします。(中瀬委員長)
→(河川管理者による回答)都賀川では注意報・警報が発令された段階で、ラジオ電波を使って回転灯を回すシステムを採用しています。また、環境教育、チラシ等で、河川は常に危険であるという認識を地域の方々に持っていただき、地域の方々との連携で河川の安全利用に努めていきたいと思っています。(兵庫県)
○私などがしないといけないことは、一生懸命に山を整備して、いかに水源地に水を長くとめておくかに力を注いでいかないといけないと思います。(山口委員)
○大堰では、平常のごみを取るのか、放流しないといけないときに、上から流れてきた材木的なものを緊急に取っているのか、その中で流木がどれくらいあるかお聞きしたい。(播本委員)
→(河川管理者による回答)出水後にまず取ります。平常時についても、流れてきた物については取っています。
○樹木なのか化学製品のごみなのか比率もできる限り調べてください。(中瀬委員長)
○昭和57年富士川鉄橋流出事件を念頭に(高砂尾上間の)山陽鉄橋の危険性の度合いを教えて頂きたい。(田辺委員)
○雑草や輪伐で出てくるもの、大堰の材木を入れると加古川の総合的なリサイクル仕組みが提言できるかもしれない。ここの哲学を出せというのは、山からの木がどう入るか、水がどう出るか、それをどう使うのか、加古川流域で「入」と「出」の話を、イントロダクションの部分で書いていただきたい。(中瀬委員長)

 4.河川環境の内容について

【説明概要】

河川管理者より、河川環境の内容について説明が行われました。概要を以下にまとめます。
●加古川における多様な生物の生息・生育の場としては、瀬・淵、わんど・たまり、礫河原、水際植生、河口干潟が重要であると考えています。
●過去と比較をして、減少傾向にある瀬・淵やわんど・たまり、面積が大幅に縮小している礫河原については多様な環境を形成する非常に重要な場所だと考えており、再生を図っていきたいと考えています。また、過去から大きな変化が見られない水際植生や、局所的な変化は見られるものの、大きな変化は見られない河口干潟については、保全をするという形で河川の整備を進めていきたいと考えています。
●河川の連続性(魚類・甲殻類)について、古新堰堤、加古川堰堤、加古川大堰、河合頭首工は、生物の移動の支障となる可能性がある堰と考えています。加古川に生息するすべての魚類・甲殻類が加古川全川を自由に降下、遡上できることをめざして、遡上状況などの調査により、実態の把握に努め、魚が上りやすい魚道を検討、改築を行っていきたいと考えています。
●河川の連続性(人の往来の連続性)については、加古川の舟運の歴史を踏まえ、町づくりと一体となった河川整備というものを検討していきたいと考えています。
●地域と河川とのかかわりの中で、親水性については、水辺に人が集まる施設(河川公園やグラウンド等)の機能維持を図り、川でしかできない水辺に親しむための施設は、今後より一層の充実を図っていきたいと考えています。また、環境におけるモニタリングについては、今後、地域の住民と河川管理者が連携をしてモニタリングを実施していきたいと考えています。これらを踏まえて、地域と河川のかかわり合いの今後の方向性については、「まもる」「つくる」の分野において、河川管理者が主となって実施していましたが、今後は地域の方の力を借りて、地域住民、地域で活動されている方々、河川管理者とが一体となって取り組んでいきたいと考えています。
●環境教育、環境学習については、これまでも出前講座等で実施してきているところですが、引き続き実施をしていきたいと考えています。
●水質については、環境基準点で環境基準を満足しているという現状で、この良質な水質を守り、もしくは向上させ得るため取り組みを進めていきたいと考えています。
●外来種については、継続的な調査や在来種の影響を小さくするための防御等の取り組みが重要であると考えています。また、啓蒙、啓発・広報が重要と考えています。
●河川景観については甌穴や闘竜灘について配慮して河川整備を進めていきたいと考えています。

【意見および質疑応答】

○瀬や淵が少なくなってきたり、わんどがなくなってきた原因をそれぞれの場所、あるいは空間で分析しないと、復元するといってもなかなかうまくいかない気がする。また、土木構造物自身が長い年月の間に、生物生息空間を形成することになるというご提案。(神田委員・中瀬委員長)
→(河川管理者による回答)かつて瀬とか淵とかがあったところ、あるいはわんどとか、たまりがあったところというのは、もともとの自然の営力として、つくりやすいのではないのかと思っています。
○生物多様性保全の中に希少種の保全であるとか連続性というような問題がたくさん配置されているように全体をまとめたほうが、「生物多様性加古川戦略」というような流れがはっきりわかるのではないかと思います。また、継続的な調査データを整理していただければと思います。(服部委員)
○瀬・淵で遊ぶ子どもの姿が見えることが親水の基本ではないかなと思います。(田下委員)
○全国では魚道や魚が上りやすいような状況が研究されておりますので、ご研究いただきたいと思います。加古川でぜひ子どもたちが遊べる場所が戻ってくるように整備が必要ではないかと感じています。(畠山委員)
○今は自己責任や、役所の管理責任だと言っているが、すごくあいまいなため、どういうリスクがあって、誰がどう分担するのか、リスク分担表的なものをぜひ試行的に考えてください。(中瀬委員長)
○外来種のところで「防除等の取り組みの必要性の検討」というのがあるのですが、「必要性を検討する」というのではなくて、「取り組み自体を検討する」でよいと思います。国交省は全面的に農薬の使用というのは禁止していますが、選択的農薬の使用は考えられないでしょうか。(服部委員)
○放流アユと自然に上がってるアユも全部一緒に表現されている気がする。マーキング放流して、直上で再捕獲、こういった試験的な取り組みが必要だと思います。次の調査の折にはマーキングということでお願いしたいと思います。(増田委員・中瀬委員長)
○外来種の概念は、地域固有の遺伝子を乱さないようにしようというニュアンスの言葉をぜひまた増田委員、服部委員等々にご確認ください。(中瀬委員長)
○全部が景観であるため、トータルに物事をとらえて景観といってほしいです。礫河原というのを日本固有の伝統的景観の原点だというのを入れてもらいたい。(中瀬委員長)

 5.傍聴者からの発言

○地域のため池、あるいは水路といったものをテーマにして、地域づくりの視点で取り組みを進めています。特に今年度は加古川をテーマにした取り組みを考えており、加古川を使う、守る活動を進めていきたいなと思っています。よろしくご協力お願いいたします。

 6.今後の予定

次回、第10回流域委員会は、欠席の委員の方に確認させていただいて決定します。


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